JPH0320526B2 - - Google Patents

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JPH0320526B2
JPH0320526B2 JP56141612A JP14161281A JPH0320526B2 JP H0320526 B2 JPH0320526 B2 JP H0320526B2 JP 56141612 A JP56141612 A JP 56141612A JP 14161281 A JP14161281 A JP 14161281A JP H0320526 B2 JPH0320526 B2 JP H0320526B2
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JP
Japan
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water
strait
area
inner bay
exchange
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JP56141612A
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Asafu Gado
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SORUMATSUTO SHISUTEMUZU Ltd
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SORUMATSUTO SHISUTEMUZU Ltd
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Publication date
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Publication of JPS57119003A publication Critical patent/JPS57119003A/ja
Publication of JPH0320526B2 publication Critical patent/JPH0320526B2/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28DHEAT-EXCHANGE APPARATUS, NOT PROVIDED FOR IN ANOTHER SUBCLASS, IN WHICH THE HEAT-EXCHANGE MEDIA DO NOT COME INTO DIRECT CONTACT
    • F28D20/00Heat storage plants or apparatus in general; Regenerative heat-exchange apparatus not covered by groups F28D17/00 or F28D19/00
    • F28D20/0034Heat storage plants or apparatus in general; Regenerative heat-exchange apparatus not covered by groups F28D17/00 or F28D19/00 using liquid heat storage material
    • F28D20/0043Heat storage plants or apparatus in general; Regenerative heat-exchange apparatus not covered by groups F28D17/00 or F28D19/00 using liquid heat storage material specially adapted for long-term heat storage; Underground tanks; Floating reservoirs; Pools; Ponds
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/14Thermal energy storage

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  • Thermal Sciences (AREA)
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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Treatment Of Water By Ion Exchange (AREA)
  • Physical Water Treatments (AREA)
  • Farming Of Fish And Shellfish (AREA)
  • Heat Treatment Of Water, Waste Water Or Sewage (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、水に熱を季節的に貯蔵する方法及び
その装置に関する。
例えば、熱ポンプなど、ある種のエネルギー変
換プロセスは、一定温度の熱源さえあれば稼動す
るのであるから、冷寒地域において、低温度の熱
であつても大量に利用できるならば、加熱にかか
わる多くの問題を実際的に解決することが可能に
なる。従来考えられた技術の一つによれば、湖に
閉じて隔離した区域を区画するため、垂直に浮揚
するカーテンが使用され、この区域を浮揚するカ
ーテンの断熱ブロツクのバリアーで覆うことによ
り低温度の熱源を湖に貯蔵することが提案されて
いる。例えば、原子力発電所或いは火力発電所か
らの温廃水が上述区域上部へ放入されたとすれ
ば、夏季にこのカーテンのバリアー内部に集めら
れた比較的暖い水は、例えばスウエーデンなどの
北方諸国では冬季の為に大量の温水として貯蔵さ
れることになる。この場合、浮揚するカーテンの
バリアーは周囲空気中に伝導・放射する熱損失を
減少させる役割をなす。
このような方法の基本的な難点は、構造上及び
材料上の問題に加え、低温度熱源のそばの水中に
熱貯蔵のバリアを人工的に形成する必要があるこ
とであつて、このことは必ずしも実現可能のこと
ではない。従つて、本発明の一つの目的は、水中
に隔離区域を形成することなく、即ち、加熱水を
貯蔵するため、断熱のカーテンを浮揚させるとの
隔離区域が形成される必要なく、水中に季節的に
熱を貯蔵するための新規ですぐれた方法及び手段
を提供することである。
本発明によれば、比較的塩分濃度の高い外洋水
域を海峡で接続し、河川からの水の流入もしくは
降雨の水により、特に、上層が比較的塩分濃度の
低い内湾水域において、水に熱を貯蔵し、夏季に
は外洋水域の水と内湾水域の水との交換を促進さ
せ、冬季には前記水の交換が抑制させられること
を特徴とする熱の貯蔵方法及びその装置が提供さ
れることにある。夏季においては、外洋水域の水
と内湾水域の水の交換が促進されるため、外洋水
域の比較的暖かく塩分濃度の高い水が海峡を通過
して内湾水域の底に流入する。冬季においては内
湾水域の水と外洋水域の水の交換は抑制され、夏
季の水の交換により内湾水域の下層に暖かい比較
的塩分に富む水が留められ、この暖水は冬季に利
用でき、比較的塩分濃度の低い水の表面層によつ
て熱損失が保護される。このように貯蔵された熱
は、その温度を有用な水準まで上昇させ、熱ポン
プなどの種々のエネルギー変換方法に利用でき
る。
塩分濃度の高い外洋水域と海峡で接続しており
比較的塩分濃度の低い淡水の流入のされる内湾水
域は、世界中に存在し、例えば、バルチツク海、
スカンジナビアの深いフイヨルド、及び世界中の
広い河口を有するところはこの種の内湾水域であ
る。上述の如き内湾水域においては、例えば、川
から水がそそいだり、降雨の水が潜入したりする
ことによる塩分濃度の低い淡水の流入量はその蒸
発量よりも大きくなり、その結果、海峡には二つ
の流動層が形成される。その二つの流動層のうち
上層は内湾水域に流入する塩分濃度の低い淡水
と、この淡水と混合する内湾水域の底からの塩分
濃度の高い水とが合流したものであつて、水面
(表面)近くを内湾水域から外方に、即ち、外洋
水域へ流動する。
この上層の下方において、下層は塩分濃度の高
い外洋水が海峡を通つて内湾水域下方に流れ、上
記塩分濃度の低い上層の水の流れと反対方向に流
れる。これら対流方向に流れる二層の間には実質
的には境界が形成され、その境界面である中間層
が存在することになる。
海峡を通過して外洋水域にむかう上層流を生じ
させる流動圧力は、外洋水域の水面に較べ内湾水
域の水面が高いために起る。このように高い水面
は塩分濃度の低い水の流入、即ち、川から内湾水
域への流入によつて生じ、上層流を生起させる高
さの差となる。海峡を通過して内湾水域に入る下
層流を生じさせる流動圧力は、内湾水域外部の或
る深さの水と内湾水域自体のそれと同じ深さの水
との流動圧力の差によつて生ずる。なお、河口に
おける二層流の理論については、STOMMEL、
FARMER共著によるJournal of Marine
Research (11巻、205−214ページ、1957年刊)
に、また海峡については、AS−SAF、HECHT
共著によるDeep Sea Research (21巻、947−
948ページ、1974年刊)に記載されている。
二層流が生じている海峡と接続している内湾水
域においては、交換量(即ち、二層流のうち下層
の内湾水域へ入る水量)は内湾水域における混合
の程度によつて限定される。このような混合は、
水面における風の作用及び潮の干満によつて生
じ、混合の程度が大きいほど海峡を通過する水の
交換の程度が大きくなる。この状態では内湾水域
は不十分な混合状態ということができる。外洋水
域と内湾水域との水の交換が最大値に達するま
で、その混合の程度が増大した時には、より強い
混合が行われたとしても上記水の交換の程度に影
響を与えない。このような場合、混合は海峡によ
つて制限され、内湾水域は過混合状態にあるとい
うことができる。
本発明の基本的な概念は、夏季に内湾水域の水
と外洋水域の水の交換を促進し、冬季に抑制する
ことによつて明細書記載のような閉じた内湾水域
に比較的暖かい水を貯蔵することにある。海峡の
気象条件、及び地理的条件で混合状態が不十分状
態である時には(即ちスカンジナビアのフイヨル
ドの如く、深くて狭い内湾水域である場合には)、
水の交換は夏季に内湾水域の底部の水と水面の水
とを人工的に混合することによつて促進すること
ができ、冬季に内湾水域の底部の水と水面の水と
の混合を抑制することによつてなされる。内湾水
域が過混合の状態である場合には、あるいは、混
合状態が不十分である場合にあつても、水の交換
は海峡の深さを調整することによつてコントロー
ルしうる。水の交換は、夏季に海峡の深さを増加
させることによつて促進され、冬季に海峡の深さ
を減少させることによつて抑制される。
冬季に海峡の深さを人工的に減少させることに
よつて内湾水域と外洋水域との水の交換が抑制さ
れる場合には、内湾水域へ河川からの淡水が流入
することによつて内湾水域の塩分濃度が減少し、
それにより海峡の底部には人工的な抑制域の内外
で比較的大きな流動圧力差(外洋水域が内洋水域
より高い圧力)が生ずる。夏季にはこの人工的な
抑制がとりはずされ、海峡の深さを増大すると、
この流動圧力差は、内湾水域の底の塩分濃度の低
い水といれかわる暖かい塩分濃度の高い水の量を
最大限とするのに役立つ。このようにして多量の
熱が冬季のために貯蔵される。
実施の一態様においては、海峡は一年中開いた
ままにしておき、海峡の深さのみを上述の如き態
様で季節と共に変化させるようにする。冬季に海
峡の底を人工的にバリアーによつて区画し、完全
に密閉することは必要ではなく、実際上は、海峡
の下層のみを遮蔽するものであればよい。即ち、
浅すぎるような海峡の場合、内湾水域の水と外洋
水域の水の交換を保持するためには、海峡の深さ
を増加して夏季における所望の水の交換をなしう
るようにし、冬季にはバリアーを人工的に設けて
海峡の深さを減ずるようになることもできる。
次に、本発明を添付図面を参照しつつ更に詳細
に説明する。
第1図に関し、10は河口のある内湾水域を示
す。特に、内湾水域10は湾底11により区画さ
れており、湾底11は比較的深い湾底部分12と
浅い湾底部分13からなり、浅い湾底部分13は
海峡を形成している。この海峡は、内湾水域10
の水と、その水よりも比較的に塩分濃度の高い外
洋水域14の水とを接続している。15は塩分濃
度の低い淡水を内湾水域10にそそぐ河口であ
る。内湾水域10に入る塩分濃度の低い淡水は集
積して増大し、その増加量は内湾水域から蒸発す
る水の量よりも多い。
第1図に水の流動状態を観察することができ
る。内湾水域に入る河川からの淡水は内湾水域の
深い部分の塩分濃度の高い水と混合する。混合
は、中間層、いわゆる混合域16で起る。河川か
らの淡水と内湾水域の深い部分の塩分濃度の高い
水との混合によつて生じた混合水は、海峡13の
上層流17として流出し、その流動はq1として示
される。外洋水域14からの塩分濃度の高い水
は、海峡を通過する上記上層流17の下に下層流
18として流入し、それにより内湾水域10の水
と外洋水域14との水の交換が行われ、この下層
流18の流動はq2で示される。
下層流18よりも厚さの薄い上層流17の流動
は、河口15から内湾水域へ淡水をそそぐ場合、
その水面レベルが外洋水域14の水面レベルより
も高いために生ずる。外洋水域の塩分濃度は内湾
水域の水の塩分濃度よりも高く、外洋水域の流動
圧力は内湾水域における同じ深さ位置の流動圧力
よりも高い。その結果、この流動圧力差によつて
下層流18の流動がおこる。
多くの内湾水域における、海峡を通過する水の
流動は、その流動速度が上層流17と下層流18
との境界面の速度を越えない場合、内部フルード
条件に鑑み限界のあることがわかつている。即
ち、流動が生じても次の条件を越えなるこはな
い: (1) U1 2/(g′D1)+U2 2/(g′D2)=1 上式においてU1は海峡における上層流17の
外洋水域への速度であり、U2は下層流18にお
ける内湾水域へ向かう水の速度であり、D1及び
D2はそれぞれ海峡における上層流17及び下層
流18の深さであり、g′は上層流に関し下層流の
重力減(即ちg′はg′Δgρ/ρに等しい)であつて、
ρは標準濃度でありΔρは二層間の塩分濃度差で
ある。
先述文献からわかるように、方程式(1)における
限界流動条件に、内湾水域の水、塩分及び熱のバ
ランスを考慮すると、次の海峡に関する式が得ら
れる: (2) 1/(1-n)3+s2/n3=(s-1)3/FP 式中=D1/D1+D2、s=s1/s2 s1……内湾水域の表面水の塩分濃度 s2……その深層部水の塩分濃度 s……塩分濃度比率 また量FPは次の通りである: (3) FP=(mp 2)(s)/ρ-2A2g(D1 +D2)(αsS2+aThS) 式中mpは内湾水域へ流する淡水の正味流量
(Kg/秒)、Aは海峡の横断面積、h=T1−T2
H/cpmp、cpは水の定圧比熱、T1及びT2は二つ
の層の温度、Hは内湾への熱量流、αs=(1/s)
(dp/ds)、αT=(1/s)(dp/dT)である。
この海峡に関する式は非三次元式であつて、境
界面の深さnに対する塩分濃度比率sに関するも
のである。なお、s2は外洋水域の塩分濃度の係数
であり、係数mp及びhとともに、季節によつて
変化する係数であり、一方、係数(D1+D2)及
びAは海峡構造によつて変化する係数である。従
つて、所定の季節条件及び海峡条件に対しての方
程式(2)がsとnとの関係で得られることになる。
そして、式(2)を満足するsとnの数値の対の関係
は無数にあることになる。しかしながら、垂直方
向における混合率によりsとnの数値は自ずから
決定されることになるが、このような混合率は、
風及び潮の干満の作用による内湾水域に加えられ
る運動エネルギーの量に依存され、また、所定の
内湾水域についてはその混合深さDの位置エネル
ギーが関係する。混合深さDが内湾水域の平均深
さよりも浅い場合、この内湾水域は“不十分な混
合状態”にあるということができる。混合の程度
が大きいほど、即ち、混合深さDが深いほど、外
洋水域と内湾水域との水の交換の程度が大きい。
即ち、内湾水域で行われる混合の程度を大きくす
るためには、q1(上層流の流量)とq2(下層流の流
量)とを大きくすればよい。
混合深さDが内湾水域の平均深さに匹敵する場
合には、場合は内湾水域に全体的に行われ、内湾
水域は“過混合状態”であるといわれる。この状
態では、外洋水域と内湾水域との水の交換は最大
限に行われ、内湾水域における水の混合が更に行
われたとしても、この交換に変動を与えることは
ない。従つて内湾水域が過混合状態である時に
は、外洋水域と内湾水域との水の交換は完全に海
峡それ自体にコントロールされる。
本発明の基本的な概念は一年の各シーズンの函
数として外洋水域14と内水域10との水の交換
を選択的にコントロールすることにある。即ち、
その水の交換は海水が比較的暖かい夏季に促進さ
れ、冬季に減少する。このようにして、内湾水域
10の水は夏に比較的暖かい海水と交換され、こ
の海水は夏の終りに交換が終つた時にそのまま内
湾水域に留められる。従つて冬期には、河川等に
よる淡水の層が内湾水域の表面に位置するため、
輻射熱及び伝導熱が空中に放射されることなく比
較的暖かい海水が内湾水域にとどまる。北方地域
では、冬季における比較的暖かい海水と周囲空気
との温度差は20℃を越えうる。この温度差は、例
えば、水温をより有用な温度に上昇させるための
熱ポンプに使用することができる。
深くて湾口狭い内湾水域、例えば、スカンジナ
ビアのフイヨルドにおいては、塩分濃度の高い水
と淡水との自然的な混合は内湾水域においては殆
どないといいうるほどに低いレベルでしか行われ
ない。このような場合、混合域は表面から僅かに
20−30メートルのゾーンであり、一方内湾水域の
深さは600メートルのオーダーにあることがある。
浅い上方の混合ゾーンのみが夏に塩分濃度の高い
海水によつて代替されるだけである。それゆえ、
不十分な混合状態であるような内湾水域において
は、内湾水域の混合を人工的に増大させることに
よつて外洋水域と内湾水域との水の交換を促進さ
せることができる。このことを達成するための代
表的な方法が第2A図もしくは第2B図に示され
ている。
第2A図においては浅い喫水を有する浮遊コン
テナ船50が示されており、これは一本もしくは
数本の垂直管51を有する。垂直管51は直径約
10メートル、長さ約50メートル(内湾水域の深さ
及び混合域の状態による)である。夫々の垂直管
51には、圧縮空気がライン53から垂直管の開
口底部52へ吹きこまれた時に、空気リフトの役
割をなす。この場合、垂直管内の水の容積に対し
空気の量の比が約0.3以下でなければならない。
この条件のもとで泡の流れ(スラグ状物の流れと
異なる)が垂直管内に生じる。従つて、水は垂直
管の底部開口端52に入り、浮遊コンテナー船5
0中に上昇する。このように浮遊コンテナー船中
に上昇した水は垂直管開口底部52の海水の塩分
濃度が内湾水域表面より高い為、船外の水よりも
塩分濃度が高く、また、垂直管による水の上昇で
浮遊コンテナー船中の水面レベルは内湾水域の水
面レベルより数センチ高い。その結果、コンテナ
ー船中の水は第2A図の矢印で示されるように、
浮遊コンテナー船の底部及び側部に設けられた多
数の孔55から流出する。そして、好ましくは、
コンテナー船の喫水域は垂直管の全横断面積の少
くとも十倍であるのがよい。また、コンテナー船
底部の孔の直径は約2〜3cmである。このような
処理の結果による冷水の混合により、内湾水域の
深い部分の塩分濃度の高い水は表面水と混合さ
れ、かくして夏季における熱交換量が増大する。
これとは別に、第2B図に示した構成を使用す
ることもできる。この構成においては比較的低圧
のポンプ20を比較的長い垂直管21の底部に設
け、内湾水域の底に近い位置から水面に近い位置
にある垂直管の別端の室21aへ水をポンプ噴出
するようにする好ましくは、室21aがフロート
22で支持されており、内湾水域の底部の水がポ
ンプによつて室21aに入れられ、該室21aに
設けられた多数の孔23によつて水面の海水と混
合する。このポンプの駆動には比較的小さな動力
でよい。なぜなら、内湾水域の底部の水に対する
内湾水域水面の水との塩分濃度差に応ずる圧力差
のをポンプでつくりだせばよいからである。かく
して、水一立方メートルあたり1/1000キロワツ
ト時、即ち、1ワツト時の出力があればよい。
垂直管底部に設けられたポンプにより内湾水域
底部から水面へ水をポンプ上昇させる第2B図に
示す構成のかわりに、垂直管の頂部にポンプを配
置することにより、内湾水域水面の水を内湾水域
底部へ送り込むようにすることもできる。
ところで、海峡の湾口が狭いか、あるいは浅
く、かつ淡水量が膨大である時には、外洋水域と
内湾水域との水の混合による熱貯蔵が異つた態様
をとり、その混合により夏の海面温度は低下す
る。海面温度の低下により、海の季節的な熱貯蔵
量は増大する。即ち、表面温度が調整されていな
い場合には、海はより多くの熱を太陽から吸収す
ることができる。この効果はバルチツク海と関連
して説明される。即ち、夏季における表面混合
は、バルチツク海においては、海の表面温度の低
下につれ直接的に熱貯蔵量が増加する。また、こ
の結果に伴い、海面からの熱放射量は減少する
(水面が冷えているほど熱を大気中に放射しな
い)。その結果、正味の季節的熱貯蔵量は増大す
る。
例えば、日本の内海などある地域においては、
夏季に海の表面温度を低下させることによつて海
岸地域の温度も低下し、それに伴つて空気調整の
負担も減少する。
夏季における水の交換を促進するため人工的な
混合を行うような内湾水域においては、冬季に人
工的な水の混合を停止することによつて、大量の
比較的暖かい海水が内湾水域に留まり、水の加熱
に使用することができる。
上述したような多くの内湾水域においては、外
洋水域と内湾水域との水の交換は、季節の函数
と、海峡の深さを変化させることにより十分コン
トロールがされる。例えば、夏季に海峡の深さを
増加させることにより水の交換が促進され、冬季
に海峡の深さを減少させることによつて交換が抑
制される。
海峡の深さのコントロールについては、以下に
説明するように第3図及び第4図に図示されてい
る。第3図に示すように、海峡の喉部を横断して
延び、垂直方向に移動自在のバリアー(障壁)3
0が海峡底部に設けられている。このバリアー
は、海峡の底部を遮蔽し外洋水域14と内湾水域
10との水の実質的な交換をさえぎるよう伸縮自
在である。第3図に示すバリアー30の位置は冬
季におけるものであつて、内湾水域が夏季から暖
かい水を収容している状態を示す。適当に垂直管
等を配設することにより(図示せず)、内湾水域
底部からの暖水は例えば、熱ポンプ31などのエ
ネルギー変換系へ供給する。あるいはエネルギー
変換系は、本特許出願の出願人により特開昭56−
75979号公報に開示された種類のスプレーリフト
であつてもよい。
第3図に示すように、内湾水域への河川等から
の淡水の流入によつて海峡を外洋水域へ移動する
水の流動が生じ、このような流出量の大きさは、
淡水の正味流入量に実質的に等しい。先述の如
く、内湾水域上層流の比較的塩分濃度の低い水は
内湾水域部のより暖かく、かつより塩分濃度の高
い水に対して絶縁効果を発揮する。
第4図に示すように、バリアー30は夏季には
下方に降下しており、外洋水域14と内湾水域1
0との水の交換が行われるようになつている。こ
の状態は、内湾水域が比較的暖かい海水によつて
完全に満たされるまで夏季中、そのままである。
バリアーの好ましい態様は第5図〜第7図に図
示されている。特に、バリアー30Aは海峡の幅
方向に延びる不透過性で可撓性のある材料よりな
るシート31であつて、その上端が長いフロート
34で支持されている。バリアーの下端32はお
もりをつけられており、それにより、ケーブル3
5によつて海峡底部13Aの位置33でフロート
34が碇着された時に開口36が形成されるよう
になつている。開口36は海峡の幅方向に拡がつ
ており、内湾水域と外洋水域とをつなぐ流路を形
成している。この状態で内湾水域への淡水の正味
流入量は内湾水域の表層にたまり、その結果、内
湾水域の水は外洋水域14の水に軽べ、より塩分
濃度が低く、より軽量となる。夏季には、ケーブ
ル35はゆるめられてバリアー30Aを解除され
るか、降下するようにして海峡の深さを増大する
かして、外洋水域と内湾水域との水の交換を促進
するようにする。この状態は第6図に示されてお
り、この場合には、海峡に上層流q1と下層流q2
二層の流れが生じている。この期間中、比較的暖
かい外洋水域の水と内湾水域の底の水とが交換さ
れる。
冬季には、フロート34が海峡の水面直下にく
るようにして、その下端32を海峡底に碇着させ
る。海峡を通過する水の流動は内湾水域へ淡水の
流入により生ずる。(第7図) 本発明の方法及びその装置により得られる利点
及び好ましい結果については、実施態様について
の先述説明から明らかであると考えられる。ま
た、本発明の精神及び特許請求の範囲を逸脱する
ことなく種々の変更及び修正がなされうることが
理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、外洋水域と内湾水域とが不十分な混
合状態となつている内湾水域を説明するため横断
面図;第2A図は、内湾水域底部に圧縮空気を噴
入して内湾水域の状態を変化させる為の内湾水域
の一部横断面図;第2B図は第2A図において、
低圧ポンプが使用されている内湾水域の一部横断
面図;第3図は、冬季に外洋水域と内湾水域の水
の交換を抑制する状態を示す内湾水域を説明する
ための横断面図;第4図は第3図と同様、夏季に
おける内湾水域を説明するための横断面図:第5
図は、内湾水域の塩分濃度減少を促進するため内
湾水域と外洋水域との水の交換を抑制する機構実
施態様図;第6図第5図と同様に水の交換が促進
されるようにする実施態様図;及び第7図はその
水の交換を阻止するようにする実施態様図であ
る。 10……内湾水域、12……底部、13……海
峡、14……外洋水域、15……河川、16……
混合ゾーン、17……上層流、18……下層流、
50……浮遊コンテナー船、51……垂直管、5
2……開口管底、30……バリアー。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 比較的塩分濃度の高い外洋水域と海峡で接続
    しており、河川から水の流入もしくは降雨水によ
    り比較的塩分濃度の低い淡水を上層に有する内湾
    水域において、水に熱を保蔵する方法であつて、
    夏季には外洋水域と内湾水域との水の交換を促進
    させ、冬季には前記水の交換を抑制させることを
    特徴とする内湾水域に熱を季節的に貯蔵する方
    法。 2 上記夏季における水の交換が、人工的に海峡
    の深さを増大させることによつて促進され、冬季
    における水の交換が、人工的に海峡の深さを減少
    させることによつて抑制される特許請求の範囲第
    1項記載の内湾水域に熱を季節的に貯蔵する方
    法。 3 上記夏季における水の交換が、内湾水域の底
    部の水と水面域の水を人工的に混合させることに
    よつて促進される特許請求の範囲第1項記載の内
    湾水域に熱を季節的に貯蔵する方法。 4 上記冬季における水の交換が、内湾水域の底
    部の水と水面域の水との人工的な混合を抑制する
    ことによつて抑制される特許請求の範囲第1項記
    載の内湾水域に熱を季節的に貯蔵する方法。 5 特許請求の範囲第2項記載において、海峡の
    深さが、海峡の幅方向に延び、かつ海峡の垂直方
    向へ可動なバリアーによつて人工的に増減される
    ことを特徴とする内湾水域に熱を季節的に貯蔵す
    る方法。 6 夏季には前記バリアーが海峡から取り外ずさ
    れ、又はバリアーの上端を海峡底の近くに位置さ
    せることによつて海峡の深さを増大させることを
    特徴とする特許請求範囲第5項記載の内湾水域に
    熱を季節的に貯蔵する方法。 7 冬季には前記バリアーの上端を水面近くに位
    置させることを特徴とする特許請求の範囲第5項
    記載の内湾水域に熱を季節的に貯蔵する方法。 8 熱の貯蔵の為に内湾水域と外洋水域との水の
    交換を海峡で季節的に調整する装置であつて、 (イ) 海峡を横断して延びる長い下方端を有する不
    透過性材料シートと、 (ロ) 該シート下方端の幅方向全体にわたつて、海
    峡底ととりはずし自在に固定する碇着手段と、 (ハ) 海峡水面下に前記シートを浮揚支持するため
    に該シートの上端縁に沿つて取付けられたフロ
    ートと、 を有し、前記フロートが海峡の水面下に位置され
    ることによつて内湾水域と外洋水域との水の交換
    を遮蔽せしめる内湾水域と外洋水域との水の交換
    を海峡で季節的に調整する装置。 9 熱の貯蔵の為に内湾水域と外洋水域との水の
    交換を海峡で季節的に調整する装置であつて、 (イ) 海峡を横断して延びる長い下方端を有し、そ
    の下端にはおもりを有して海峡中に保持される
    不透過性材料シートと、 (ロ) 該シートの上端縁に沿つて取付けられ海峡の
    水面上に浮揚するフロートと、 (ハ) 該フロートを海峡底に碇着するケーブルと、 を有し、シート下端と海峡底との間に内湾水域と
    外洋水域との水の流れる開口を形成してなる内湾
    水域と外洋水域との水の交換を海峡で季節的に調
    整する装置。 10 内湾水域と外洋水域との水の交換が海峡で
    選択的に調整されるため、内湾水域の水を混合す
    る装置であつて、 (イ) 内湾水域に浮び、底部に多数の孔を開口した
    浮遊コンテナー船と、 (ロ) 上端を前記浮遊コンテナー船内に開口し、下
    端を内湾水域の深い部分に到達せしめた1又は
    複数の長尺な垂直管と、 (ハ) 該垂直管を通して内湾水域の深い部分の塩分
    濃度の高い水を浮遊コンテナー船内へ揚水せし
    める揚水手段とを有してなる内湾水域に熱を季
    節的に貯蔵する装置。
JP56141612A 1981-01-14 1981-09-07 Method and apparatus for preserving heat in water seasonally Granted JPS57119003A (en)

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