JPH0320096Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は射出成形機において、成形作業の中断
または終了時等に、射出用スクリユが回転する加
熱シリンダ内に残留した樹脂を機外へ排出する樹
脂排出装置に関するものである。

〔従来の技術〕

プラスチツク用の射出成形機は可塑化方式によ
りスクリユ式とプランジヤ式とに分類される。第
４図はスクリユ式射出成形機の一部破断概略側面
図であつて、これを同図に基いて説明すると、マ
シンベース１上には、一対の固定盤２，３が４隅
をタイロツト４で連結されて立設されており、タ
イロツト４には、固定盤２側の型締シリンダ５に
よつて固定盤３に対する遠近方向へ進退する可動
盤６が支持されている。７，８は固定盤３と可動
盤６とにそれぞれ装着された固定金型と可動金型
であつて、分割面９で分割されたキヤビテイ１０
を備えており、可動盤６の進退により型締、型開
されるように構成されている。一方、マシンベー
ス１上には、全体を号１で示す射出装置がスライ
ドベツド１２を介して進退自在に支持されてお
り、射出装置１１全体は、図示しない駆動装置で
駆動されて固定盤３に対する遠近方向へ進退する
ように構成されている。射出装置１１は、スライ
ドベツド１２に固定された射出シリンダ１３と、
周面にヒータ１４が装着された円筒状の加熱シリ
ンダ１５とを備えており、射出シリンダ１３の油
圧で進退するピストンロツド１６には、スクリユ
１７がカツプリング１８を介して回転自在に連結
されている。スクリユ１７は加熱シリンダ１５の
内孔にねじ部を回転かつ進退自在に嵌入されてお
り、射出シリンダ１３によて進退するとともに、
回転駆動装置１９によつて回転するように構成さ
れている。そして、加熱シリンダ１５は射出装置
１１全体の前進によつて固定盤３のスリーブ孔２
０内に係入され、射出装置１１全体の後退により
ノズル孔２０から抜け出して固定盤から離間する
ように構成されている。２１はこれに投入された
樹脂２２を加熱シリンダ１５内へ供給するホツパ
であり、２３は溶融樹脂用の通路である。

以上のように構成された射出成形機の動作を説
明する。型締シリンダ５により可動盤６を前進さ
せて金型７，８を型締し、ホツパ２１から加熱シ
リンダ１５内へ供給した樹脂２２をヒータ１４で
溶融させる。そして、スクリユ１７を軸方向へ静
止させたまゝ回転駆動装置１９で回転させると、
そのねじ作用により加熱シリンダ１５内の溶融樹
脂がシリンダ先端部へ移動し、その圧力によつて
スクリユ１７が後退する。この後退量によつてス
クリユ１７前方の樹脂量が計量され、制御装置を
介して射出シリンダ１２のピストンロツド１６が
前進するので、スクリユ１７前方の溶融樹脂は、
加熱シリンダ１５先端のノズル２４から押出され
たのち、通路２３を経てキヤビテイ１０内へ射出
される。この射出樹脂がキヤビテイ１０内で固化
して冷却されると、可動盤６を後退させて型開を
行ない、図示しない製品押出装置によつてキヤビ
テイ１０内の製品を押出して機外へ取出す。

このような射出動作を繰返したのち、一日の作
業終了時や射出製品の変更を行なうときなどに
は、図示しない駆動装置でスライドベツド１２を
後退させて射出装置１１全体を後退させ、加熱シ
リンダ１５をノズル孔２０から抜いて固定盤３か
ら離間させる。そして、射出シリンダ１３のピス
トンロツド１６を前進させるとスクリユ１７が前
進し、加熱シリンダ１５内のスクリユ１７前方に
残された樹脂がノズル２４から押出されて例えば
マシンベース１上に設けた台２５上等に排出され
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、このように構成された従来の射
出成形機においては加熱シリンダ１５内に残留し
た樹脂を回収する場合、上記のようにして台２５
上等に排出された樹脂をを道具を使つて掻き出さ
なければならないので、面倒で労力と時間を要
し、作業性が良好でなかつた。また、特開昭59−
48739号公報で提案されているように、排出樹脂
を受け箱で受けて機外に排出するものもある。し
かし、このような構成では、受け箱を装置から頻
繁に出し入れしなければならないという煩わしさ
があるばかりか、一旦受けた樹脂をさらに受け箱
から取り出すという作業も必要となり作業性がき
わめて悪い。

〔問題を解決するための手段〕

このような問題点を解決するために本考案では
横射出型射出成形機の固定盤とそのノズル孔から
退出した加熱シリンダとの間に設けた受台上の排
出樹脂用通路内に、この通路を遮断する位置とこ
の通路から退出する位置とを選択的に占めるよう
に駆動される遮蔽板と、通路を横切るように進退
駆動される押出板のと、この押出板前進限に位置
して受台に開口するシユータとを設けるととも
に、この受台に樹脂冷却用プレートを付設した。

〔作用〕

このように構成することにより、射出作業の終
了時等に固定盤のノズル孔から退出した加熱シリ
ンダ内でスクリユを進させて残留樹脂を受台上に
排出すると、あらかじめ受台上の通路へ進入する
ように位置した遮蔽板が樹脂を衝突させて受台上
へ落下させるので、押出板を前進させると受台上
で冷却固化した樹脂が押出されてシユータ内へ排
出される。射出作業の再開時には、遮蔽板を通路
から退出させれば、加熱シリンダの前除を妨げな
い。

〔実施例〕

第１図ないし第３図は本考案に係る樹脂排出装
置の実施例を示し、第１図は退出した加熱シリン
ダ側から固定盤方向へ向つて見た樹脂排出装置の
正面図、第２図は第１図図のＡ視側面図、第３図
は第１図のＢ視平面図である。射出成形機全体の
構成は第４図に示す従来のものと同構成であるか
らその詳細な説明を省略し以下同図を用いて本考
案との関連箇所のみを説明する。固定金型７が装
着された固定盤３のノズル孔２０には、スライド
ベツド１２とともに全体が移動可能な射出装置１
１の加熱シリンダ１５が挿入されており、射出作
業の終了時や中断時等にはスライドベツド１２を
移動させて加熱シリンダ１５をノズル孔２０から
退出させるように構成されている。そして、ノズ
ル孔２０から退出した加熱シリンダ１５内のスク
リユ１７先端とノズル孔２４との間には射出され
なかつた余分の樹脂が残留している。

このような状態で退出している加熱シリンダ１
５のノズル２４と、固定盤３との間の空間部に
は、スクリユ１７の前進によてノズル２４から排
出される上記残留樹脂を受ける受台３０が、後退
する加熱シリンダ１５との干渉しないような低位
置に架設されており、この受３０上方の排出樹脂
通路内には、全体を符号３１で示す排出樹脂用の
遮蔽装置が設けられている。すなわち、前記固定
盤３の射出装置１１側平面には、２個のブラケツ
ト３２，３３がノズル孔２０の斜め上方と上方と
にそれぞれ固定されており、一方のブラケツト３
２には、遮蔽板開閉シリンダ３４が揺動自在に枢
着されている。また他方のブラケツト３３には、
シリンダ３４のピストンロツド３５の作用端に一
方の遊端部が枢着されたアーム３６が枢着されて
いる。そして、アーム３６の他方の遊端部には、
半円状の突出端縁３７ａを有する円形の遮蔽板３
７が固定されており、シリンダ３４のピストンロ
ツド３５を進退させることにより、遮蔽板３７が
第１図に実線で示す樹脂排出通路遮断位置と、鎖
線で示す通路からの退出位置との間で移動するよ
うに構成されている。また、前記受台３０の端部
上と、その外方の固定部とそれぞれ固定されたシ
リンダブラケツト３８とシリンダサポート３９と
には、押出シリンダ４０が、樹脂排出通路の側方
に位置して水平状に支持されており、そのピスト
ンロツド４１は、流体圧によりノズル２４の進退
方向と直交して受台３０近接位置を進退するよう
に構成されている。ピストンロツド４１の作用端
にはこれと直交する短冊状の押出板４２が固定さ
れており、その両端部からピストンロツド４１と
平行して延設された一対のガイドロツド４３は、
シリンダブラケツト３８の軸受部３８ａに摺動自
在に支持されている。４４はピストンロツド４３
の移動部を覆うカバーである。このように構成さ
れていることにより、流体圧でピストンロツド４
１が進退すると、押出板４２がころ４５を転動さ
せながら樹脂排出通路を横切るように受台３０に
沿つて進退する。さらに、受台３０には、図示し
ない樹脂集積場所に接続されたシユータ４６が、
第１図に鎖線で示す押出板４２の前進限近傍に開
口されており、このシユータ４６の開口部近傍に
は、樹脂冷却用のエアブローノズル４７が押出板
４２に対向して開口されている。４８は受台３０
の裏面に装着された冷却水による樹脂冷却プレー
トである。

以上のように構成された樹脂排出装置の動作を
説明する。例えば一日の射出作業終了時や、成形
品の仕様変更時等で成形機を停止するときには、
スライドベツド１２とともに射出装置１１全体を
後退させることにより加熱シリンダ１５をノズル
孔２０から抜き出す。このとき加熱ノズル１５内
のスクリユ１７とノズル２４との間には、溶融樹
脂が残つている。そこで、スクリユ１７を前進さ
せると、樹脂がノズル２４から押出されるが、こ
のとき遮蔽板３７は第１図の実線位置にあるの
で、押出された樹脂は、やゝ固化しながらその先
端が遮蔽板３７に衝突する。これにより、樹脂は
折れてノズル２４と遮蔽板３７との間の樹脂通路
を受台３０上へ落下し、冷却プレート４８で冷却
されて固化する。そこで、、押出シリンダ４０の
ヘツドエンド側へ圧力流体を送入すると、ピスト
ンロツド４１とともに押出板４２がガイドロツド
４３ところ４５とで案内されながら前進し、受台
３０上の樹脂を掻き寄せて押出す。押出板４２の
前進限位置にはシユータ４６が開口しているの
で、押出された樹脂はエアグローノズル４７から
吹出すエアでさらに冷却されたのち、シユータ４
６内へ落下して集積場へ集積される。

樹脂の排出後は押出板４２を第１図の実線位置
まで後退させ、スクリユ−１７を所定位置まで後
退させる。そして、射出作業の再開時には、シリ
ンダ３４のロツドエンド側へ圧力流体を送入する
と、ピストンロツド３５が後退し、アーム３６を
介して遮蔽板３７が第１図の鎖線位置へ退出する
ように移動するので、スライドベツド１２ととも
に射出装置１１全体を前進させ、加熱シリンダ１
５をノズル孔２０に挿入することにより、射出作
業の準備が整なう。この間すべての動作を押ボタ
ン操作等により実施することができる。

〔考案の効果〕

以上の説明により明らかなように、本考案によ
れば横射出型射出成形機の固定盤とそのノズル孔
から退出した加熱シリンダとの間に設けた受台上
の排出樹脂通路内に、この通路を遮断する位置と
この通路から退去する位置とを選択的に占めるよ
うに駆動される遮蔽板と、通路を横切るように進
退駆動される押出板と、この押出板の前進限に位
置して受台に開口するシユータとを設け、スクリ
ユの前進によりノズルから押出された樹脂を遮蔽
板に衝突させて受台上へ直接落下させたのち、押
出板で押しシユータ内へ落下させて集積回収する
ように構成することにより、加熱シリンダ内の残
留樹脂を押ボタン操作等で確実かつ容易に短時間
で回収することができるので、作業能率の向上と
労力の軽滅を計ることができる。

また、受台上に落下した樹脂は冷却プレートに
よつて冷却固化されるから、樹脂が受台上等に付
着するようなことがなく、また従来のように受け
箱を必要としないため作業能能率が一層向上す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案に係る射出成形機
の樹脂排出装置の実施例を示し、第１図は退出し
た加熱シリンダ側から固定盤方向へ向つて見た樹
脂排出装置の正面図、第２図は第１図のＡ視側面
図、第３図は第１図のＢ視側面図、第４図は従来
の射出成形機の概略側面図である。 ３……固定盤、７……固定金型、８……可動金
型、１０……キヤビテイ、１１……射出装置、１
５……加熱シリンダ、１７……スクリユー、２０
……ノズル孔、２４……ノズル、３０……受台、
３４……シリンダ、３７……遮蔽板、４０……押
出シリンダ４２……押出板、４６……シユータ、
４８……樹脂冷却プレート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 固定盤のノズル孔へ水平方向から進入させた加
   熱シリンダ内でスクリユを回転進退させ、加熱シ
   リンダ内の溶融樹脂を加熱シリンダ先端のノズル
   から金型キヤビテイ内へ射出する射出成形機にお
   いて、前記固定盤とそのノズル孔から退出した前
   記加熱シリンダとの間に前記スクリユによりノズ
   ルから排出される残留樹脂を受ける受台を設ける
   とともに、この受台上の排出樹脂通路内に、この
   通路を遮断する位置とこの通路から限出する位置
   とを選択的に占めるように駆動される排出樹脂用
   遮蔽板と、前記通路を横切るように進退駆動され
   る排出樹脂用押出板と、この押出板の前進限に位
   置して前記受台に開口する排出樹脂用シユータと
   を設け、前記受台に樹脂冷却プレートを付設した
   ことを特微とする射出成形機の樹脂排出装置。