JPH03193625A - 酸化物超電導薄膜およびその製造方法 - Google Patents
酸化物超電導薄膜およびその製造方法Info
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- JPH03193625A JPH03193625A JP2073279A JP7327990A JPH03193625A JP H03193625 A JPH03193625 A JP H03193625A JP 2073279 A JP2073279 A JP 2073279A JP 7327990 A JP7327990 A JP 7327990A JP H03193625 A JPH03193625 A JP H03193625A
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Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E40/00—Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
- Y02E40/60—Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment
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- Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
- Chemical Vapour Deposition (AREA)
- Superconductor Devices And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
- Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
本発明は酸化物超電導薄膜、及び、化学気相析出法によ
るYBa2Cu3Ov−y薄膜の製造方法に関するもの
である。
るYBa2Cu3Ov−y薄膜の製造方法に関するもの
である。
(従来技術)
YBazCuzOt−y酸化物超電導体は、液体窒素温
度以上の臨界温度を有し、冷媒として液体窒素を用いる
ことができることから冷凍機の小型化や低コスト化など
を可能とする。このため、超電導配線、電子デバイス、
光デバイス、磁気遮蔽などのエレクトロニクス分野およ
びM R’ I用マグネット、磁気浮上列車用マグネッ
ト、電力輸送ケーブル、発電機などのパワー分野への応
用が期待されている。
度以上の臨界温度を有し、冷媒として液体窒素を用いる
ことができることから冷凍機の小型化や低コスト化など
を可能とする。このため、超電導配線、電子デバイス、
光デバイス、磁気遮蔽などのエレクトロニクス分野およ
びM R’ I用マグネット、磁気浮上列車用マグネッ
ト、電力輸送ケーブル、発電機などのパワー分野への応
用が期待されている。
しかし、これらの分野に酸化物超電導体を応用するため
には、薄膜や線材などの応用上必要とされる形状に酸化
物超電導体を形成すること、臨界温度、臨界電流密度、
外部磁場に対する臨界電流密度の安定性などの超電導特
性に優れていることが要求され、薄膜においてはスパッ
タ法やレーザー蒸着法、化学気相析出法などの様々な方
法により酸化物超電導薄膜の合成と超電導特性の向上の
検討がなされている。
には、薄膜や線材などの応用上必要とされる形状に酸化
物超電導体を形成すること、臨界温度、臨界電流密度、
外部磁場に対する臨界電流密度の安定性などの超電導特
性に優れていることが要求され、薄膜においてはスパッ
タ法やレーザー蒸着法、化学気相析出法などの様々な方
法により酸化物超電導薄膜の合成と超電導特性の向上の
検討がなされている。
様々な合成方法の中で化学気相析出法は、すでに半導体
関連の分野において化合物半導体などの合成に適用され
、また従来の超電導体においては化学気相析出法による
線材の作製が報告されている。このことから酸化物超電
導体においてもエレクトロニクス分野およびパワー分野
のいずれの分野においても化学気相析出法の適用が期待
され、超電導特性の向上や安定性の向上に関する研究開
発が進められている。
関連の分野において化合物半導体などの合成に適用され
、また従来の超電導体においては化学気相析出法による
線材の作製が報告されている。このことから酸化物超電
導体においてもエレクトロニクス分野およびパワー分野
のいずれの分野においても化学気相析出法の適用が期待
され、超電導特性の向上や安定性の向上に関する研究開
発が進められている。
(本発明が解決しようとする課題)
化学気相析出法により形成されるYBa2Cu37−y
薄膜において高い臨界温度を得るためには、他の方法と
同様に薄膜の酸素量の調整が必要であり、酸素を十分に
供給するため成膜後に酸素雰囲気中での熱処理が行われ
ている。また臨界電流密度に関しては、すでにYBa2
Cu3O+−y超電導体では導電性に異方性を有するこ
とが知られており、膜の配向性を制御することが必要と
されている。このことから単結晶基板を用い、エピタキ
シャル成長させた薄膜が合成されている。しかし、これ
らの薄膜においても必ずしも高い臨界温度や臨界電流密
度が得られないことがあった。
薄膜において高い臨界温度を得るためには、他の方法と
同様に薄膜の酸素量の調整が必要であり、酸素を十分に
供給するため成膜後に酸素雰囲気中での熱処理が行われ
ている。また臨界電流密度に関しては、すでにYBa2
Cu3O+−y超電導体では導電性に異方性を有するこ
とが知られており、膜の配向性を制御することが必要と
されている。このことから単結晶基板を用い、エピタキ
シャル成長させた薄膜が合成されている。しかし、これ
らの薄膜においても必ずしも高い臨界温度や臨界電流密
度が得られないことがあった。
さらに臨界電流密度の磁場に対する安定性においては、
従来の超電導体と同様に超電導体中への磁束ピニングセ
ンターの導入が必要であり、YzBaCuOs (21
1)相やツインバウンダリー、イントリンシックピニン
グなどが酸化物超電導体におけるピニングセンターとし
て考えられている。
従来の超電導体と同様に超電導体中への磁束ピニングセ
ンターの導入が必要であり、YzBaCuOs (21
1)相やツインバウンダリー、イントリンシックピニン
グなどが酸化物超電導体におけるピニングセンターとし
て考えられている。
しかし、化学気相析出法において形成される薄膜のビン
止め機構は明らかでな(、磁場に対する臨界電流密度の
安定性に優れた薄膜は形成されているが、その薄膜を再
現性よ(安定に得ることができなかった。
止め機構は明らかでな(、磁場に対する臨界電流密度の
安定性に優れた薄膜は形成されているが、その薄膜を再
現性よ(安定に得ることができなかった。
本発明は前記した従来技術の問題点に着目してなされた
ものであり、高い臨界温度、臨界電流密度を有し、かつ
高磁場下においても臨界電流密度の高い薄膜およびその
製造方法を提供することを解決すべき課題としている。
ものであり、高い臨界温度、臨界電流密度を有し、かつ
高磁場下においても臨界電流密度の高い薄膜およびその
製造方法を提供することを解決すべき課題としている。
(課題を解決するための手段)
本発明は、前述した課題を解決するために、YBa2C
u+07−ym膜において薄膜のマトリックス部を形成
しているYBa2Cu3O7−yと配向や組成が異なり
、かつこのマトリックス部にナノメーターサイズのプレ
ート状の第二相等を分散させた薄膜とすることで、高磁
場中で高い臨界電流密度を得る。
u+07−ym膜において薄膜のマトリックス部を形成
しているYBa2Cu3O7−yと配向や組成が異なり
、かつこのマトリックス部にナノメーターサイズのプレ
ート状の第二相等を分散させた薄膜とすることで、高磁
場中で高い臨界電流密度を得る。
より具体的には、本発明の薄膜は基体上に形成されるY
BagCilzO9−y 薄膜において、基体面に対し
てYBazCuzOr−yのC軸が垂直に配向した部分
が薄膜のマトリックスを形成し、その7トワツクス中に
組成の異なる第二相としてCuOを分散させる。
BagCilzO9−y 薄膜において、基体面に対し
てYBazCuzOr−yのC軸が垂直に配向した部分
が薄膜のマトリックスを形成し、その7トワツクス中に
組成の異なる第二相としてCuOを分散させる。
CuOの分散は、基体面に対して(111)配向させる
。CuOを(111)配向させることによりCuOの(
111)面における格子間隔は、YBazCu:+07
−yのC軸の格子定数11.67A(オングストローム
)に対して5倍周期で11.62Aとなり、さらにCu
OにおけるC11−0原子面はマトリックスのYBa2
Cu、0□−アのCu−0面と同じ面方向であることか
ら、マトリックスとCuOとの整合性がよ<、CuOの
分散による7トワツクスへの応力、ひずみ等の問題が少
なくなりマトリックス自身の超電導特性を低下させるこ
となく、薄膜中にピンニングセンターとして働く常電導
相を導入することができる。
。CuOを(111)配向させることによりCuOの(
111)面における格子間隔は、YBazCu:+07
−yのC軸の格子定数11.67A(オングストローム
)に対して5倍周期で11.62Aとなり、さらにCu
OにおけるC11−0原子面はマトリックスのYBa2
Cu、0□−アのCu−0面と同じ面方向であることか
ら、マトリックスとCuOとの整合性がよ<、CuOの
分散による7トワツクスへの応力、ひずみ等の問題が少
なくなりマトリックス自身の超電導特性を低下させるこ
となく、薄膜中にピンニングセンターとして働く常電導
相を導入することができる。
また、7トリツクスが基体面に対してC軸配向している
のに対して、マトリ・ンクズと配向の異なるYBazC
uzOt−yを第二相としてマトリ・ンクス中に分散さ
せた薄膜とする。特にマトリ・ンクスと配向の異なる第
二相のYBa2Cu3O7−yがa軸配向である場合Y
Ba2Cu3O7−yのC軸の格子定数に対してa軸の
格子常数の3倍の値は、11.46Aとなり、CuOの
(111)配向と同様にマトリ・ンクスとの整合性がよ
い。さらにa軸配向することにより、CuO原子面が基
体面に対して垂直方向になることから、このa軸配向し
たYBa2Cu+0r−yを通してのマトリックス中へ
の酸素の拡散が十分に行われることにより臨界温度が向
上する。また僅かな格子定数の差により、C軸配向した
マトリックスと分散しているa軸配向の部分との境界の
部分に常電導状態が存在することによりその部分がピン
ニングセンターとして機能することも期待できる。
のに対して、マトリ・ンクズと配向の異なるYBazC
uzOt−yを第二相としてマトリ・ンクス中に分散さ
せた薄膜とする。特にマトリ・ンクスと配向の異なる第
二相のYBa2Cu3O7−yがa軸配向である場合Y
Ba2Cu3O7−yのC軸の格子定数に対してa軸の
格子常数の3倍の値は、11.46Aとなり、CuOの
(111)配向と同様にマトリ・ンクスとの整合性がよ
い。さらにa軸配向することにより、CuO原子面が基
体面に対して垂直方向になることから、このa軸配向し
たYBa2Cu+0r−yを通してのマトリックス中へ
の酸素の拡散が十分に行われることにより臨界温度が向
上する。また僅かな格子定数の差により、C軸配向した
マトリックスと分散しているa軸配向の部分との境界の
部分に常電導状態が存在することによりその部分がピン
ニングセンターとして機能することも期待できる。
さらにC軸配向したYBa2Cu+07−yがマトリッ
クスを形成し、(111)配向したCuOとa軸配向し
たYBa2Cu37−yのいずれもが分散している薄膜
においては、二つの第二相の存在によりその効果は明ら
かである。
クスを形成し、(111)配向したCuOとa軸配向し
たYBa2Cu37−yのいずれもが分散している薄膜
においては、二つの第二相の存在によりその効果は明ら
かである。
またさらには、上記のいずれの薄膜においてもYBa2
Cu3Ot−y中にナノメーターサイズの第二相が分散
している薄膜でもよい。ナノメーターサイズの第二相は
、CuOあるいはY、 Ba、 Cu、酸素のいずれか
からなる物質であるが、マトリックスとの整合性から好
ましくは(111)配向したCuOがよい。この第二相
はプレート形状で、プレート面がYBazCuzOt−
yのC軸に対して垂直方向に分散させる。プレートの厚
さは1ナノメーターから数十ナノメーターであり、プレ
ートの大きさは数十ナノメーターから百ナノメーターで
ある。従来の超電導体における理論計算によれば直径数
十ナノメーターの常電導相が約10”m−3の密度で存
在することにより2T(テスラ)の磁場中においても1
05〜106A/cflの臨界電流密度が得られると予
測でき、さらに常電導相をプレート状とし、さらにプレ
ート面がYBa2Cu3O7−yのC軸に対して垂直方
向に分散させることによって超電導体の電流の流れを妨
げることなく有効にピンニングセンターとして機能し、
常電導相の密度が高くなってもマトリックスの臨界電流
密度を低下させることが少ない。
Cu3Ot−y中にナノメーターサイズの第二相が分散
している薄膜でもよい。ナノメーターサイズの第二相は
、CuOあるいはY、 Ba、 Cu、酸素のいずれか
からなる物質であるが、マトリックスとの整合性から好
ましくは(111)配向したCuOがよい。この第二相
はプレート形状で、プレート面がYBazCuzOt−
yのC軸に対して垂直方向に分散させる。プレートの厚
さは1ナノメーターから数十ナノメーターであり、プレ
ートの大きさは数十ナノメーターから百ナノメーターで
ある。従来の超電導体における理論計算によれば直径数
十ナノメーターの常電導相が約10”m−3の密度で存
在することにより2T(テスラ)の磁場中においても1
05〜106A/cflの臨界電流密度が得られると予
測でき、さらに常電導相をプレート状とし、さらにプレ
ート面がYBa2Cu3O7−yのC軸に対して垂直方
向に分散させることによって超電導体の電流の流れを妨
げることなく有効にピンニングセンターとして機能し、
常電導相の密度が高くなってもマトリックスの臨界電流
密度を低下させることが少ない。
さらに本発明は、前述した薄膜を形成するために、イツ
トリウム、バリウムおよび銅を少なくとも含む蒸発源原
料を用いた化学気相析出法により基体上に超電導薄膜を
形成する手段を採用する。
トリウム、バリウムおよび銅を少なくとも含む蒸発源原
料を用いた化学気相析出法により基体上に超電導薄膜を
形成する手段を採用する。
より具体的には、本発明の製造方法は、イツトリウム、
バリウムおよび銅元素を含むβ−ジケトン錯体を原料と
する。これら3成分の錯体を蒸気圧が得られる温度まで
加熱し、アルゴンガスの如き不活性ガスをキャリアガス
として反応容器内に導入する。また上記した錯体蒸気と
は別の経路で酸素ガスまたは酸素ガスを含むガスを反応
容器内に導入し、反応容器内の加熱された基体上に膜を
析出させる。基体の加熱は、反応容器内部あるいは外部
からの加熱器により行われる。高周波加熱等の手段を用
いてもよい。
バリウムおよび銅元素を含むβ−ジケトン錯体を原料と
する。これら3成分の錯体を蒸気圧が得られる温度まで
加熱し、アルゴンガスの如き不活性ガスをキャリアガス
として反応容器内に導入する。また上記した錯体蒸気と
は別の経路で酸素ガスまたは酸素ガスを含むガスを反応
容器内に導入し、反応容器内の加熱された基体上に膜を
析出させる。基体の加熱は、反応容器内部あるいは外部
からの加熱器により行われる。高周波加熱等の手段を用
いてもよい。
いずれかの方法で加熱した基体上に供給される錯体蒸気
のイツトリウム、バリウムおよび銅元素の組成比は、形
成される膜全体のイツトリウム、バリウムおよび銅元素
の組成比において、イツトリウムとバリウムの比が1:
2から2=1の範囲であり、またイツトリウム、バリウ
ムと銅の比が1:1から1:5.5の範囲になるように
原料加熱温度あるいはキャリアガス流量を調整する。各
原料の加熱温度やキャリアガス流量は、装置の形状や基
体付近の温度分布等により基体上に供給される錯体蒸気
中のイツトリウム、バリウムおよび銅の組成比が異なる
ので特に限定されないが、少ン(とも錯体が基体上に導
入される前に分解しなし温度以下あるいはキャリアガス
流量であればよG3成分の錯体蒸気は、膜形成開始時に
同時に導)されるか、あるいはわずかにバリウムまたは
銅Q錯体蒸気を先に導入し、その後イツトリウムと釘ま
たはイツトリウム、バリウムの錯体蒸気を導メする。こ
の場合のバリウムまたは銅の相対蒸気C導入は、少なく
とも形成される膜のマトリックスの部分において、基体
面に対してYBa2Cu3O7−y(7:C軸が垂直に
配向するように導入する。先に4込する時間は装置の形
状や基体面の加熱方法などにより異なるが、好ましくは
3分間以内である。
のイツトリウム、バリウムおよび銅元素の組成比は、形
成される膜全体のイツトリウム、バリウムおよび銅元素
の組成比において、イツトリウムとバリウムの比が1:
2から2=1の範囲であり、またイツトリウム、バリウ
ムと銅の比が1:1から1:5.5の範囲になるように
原料加熱温度あるいはキャリアガス流量を調整する。各
原料の加熱温度やキャリアガス流量は、装置の形状や基
体付近の温度分布等により基体上に供給される錯体蒸気
中のイツトリウム、バリウムおよび銅の組成比が異なる
ので特に限定されないが、少ン(とも錯体が基体上に導
入される前に分解しなし温度以下あるいはキャリアガス
流量であればよG3成分の錯体蒸気は、膜形成開始時に
同時に導)されるか、あるいはわずかにバリウムまたは
銅Q錯体蒸気を先に導入し、その後イツトリウムと釘ま
たはイツトリウム、バリウムの錯体蒸気を導メする。こ
の場合のバリウムまたは銅の相対蒸気C導入は、少なく
とも形成される膜のマトリックスの部分において、基体
面に対してYBa2Cu3O7−y(7:C軸が垂直に
配向するように導入する。先に4込する時間は装置の形
状や基体面の加熱方法などにより異なるが、好ましくは
3分間以内である。
反応容器内の圧力は減圧であり、その圧力はキャリアガ
ス流量や酸素ガス流量、さらには反応容器内における温
度勾配に関係するので目的とする組成比の錯体蒸気が基
体上に供給される流速を維持できる圧力であればよい。
ス流量や酸素ガス流量、さらには反応容器内における温
度勾配に関係するので目的とする組成比の錯体蒸気が基
体上に供給される流速を維持できる圧力であればよい。
形成される膜の酸素量は、酸素導入量の調整による酸素
分圧の制御によりコントロールされ、膜形成後に酸素1
気圧中で冷却するのが好ましい。
分圧の制御によりコントロールされ、膜形成後に酸素1
気圧中で冷却するのが好ましい。
(実施例I)
以下に第1図から第6図を参照して本発明の詳細な説明
する。
する。
5rTi(h (I OO)単結晶基体上に形成した本
発明における薄膜の配向性についてX線回折により同定
した結果を表1に示す。試料No、I、 2. 6゜
7の薄膜の配向性をC軸配向+a軸配向と示したが、X
線回折ではYBazC+gO,−、の(001)のピー
ク強度が最も強く、わずかに(100)、(200)の
ピークが観察された薄膜である。さらにこれらの薄膜の
表面には針状の析出物が分散して存在し、この析出物は
EPMA分析によりマトリックスのYBazCu3O7
−アと同組成であり、a軸配向したYBa2Cu3O7
−yがC軸配向したマトリックス中に分散した薄膜であ
る。
発明における薄膜の配向性についてX線回折により同定
した結果を表1に示す。試料No、I、 2. 6゜
7の薄膜の配向性をC軸配向+a軸配向と示したが、X
線回折ではYBazC+gO,−、の(001)のピー
ク強度が最も強く、わずかに(100)、(200)の
ピークが観察された薄膜である。さらにこれらの薄膜の
表面には針状の析出物が分散して存在し、この析出物は
EPMA分析によりマトリックスのYBazCu3O7
−アと同組成であり、a軸配向したYBa2Cu3O7
−yがC軸配向したマトリックス中に分散した薄膜であ
る。
No、3.4.5の薄膜は(001)のピークのみが観
察され、マトリックスのYBa2Cu3O7−yがC軸
配向した薄膜である。また、Nα1〜7のいずれの薄膜
においてもX線回折では同定されなかったが、薄膜表面
には粒状の突起物がマトリックス中に分散して存在して
おり、EPMAによる面分析、マイクロESCAによる
薄膜の厚さ方向の分析により、この突起物はCuOであ
ることを確認した。CuOの配向性は、5rTi(h
(100)基体上の薄膜ではYBa2Cu、07−、の
(005)ピークとCuOの(111) ピークがほ
とんど重なってしまうため、Mg0(100)基体上の
薄膜で調べた。MgO基体上の薄膜のX線回折図形を第
1図に示す。YBa2Cu3O7−、の(005)ピー
クとMgO(100)のにβピークの高角側に明らかに
CuOの(111)ピークが見られ、CuOが(111
)配向していることがわかる。
察され、マトリックスのYBa2Cu3O7−yがC軸
配向した薄膜である。また、Nα1〜7のいずれの薄膜
においてもX線回折では同定されなかったが、薄膜表面
には粒状の突起物がマトリックス中に分散して存在して
おり、EPMAによる面分析、マイクロESCAによる
薄膜の厚さ方向の分析により、この突起物はCuOであ
ることを確認した。CuOの配向性は、5rTi(h
(100)基体上の薄膜ではYBa2Cu、07−、の
(005)ピークとCuOの(111) ピークがほ
とんど重なってしまうため、Mg0(100)基体上の
薄膜で調べた。MgO基体上の薄膜のX線回折図形を第
1図に示す。YBa2Cu3O7−、の(005)ピー
クとMgO(100)のにβピークの高角側に明らかに
CuOの(111)ピークが見られ、CuOが(111
)配向していることがわかる。
試料No、 1の薄膜について膜の微細構造を透過電子
顕微鏡(TEM)により観察した結果を第2図および第
3図に示す。第2図は膜面方向からのTEM像、第3図
は膜の断面方向のTEM像である。
顕微鏡(TEM)により観察した結果を第2図および第
3図に示す。第2図は膜面方向からのTEM像、第3図
は膜の断面方向のTEM像である。
膜中にプレート状の析出物が見られ、その原子像のコン
トラストから析出物はYBa2Cu+0t−yではない
ことがわかる。また、このプレート状の第2相は、プレ
ート面がYBazCuJ7−yのC軸に対して垂直方向
に、プレートの厚さ1ナノメーターから数十ナノメータ
ー、プレートの大きさ数十ナノメーターで分散している
。
トラストから析出物はYBa2Cu+0t−yではない
ことがわかる。また、このプレート状の第2相は、プレ
ート面がYBazCuJ7−yのC軸に対して垂直方向
に、プレートの厚さ1ナノメーターから数十ナノメータ
ー、プレートの大きさ数十ナノメーターで分散している
。
第4図に試料No、 1.5.7の薄膜の液体窒素温度
における臨界電流密度の磁場依存性を示す。磁場の印加
方向は、膜面に平行、電流に垂直方向とした。いずれの
試料においても高磁場中において高い電流密度を有して
いる。
における臨界電流密度の磁場依存性を示す。磁場の印加
方向は、膜面に平行、電流に垂直方向とした。いずれの
試料においても高磁場中において高い電流密度を有して
いる。
(実施例2)
第5図は本発明における製造方法の一例である。
イツトリウム、バリウム、銅のβ−ジケトン錯体、Y(
CIllllqOz)i 、Ba(C++H+qOz)
z 、Cu(C++lI+Jz)zを各々1,2.3の
原料容器に入れ、ヒーター4により加熱する。各原料容
器部I、2.3には不活性ガス導入口からキャリアガス
としてアルゴンガスが各々150 mf/min導入さ
れる。また導入口6からは酸素ガスが反応容器内へ25
0 m/min導入される。各β−ジケトン錯体の蒸気
を含んだキャリアガスおよび酸素ガスは反応容器内7で
混合され基体8上に導入される。基体8は基板加熱用ヒ
ーター9により加熱される。反応容器内の圧力は真空ポ
ンプにより減圧され所定の圧力に設定される。
CIllllqOz)i 、Ba(C++H+qOz)
z 、Cu(C++lI+Jz)zを各々1,2.3の
原料容器に入れ、ヒーター4により加熱する。各原料容
器部I、2.3には不活性ガス導入口からキャリアガス
としてアルゴンガスが各々150 mf/min導入さ
れる。また導入口6からは酸素ガスが反応容器内へ25
0 m/min導入される。各β−ジケトン錯体の蒸気
を含んだキャリアガスおよび酸素ガスは反応容器内7で
混合され基体8上に導入される。基体8は基板加熱用ヒ
ーター9により加熱される。反応容器内の圧力は真空ポ
ンプにより減圧され所定の圧力に設定される。
No、 1〜5の試料はイツトリウム、バリウムおよび
銅の原料加熱温度をそれぞれ120〜13O″C824
0〜255°C,110〜13O°Cとしその流量をイ
ツトリウムとバリウム、さらにそれらと銅の組成比が表
−1に示す膜組成になるように調整し、反応容器内圧力
10Torr、基体温度850°Cで1時間、膜を析出
させた。膜析出後に反応容器内を酸素1気圧として15
°C/minの冷却速度で室温まで冷却した。析出させ
た薄・膜のイツトリウム、バリウムおよび銅の組成比を
プラズマ発光分光分析法(ICP)により分析した結果
を表1に示す。表中、試料Nα6.7は、バリウムの錯
体蒸気を他の錯体蒸気よりも1分間先に導入した。
銅の原料加熱温度をそれぞれ120〜13O″C824
0〜255°C,110〜13O°Cとしその流量をイ
ツトリウムとバリウム、さらにそれらと銅の組成比が表
−1に示す膜組成になるように調整し、反応容器内圧力
10Torr、基体温度850°Cで1時間、膜を析出
させた。膜析出後に反応容器内を酸素1気圧として15
°C/minの冷却速度で室温まで冷却した。析出させ
た薄・膜のイツトリウム、バリウムおよび銅の組成比を
プラズマ発光分光分析法(ICP)により分析した結果
を表1に示す。表中、試料Nα6.7は、バリウムの錯
体蒸気を他の錯体蒸気よりも1分間先に導入した。
次に試料No、 1〜7の薄膜の臨界温度(T’c)、
77Kにおける臨界電流密度(Jc)を表2に示す。い
ずれの薄膜においても90に以上の臨界温度と105〜
10”A/c+11の高い臨界電流密度が得られた。
77Kにおける臨界電流密度(Jc)を表2に示す。い
ずれの薄膜においても90に以上の臨界温度と105〜
10”A/c+11の高い臨界電流密度が得られた。
(効 果)
以上のような構成によるYBa2Cu3Ot−yの薄膜
および製造方法により形成される薄膜は、マトリックス
中に分散した(111)配向したCuO1またはマトリ
ックスと配向性の異なるYBazCIJsOt−y、特
にa軸配向のYBa2Cu3Ot−y 、さらにはマト
リックス中に分散したナノメーターサイズのプレート状
の第二相の分散により、マトリックスの超電導特性を劣
化させることなく薄膜中に磁束のビン止めセンターが導
入されており、高い磁場下においても高い臨界電流密度
を示す超電導薄膜を得ることができる。さらにその特性
を有する薄膜を安定に製造することができる。
および製造方法により形成される薄膜は、マトリックス
中に分散した(111)配向したCuO1またはマトリ
ックスと配向性の異なるYBazCIJsOt−y、特
にa軸配向のYBa2Cu3Ot−y 、さらにはマト
リックス中に分散したナノメーターサイズのプレート状
の第二相の分散により、マトリックスの超電導特性を劣
化させることなく薄膜中に磁束のビン止めセンターが導
入されており、高い磁場下においても高い臨界電流密度
を示す超電導薄膜を得ることができる。さらにその特性
を有する薄膜を安定に製造することができる。
表
■
表
第1図は、本発明の実施例にょるMgO基体上の薄膜の
X線回折図形、第2図は、本発明の実施例による薄膜の
透過型電子顕微鏡による膜面方向の組織図、第3図は本
発明の実施例による薄膜の透過型電子顕微鏡による膜の
断面方向の組織図、第4図は本発明の実施例による薄膜
の臨界電流密度の磁場依存性を示す図、第5図は本発明
の製造方法に使用可能な装置の断面図である。 図中: 1,2.3−原料容器、4・−原料加熱ヒー
ター、5・−不活性ガス導入口、6−酸素ガス導入口、
7−反応容器内、8−基体、9−基体加熱ヒーター
X線回折図形、第2図は、本発明の実施例による薄膜の
透過型電子顕微鏡による膜面方向の組織図、第3図は本
発明の実施例による薄膜の透過型電子顕微鏡による膜の
断面方向の組織図、第4図は本発明の実施例による薄膜
の臨界電流密度の磁場依存性を示す図、第5図は本発明
の製造方法に使用可能な装置の断面図である。 図中: 1,2.3−原料容器、4・−原料加熱ヒー
ター、5・−不活性ガス導入口、6−酸素ガス導入口、
7−反応容器内、8−基体、9−基体加熱ヒーター
Claims (7)
- (1)イットリウム、バリウム、銅及び酸素からなるY
Ba_2Cu_3O_7_−_y超電導薄膜において、
基体面に対して垂直方向にc軸配向したYBa_2Cu
_3O_7_−_yがマトリックスを形成し、酸化銅が
マトリックス中に分散して存在していることを特徴とす
る酸化物超電導薄膜。 - (2)イットリウム、バリウム、銅及び酸素からなるY
Ba_2Cu_3O_7_−_y超電導薄膜において、
基体面に対して垂直方向にc軸が配向したYBa_2C
u_3O_7_−_yがマトリックスを形成し、マトリ
ックスとは結晶方位の異なるYBa_2Cu_3O_7
_−_yをマトリックス中に分散していることを特徴と
する酸化物超電導薄膜。 - (3)イットリウム、バリウム、銅及び酸素からなるY
Ba_2Cu_3O_7_−_y超電導薄膜において、
基体面に対して垂直方向にc軸が配向したYBa_2C
u_3O_7_−_yがマトリックスを形成し、マトリ
ックスとは結晶方位の異なるYBa_2Cu_3O_7
_−_yと酸化銅とをマトリックス中に分散して存在さ
せることを特徴とする酸化物超電導薄膜。 - (4)マトリックスが薄膜であり、さらにマトリックス
中にプレート状のナノメーターサイズの第2相が分散し
ていることを特徴とする請求項(1)乃至(3)のいず
れか1項に記載の酸化物超電導薄膜。 - (5)マトリックス中に分散させた第2相が基体面に対
して平行方向に(111)配向した酸化銅又は/及びa
軸が基体面に対して垂直方向に配向したYBa_2Cu
_3O_7_−_yである請求項(1)乃至(4)いず
れか1項に記載の酸化物超電導薄膜。 - (6)イットリウム、バリウム、銅及び酸素からなるY
Ba_2Cu_3O_7_−_y超電導薄膜において、
基体面に対して垂直方向にc軸が配向したYBa_2C
u_3O_7_−_yからなるマトリックス中に分散さ
せた第2相がY、Ba、Cu、酸素のいずれかからなる
物質である酸化物超電導薄膜。 - (7)請求項(1)乃至(5)のいずれか1項に記載の
薄膜を、イットリウム、バリウム及び銅を少なくとも含
むβ−ジケトン錯体を原料物質に用いた化学気相析出法
により形成させることを特徴とする酸化物超電導薄膜の
製造方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14524989 | 1989-06-09 | ||
JP1-145249 | 1989-06-09 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03193625A true JPH03193625A (ja) | 1991-08-23 |
Family
ID=15380768
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2073279A Pending JPH03193625A (ja) | 1989-06-09 | 1990-03-26 | 酸化物超電導薄膜およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH03193625A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007115592A (ja) * | 2005-10-21 | 2007-05-10 | Internatl Superconductivity Technology Center | 臨界電流密度特性に優れたRE―Ba―Cu系酸化物超電導長尺体とその製造方法 |
-
1990
- 1990-03-26 JP JP2073279A patent/JPH03193625A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007115592A (ja) * | 2005-10-21 | 2007-05-10 | Internatl Superconductivity Technology Center | 臨界電流密度特性に優れたRE―Ba―Cu系酸化物超電導長尺体とその製造方法 |
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