JPH0318886Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は高度角測定装置に関する。

従来、この種の測定装置としては、所定位置に
スリツトを設けた等速回転円板と、その回転エリ
ア内に固定的に配した基準点光電検出部と、等速
回転円板と同軸に設けた可回転アーム上に配され
た測定点光電検出部とから成り、測定点方向に回
動された測定点光電検出部及び固定基準点光電検
出部とを等速回転円板のスリツトが通過する際夫
夫発生する出力信号を検知し、 360（度）×基準点から測定点まで等速回転円板が回転
するのに要する時間／等速回転円板が一回転するのに要
する時間 により求める角度測定を行なうものが知られてい
る。

しかし、上記従来の測定装置では、高度角を測
定する場合における装置自体の傾きを補正するこ
とができないので、鉛直軸を絶対零度とする絶対
高度角を測定する為には、装置自体を完全水平状
態とすることが不可欠であるが、実際の測量にお
いては微少な傾きが生じるのを避けるのは不可能
に近いものである。

本考案は、上述の点に鑑みてなされたものであ
り、測定時における装置の微少な傾きを補正して
絶対角度を測定し得る高度角測定装置を提供する
ことを目的とする。

このため、本考案は、フレームに回転可能に設
けられた視準手段と、該視準手段と同中心で等速
回転可能であつて所定位置に反射鏡を有する等速
回転円板と、視準手段の回転に伴なつて該視準手
段と同中心で回動する光源と光電変換素子とを有
し視準手段が測定対象を指し示す測定点に於て光
源から出射され等速回転円板の反射鏡によつて反
射された光を光電変換素子が検知して信号を出力
する測定点光電検出部と、所定の基準点位置に固
定された光源と光電変換素子とを有し光源から出
射され等速回転円板の反射鏡によつて反射された
光を光電変換素子が検知して信号を出力する基準
点光電検出部と、等速回転円板と基準点光電検出
部との間に介在される反射鏡を備え等速回転円板
の回転中心を枢支点として揺動自在に配置された
鉛直垂下体と、を備え、等速回転円板が等速度で
回転し、測定点光電検出部が等速回転円板の反射
鏡によつて反射された光を検知した出力信号と、
基準点光電検出部が鉛直垂下体の反射鏡を介して
等速回転円板の反射鏡によつて反射された光を検
知した出力信号と、に基いて基準点に対する測定
点の角度を検出するよう構成してある。

以下、本考案に係る高度角測定装置の一実施例
を添付図面に基づいて説明する。

図示装置において、測定対象に視準線を合わせ
る視準望遠鏡１は、該視準望遠鏡１の中心軸１ａ
と直交する軸線Ｘを回転中心とする基軸２の一端
に固着されており、該基軸２と軸受３を介してフ
レーム４に回動可能に支承されている。

前記基軸２と一体のアーム５は一端を逆Ｌ字状
に折曲げられ、その対向内側面に光源と光電変換
素子とが組み込まれた測定点光電検出部６が取付
けられている。

等速回転円板７は、前記基軸２の回転中心であ
る軸線Ｘと同一軸線上を等速回転するモータ８の
回転軸８ａに固着され、前記モータ８の回転に同
期回転すると共に、外周面上に固着された反射鏡
７ａが前記測定点光電検出部６の前面を回転通過
するよう構成されている。

前記フレーム４に固定された固定枠９には、光
源と光電変換素子が組込まれた基準点光電検出部
１０が、上記等速回転円板７に固着された反射鏡
７ａの回転通過エリア内に、等速回転円板７の外
周より一定の距離を保ち且つ外周の接線方向と光
軸とが平行となるように配置されている。前記モ
ータ８及び回転軸８ａの外周面はハウジング１１
で被覆されており、前記回転軸８ａ外周には軸受
１２を介して下端に錘り１３ａを帯びた鉛直垂下
体１３が枢支されている。

該鉛直垂下体１３には、前記基準点検出部１０
からの光を反射して等速回転円板７の反射鏡７ａ
に垂直に光をあてるように反射鏡１３ｂが鉛直方
向に対して一定の角度で固着されている。

また、前記測定点光電検出部６及び前記基準点
光電検出部１０の出力信号は、第２図示の如く、
一周用カウンタ１４及び測定角用カウンタ１５に
送られる。該一周用カウンタ１４及び測定角用カ
ウンタ１５には発振器１６と演算回路１７が接続
されている。

次に、上記構成の本考案一実施例の動作を説明
する。

一周用カウンタ１４は、反射鏡７ａが基準点光
電検出部１０を通過する際に発する信号により、
発振器１６からのパルスのカウントを開始し、反
射鏡７ａが再度同検出部１０に到着した際に発す
る信号によりカウントを終了する。

測定角用カウンタ１５は、反射鏡７ａが基準点
光電検出部１０を通過する際に発する信号によ
り、発振器１６からのパルスのカウントを開始
し、反射鏡７ａが測定点光電検出部６に到達した
際に発する信号によりカウントを終了する。

演算回路１７は、これらカウンタ１４，１５よ
りの検出信号に基づいて、 測定角（α）＝360（度）×測定角用カウンタ１５のカ
ウント数／一周用カウンタ１４のカウント数 の演算を行つて、測定対象の高度角を算出する。

上記の如く構成された高度角測定装置では、視
準望遠鏡１の視準線を測定対象に合わせるとアー
ム５、即ち測定点光電検出部６が同一高度角位置
に回動する。

この状態で等速回転円板７をモータ８により１
回転させると、基準点光電検出部１０及び測定点
光電検出部６からの出力信号により、一周用カウ
ンタ１４及び測定角用カウンタ１５が夫々作動し
て、前記の如く、反射鏡７ａが基準点光電検出部
１０を通過した後測定点光電検出部６を通過及び
前記検出部１０を再通過の間の発振器１６からの
パルスをカウントし、これらカウンタ１４，１５
からのパルス数検出信号に基づいて演算回路１７
が高度角演算を行い、図示しない表示部に演算結
果をデジタル表示等するものである。

ここで、基準点光電検出部１０からの信号は、
鉛直垂下体１３に取付けた反射鏡１３ｂより垂直
に上方に反射されるので、等速回転円板７の反射
鏡７ａが鉛直線上に来た時に初めて基準点光電検
出部１０より信号が出力されることになる。

而して、この鉛直垂下体１３は仮りに装置自体
が絶対的水平状態で操作されていないとしても、
その下端に帯びた錘り１３ａにより常に鉛直線上
に位置しているので、反射鏡１３ｂは常に鉛直線
より一定の角度を維持することにより、これによ
り基準点補正がなされる。

尚、上記実施例においては、基準点光電検出部
１０の測定点光電検出部６とを各一箇所のみに設
けているが、鉛直垂下体１３を上方に延長してそ
の回動中心Ｘを介した反対位置に別の基準点光電
検出部を設けると共にアーム５の他端部にも別の
測定点光電検出部を形成し、二対の検出部による
測定でその精度向上を図つても良く、更に又、上
記実施例ではフレーム４に固定した基準点光電検
出部１０を、鉛直垂下体１３自体に取付けても良
い。

以上説明した如く、本考案に係る高度角測定装
置によれば、測定時における装置の微少な傾きが
補正され、常に絶対高度角が測定されるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る高度角測定装置の要部縦
断面図、第２図は第１図示の状態からアーム５を
135°回転した状態のＡ−Ａ矢視要部説明図であ
る。 ６……測定点光電検出部、７……等速回転円
板、７ａ……反射鏡、１０……基準点光電検出
部、１３……鉛直垂下体、１３……反射鏡。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 フレームに回転可能に設けられた視準手段と、 該視準手段と同中心で等速回転可能であつて所
   定位置に反射鏡を有する等速回転円板と、 前記視準手段の回転に伴なつて該視準手段と同
   中心で回動する光源と光電変換素子とを有し前記
   視準手段が測定対象を指し示す測定点に於て前記
   光源から出射され前記等速回転円板の反射鏡によ
   つて反射された光を前記光電変換素子が検知して
   信号を出力する測定点光電検出部と、 所定の基準点位置に固定された光源と光電変換
   素子とを有し前記光源から出射され前記等速回転
   円板の反射鏡によつて反射された光を前記光電変
   換素子が検知して信号を出力する基準点光電検出
   部と、 前記等速回転円板と前記基準点光電検出部との間
   に介在される反射鏡を備え前記等速回転円板の回
   転中心を枢支点として揺動自在に配置された鉛直
   垂下体と、 を備え、前記等速回転円板が等速度で回転し、
   前記測定点光電検出部が前記等速回転円板の反射
   鏡によつて反射された光を検知した出力信号と、
   前記基準点光電検出部が前記鉛直垂下体の反射鏡
   を介して前記等速回転円板の反射鏡によつて反射
   された光を検知した出力信号と、に基いて前記基
   準点に対する前記測定点の角度を検出するよう構
   成したこと、を特徴とする高度角測定装置。