JPH0318234Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、油絵の筆を筆洗オイルで洗うのに使
用する筆洗器の中子の改良に関するものである。

従来の技術 油絵用筆洗器は、第２図および第３図に例示す
るように、筆洗オイル（ベンジン系の溶剤を主成
分としている）を入れる筆洗バケツ１と、該筆洗
バケツ１内に中仕切りとして配設する中子２とか
ら成り、中子２の底部より少し上まで筆洗オイル
を入れて使用するようになつている。なお、中子
２の上部には筆をしごくための棒状体３が設けら
れている。

ところで、上記筆洗器の中子２の構造は、第２
図のように、ブリキ板で作つた円筒体４の底部
に、大きな円孔６（直径約５mm）をあけた底板５
を設けたもの、あるいは第３図のように、中子２
全体を金網７で笊状に形成したものが最も代表的
である。

考案が解決しようとする問題点 しかし、前者は穴６をあけた底板５でしか筆に
付いた絵具を洗い落すことができないばかりでは
なく、穴６が大きすぎるため筆の穂先が穴６を貫
通して進入することがしばしばあり、その引き戻
しの際に穴６の裏側のバリ（穴の打抜き加工によ
り生じる）で筆の穂先を傷めるという欠点があつ
た。

また、後者は中子２全体が金網７で構成されて
いるから、筆を洗うために中子に押し付ける力で
金網７が変形し易く、しかも金網７を構成する針
金の交差部分に筆の毛先が挟まれて抜け落ちると
いう問題があつた。

問題点を解決するための手段 本考案は、上記の問題点に鑑み案出されたもの
で、中子を構成する筒状本体及び底板を直径約２
〜３mmの小孔を多数穿設した多孔板により形成し
たことを特徴とする。

実施例 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図は本考案による中子１０を示している。
該中子１０は円筒形の筒状本体１１とその底部に
設けた底板１２とからなり、両者はいずれもステ
ンレス鋼板に直径２〜３mmの小孔１３を多数穿設
した多孔板により形成されている。なお、図示の
実施例では筒状本体１１を円筒形にしたが、方
形、長円形、楕円形その他種々の形状の筒状体に
することが可能である。上記中子１０はステンレ
ス鋼板で構成したが、アルミニウムその他の金属
材料で製作してもよく、また、全体をプラスチツ
ク材料で一体成形してもよい。

１４は筆をしごくための棒状体で図示のように
２本の棒状体１４を筒状本体１１の上部に並列し
て設けると、筆がしごき易くなり使用上大変便利
である。

上記構成の中子１０は従来品と同様に、筆洗バ
ケツ１内に中仕切りとして配設して使用する。

考案の効果 上述のように本考案の中子は、その筒状本体及
び底板が、直径２〜３mmの小孔を多数穿設した多
孔板により形成されているから、底板だけでなく
筒状本体の内壁面を使用して筆を洗うことができ
ると共に、小孔の直径が小さいので筆の毛先を傷
めることがない。しかも、全体が堅牢で形崩れし
ない。

特に、実施例に示したように筒状本体及び底板
をステンレス鋼の多孔板で構成すると、耐蝕性が
すぐれているばかりでなく、重量感があり、一層
商品価値を高める効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る中子の一部切欠き斜視
図、第２図及び第３図ａ，ｂはそれぞれ従来の筆
洗器を示す縦断正面図と平面図である。 １……筆洗バケツ、２……中子（従来品）、１
０……中子、１１……筒状本体、１２……底板、
１３……小孔、１４……棒状体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 筆洗バケツ内に中仕切りとして配設する中子
   の筒状本体及び底板が、直径約２〜３mmの小孔
   を多数穿設した多孔板により形成されているこ
   とを特徴とする油絵用筆洗器の中子。 (2) 前記多孔板がステンレス鋼板である実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の油絵用筆洗器の中
   子。 (3) 多孔板から成る前記筒状本体及び底板がプラ
   スチツク材料により一体成形されていることを
   特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載
   の油絵用筆洗器の中子。