JPH03180838A - 写真フイルムパトローネ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、スプールの回転によりフィルム先端部をパト
ローネ本体外に送り出すようにした写真フィルムパトロ
ーネに関するものである。

〔従来の技術〕

最も普及している３５ｍｍフィルムパトローネでは、フ
ィルムリーダ一部がパトローネ本体かられずかに引き出
されている。このため、不慣れなユーザーに対しては、
フィルムパトローネをカメラに装填するときに、フィル
ムリーダ一部の取り扱いに戸惑いを与えることも少なく
なかった。

このような背景から、例えば米国特許第４８３２２７５
号、同第４８３４３０６号、同４８４６４１８号各公報
で知られるように、フィルムリーダ一部もパトローネ本
体内に巻き込んでおき、フイルムパトローネのスプール
を回転させることによってフィルムの送り出しができる
ようにしたフィルムパトローネが提案されている。これ
らによれば、フィルムリーダ一部が全く出ていない状態
でカメラにフィルムパトローネを装填でき、カメラ側の
機構でパトローネスプールを回転させてフィルムの送り
出しができるようになり、従来の３５ｍｍフィルムパト
ローネと比較してその装填操作が簡単になるという利点
がある。

その他に、スプールに一体形成したフランジをパトロー
ネ本体の端面内壁に設けた突起により内側に湾曲変形さ
せ、これによりフィルムを幅方向から挟持してスプール
の回転をフィルムに伝達する方式も本出願人により提案
されている（特願平１−１７２５９４号）。

〔発明が解決しようとする課題］ しかしながら、上記米国特許第４８３２２７５号に記載
されたフィルムパトローネでは、スプールの回転によっ
てフィルムを送り出すときにフィルムがスプールから巻
きはぐることを防ぐとともに、スプールの回転をフィル
ムに伝えるために、スプールの軸に対して互いに逆向き
に傾けられた２本のリングでフィルムの最外周を抑え、
またパトローネ本体の内壁には前記リングを回転自在に
保持する溝を形成する等の手段を講じており、構造が複
雑で製造コストも高くなるという欠点がある。

また米国特許第４８３４３０６号のものでは、フランジ
とスプール軸とが分離しており、組み立て工数が多くな
る上、スプール軸とフランジとの２部品を成形するので
生産性が著しく劣化する。

さらに又、米国特許４８４６４１８号のものはスプール
が２分割されており、カムの設置機構等が複雑である。

さらに特願平１−１７２５９４号の如く、スプールに一
体化したフランジをパトローネの両端面内壁に設けた突
起で変形させるものでは、スプールを回転させるときに
前記突起とフランジとの間には摩擦力が生じ、カメラ側
のスプール駆動機構に回転トルクが必要になる。

〔発明の目的〕

本発明は以上のような従来技術の欠点を解決するために
なされたもので、スプール回転によって確実にフィルム
の送り出しが可能であり、しかも低トルク排出を可能と
する、構造が簡単で量産適性にも優れたローコストの写
真フィルムパトローネを提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は上記目的を達成するために、フィルムが巻きつ
けられ、パトローネ本体に回動自在に収納されたスプー
ルの両端部に各々弾性をもったフランジを一体に形成し
、フィルムの幅Ｌ　（ｍｍ）に対し、フランジの外周及
び内周における両フランジ間の間隔ＤＩ、Ｄ２を、 Ｌ−１，５≦　　Ｄｌ　　≦　　Ｌ−０，ＩＬ　　≦　
　Ｄ２ の範囲に設定している。

また、パトローネ本体の内壁に円弧状のリブを一体化し
ておき、このリブによってスプールに巻かれたフィルム
の最外周を抑えてフィルムの巻きほぐれを防ぎ、また、
リブに連設したガイド爪によってフィルム先端部をフィ
ルムロールから引き剥がすように構成することも上記目
的を達成する上で有効である。

〔作用〕

外周における両フランジ間の間隔Ｄ１は、フィルムの幅
Ｌ１よりも０．１〜１．５　（ｍｍ）狭くなっているが
、フィルムは容易に湾曲するから、スプールにフィルム
を巻きつけるときには、フィルムはフランジ間を通り抜
け、両フランジ間に巻きつけられる。フィルムの巻き径
が大きくなり、フランジの外周付近まで厚くなってくる
と、フランジは弾性によって０．１〜１．　５　（ｍｍ
）程度は容易に変形し、フィルムの外周側はフランジの
狭い部分で弾性的に挟持されることになるから、スプー
ルを回転させたときにはスプールの回転は低トルクの排
出が可能で即座にフィルムに伝達されるようになる。

なお、これらのフランジによってフィルムの巻きほぐれ
を抑えることも可能ではあるが、パトローネの内壁に円
弧状のリブを一体化しておき、このリブをフィルムの最
外周に当てるようにすれば、最外周フィルムとパトロー
ネ内周との摩擦抵抗が小さくなり、写真フィルム先端を
パトローネ外に排出するのに更に低いトルクで済む。

以下、本発明について図示した実施例を参照しながら説
明する。

〔実施例〕

本発明を用いた写真フィルムパトローネの一例を示す第
１図及び第２図において、この写真フィルムパトローネ
は、スプール軸１ａの両端部にフランジ２ａ、２ｂを一
体成形したスプール１と、一端側に前記スプール１を挿
入するための開口４ａが形成された略円筒状のパトロー
ネ本体４と、スプール１を挿入した後にパトローネ本体
４の開口４ａに被せるＭ７とからなる。また、パトロー
ネ本体４にはフィルム送り出し用のボート部４ｂが連設
され、フィルム引き出し口５の内面には遮光用のテレン
プ６が接着されている。

前記フランジ２ａ、２ｂは、スプール軸１ａとともに例
えばＡＢＳ樹脂により一体成形され、第３図に示したよ
うに外周側が内周側よりも狭くなっている。そして、外
周側のフランジ間隔Ｄ１゜内周側のフランジ間隔Ｄ２と
し、フィルム３の幅寸法をＬ　（ｍｍ）としたとき、フ
ィルム３を巻いていない状態で Ｌ−１，５≦　　Ｄｌ　　≦　　Ｌ−０，ＩＬ　　≦　
　Ｄ２ の条件が満足されている。外周側のフランジ間隔Ｄ１が
上記範囲であれば、フランジ２ａ、２ｂの厚みを０．４
ｍｍ程度にすることによって、フランジ自体の弾性を利
用して成形金型を抜くことができるから、フランジ２ａ
、２ｂ間の金型の割り数を２〜３個で済ませることがで
き、成形工程を複雑化させることがない。

スプール軸１ａには、周知のようにフィルム３の一端に
形成した係合穴に入り込んで係止する爪ｌｂが設けられ
、これによりフィルム３の一端はスプール１から抜ける
ことがないように止められる。また、フィルム３は容易
に湾曲するから、フランジ２ａ、２ｂの外周側の間隔Ｄ
１がフィルム３の幅りとの関係が前記範囲であれば、フ
ランジ２ａ、２ｂ間にフィルム３を巻きつけてゆくこと
ができる。

第４図はフィルム３を巻きつけた状態のスプールｌを示
している。前述したように、フランジ２ａ、２ｂの内周
側の間隔Ｄ２はフィルム３の幅りよりも大きいが、その
外周側の間隔Ｄ１はフィルム３の幅りよりも狭くなって
いるから、図示のようにフランジ２ａ、２ｂは押し広げ
られ、逆にフィルム３は両側からフランジ２ａ、２ｂに
よって弾性的に挟持される。なお、成形特の型抜きや、
フィルム３に対して余り大きな挟持力を与えないことを
考慮すると、前記間隔Ｄ１をフィルム３の幅りよりも１
．５ｍｍ以上狭くしないようにするのが望ましい。

第５図にも詳しく示したように、パトローネ本体４の円
筒部内壁には円弧状の２木の内周リブ■Ｏが一体化され
、さらに内周リブ１０に連絡するようにボート部４ｂの
内壁にも２本の通路内リブ８．１１が形成されている。

これらのリブ８，１０．１１は、フィルム３の画面枠外
に接するようになっている。そして、内周リブ１０はス
プール１に巻かれたフィルム３の最外周に圧接してフィ
ルム３が巻き弛むことを防止し、かつ写真フィルムとパ
トローネ内壁との摩擦抵抗を下げ、通路内リプ８，１１
はボート部４ｂに送られてきたフィルム３を引き出し口
５まで案内する作用を行う。

内周リブ１０と通路内リブ８との連絡部分は斜めに切欠
かれており、先端分離爪９として用いられる。この先端
分離爪９は、スプール１が時計方向（フィルム送り出し
方向）に回転されたときに、フィルム３の先端３ａをフ
ィルムロールの最外周から引き剥がしてボート部４ｂへ
と導くために用いられる。

以上のように構成された写真フィルムパトローネの作用
について説明する。

この写真フィルムパトローネの製造時、幅寸法りのフィ
ルム３をスプール１に巻きつけてゆく過程では、巻厚が
増えてフィルム３の側縁がフランジ２ａ、２ｂの外周側
に近づいてゆくと、フランジ２ａ、２ｂは押し広げられ
てゆき、巻き終わった状態では第４図に示したように外
周でのフランジ間隔はフィルム幅りと同じになり、フィ
ルム３の表層側はフランジ２ａ、２ｂの弾性により挟持
されるようになる。こうしてフィルム３を先端３ａまで
スプール１に巻きつけ、これをパトローネ本体４に収納
してＭ７を被せる。したがって、未使用状態ではパトロ
ーネ本体４からフィルム３は一切突出しておらず、これ
をカメラのパトローネ室に装填する際には、初心者でも
従来のようにフィルムリーダ一部の扱いに戸惑うことな
く、電池やカセットを扱う要領で簡単にカメラに装填す
ることができる。

写真フィルムパトローネをパトローネ室に装填すると、
カメラ側のフォーク部材がスプール軸１ａに係合する。

そして、カメラの裏蓋を閉じるとフォーク部材が駆動さ
れ、スプールｌは第１図で時計方向に回転されるように
なる。前述のように、スプール１と一体のフランジ２ａ
、２ｂは、その外周側でフィルム３を挟持しているから
、スプールｌの回転はフィルム３に確実に伝達され、フ
ィルム３はスプール１と一体となって回転されるように
なる。

また、パトローネ本体４の内壁には内周リブ１０が形成
され、フィルム３の最外周に接しているから、スプール
１とともにフィルム３が回転される際に、フィルム３が
スプールｌから巻き弛むようなことはない。しかも、内
周リブ１０によりフィルム３の外周前面がパトローネ本
体４の内壁に接触することがないため、スプール１を回
転させるときの摩擦力を小さくすることができる。そし
て、スプール１を時計方向に回転させてゆく過程で、フ
ィルム３の先端３ａが先端分離爪９に達すると、この先
端３ａは先端分離爪９によってフィルム３の最外周から
引き剥がされる。さらにスプール１が回転されると、フ
ィルム３の先端３ａは通路内リブ８．１１で支持されな
がらフィルム引き出し口５から送り出されるようになる
。

こうしてカメラ側の機構によってスプールｌを回転させ
ることによって、フィルム３はパトローネ本体４から送
り出されるが、その先端３ａがカメラ側のフィルム巻き
取りスプールに係合した後には、このフィルム巻き取り
スプールの回転によってフィルム３がパトローネ本体４
から引き出されるようになる。なお、フィルム３の引き
出し時には、その両側縁は必ず両方のフランジ２ａ、２
ｂに接しながら引き出されるため、フランジ２ａ２ｂは
フィルム３を幅方向で位置決めする作用も行う。

撮影を終了した後には、フォーク部材の駆動によりスプ
ール１が反時計方向に回転され、露光済のフィルム３は
先端３ａまでパトローネ本体４内に巻き戻される。しか
し、現像所に回収された写真フィルムパトローネについ
ても、例えばフィルム送り出し用の治具等を利用して再
びスプール１を時計方向に回転させれば、フィルム３を
簡単にパトローネ本体外に送り出すことができるため、
例えばフィルム現像に際しても、パトローネ本体４を分
解することなく露光済のフィルム３を引き出すことがで
きる。

なお、上記スプールｌに一体形成したフランジ２ａ、２
ｂの外側に、第６図及び第７図に示したように環状薄肉
部１５を形成してもよい。フランジ２ａ、２ｂの内周と
外周との中間部にこのような環状薄肉部１５を設けるこ
とによって、フランジ２ａ、２ｂの外周にさらに柔軟な
弾性をもたせることができる。

第８図は、スプール１のさらに他の例を示すもので、ス
プール軸１ａの両端部にはそれぞれフランジ１６ａ、１
６ｂが一体戒形されている。これらのフランジ１６ａ、
１６ｂの外周には、それぞれ一定幅の垂直面１８が形成
され、この部分での両フランジ間隔は前記Ｄｉと同じで
あり、また内周側でのフランジ間隔は前記Ｄ２と同じで
ある。

このような形状のフランジ１６ａ、１６ｂを用いれば、
フィルム３を挟持できる幅が広がり、スプ−ル軸１ａの
回転をさらに確実にフィルム３に伝達することができ、
同時に巻き弛み防止機能も向上させることができる。

〔発明の効果〕

以上詳細に説明したように、本発明の写真フィルムパト
ローネによれば、パトローネ本体やスプールの構造を何
等複雑化させることなく、スプールの回転によりフィル
ムを確実にパトローネ本体外に送り出すことができるよ
うになる。しかも、本発明に用いるスプールの形状は、
簡単な底形で作ることができるように工夫されているか
ら、生産性が高く、製造コストを低く抑えることができ
る。

また、パトローネ本体内壁にフィルムロールの最外周に
接するリプを設けることによって、フィルムとパトロー
ネ本体内壁との摩擦を軽減してスプールの回転負荷の小
さい低トルク排出ができる。

そして、このリブにフィルム先端を引き剥がし、フィル
ム引き出し口に導くガイド爪を連設することにより、ス
プール回転によりフィルム先端を確４゜ 実にパトローネ本体外に送り出すことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の写真フィルムパトローネの一実施例を
示す分解斜視図である。 第２図は本発明の写真フィルムパトローネの要部断面図
である。 第３図は本発明に用いられるスプールの一例を示す正面
図である。 第４図は第３図に示したスプールにフィルムを巻きつけ
た状態の正面図である。 第５図は本発明の写真フィルムパトローネの要因破断斜
視図である。 第６図は本発明に用いられるスプールの他の例を示す正
面図である。 第７図は第６図に示したスプールの側面図である。 第８図は本発明の写真フィルムパトローネに用いられる
スプールのさらに他の例を示す正面図である。 １　・　・ １　ａ　・ ａ ３　・　・ ４　・　・ ５　・　・ ８　・　・ ９　・　・ １０　・ １１　　・ ｌ　５　・ ・スプール ・スプール軸 ２ｂ・・・フランジ ・フィルム ・パトローネ本体 ・フィルム引き出し口 ・通路内リブ（下側） ・先端分離爪 ・内周リブ ・通路内リブ（上側） ・環状薄肉部。 第 図 第 図

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）フィルムを巻きつけたスプールをパトローネ本体
   に回動自在に収納し、前記スプールを回転させることに
   よってフィルムをパトローネ本体外に送り出すようにし
   た写真フイルムパトローネにおいて、 スプールの両端部に弾性をもったフランジを各々一体成
   形し、フィルムの幅をＬ（ｍｍ）とし、フランジの外周
   及び内周での両フランジ間の間隔をそれぞれＤ１、Ｄ２
   としたとき、 Ｌ−１．５≦Ｄ１≦Ｌ−０．１Ｌ≦Ｄ２ としたことを特徴とする写真フイルムパトローネ。
2. （２）前記スプールに巻かれたフィルムの最外周に接し
   てフィルムの巻きほぐれを抑える円弧状のリブをパトロ
   ーネ本体の内壁に一体に形成するとともに、このリブに
   フィルム先端部をフィルムロールから引き剥がしてフィ
   ルム引き出し口に導くガイド爪を連設したことを特徴と
   する請求項第１項記載の写真フイルムパトローネ。