JPH0314734B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、たとえば長尺のシート若しくはフイ
ルムを所定寸法に切断する等の定寸処理システム
において、精度の高い定寸処理が可能なごとく、
シート若しくはフイルムを処理機へ予め設定され
た速度で給送するように制御するライン同調シス
テムに係るものである。

ロール巻にされた長尺のシート若しくはフイル
ム（以下、被処理シートと称する。）を、カツタ
を中心として給送ロール、送り出しコンベア及び
製品集積部等を配した定寸切断システムによつて
所定の寸法に長さを揃えて切断する場合には、被
処理シートがカツタへ給送される速度又は給送さ
れる長さと、カツタで切断が行なわれる周期とが
合致しなければ目的どおりの定寸切断が行われ難
いことはいうまでもない。そのためにカツタへ給
送される被処理物が定寸を保つこととカツタが作
動することがタイミングが合うように設定され、
その手段について種種開示されている。たとえば
カツトの切断刃の後位にシヤーゲージを設け、こ
れに毎回被処理物をつき当てると共にその瞬間を
光電管又はリミツトスイツチで検出して切断刃を
作動させて所定寸法を確保するとか、或いは単位
印刷物を順列させた被処理シートでは、印刷時に
付されたポイント表示（いわゆるトンボ）を光電
管を用いた定寸センサで検出し、速度制御ローラ
を作動せしめて被処理シートの繰出し速度をコン
トロールする等の手段が採択されてそれぞれに実
効を奏していることは周知のとおりである。

しかし、これらの在来手段も前者による場合に
は被処理シートがその材質は問わなくても薄板状
のものでなければ精度が保全し難いし、又後者の
場合には印刷物の裁断仕上げには有効であるが無
地物には適用することができず、紙質若しくは合
成樹脂質又はそれらの混成よりなり、無地又は透
明のフイルムとか薄物シート等を連続切断する加
工処理における定寸を確保するには精度の向上と
処理速度の増進とを両立させ難かつたのである。

このような問題点の解決を指向するものとして
特公昭57−12776号公報に開示される技術がある。
この技術は印刷用紙に一定の張力を保持させるた
めのもので、用紙の進み又は遅れを、この用紙が
経由するダンサーロールの昇降により検出し、そ
の変位を信号として用紙駆動ロールを調速せんと
するものである。しかし、用紙の進み又は遅れを
先づダンサーロールの挙動で検知するこの技術手
段は、駆動ロールによる定常給送速度への回復の
ため、該駆動ロールの駆動軸に取付くタコメータ
の発生電力を上記ダンサーロールの変位と相関さ
せ制御波を発生させる複雑な回路を要し、さらに
ダンサーロールの昇降の慣性を消去して即応性を
向上させる機構を要する等の困難があつた。

本発明は斯かる現況に鑑がみなされたもので、
塩ビフイルムのごとき可撓性があり柔軟な被処理
シートを高い精度を保ちつつ定寸加工処理が可能
となるように、加工処理機構へ給送することがで
きるライン同調装置を提案し、具体的にはスリツ
タ又はカツタ等を装備した定寸処理システム中に
設けてフイードロールとの協働により、柔軟な被
処理シートを最適な張力を保たせつつ加工処理機
構へ給送することにより、切断等の処理が所定寸
法を隔てて正確に行なうことができるようにした
ライン同調装置を提供することを目的としてい
る。

以下、本発明の実施の１例を図面に基づき説明
する。図面に示すように、アンローダ（図示せ
ず）等より適宜手段で繰り出される被処理シート
７は、均等な張力を付加され供給速度を調節され
つつ連続加工装置１に送り込まれる。そして、図
面に示す例ではスリツタユニツト２によつて所定
巾に縦断され、メジヤリングロール３で処理過程
を精測されつつフイードロール４によりロータリ
ーカツタ５に給送されて整寸切断され、然る後こ
のように所定状態に処理された処理済シート８は
挟みコンベア６等によつて搬送され、パレツトに
集積され製品として外部に取出されている。

このような場合のロータリーカツタ５により切
断される処理済シート８の寸法精度は、ロータリ
ーカツタ５の定速回転の保全と共に被処理シート
７をこのロータリーカツタ５に給送するフイード
ロール４の給送速度を一定値に確保しなければな
らないが、一方では、材質上伸縮の生じない薄板
物と異なり、合成樹脂質フイルム又は紙質シート
のごとく柔軟性を有し張力の付加手段に順応し易
い被処理シート７の場合には、特にロータリーカ
ツタ５等の加工処理部への給送速度を一定に保つ
ことが要件となつてくる。

本発明では、ロータリーカツタ５に被処理シー
ト７を給送するフイードロール４を、被処理シー
ト７に対して滑りを生じないような表面状態とな
し、同時に各部分、各時限共に均等な押圧力を付
加できる構造とすることは勿論のこと、連続加工
装置１の前位にライン同調装置１０をおき、これ
を経由して被処理シート７が連続加工装置１に導
入されるようにすると共に、このライン同調装置
１０とフイードロール４とを電気的に関連せしめ
て被処理シート７が常に一定の給送速度でロータ
リーカツタ５にもたらされるようになつている。

ライン同調装置１０は、ダンサーロール１１部
とライン同調用シンクロナイザ１６とを含む枠体
よりなり、ダンサーロール部にはガイドポスト１
８を立設し、これを支保する枠体の上下横片に
は、上横片に従動スプロケツト１４を、又下横片
に駆動スプロケツト１３をそれぞれ装着すると共
に両スプロケツト間にはチエン１５を架け渡して
ある。そして、上記のガイドポスト１８にはこれ
に案内されて昇降自在なダンサーロール１１を設
けてチエン１５と係着させ、また、チエン１５に
はウエイト１２を取付ける。従つて、駆動スプロ
ケツト１３が回転すればチエン１５は回動し、こ
れに係着するダンサーロール１１はガイドポスト
１８に沿つて上下方向に転位することができる。

ライ同調用シンクロナイザ１６は、フイードロ
ール４に取付けたタコメータゼネレータ１７と後
記のごとく電気的に接続されると共に駆動スプロ
ケツト１３を駆動するモータを含み、タコメータ
ゼネレータ１７の電気的指令によりこのモータを
起動又は正逆回転させ、その回転は駆動スプロケ
ツト１３に連動し、駆動スプロケツト１３を停止
状態におき或いは所要方向への回転を与えること
ができる。

本発明のライン同調装置の実際使用にあたつて
は、アンローダより繰り出される被処理シート７
は先づライン同調装置１０に導き入れられる。こ
こではガイドロール１９を経てガイドポスト１８
のほぼ中間高さに位置するダンサーロール１１に
掛け通して屈曲させ、然る後連続加工装置１のス
リツタユニツト２、メジヤリングロール３、フイ
ードロール４及びロータリーカツタ５を順次通過
する間に、この実施例においては所定巾、所定長
さの処理済シート８として挟みコンベア６より終
段の取扱いに委ねられる。

この場合、ロータリーカツタ５が定速回転し同
時にフイードロール４も定速回転しておれば、ピ
ンチされているシート類とフイードロールとの間
の摩擦が一定に持続されている限りはロータリー
カツタによつて高い精度で定寸切断されるが、実
際にはフイードロールによる給送には幾らかのス
リツプが偶発することもあり、スリツタによる長
さ方向の従断時の刃当り加減等による繰り込みの
微細な変動もあつて、在来手段による限りはロー
タリーカツタへの給送速度に若干の変動が生ずる
ことは不可避であつた。

本発明にあつては、フイードロール４にタコメ
ータゼネレータ１７を取付けてフイードロール４
の回転不整を直ちに検出し、ライン同調用シンク
ロナイザ１６にその信号を伝えて該部のモータを
起動させ、駆動スプロケツト１３を回転させる。
この駆動スプロケツト１３の回転はチエン１５を
介してダンサーロール１１をガイドポスト１８に
沿つて昇降せしめ、このダンサーロール１１に掛
け通されている被処理シート７に及ぼすテンシヨ
ンに強弱差をつけることができる。従つて、ロー
タリーカツタの所要の回転速度に対応して被処理
シートを所要の長さだけ給送するように予め設定
されているフイードロールの回転速度に不整を生
じたときには、タコメータゼネレータ１７は所定
回転数のときよりも、回転数の増減に比例して誘
起される電圧又は周波数が変化し、その値を所定
回転数時のこれらの値に対する偏差として外部に
とり出し、ライン同調用シンクロナイザ１６にフ
イードバツクさせて増巾又は制御信号に変換しこ
の部分に含まれるモータを、タコメータゼネレー
タが検出するフイードローラの回転不整に同期し
て起動し、回転不整を打ち消すような回転を行な
わせる。

すなわち、フイードロールが所定回転数のとき
に、ダンサーロールが適宜高さに占位して通過被
処理シートに最適のテンシヨンを与え、ロータリ
ーカツタへの定寸給送を可能とする状態を中立位
置として、この場合にはライン同調用シンクロナ
イザのモータは駆動スプロケツトを回転させず、
ダンサーロールは現位置を保つている。フイード
ロールに所定回転数より回転数が増す、又は減ず
る回転不整が生じたときには、タコメータゼネレ
ータは中立位置回転数からの増減に即応して誘起
電圧が所定値を基準にして高くなつたり低くなつ
たりしてライン同調用シンクロナイザを作動さ
せ、たとえば、フイードロールの回転数が所定値
より大となれば、モータにダンサーロールが１
１′のように下降する回転方向と回転量とを与え
て被処理シートに対するテンシヨンを強くし、被
処理シートの通過抵抗を増しフイードロールを所
定回転数になるまで減速させることにより適正な
給送が行なわれ定寸処理が確保されるようになれ
ば、ライン同調用シンクロナイザの作動は停止し
ダンサーロールはその位置１１′においてテンシ
ヨンロールとしての機能のみを果す。また、フイ
ードロールの回転数が所定値より小となればモー
タに、ダンサーロールが１１″のように上昇する
回転方向よ回転量とを与えて被処理シートに対す
るテンシヨンを弱くし、被処理シートの通過抵抗
を減少しフイードロールを所定回転数になるまで
増速させることにより適正な給送が行なわれ定寸
処理が確保されるようになれば、ライン同調用シ
ンクロナイザの作動は停止しダンサーロールはそ
の位置１１″においてテンシヨンロールとして機
能することは上記の場合と同様であり、フイード
ロールの回転不整があつた場合にはタコメータゼ
ネレータの特性が追随変化しライン同調用シンク
ロナイザを定常状態に復するまで作動せしめ、同
時にダンサーロールのガイドポストに沿う昇降は
ダンサーロールと併せてウエイトをチエンに取付
け、しかもウエイトの重量よりもダンサーロール
の重量を大として掛け回した被処理シートに基本
的なテンシヨンを与えているから、上記の各例の
ときを始めその中間状態にあつても無断で円滑に
フイードロールの回転不整による給送速度若しく
は給送寸法の偏差を解消することができる。

この実施例ではライン同調用シンクロナイザ１
６に含まれるモータを正逆回転させることによ
り、ダンサーロール１１の上昇又は下降並びにそ
の変位量を策定し、フイードロール４での給送速
度を定寸処理にマツチした正常状態とするテンシ
ヨンを与えるダンサーロール位置を得ているが、
他の実施例としてライン同調用シンクロナイザ１
６に含まれるモータを一定方向回転としてクラツ
チを介挿し、チエンに取付くウエイトよりもダン
サーロールの重量が大でガイドポスト１８沿いに
下降し勝手であることと協働して該モータと駆動
スプロケツト１３との回転伝達力を無段に変化さ
せ、ダンサーロール１１に働らく重量差を抑制し
被処理シートに最適なテンシヨンを与える位置を
ダンサーロール１１に占めさせることもできる。

さらに、これの実施例におけるタコメータゼネ
レータは、フイードロールの回転数が大なるとき
はその回転軸に直結すればよく、フイードロール
の回転数が低いときには歯車若しくはタイミング
ベルトによる増倍伝導となせばライン同調用シン
クロナイザでの制御が有利である。

以上の説明のごとく本発明のライン同調装置は
精確な定寸処理を可能とすると共に被処理シート
に常に適正なテンシヨンを与え、メジヤリングの
精度を向上させる効果も併せ有するものであり、
この技術的思想に従うものであれば上記の実施例
に限定されるものではなく、これらから導かれる
応用又は転用はすべて本発明の技術的範囲に包含
されることはいうまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の１実施例であつて、スリツタ
とロータリーカツタによる連続加工装置に適用し
たときの説明図である。 １……連続加工装置、２……スリツタユニツ
ト、３……メジヤリングロール、４……フイード
ロール、５……ロータリーカツタ、６……挟みコ
ンベア、７……被処理シート、８……処理済シー
ト、１０……ライン同調装置、１１……ダンサー
ロール、１２……ウエイト、１３……駆動スプロ
ケツト、１４……従動スプロケツト、１５……チ
エン、１６……ライン同調用シンクロナイザ、１
７……タコメータゼネレータ、１８……ガイドポ
スト。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 適宜手段で供給される長尺の被処理シートに
   対し一定の間隔を保ちつつ精度の高い定寸処理を
   可能とした連続加工装置系に設置する定寸給送装
   置において、一定ピツチで加工処理を行なう機構
   に被処理シートを定速で給送するフイードロール
   にタコメータゼネレータを取付け、被処理シート
   の導入側はダンサーロール部とモータを含むライ
   ン同調用シンクロナイザ部とよりなるライン同調
   装置を設置して、この装置中のライン同調用シン
   クロナイザと上記のタコメータゼネレータとを電
   気的に接続し、ライン同調用シンクロナイザに含
   まれるモータにより駆動される駆動スプロケツト
   及びチエンを介してガイドポストに沿つて昇降し
   て最適テンシヨンを被処理シートにもたらす位置
   を占めることができるダンサーロールを装備し、
   給送スリツプ又は繰り込みの微細な変動により上
   記フイードロールの回転不整が生じたときは、先
   づこれをタコメータゼネレータにより検出し、そ
   の出力の変化にライン同調用シンクロナイザを応
   答作動させてダンサーロールを昇降して被処理シ
   ートに与えるテンシヨンを増減し、それによつて
   フイードロールの給送速度を所定速度に修正する
   構造としたことを特徴とするライン同調システ
   ム。