JPH0313972B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は発泡成形における発泡圧検出方法お
よび装置に関し、離型作用に用いるエジエクトピ
ンを有効に利用して発泡圧の検出を正確になし、
成形サイクルの短縮化ならびに成形不良率の低減
をはかろうとしている。

従来における発泡成形にあつては、成形機を使
用しての融着および冷却工程の完了をタイマーを
使用して判断しているのが大部分であつた。また
一部のブロツク成形機には、ブルドン管式の圧力
測定器が使用されている実情であつた。しかしな
がら例えば冷却の場合、タイマーで冷却時間を設
定すると、冷却水の水温の変動、原料の発泡力の
相異、発泡倍率の変動等のため、予め設定してあ
る冷却時間が最適な時間とは言えなかつた。即
ち、冷却工程の完了を自動的に確認できないため
タイマーで設定した冷却時間が短かつた場合には
成形品の冷却不足による製品不良が生じ、逆に設
定した冷却時間が長過ぎた場合には成形品の冷却
が充分に行なわれる反面、不必要な冷却水により
成形サイクルが長くなり、しかもこの過剰冷却は
金型の温度低下をもたらし、次の工程で金型を加
熱する際には余分な加熱蒸気を必要とする等の欠
点があつた。またブルドン管式の圧力測定器は成
形体に対する受圧部が大きすぎて一般の型物成形
には使用できなかつた。

従つて簡単で且つ価格的にも安価な方法にて発
泡圧を検出して融着完了、冷却完了等の確認を行
なえるものが要望されており、本発明者は上記諸
点を考慮して先に冷却完了の確認および装置の発
明をしたが（特開昭55−21287号参照）、圧力セン
サとなる受圧機構を金型に取付ける手数等を省け
るよう今回さらに改良を加え、従前より離型作用
に用いられていたエジエクトピンを有効に利用し
て発泡圧検出を一層行ない易くしたものである。

即ち、この発明方法については、一対の成形型
の型窩内へ発泡性熱可塑性樹脂粒子による原料を
充填し、該原料を蒸気等の加熱媒体により加熱膨
脹させて発泡成形を行なう方法において、加熱膨
脹と冷却進行にて起る成形体の発泡圧の変動を、
エジエクトピン内に装備した受圧機構にて受圧し
て受圧力の変動としてとらえ、該受圧力の変動を
圧縮エアーの圧力変動に変換しながら感圧して成
形体の発泡圧を自動的に確認して融着完了、冷却
完了を検知した後、エジエクトピンによる離型作
用に入ることを特徴としている。

次いで、この発明方法の実施態様について、そ
の実施に使用する発明装置と共に図を参照しなが
ら以下に例示する。

第１図において１０，２０は一対の成形型のう
ちエジエクトピン３０を装備してある側の金型を
示しており、４０は蒸気室、５０はエジエクトピ
ン３０の支承フランジ、６０は戻し用バネ、７０
はバネ受け具を示している。

上記エジエクトピン３０内には圧力センサとな
る受圧機構が、第２図に示す如く二重のエアー導
管３１，３２が形成されてあることと、成形体Ａ
のある型窩に面する側には遊動できる受圧子３３
を設けてあることにて構成されている。そして上
記受圧子３３の反対側に上記二重のエアー導管３
１，３２にて導入側と導出側の制御エアー経路が
形成されてあり、導入側はバネ受け具７０のエア
ー導管７１を介して感圧側の配管８０と連結され
ている。感圧側の８１はエアー流量調整弁、８２
は確認用となる圧力計、８３は自動制御用の圧力
スイツチである。図中の矢印は制御エアーの流れ
を示している。

第３図の変更例では二重のエアー導管３１′，
３２′の導入側と導出側とを第１図の場合と逆に
変更した場合であつて、受圧子３３′についても
変更してあり、３４は受圧子の抜け止め用のピ
ン、３５はローリングを示している。

なお、上記第２図の場合には導入側の制御エア
ー経路の入口と配管８０との連結をエジエクトピ
ン端部３６にて行なうこともあり、さらに第３図
の場合には導出側の制御エアー経路の出口をエジ
エクトピン端部３６′に形成して実施することも
可能である。

そして上記装置を使用しての作動としては、圧
縮エアーがエジエクトピン３０内に導入される。
その時エアーの圧力流量はエアー流量調整弁８１
で制御されている。導入されたエアーは型窩内の
原料が融着段階に入つて樹脂の発泡圧が高くなる
のに応じて受圧子３３，３３′にてエアー導管３
０，３２、３１′，３２′による導入側と導出側と
の制御エアー経路をその時の発泡圧に応じたエア
ー流量絞りを行ない、ほぼ樹脂発泡圧と同じエア
ー圧を保持した状態になつているが、加熱膨脹し
て融着完了後の成形体Ａの発泡圧が冷却進行にて
低下変動を来たすと、受圧子３３，３３′がこれ
を受圧力の変動としてとらえ、成形体Ａの方向へ
エアー圧力で移動し得ることになり、導入側と導
出側の制御エアー経路が開放状態に移行し、かく
して導入側は次第に減圧されて圧力スイツチ８３
の作動を促し、次に離型工程に進みエジエクトピ
ン本来の離型作用に入ることになる。

以上のように、この発明では成形体Ａの発泡圧
により融着完了、冷却完了をエジエクトピン内の
受圧機構に受圧して確実に検知することが可能と
なり、エジエクトピン内を有効に利用し、離型作
用との連係化もし易くした独特の方法となる。そ
して成形品の融着不良、冷却不足による製品不良
はなくなり、しかも冷却過剰による無駄をも排除
し、品質の向上と同時にコスト低減をはかるのに
好都合となり、さらに離型タイミングは一層のこ
ととり易く、成形サイクルアツプにも好都合とな
る。

また上記発明方法の実施に使用する発明装置と
しては、エジエクトピン自体が圧力センサとなる
受圧機構を装備しているので、金型への別個の受
圧機構を取付けるための手数を省くと共に発泡圧
検出装置として脱着もし易く、さらに別段、金型
への取付スペースを配慮する必要もなくなり、簡
単で確実な検知作用を発揮できるゆえ、種々の発
泡成形型に装備して優れた使用効果をもたらすも
のであり、上記発明方法の実施を容易にする。

【図面の簡単な説明】

図はこの発明の実施態様を例示するものであ
り、第１図は概要を示す一部の断面図、第２図は
要部の断面図、第３図は変更例の断面図である。 ３０……エジエクトピン、３１，３２、３１′，
３２′……二重のエアー導管、３３，３３′……受
圧子、Ａ……成形体、８０……感圧側の配管、８
１……エアー流量調整弁。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 一対の成形型の型窩内へ発泡性熱可塑性樹脂
   粒子による原料を充填し、該原料を蒸気等の加熱
   媒体により加熱膨脹させて発泡成形を行なう方法
   において、加熱膨脹と冷却進行にて起る成形体の
   発泡圧の変動を、エジエクトピン内に装備した受
   圧機構にて受圧して受圧力の変動としてとらえ、
   該受圧力の変動を圧縮エアーの圧力変動に変換し
   ながら感圧して成形体の発泡圧を自動的に確認し
   て融着完了、冷却完了を検知した後、エジエクト
   ピンによる離型作用に入ることを特徴とする発泡
   成形における発泡圧検出方法。 ２ 一対の成形型の型窩内へ発泡性熱可塑性樹脂
   粒子による原料を充填し、該原料を蒸気等の加熱
   媒体により加熱膨脹させて発泡成形を行なう装置
   において、成形体の離型に用いるエジエクトピン
   内に二重のエアー導管を形成すると共に、エジエ
   クトピンの型窩に面する側に受圧子を設け、その
   反対側を上記二重のエアー導管による導入側と導
   出側の制御エアー経路となし、該制御エアー経路
   に対し感圧部を連結してなることを特徴とする発
   泡成形における発泡圧検出装置。