JPH0313660B2 - - Google Patents

Description

請求の範囲 １ 磁気テープがらせん状に巻付けられたヘツド
シリンダを有する、ビデオレコーダのためのテー
プ走行機構であつて、ヘツドシリンダの周面に配
置されて磁気テープの第１縁部を支持しかつフレ
ームに固定された第１のガイド部材と、ヘツドシ
リンダに対する磁気テープの走入個所の手前と同
じく走出個所の後ろとでそれぞれ磁気テープの第
２縁部に作用する、第２及び第３のガイド部材と
を有している形式のものにおいて、第２と第３の
ガイド部材９，１０に向う磁気テープの運動路上
に、円筒状のスリーブ３３を有する変向ピン８が
それぞれ配置されており、このスリーブ３３が、
磁気テープ２０の前記第１縁部の方向へ該テープ
の中央線２３からずれて位置する傾動点２２を中
心に旋回可能であり、しかも該スリーブ３３がテ
ープの引張りによつて、磁気テープ２０の第２縁
部を前記の第２、第３のガイド部材９，１０に当
接せしめるように位置調節されることを特徴とす
る、ビデオレコーダのためのテープ走行機構。

２ 第２、第３のガイド部材９，１０が、テープ
面に対して平行にかつテープ走行方向に対してほ
ぼ垂直に配置されたガイドピンとして形成されて
おり、このガイドピンの上端部にそれぞれ配設さ
れたフランジの下面によつて、当該磁気テープ２
０の第２縁部のための支持部が形成されている、
請求の範囲第１項記載のテープ走行機構。

３ 第１のガイド部材１１が磁気テープ２０のた
めのほぼ点状の支持部を形成している、請求の範
囲第１項又は第２項記載のテープ走行機構。

４ 第２、第３のガイド部材９，１０が互いに反
対方向に、磁気テープ２０の走行方向に対してほ
ぼ直角に調節可能である、請求の範囲第１項から
第３項までのいずれか１項記載のテープ走行機
構。

５ 第１のガイド部材１１がヘツドシリンダ２の
環状の溝２４内に、該ヘツドシリンダに接触する
ことをなく突入している、請求の範囲第１項記載
のテープ走行機構。

６ 変向ピン８が、フレーム２５に結合するため
のねじ山部と両側を平らに形成されたサイド面取
り部とを備えていて該変向ピンの軸線に同心的な
ピン３０を有しており、このピン３０の平坦部分
に形成された孔内に、当該平坦部分の両側に突出
するボール３１が受容されており、更に該ピン３
０の平坦部分に適合して軸線中心に配置された切
欠きを有するほぼ円筒状のプラスチツク部材３２
が配置されており、該プラスチツク部材の脚部が
前記のボール３１を有する平坦部分の上に被せ嵌
められており、更に当該のピン３０とボール３１
とプラスチツク部材３２とから成る結合ユニツト
の上にスリーブ３３が遊びなしに被せ嵌められて
おり、それによつてボール３１がプラスチツク部
材３２の脚部内に押し込まれ、スリーブ３３が傾
動点２２を中心にピン３０に対して相対的に旋回
可能である、請求の範囲第１項記載のテープ走行
機構。

明細書 公知のヘルカリ走査方式のビデオ用磁気テープ
器械においては、磁気テープがある所定のらせん
角度を以つてヘツドシリンダの囲りにらせん状に
案内されている。この場合のヘツドシリンダユニ
ツトは基板に対して斜めに所定の角度を以つて配
置され、それによつてヘツドシリンダへの巻き付
けの最初と最後での前記のらせん巻きに基づいて
テープに生じる高さ相違が補償されかつ、供給リ
ールと巻取りリールとの間でほとんどひずみのな
いテープ張力分布を形成するテープ案内が行なわ
れている。

また大抵はピン又はローラとして形成されてい
る変向部材を以つてテープをカセツトから引き出
して操作位置にもたらす必要がある。通常はやは
りこのピンによつて操作中のテープの位置決めも
行なわれ、従つてこのピンは極めて高い正確さを
以つて所定の最終位置に達つする必要がある。従
つてこれらのピンのための各ストツパの制御は絶
対に必要でありかつ、その調節機能は当該器械耐
用年数全体に亘つて維持される必要がある。

本発明の課題はビデオレコーダのためのテープ
走行機構において、操作中の磁気テープを自動的
に正確な位置にもたらしめ得るテープガイド機構
を提供することである。

この課題は請求の範囲第１項記載の手段によつ
て解決された。本発明の有利な実施様態は請求の
範囲第２項乃至第６項に記載されている。

本発明の原理は、テープ案内セツト機構に属す
る変向部材を、磁気テープを案内すべき側方フラ
ンジを有さない傾動又は旋回ピンとして形成する
ことである。このピンは円筒形又は円錐形のスリ
ーブを有し、このスリーブはその軸線方向で見て
の中央において点状に懸架されておりかつ、位置
固定的な内側部材に対して一平面内で可動なよう
に支承されている。磁気テープ中央線がスリーブ
の傾動点又は旋回軸線の外側でピンに当接するよ
うに該磁気テープがスリーブの囲りに案内されて
いると、スリーブは当該テープに、そのテープ中
央線をテープ走行方向に対して直角にピンに沿つ
てスリーブ傾動点から更にずらし離す方向で滑動
する傾向を与える位置を取る。この場合磁気テー
プの中央線とスリーブの傾動点との間の距離がテ
ープ引張り力との関係において、テープ走行方向
に対して直角な力成分を規定する。ヘツドシリン
ダ範囲内では磁気テープがガイドピンによつて案
内されている。即ち磁気テープは該ヘツドシリン
ダの入口個所の手前と出口個所の後ろとに位置固
定的にかつテープ走行方向に対して垂直に配置さ
れたガイドピンによつて案内されている。このガ
イドピンの上端部にはフランジが配置されてお
り、このフランジの内縁において磁気テープの一
方縁部が高さ方向案内のために支持されている。
前記の傾動ピンとしての変向ピンによつて磁気テ
ープは自動的にこのガイドピンのフランジに当接
される。ヘツドシリンダへの巻付け周のほぼ中央
で磁気テープの他方縁部が、更に別の位置固定的
なガイド部材上に載せられている。上記のテープ
案内機構の有利点は、場合によつて生じるテープ
の誤案内が前記の傾動ピンによつて補償され得る
ことである。これによつて磁気テープの幅に亘つ
て見て均一な張力（テープ張力・配分）が磁気テ
ープ内部に形成され、それによつて磁気テープの
ばたつきが回避される。

更に別の有利点は、案内セツト機構に属し該機
構と結合されてフレームに対して可動に配置され
た傾動ピンが、所定の作業位置において自動的に
最良調節されるので、何ら正確な調整手段を必要
としないことである。これによつて高価な調整可
能ストツパは不要となる。また傾動ピンの前後の
テープ運動路の接続が機構的に切られるので有利
である。これによつて走査ユニツトの外でのテー
プ案内における不正確さが、軸跡形成又は走査の
正確さに影響することはない。

次に第１図乃至第５図を用いて本発明による実
施例を説明する。

第１図は本発明による走行機構におけるテープ
案内の経過を示す図、第２図はヘツドシリンダ範
囲での磁気テープの案内を示す略示側面図、第３
図は第１図のヘツドシリンダ範囲を示す拡大部分
図、第４図は第３図のＡ−Ｂ線に沿つた部分断面
図、第５図は本発明による変向ピンを示す断面図
である。

第１図には装填されたビデオカセツト１を有す
るテープ走行機構が示されている。押圧ゴムロー
ラ４、変向ピン８、変向ローラ１２、テープ引張
りフイラ１３によつて磁気テープ２０がビデオカ
セツト１から引き出され、ガイドピン９，１０を
介してヘツドシリンダ２に装着され、更にこの磁
気テープ２０は位置固定的なガイド部材１１によ
つてほぼ中央で支持されつつ、ヘツドシリンダ２
にらせん状に巻付けられている。磁気テープ２０
は押圧ゴムローラ４によつてキヤプスタンシヤフ
ト３に押しつけられており、またオーデイオヘツ
ド５と音声消去ヘツド６と全幅消去ヘツド７とを
通過走行せしめられる。磁気テープ２０は普通操
作時にはビデオカセツト１の左の供給リールから
の右の巻取りリールへ送られる。テープ走行方向
とヘツドシリンダ２の回転方向とは、普通操作時
には一致している。

第２図には磁気テープ２０をらせん状に巻付け
られかつ斜めに支承された一体的なヘツドシリン
ダ２が示されている。磁気テープ２０の案内は変
向ピン８とガイドピン９，１０を介して行なわれ
ている。また該磁気テープ２０は、その一方の縁
が変向ピン８の位置決めによつてガイドピン９，
１０の各フランジに当接するように案内されてい
る。他方の磁気テープ縁は、巻付け周のほぼ半分
の所に配置された固定的なガイド部材１１上に載
せられている。この構造によつてヘツドシリンダ
への巻付け範囲における磁気テープ２０のため３
点支承が形成されている。各変向ピン８は、磁気
テープ中央線２３のすぐ下に位置する傾動点２２
を中心に配置された円筒状のスリーブを有してい
る。テープ引張りによつてこの円筒状スリーブ
は、あらゆるテープ速度においてそのテープ上縁
を自動的に前記ガイドピン９，１０のフランジに
当接せしめるように位置決め調節される。このよ
うな構造は本願と平行して行なわれているドイツ
連邦共和国特許出願第3300378.5−31号明細書に
記載されている。

図示の一体的なヘツドシリンダ２においては、
磁気テープ下縁を支持するガイド部材１１が、ヘ
ツドシリンダ２に接触することなく環状の溝２４
内に突入している。このガイド部材１１は機構フ
レーム２５に固定され、巻付け周に対する相対的
な中央位置への調節のために可動となつている。
テープ送り走行の際には、ビデオヘツド２６が正
確に所望の軌跡で走査を行なうようにテープが調
節される。しかしテープ速度の変更時にはこれと
異なる。ガイドピン９と１０が反対方向に高さ調
節されることによつてヘツドシリンダ巻付け範囲
におけるらせん角度が変化され、従つてそのガイ
ドピン９と１０の位置に応じて単数又は複数のビ
デオヘツド２６によつて、異なる軌跡角度を有す
る磁気軌跡が形成されるか又は走査される。

第３図及び第４図にはガイドピン９，１０の位
置調節のための装置が示されている。ピン９と１
０とを反対方向に高さ調節することによつて、ヘ
ツドシリンダ２の周囲への磁気テープ２０のらせ
ん巻き角度が変化される。ガイドピン９，１０は
逆向きのねじ山ブシユ内で案内されかつ、連接棒
２８を介して電気力学的な変換器２９によつて駆
動される旋回レバー２７と結合されている。変換
器２９は、例えば「グルンデイヒ（Grundig）社
技術情報３−1980、No.３」に記された再生機構に
おけるように、予め記録された制御信号から形成
される各信号によつて制御される。しかしガイド
ピン９，１０の調節を操作部材によつてテープ速
度の変化に合わせて行ない、この際に予め調整さ
れた係止位置を以つて正確な軌跡の形成を行なう
ことも可能である。必要時には補足的に、連続制
御される後調節機構を用いることも可能である。

ガイドピン９，１０の調節量は、長手方向での
磁気テープ２０の運動速度に応じる。ｎ倍のテー
プ速度においては調節量も軌跡幅のｎ倍となり、
即ち一方のピンは軌跡×ｎ／２の寸法を一方向にそ して他方のピンは軌跡幅×ｎ／２の寸法を逆方向に 動かされることになる。これは反対方向での送り
及び戻り走行に関しても当てはまる。

ピン９，１０の調節時に変向ピン（傾動ピン）
８が自動的に位置決めされることによつて、テー
プ速度の変化時にもテープ案内は最良に調整され
ることが確実である。

第５図には本発明による変向ピン８の断面図が
示されている。取付のためのねじ山を備えた金属
製のピン３０の片側端部は、軸線を中心にして両
側に一平面内で平らにされた部分を有し、この平
らな部分の面中央に配置された孔内に金属製のボ
ール３１が保持されている。このボール３１の直
径は、該ボールがピン３０の平坦部分の両側に突
出するように設定されている。軸線を中心に金属
製ピン３０の平坦部分に適合した切欠きを有する
円筒状のプラスチツク部材３２はその脚部を以つ
てピン３０の、ボール３１を備えた前記平坦部分
の上に被せ嵌められている。この際に該脚部はボ
ール３１の作用によつて拡開されている。また金
属製のスリーブ３３の内径ははプラスチツク部材
３２の上に遊びなしに被せ嵌め可能なように形成
されている。プラスチツク部材３２の各脚部はボ
ール３１上に強く押しつけられており、それによ
つて該ボール３１はプラスチツク部材３２内に押
し込められている。これによつてスリーブ３３の
ための、軸線上の点状支承部が形成されている。
金属製ピン３０の直径に対するプラスチツク部材
３２の外径の比を選択することによつて、可能偏
位量が規定され得る。