JPH0313310Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、分娩台、手術台、保育器等の医療用
機器に付属部品を装着するための装着装置に関す
る。

〔考案の概要〕

本考案は、医療用機器本体に配設のレールで案
内される装着部材を用い、付属部品を上記医療機
器本体の所定位置に装着するようにした付属部品
の装着装置において、レールが嵌合される装着部
材の嵌合部に、レールに設けられた係合部材を係
合させて装着部材をレールの所定の位置に固定す
るようにし、装着部材がレール上を不測に移動す
るのを確実に防止できるようにしたものである。

〔従来の技術〕

従来より、手術台兼用の分娩台が存在する。こ
の分娩台の側部には略水平方向にレールが設けら
れ、このレールに怒責棒等の付属部品がスライド
自在の装着部材を介して着脱自在に取付けられる
と共に、分娩台本体に支脚器（股受、踵受）がね
じ止めにより取付けられるように構成されてい
る。

この分娩台を手術台として使用する場合には、
前記レールから怒責棒等の手術に不要な付属部品
及び装着部材を取り除くと共に、支脚器を分娩台
本体から取り外し、また、これを分娩台として使
用する場合には、装着部材をレールに取付けてこ
れをレールの所定の位置までスライドさせ、この
装着部材に怒責棒等の分娩に必要な付属部品を取
付けると共に、支脚器を分娩台本体にねじ止めす
るようになしている。

なおレールへの装着部材の固定は、装着部材に
設けられたねじを締めてそのねじの先端部をレー
ルに圧着させることにより行つている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら上述の従来技術によれば、レール
への装着部材の固定を、装着部材に設けられたね
じを締めてそのねじの先端部をレールに圧着させ
ることにより行つているが、そのねじの締付けが
弱かつたり、締め付けられたねじに緩みが生じる
と、装着部材に取付けられている怒責棒等の付属
部品には分娩時に相当な力が加わるために装着部
材が分娩時に不測にレールの所定の位置から位置
ずれしてしまつたり、レールから脱落してしまつ
たりするという欠点があつた。

また、上述の従来技術によれば、装着部材をレ
ールに沿つてスライドさせ、レールの所定の位置
へ位置決めするには、感覚にたよつて位置決めを
せざるを得ないために位置決めされる位置にバラ
つきが生じ、また位置決めに時間がかかるという
欠点があつた。

さらに、支脚器を分娩台本体にねじ止めにより
取付けるように構成しているため、支脚器の分娩
台への着脱が面倒であつた。

そこで本考案は、上述のような従来技術の欠点
を除去することができる付属部品装着装置を提供
しようとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、医療機器本体にレールを配設し、こ
のレールに嵌合させたレール嵌合部を介して装置
部材を上記レールに沿い稼動させてこの装置部材
上の付属部品を上記医療機器本体の所定位置に装
着するようにした付属部品装着装置において、上
記レール嵌合部の中間部位を切欠いてこの切欠か
れた中間部位の幅とほぼ等しい幅の係合部材を上
記レールに配設の案内部に沿わせて上記中間部位
内の上記レール上をこの係合部材の長さ方向にか
つこのレールの長手方向と交叉する方向に摺動が
自在に設けると共に、上記係合部材をこの係合部
材と上記レールとの間に介在する弾性材にて付勢
し、上記レール嵌合部が上記係合部材に当接して
係止される位置を占めるように付属部品装着装置
を構成した。

〔作用〕

本考案によれば、装着部材はその嵌合部にレー
ルが嵌合された状態でレールに沿つてレールの所
定の位置までスライドさせられる。そしてその所
定の位置に到達した所で前記嵌合部にレールに設
けられた係合部材が係合し、これによつて装着部
材はレールの前記所定の位置に固定される。

〔実施例〕

以下、本考案を手術台兼用の分娩台に適用した
実施例を図面に基づき説明する。

第５図に示すように、分娩台１の側部には、略
水平方向にレール２が取付けられている。この分
娩台１は手術台と兼用されるもので、その使用目
的に応じ、分娩台１にはレール２を介して、各種
の付属部品を選択的に装着できるように構成され
ている。そして第５図は、この分娩台１を分娩台
として使用する場合の状態を示したものである。
従つて分娩台１のレール２には、付属部品である
支脚器３が取付けられている。

支脚器３は、脚受部材４とこの脚受部材４を支
持する支持部材５とから成る。支持部材５は、略
円筒状の基部６とこの基部６に略90゜の角度をも
つて設けられたガイドロツド７及び装着ロツド８
とから成る。そしてガイドロツド７に脚受部材４
が嵌合孔４ａにおいて摺動自在に嵌合され、ガイ
ドロツド７の所定の位置にねじ９によつて固定さ
れている。

このように構成された支脚器３は、装着部材１
０によつてレール２に装着される。

装着部材１０は第１図、第２図に示すように、
支脚器受部材１１とコア１５と保持部材２０とレ
ールガイド部材と締付部材３７とから成る。

支脚器受部材１１には円筒形のボス部１２が一
体に設けられ、ボス部１２の上面には、支持部材
５の基部６の下面に形成された複数の歯部６ａと
歯合する複数の歯部１２ａがボス部１２の周方向
に形成されている。そしてこの歯部１２ａに対し
て支持部材５の基部６を水平方向（第１図の矢印
ａ方向）に回転させた任意の位置で基部６の下面
に設けられた歯部６ａをボス部１２の歯部１２ａ
に歯合させることによつて、支持部材５に支持さ
れている脚受部材４の水平方向（第１図の矢印ａ
方向）の位置決めを行う。

支脚器受部材１１には、第２図に示すように、
支持部材５の装着ロツド８が挿通される貫通孔１
３と、コア１５が水平方向に挿通される貫通孔１
４とが互いに直交した状態で設けられている。ま
た支脚器受部材１１における保持部材２０との対
向面には、保持部材２０に円環状に設けられた複
数の歯部２０ａと噛合する複数の歯部１１ａが円
環状に形成されている。そして支脚器受部材１１
を保持部材２０に対して第１図の矢印ｂ方向に回
転させた任意の位置で歯部１１ａを歯部２０ａに
歯合させることによつて、支持部材５に支持され
ている脚受部材４の垂直方向（第１図の矢印ｂ方
向）の位置決めを行う。

保持部材２０は第１図、第２図に示すように、
その中心部にコア１５が挿通される挿通孔２１が
設けられると共に、レールガイド部材３０が保持
される保持部２２と、レール２が保持される左右
一対の略コ字形のレール保持部２３とが設けられ
ている。

第１図に示すごとく上記レールガイド部材３０
は、何れも上下１組から成り、しかも両者の間に
切欠かれた中間部位を持つ左右１対のＬ字形レー
ル嵌合部３１ａ〜３１ｄを具備し、このレール嵌
合部３１ａ〜３１ｄにレール２が相対的にスライ
ド自在に嵌合される。

レールガイド部材３０の中心部には、コア１５
が挿通される挿通孔３２が設けられている。そし
てこの挿通孔３２内には、第２図に示すように円
環状の段部３４が設けられ、また挿通孔３２の内
周面の下部には、円柱状の規制ピン３５が一体に
立設されている。

コア１５は略円柱状をなし、その端面１５ａに
はコア１５の周方向に沿つてフランジ部１６が設
けられている。そしてこのフランジ部１６は、第
２図に示すようにコア１５がレールガイド部材３
０の挿通孔３２、保持部材の挿通孔２１及び支脚
器受部材１１の貫通孔１４に順次挿入された時
に、レールガイド部材３０の挿通孔３２内に設け
られた段部３４に当接するように構成されてい
る。

フランジ部１６の下部には切欠き１７が設けら
れ、この切欠き１７内に規制ピン３５が配置され
る、そして、この切欠き１７の両端部１７ａ，１
７ｂに規制ピン３５が選択的に当接することによ
りコア１５の第１図の矢印ｅ、ｆ方向への回転が
それぞれ規制される。

コア１５における支脚器受部材１１の貫通孔１
３との対応位置には、第２図に示すように支持部
材５の装着ロツド８が挿通される挿通孔１８が設
けられ、またフランジ部１６が設けられている端
面１５ａとは反対側の端面１５ｂには、締付部材
３７のねじ部３８がねじ込まれるねじ孔１９が設
けられている。

レール２の所定の位置には、第１図、第２図、
第４図に示すように係合部材４０が矢印ｃ、ｄ方
向に移動自在に設けられている。この係合部材４
０は、上下に段部４１ａと把持部４１ｂが設けら
れることによつて略コ形に形成された係合部４１
とスライド部４２とを有する。

スライド部４２は、レール２にねじ止めされた
取付部材４３とレール２に設けられた凹部４４
（係合部材４０の案内部となる）との間に配置さ
れ、その長孔４５内にピン４６が相対的に上下に
移動可能な状態で挿通されることによつて、上下
方向（第１図の矢印ｃ、ｄ方向）にのみ移動自在
に構成されている。

ピン４６は、その先端部４６ａが取付部材４３
の孔４７を通してレール２に設けられた挿入孔４
８に挿入されて溶接等により挿入孔４８内に固定
されている。

ピン４６の外周囲４６ｂには、ばね５０がその
コイル部５０ａによつて装着され、ばね５０の両
端部５０ｂ，５０ｃは、係合部材４０の係合部４
１の段部４１ａ上面に当接している。

ピン４６に設けられたねじ孔４９には小ねじ６
０がねじ込まれており、その小ねじ６０の頭部６
０ａによつてピン４６に装着されたばね５０のコ
イル部５０ａの抜け止めが図られている。

次に、装着部材１０のレール２への装着動作に
つき説明する。

まず、レール２の端部において、装着部材１０
のレールガイド部材３０のレール嵌合部３１ａ〜
３１ｄにレール２を嵌合し、装着部材１０をレー
ル２に沿つて第３Ａ図の矢印ｇ方向にスライドさ
せる。そしてレール嵌合部３１ｄがレール２に設
けられた係止部材４０の段部４１ａの側面５１ａ
に当接するような位置まで到つた時に、係合部材
４０の把持部４１ｂを把持して係合部材４０をば
ね５０の付勢力に逆らつて第３Ａ図の矢印ｃ方向
にスライドさせ、レール嵌合部３１ｄを第３Ａ図
に示すように係合部材４０の段部４１ａと把持部
４１ｂとの間の中空部内に逃がしてやる。そして
この状態で装着部材１０を更に第３Ａ図の矢印ｇ
方向に移動させて係合部材４０の係合部４１がレ
ール嵌合部３１ｂ及び３１ｄの間に到ると、係合
部材４０はばね５０の付勢力によつて第３Ａ図の
矢印ｄ方向にスライドされ、その段部４１ａが第
２図、第３Ｂ図、第４図に示すようにレール嵌合
部３１ｂ及び３１ｄ間に落ち込む。これによつて
係合部４１の段部４１ａがレール嵌合部３１ｂ，
３１ｄに係合し、装着部材１０のレール２の所定
の位置への位置決め固定が行われる。

次に支脚器３の装着部材１０への取付け動作に
つき説明する。

まず支脚器３の支持部材５の装着ロツド８を、
第１図、第２図に示すように支脚器受部材１１の
貫通孔１３及びコア１５の挿通孔１８に挿通させ
た後、支持部材５の歯部６ａと支脚器受部材１１
の歯部１２ａとの噛合及び支脚器受部材１１の歯
部１１ａと保持部材２０の歯部２０ａとの噛合を
調整することにより、支脚器３の第１図の矢印ａ
及びｂ方向の位置決めを行う。そして支脚器３の
位置決めが行われた所で締付部材３７のハンドル
部３９を回転させてねじ３８の締付けを行うと、
支持部材５の装着ロツド８がねじ３８の先端部に
より第２図の矢印ｈ方向に押圧されて支脚器受部
材１１の貫通孔１３の内周面に圧着される。これ
によつて支脚器受部材１１及び保持部材２０が第
２図の矢印ｈ方向に押圧付勢される。

一方ねじ３８の締付けが行われることによつ
て、コア１５がねじ送り作用により第２図の矢印
ｉ方向に移動される。これに伴つてレールガイド
部材３０もコア１５のフランジ部１６にその段部
３４が押圧されて矢印ｉ方向に移動される。

従つてレール２は、第２図に示すように矢印ｉ
方向に移動されるレールガイド部材３０のレール
嵌合部３１ａ〜３１ｄと、矢印ｈ方向に押圧付勢
されている保持部材２０のレール当接面２４とに
より両側から挾み込まれる状態となり、これによ
つて装着部材１０が確実にレール２に密着固定さ
れる。

次に分娩台１を手術台として使用するために、
支脚器３をレール２から取り外すには、上述の装
着動作とは逆の順序で支脚器３を装着部材１０か
ら取外し、装着部材１０をレール２から取外せば
良い。

以上のように本考案によれば、レール２に設け
られた係合部材４０を装着部材１０のレール嵌合
部３１ｂ，３１ｄに係合させることにより、装着
部材１０のレール２への位置決め及び固定を容易
かつ確実に行うことができる。

なお、本考案は上述の実施例に限定されること
なく、本考案の技術思想に基づき各種の有効な変
更が可能である。

また、本考案は分娩台のみでなく、保育器、手
術台等の医療用機器に広く適用可能である。

〔考案の効果〕

本考案によれば、装着部材はその嵌合部にレー
ルに設けられた係合部材が係合することによつて
レールの所定の位置に固定される。

従つてねじを用いて装着部材をレールに固定す
る方法に比べて装着部材をレールに確実に固定で
き、ねじの締付け不足、ねじの緩み等に起因する
装着部材の所定の位置からの位置ずれ、装着部材
のレールからの脱落を有効に防止することができ
る。

また、装着部材はレールに設けられた係合部材
により常にレールの所定の位置に固定されるの
で、装着部材のレールの所定の位置への位置決め
を容易かつ確実に行うことができる。

さらに、装着部材をレールに確実に固定するこ
とができるので、かなり重量の重い支脚器等の付
属部品でも装着部材を用いてレールに取付けるこ
とが可能になり、支脚器等の付属部品を医療用機
器本体にねじ止めにより取付ける方法に比べて支
脚器等の付属部品の着脱が容易となる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案と分娩台に適用した一実施例を示
すものであつて、第１図は要部の分解斜視図、第
２図は要部の縦断面図、第３Ａ図、第３Ｂ図は要
部の動作を示す正面図、第４図は要部の斜視図、
第５図は分娩台全体を示す斜視図である。 なお図面に用いた符号において、１……分娩
台、２……レール、３……支脚器（付属部品）、
１０……装着部材、３１ａ〜３１ｄ……レール嵌
合部、４０……係合部材、４１……係合部、４１
ａ……段部、４４……凹部（案内部）、である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 医療機器本体にレールを配設し、このレールに
   嵌合させたレール嵌合部を介して装置部材を上記
   レールに沿い移動させてこの装置部材上の付属部
   品を上記医療機器本体の所定位置に装着するよう
   にした付属部品装着装置において、 上記レール嵌合部の中間部位を切欠いてこの切
   欠かれた中間部位の幅とほぼ等しい幅の係合部材
   を上記レールに配設の案内部に沿わせて上記中間
   部位内の上記レール上をこの係合部材の長さ方向
   にかつこのレールの長手方向と交叉する方向に摺
   動が自在に設けると共に、 上記係合部材をこの係合部材と上記レールとの
   間に介在する弾性材にて付勢し、上記レール嵌合
   部が上記係合部材に当接して係止される位置を占
   めるように構成した付属部品装着装置。