JPH03111507A - 鉄系合金溶湯の製造法および装置 - Google Patents

鉄系合金溶湯の製造法および装置

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JPH03111507A
JPH03111507A JP24950389A JP24950389A JPH03111507A JP H03111507 A JPH03111507 A JP H03111507A JP 24950389 A JP24950389 A JP 24950389A JP 24950389 A JP24950389 A JP 24950389A JP H03111507 A JPH03111507 A JP H03111507A
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slag
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blowing
gas
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Hisashi Mori
久 森
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GODO SEITETSU KK
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Godo Steel Ltd
GODO SEITETSU KK
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は鉄系合金溶湯の製造法および装置に係り、詳し
くは、溶融還元および/もしくはスクラップ溶解によっ
て溶銑を製造する場合、その後工程への余剰エネルギー
量を減少させる方法ならびにそれを可能にした装置に関
するものである。
〔従来の技術〕
近年、コークス製造−鉱石塊成化一高炉プロセスに置き
代わるプロセスとして、鉄浴式溶融還元製鉄法が活発に
研究されている。鉄浴式溶融還元製鉄法の一般的な形態
としては、鉄鉱石もしくは部分還元鉱石の酸素を石炭な
どの炭素によって還元するに必要なエネルギーを、石炭
などのC,H。
を酸素ガスで燃焼させることによって供給する溶融還元
炉と、溶融還元炉排ガス中のCO,H2ガスによって鉄
鉱石を部分還元する予(J¥j還元炉とから構成されて
いる。これに、微粉炭炉L」部吹込みによるガス改質や
副原料の焼成をもとり込んだシステムや、スクラップ溶
解との複合法も提案されている。
いずれの場合も鉄浴式溶融還元炉で製造されるホットメ
タルは溶銑であり、転炉などの脱炭炉によって精錬され
て溶鋼となる。
圧延以降の工程に必要なエネルギーは、その製鉄所の設
備構成や製品構成によって変わるので、溶融還元法の開
発においては、その工程におけるコストダウンのみなら
ず、後工程への余剰エネルギーの制御法も重要な課題と
なる。とりわけ、余剰エネルギーの減少が必要となるケ
ースが多い。
余剰エネルギーを減少させるには、溶融還元炉における
二次燃焼率と着熱効率を向上すべきであり、二次燃焼率
と着熱効率の向上法については、数多くの知見が得られ
ている。また、溶融還元炉に装入する鉄鉱石の予備還元
率と装入物の温度を上昇させるほど余剰エネルギーが減
少することもよく知られている。これらの試験結果は、
熱シュミレーション計算結果によっても裏付けられてい
る。
さらに、最近になって、溶融還元炉の二次燃焼率と着熱
効率の上限を制約する本質的な要因は、固定炭素バラン
スであることが明らかになった。
すなわち、松尾氏うニよれば(CAMP4SIJ VO
L、2゜1989年p、163参照〕、溶融還元炉にお
ける炭材の機能は、発熱以外に還元・加炭機能があり、
着熱には石炭中の固定炭素が寄与し、石炭中の揮発分は
ほとんど寄与しない。固定炭素の必要量は、未還元鉱石
中の酸素を還元するに必要な約310kg/l−メタル
、鉄を溶銑まで加炭するに必要な約50kg/l−メタ
ル以外に、上吹酸素による固定炭素燃焼相当量がある。
したがって、着熱効率を90%程度に維持しようとすれ
ば、石炭中の揮発分が上昇するにつれて(すなわち、固
定炭素分が減少する)、固定炭素が不足することになり
、安定操業を維持するうえでの二次燃焼率の上限値は低
下せざるを得ないことが、5tおよび170を上底吹転
炉で実証された。
二次燃焼率・着熱効率を向上させ、その結果、生産性の
向上、炭材および酸素原単位の減少、後工程への余剰エ
ネルギーの減少を実現する画期的な発明として、特開昭
61−213310号公報に記載された炭材を懸濁させ
た多量の泡立ちスラグを保持することを特徴とする上底
吹転炉における溶融還元法がある。しかし、この発明を
適用しても、前述した上吹酸素による固定炭素燃焼量は
、現状では0.2kgC/Nm’−0□であるため、着
熱効率を90%に維持した場合の二次燃焼率の上限は、
コークスで60%代、揮発分35%の石炭で40%代で
ある。
ちなみに、二次燃焼率〔%〕の定義は、(COZ十〇z
O)/ (COfCO□十Hz + H2O) X 1
00であるから、石炭原単位(kg−石炭/L−メタル
”) X(100−二次燃焼率[%])が溶融還元炉か
ら排出される化学的余剰エネルギーの大凡の指標である
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、世界の石炭資源および鉄鉱石資源状況を
みると、石炭中の灰分〔%〕あるいは鉄鉱石中の5iO
z、 A Q zOzなどの脈石〔%〕は広範囲に分布
している。諸般の事情により、脈石〔%〕の高い鉱石あ
るいは灰分〔%〕の高い石炭を使用せざるを得ない場合
には、スラグの泡立ち状況を最適にするために、スラグ
塩基度(CaO/5iOz)を約1.3に保つ必要上、
副原料であるCaOの装入必要量も増加し、生成溶銑ト
ン当りのスラグ発生量が増加する結果となる。この場合
は、スラグ顕熱のための必要熱量が増えるので、二次燃
焼率・着熱効率が変わらないとすれば、石炭原単位が増
加し、結局、溶融還元炉から排出される化学的余剰エネ
ルギー(Gca 1 /l−メタル)が増加する。それ
ゆえ、脈石〔%〕の多い鉱石あるいは灰分〔%〕の多い
石炭を使用する場合においても、余剰エネルギーを増加
させないか、さらには減少できる方法が望まれる。
本発明は上述の問題に鑑みなされたもので、その目的は
、溶銑トン当りの後工程への余剰エネルギーを減少させ
ることができる方法および鉄系合金溶湯の製造装置を提
供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の鉄系合金溶湯の製造法は、炭材を懸濁した多量
泡立ちスラグを保持させるようにした溶融還元製鉄法に
適用される。その特徴とするところは、上吹き酸素ガス
流中に、脱炭用転炉の排ガスを吹き込み、二次燃焼させ
るようにしたことである。
上記の方法を実現する装置は、第1図(a)に示すよう
に、上吹き酸素用ランス5を備え、炭材を懸濁した多量
泡立ちスラグを保持した溶融還元用鉄浴炉もしくはスラ
グ俗吏に、脱炭用転炉の排ガスの吹込口20を設けたこ
とである。そして、脱炭用転炉の排ガスの吹出口20を
、前記上吹き酸素用ランス5に一体化して設置したり、
上吹き酸素用ランス5の下端5a近傍に臨ませて〔第1
図(b)参照〕設置していることである。
上記の吹込口20は、上吹き酸素用ランス5に一体化し
て、設置されたり、もしくは、上吹き酸素用ランス5の
下端近傍に臨ませて設置される。
〔作   用〕
上吹き酸素用ランス5から酸素ガスが吹き込まれる一方
、上吹き酸素用ランス5に一体化されたり、その下端5
a近傍に臨む吹込口20から脱炭用転炉の排ガスを吹き
出し、その排ガスが燃焼されて装置内を加熱して鉄系合
金溶湯を生成する。
本発明は、溶融還元プロセスの後工程として、−船釣な
転炉の回収徘ガスを、溶融還元炉で活用することによっ
て、溶融還元プロセスと転炉プロセスをエネルギー的に
一体化させ、この一体化した溶融還元・転炉プロセス全
体としての後工程への余剰エネルギーを、従来よりも減
少させている。
脱炭精錬炉としての転炉〔図示せず〕における二次燃焼
率は、底吹き比率や上吹き送酸条件によって変化し、1
0トン以下の試験炉では40%程度の値も得られている
。しかし、150トン以上の炉について30%程度が上
限であり、しかも着熱効率も低いために、二次燃焼率を
上げると、排ガス温度が上昇して転炉内張り耐火物の溶
損が著しくなる結果、通常は10%内外の低い二次燃焼
率で操業される。すなわち、溶融還元炉の二次燃焼率に
比べて、脱炭用転炉の二次燃焼率は30〜50%程度低
く、排ガスの化学的エネルギーも大きい。
しかし、溶81)ン当りの排ガス量は少ないため、脱炭
用転炉の排ガスエネルギーは0.2Gca l /を一
メタル内外であり、予備還元工程も含めた溶融還元プロ
セス全体の後工程への余剰エネルギーの現在の目標約1
〜’1Gca l / t〜メタルに比べて、はるかに
小さい。本発明は、この脱炭用転炉排ガスのエネルギー
を活用して、後工程への余剰エネルギーを0.IGca
ffi八−メタル弱減少させるに過ぎないが、確実な方
法であると言える。
〔発明の効果〕
本発明によれば、溶融還元プロセスの後工程への余剰エ
ネルギーが後工程のエネルギー需要を上まわって、溶融
還元プロセスの排ガスの一部を放散燃焼せざるを得ない
場合に、脱炭転炉の排ガスを溶融還元炉の上吹酸素流中
に吹き込んで二次燃焼させることにより、溶融還元+脱
炭転炉プロセスの余剰エネルギーを約0.1Gca 1
2 /l−メタル減少させ、この余剰エネルギー減少相
当分だけ石炭消費量を減少でき、コストダウン−を図る
ことができる。
〔実 施 例) 以下に、図面を参照しながら、本発明の鉄系合金溶湯の
製造法を実現させる製造装置を、その実施例に基いて詳
細に説明する。
第1図(a)は製造装置として用いられるスラグ浴式溶
融還元製造装置の例である。これは、横断面が略矩形に
形成されて長手方向へ延びる水冷壁を有した気密構造の
溶融還元炉体lであり、その炉殻1a内には、上方空間
3が幅広に形成され〔第2図参照〕、スラグ浴式溶融還
元部IAと脱鉄鎮静炭材分離出滓部IBが形成される。
そして、炉殻1aの底部1bに内張すされた耐火物IC
を除いて、炉壁のほぼ全面に、水冷ブロックや水冷パネ
ル構造のクーリングブロック材1dが内張すされ、炉体
lの水冷化が図られている。
炉体1の内面は、操業中に生じたスラグ4によって、ス
ラグライニングされるようになっているが、新設の炉体
では、クーリングブロック材1dの表面にキャスタブル
耐火物をライニングしておけば、稼働開始時の昇温に都
合がよい。
一方、スラグ浴式溶融還元部IAの天井部1eには、酸
素ガスまたは酸素含有ガスを流通させる内管5Aと、溶
銑を脱炭する転炉〔図示せず〕からのCOガスを含む排
ガスを炉体1内に吹き込むための吹込口20を有する外
管5Bと、よりなる二重管構造とされた複数〔図示は5
本〕の上吹き酸素用ランス5が設けられる。なお、内管
5AがCOガスの通路とされ、外管5Bが酸素ガスの通
路とされる二重管であってもよく、いずれの構造であっ
ても、バーナ型に形成されているので、COガスが酸素
ガスで能率よく二次燃焼され、余剰エネルギーの低減に
寄与できるようになっている。上吹ランス5の下端5a
は、炉体1内で発生した泡立ちスラグ浴とほぼ同じ高さ
に開口され、急上昇することがある泡立ちスラグ4とそ
の下端5aとの相対位置が急変することのないように配
慮されている。これは、上記したように上方空間3が拡
げられており、泡立ちスラグ4の象、上昇が抑制される
からである。なお、上吹きランス5の間隔lは、泡立ち
スラグ浴の攪拌が適切でかつ均一となるように、スラグ
浴の幅W1 〔第2図参照〕の0.7〜1.5倍程度に
選定される。
炉体1の天井部1eには、窒素ガスなどのキャリアガス
により鉄系金属酸化物、炭材および石灰石などを流し込
む複数〔図示は2個〕の装入口6が設けられている。こ
のような流し込み形態をとっているのは、高圧のキャリ
アガスによって鉄系金属酸化物などを数十メートル7秒
の速度で圧入すれば、単なる添加よりも飛散損失を減少
させることができるからである。
溶融還元炉体1は、その天井部1eもくしは図示した側
上部に排ガスロアが備えられるが、排ガスダクト8を介
して流動層式の鉄鉱石予備還元炉に直結されるので、内
圧が1.4気圧以上とされ、好ましくは1.7〜1.8
気圧程度に保持される。このような圧力下の高温の炉体
1には、底部1bに複数〔図示は5本]の底吹羽口9が
備えられ、操業中に酸素ガスや窒素ガスまたは不活性ガ
スなどを吹き込むことができるようになっている。その
底吹羽口9から吹き込まれる窒素ガスなどと、下記の溶
融還元反応に伴うガス発生とによって、スラグ4が攪拌
され、通常、鎮静状態では嵩比重2以上のスラグが1〜
0.3程度の嵩比重に変化され、拡散し上昇する泡立ち
スラグ浴を形成させることができる。そして、装入口6
から投入された石炭に由来する固体炭素質である粉粒体
は泡立ちスラグ浴中に懸濁され、その粉粒体と泡立ちス
ラグ浴中に投入されてスラグに溶解した鉄系金属酸化物
とが、高温雰囲気中で化学反応を引き起こし、石炭が高
い燃焼率で二次燃焼する一方、高い着熱効率で鉄系金属
酸化物が溶融還元される。
また、炉体1の側壁if(第2図参照〕の下部にも、粉
状鉄系金属酸化物、粉状炭材および集塵ダストをキャリ
アガス(例えば窒素ガス)でもってスラグ浴に吹き込む
複数〔図示は100個〕横吹羽口10が備えられる。な
お、この横吹羽口lOからの吹き込みがあると、炉体1
内のスラグが攪拌され、それが泡立てられるようになっ
ている。
そして、底吹羽口9や横吹羽口10は上吹きランス5,
5間の中央に配置されるが、上吹きランス5の直下に設
けておいてもよい。
ところで、炉体lの底部1bの炉殻1aには、溶融還元
された溶鉄が接触するので、最下部に耐火物1c(第2
図参照〕が内張すされている。その耐火物1cには、炉
体1の最底部となるところに設けられる出湯口16に向
けて長手方向へ傾斜した耐火物機12が溝状に形成され
ている。第2図の例では、耐火物機12が炉体1の縦中
心線1gより外れて設けられ、耐火物機12に至る底部
ibのクーリングブロック材1dの左右方向の傾斜は、
水平線に対して5度以上の傾斜が与えられる。なお、溶
鉄の耐火物機12への流入を促進して溶損を減少させる
ためには、通常、傾斜角を20〜40度としておく方が
好ましい。
一方、溶融還元炉体lの出湯口16の反対側には、泡立
ちスラグ浴を鎮静化させるための脱鉄鎮静炭材分離出滓
部IBが、隔壁13によって画成されている。その隔壁
13は、スラグ温式溶融還元部IA内のスラグ4が越流
できる高さで、かつ、下部が耐火物機12に連通ずる流
通孔13aを備える。この隔壁13にもクーリングブロ
ック材1dが張りつけられ、下部に張られた耐火物IC
に、上記の流通孔13aが形成されている。
この脱鉄鎮静炭材分離出滓部IBの側壁1fには、炭材
とキャリアガスもしくは酸素ガスと冷却ガスとを横吹き
する複数〔第2図において2個〕の吹込羽口14が取り
付けられる。この吹込羽口14からの吹き込みにより、
越流した泡立ちスラグ4を攪拌し、スラグ4中の鉄系金
属酸化物は懸濁炭材により還元されて低濃度となる。吹
込羽口14の下方では泡立ちスラグ4が鎮静化され、ス
ラグ4中の炭材が浮上して、スラグ4は低酸化鉄低炭材
状態となる。そのスラグ4を排出するための出滓口15
が、側壁1fの下部に設けられ、鎮静化したスラグ4が
連続排滓されるようになっている。
なお、炉体1に設けられた排ガスロアは、約1゜700
°Cの高温排ガスを排ガスダクト8から排出するための
開口であるが、排ガスダクト8に流動層式の鉄鉱石予備
還元炉などが接続されていれば、その熱を再利用するこ
とができる。
上記した構成の溶融還元炉体1の゛天井部1eに、鉄系
金属酸化物などを流し込む装入口6とは独立して、鉄系
スクラップを添加することができる口径の大きな複数〔
図示は2個〕のスクラップ添加口17を設けておいても
よい。
また、第1図(a)に示す内管5A(酸素ガス用〕と外
管5B(排ガス導出用〕が一体化された上吹きランス5
に代えて、第1図(b)に示すように、垂直に垂下され
た上吹き酸素用ランス5から独立して、斜めに挿入され
ると共に、上吹き酸素用ランス5の下端5a近傍に、吹
込口20が開口する排ガス管5Cを設けるようにしてお
けば、同様に、脱炭用の転炉からの排ガスであるCOガ
スは能率よく二次燃焼される。
このような構成の鉄系合金溶湯の製造装置によれば、次
のようにして鉄系合金溶湯をスラグ浴式によって溶融還
元して、本発明の鉄系合金溶湯の製造法を実現すること
ができる。
第1図(a)において、稼働を開始するため炉体1内を
昇温させるとき、底吹羽口9および横吹羽口10が閉塞
しない程度の量の窒素ガスを吹き込む。次いで、装入口
6から塊コークスを投入し、上吹きランス5の内管5A
より吹き込む酸素ガスで塊コークスを燃焼白熱させる。
引き続き、塊コークスと高炉滓などの混合物を投入し、
所定の約1.400°C以上となるまで昇温させる。
溶融還元工程に入るとき、装入口6から炉体l内に、全
必要量に近い鉄系金属酸化物、炭材および石灰石などの
原料や副原料が投入される。上吹きランス5の内管5A
からの酸素ガスや酸素含有ガスの吹き込みが続けられる
と共に、外管5Bから脱炭用転炉の排ガスであるCOガ
スが吹き込まれる。一方、底吹羽口9および横吹羽口1
0から、酸素ガス、窒素ガス、不活性ガスなどが吹き込
まれる。必要に応じて、添加用の粉状鉄系金属酸化物、
粉状炭材やダストがキャリアガスと共に吹き込まれる。
これらの吹き込みガスによって、炉体1内のスラグ4は
激しく攪拌され、嵩比重が1〜0.3に変化した泡立ち
スラグ浴となり、上吹ランス5の下端5a近くまで上昇
する。
流し込まれた石炭が泡立ちスラグ4に懸濁され、その炭
材が泡立ちスラグ浴中の鉄系金属酸化物と化学反応して
溶融還元が行われ、炭素不飽和の溶鉄が生成される。一
方、化学反応で炭材から一酸化炭素ガスが発生ずると共
に、それが二次燃焼されて二酸化炭素ガスとなり、炉体
1内の雰囲気が高温に維持される。二次燃焼によって1
 、700°Cとなった炉内ガスは、排ガスロアから排
ガスダクト8を経て鉄鉱石予備還元炉に導出される。
このような化学反応で消費される炭材や鉄系金属酸化物
あるいは石灰石や酸素ガスは、装入口6、上吹きランス
5や底吹羽口9さらには横吹羽口10から補給される。
泡立ちスラグ浴中で生成された溶鉄は滴下する。耐火物
槽12の近傍では攪拌作用が弱くなっており、それ故に
、スラグ4の嵩比重が大きく、炭材が浮上してスラグ4
中の懸濁炭材はなくなる。滴下する溶鉄が炭材と反応し
て加炭されるよりも、むしろ鉄系金属酸化物と溶鉄との
反応が優先して行われる。その結果、溶鉄は炭素不飽和
の溶湯11となって耐火物樋12に集められる。このよ
うにして溶融還元が進行されるが、耐火物樋12の近傍
の泡立ちスラグ4中に含まれる酸化鉄濃度が高いので、
それらと接触した溶湯11は脱燐されることになり都合
がよい。
一方、炉体1内の泡立ちスラグ4は隔壁13を越えて脱
鉄鎮静炭材分離出滓部IBに流れ込む。
そのスラグ4は底吹羽口9からの吹き込みガスにより影
響を受けることはないが、吹込羽口14から酸素ガスや
窒素ガスに添加された炭材の吹き込みによって溶融還元
され、そこで溶鉄が生成され、滴下して炭素不飽和の溶
湯11となる。脱鉄鎮静炭材分離出滓部IBの下部の耐
火物樋12に集められると、隔壁13の流通孔13aを
通って、出湯口16の直下に用意された取鍋〔図示せず
〕へ導出される。なお、スラグが溶湯に混合して流出し
ないように、出湯口16にはスライディングノズル〔図
示せず〕を設置して、溶湯流量を制御するとよい。
脱鉄鎮静炭材分離出滓部IB内の泡立ちスラグ4が吹込
羽口14より下降すると攪拌が弱められて鎮静化され、
その嵩比重が大きくなって懸濁炭材が浮上する。その懸
濁炭材により、スラグ4中の鉄系金属酸化物も還元され
る。その結果、下降した泡立ちスラグ4には懸濁炭材が
ほとんどなくなり、低濃度の酸化鉄が僅かに残存するの
みとなる。鎮静化したスラグ4は、連続的に出滓口15
から排滓され、その後に処理される。ここでも、炭材や
鉄系金属酸化物の原単位の低減が図られる。
他方、取鍋に導出された溶湯11は、製鋼のために転炉
へ搬送されて脱炭される。
ちなみに、操業中の溶融還元炉体1内では、泡立ちスラ
グ4の高さが図示したような上吹ランス5の下端5aと
ほぼ同じレベルとなるように、原料や副原料の投入量が
調整される。すなわち、泡立ちスラグ4に懸濁される炭
材量は、スラグ重量の20%以上が常に残留されるよう
になっている。
一方、底吹羽口9からの底吹きガス量は、全吹き込みガ
ス量の3〜30%とされ、スラグ4の適切な攪拌と泡立
ちが図られ、また、スラグ4中のMg0とA l z(
hとの合計量が23%以下に抑制される。
さらに、スラグ中に含まれるCab/5iftの比率が
0.8〜1.9程度に保たれ、加えて、装入口6からス
ラグ相に添加された鉱石と炭材の合計重量の比率が60
%以上に維持され、着熱効率が高められる。そして、高
い二次燃焼率で懸濁炭材が燃焼され、炉内ガス雰囲気が
1.700″C程度に保持される。
なお、炭材は粉粒体の石炭や無煙炭やコークスであって
もよいが、コストの低廉な一般炭が用いられる。また、
底吹羽口9から吹き込まれるガスは、窒素ガス、空気も
しくは酸素ガスが用いられ、酸素ガスの場合は冷却用の
液化天然ガス(LNG)が併用される。そして、窒素ガ
スおよび空気の場合は予熱して吹き込むようにしておく
とよい。
ちなみに、第1図(a)および第1図(b)に示す天井
部1eの装入口6とは別に、スクラップ添加口17を設
けて、そこから、鉄系スクラップを投入するようにすれ
ば、極めて能率的に大量の炭素不飽和の溶鉄とすること
ができる。その際、スクラップは冷却材としても機能す
る。
ここで、第2図を参照しながら溶融還元炉体lの形状を
説明する。泡立ちスラグ4が生成される領域を、泡立ち
スラグ浴の幅WIと泡立ちスラグ浴の高さHlとの比H
,/W、を1にすると、熱損失を最小に留めることがで
きる。しかし、酸素ガス、窒素ガスや不活性ガスを底吹
羽口9から吹き込み、スラグ4が有効に攪拌し泡立たせ
るためには、H+/W+ >1が望ましい。一方、横吹
羽口10から酸素ガスや窒素ガスや不活性ガスを吹き込
む場合、泡立ちスラグ浴の幅W+が広くなるほど吹込距
離が不十分となるので、H,/W、=0.6〜3.0あ
るいは、それより狭くされた0、8〜2.0が好ましい
一方、泡立ったスラグ4が排ガスロアへ流入するのを防
止し、二次燃焼率と着熱効率をともに高く維持するため
に、最も上昇したスラグ4の上面が内管5Aおよび外管
5Bよりなる上吹ランス5の下端5aにほぼ接触するこ
とが望ましい。そのために、泡立ちスラグ浴の上方空間
3の幅W2は1.2〜1.5W+ とされ、泡立ちスラ
グ4の異常な上昇が抑制されるようになっている。
また、泡立ちスラグ浴の上方の排ガスなどが、排ガスロ
アへ向けて流れるときの空塔速度が大きければ、装入口
6から流し込まれる鉱石や炭材の粉が飛散して、排ガス
ダクト8から流出する割合が高くなる。このような事態
を考慮して、全炉容量に対する溶湯の生産性を高めるに
は、溶融還元炉体1の全長L〔第1図(a)参照〕と泡
立ちスラグ浴の幅W、との比L/ w+を大きくするこ
とが望まれ、通常、L/ W、>4が採用される。その
場合、上吹きランス5の数を適宜増加すればよい。
一方、泡立ちスラグ浴の単位体積当たりの排ガス発生量
を一定とすれば、上述の空塔速度は、泡立ちスラグ浴の
横断面積S I [”” W I X H11と上方空
間3の横断面積S z [=W t X Hdとの比率
Sz/S、およびL/W、で決まる。なお、H2は上方
空間3の高さである。したがって、S z/ S r 
=0.6〜3.0なるように泡立ちスラグ浴の幅W、や
上方空間3の幅W2、泡立ちスラグ浴の高さHlや上方
空間3の高さH2を決めればよい。なお、L/W、〉6
となれば、複数の排ガスロアを設けることが必要となろ
う。
脱鉄鎮静炭材分離出滓部IBで生成される溶湯11の燐
濃度は、スラグ浴式溶融還元部IAで生成される溶湯1
1における燐濃度より高くなる。
それは、スラグ温式溶融還元部IA内の泡立ちスラグ浴
中に高い濃度で含まれていた酸化鉄濃度が、脱鉄鎮静炭
材分離出滓部IB内の泡立ちスラグ4中における溶融還
元に使用されて低くなっているためである。そこで、隔
壁13の流通孔13aから、スラグ温式溶融還元部IA
寄りに僅かな距離を隔てた耐火物機12の位置に、湯溜
り部〔図示せず〕を設け、石灰系の脱燐材と酸素ガスも
しくはミルスケールを、湯溜り部の底部から吹き込み、
脱燐するようにしてもよい。
なお、底吹きや横吹きによって泡立ちスラグ浴が形成さ
れるが、スラグ4の嵩比重を0.3〜1.0に変化する
よう調整すると、炭材の二次燃焼率と着熱効率とを高く
することができる。そして、泡立ちスラグ浴の嵩比重や
固定炭素質の分布は、鉄鉱石や炭材の添加速度と、酸素
ガスの送酸速度などで決まる単位スラグ量当りのガス発
生速度と、スラグの組成や温度や炉内圧力さらには底吹
比重や横吹比重、上吹ランス構造やスラグ浴の攪拌の強
弱に伴う空間的分布などによって、調整することができ
る。
上述のように、溶融還元炉の上吹き酸素ランス下端近く
に、あるいは、ランスと一体化して、脱炭転炉排ガスを
導出する吹込口を開口させ、酸素ジェットとほぼ等速で
吹き込む。転炉排ガスの主成分であるCOは酸素ガスに
よって二次燃焼して発熱し、その発生熱は炭材が懸濁し
た泡立ちスラグに伝えられ、溶融還元に必要な熱として
供給される。上吹き酸素ランスの少なくとも近傍に転炉
排ガスの吹込口を開口させる理由は、いわゆる、上述し
たように、バーナーとして確実に二次燃焼させ、かつ高
い着熱効率を得るためであって、仮に、上吹き酸素ラン
ス下端よりもかなり離れ−な位置で転炉排ガスを吹き込
むとすれば、このような高い二次燃焼率や高い着熱効率
は得られない。なお、第1図<a>に示す垂直に垂下さ
れた内管5Aと外管5Bよりなる上吹きランス5を斜め
姿勢としてもよい。
ちなみに、上吹きランスの内管からの酸素ガスは、酸化
鉄の溶融還元によって生成したCOガスあるいは石炭揮
発分の二次燃焼に第一に使用されるべきであり、上吹き
酸素量に対する転炉排ガス中のCOガス量の比は、石炭
の揮発分〔%〕によっても変わるが、約20%以下とす
べきである。また、熱バランスが石炭原単位すなわち余
剰エネルギーを左右する領域で効果があり、前述した固
定炭素バランスによって二次燃焼率上限が制約される場
合、すなわち、高揮発分炭の場合には、脱炭用転炉の排
ガスの吹き込みは、溶融還元炉全体の二次燃焼率を低下
させることとなり、効果を生じない。
なお、予備還元工程を有せず溶融還元炉のみで溶融還元
するプロセスの場合は、石炭および酸素原単位が高く、
上吹き酸素量に対する転炉排ガス量の比が過小になるの
で、複数の溶融還元炉が同時に稼動する場合には、どれ
か−基の溶融還元炉で脱炭用転炉の排ガスの吹き込みを
実施すればよい。
一方、異なる実施態様として予備還元炉との直結システ
ムの場合には、溶融還元炉炉口部、例えば、転炉の炉肩
部に、脱炭転炉排ガスを吹きつける方法がある。脱炭転
炉排ガス吹込みにより、溶融還元炉の約1700℃の高
温排ガスは、冷却されて予備還元に最適な約800°C
の方向に向う。同時に二次燃焼率〔=酸化度〕約40〜
60%の溶融還元炉の排ガスは、酸化度10%内外の脱
炭転炉排ガスによって希釈されて酸化度が低下するため
に、予備還元炉における鉄鉱石の還元率が増加し、その
結果、溶融還元炉の負荷が軽減されて、石炭および酸素
原単位が減少し、予備還元炉−溶融還元炉一説炭転炉全
体としての後工程への余剰エネルギーは減少する。ただ
し、余剰エネルギー減少の絶対値は、予備還元炉の能力
〔例えば、(予備還元炉出口の排ガスの酸化度)−(入
口のガスの酸化度)〕に左右されるが、0.1Gcal
 / t−メタル程度にするのは、かなり難しい。した
がって、この実施態様では、脱炭転炉排ガス吹込みに伴
う炉口部耐火物の表面温度の低下により、耐火物の溶損
減少を主目的とする方がよい。
ちなみに、脱炭精錬転炉の排ガスはOGガス回収方式な
どによって回収し、−旦タンクに貯蔵し、その後に溶融
還元炉に供給する。
本発明は、特願平1−185787号において提案した
「鉄系合金溶湯のスラグ浴式溶融還元製造装置および方
法」、すなわち、炭材を懸濁した多量泡立ちスラグを保
持する鉄浴式およびスラグ浴式溶融還元炉に付加する技
術であり、溶融還元炉と予WI還元炉などの如何なる組
合わせのシステムにも適用が可能である。また、鉄鉱石
もしくは部分還元鉱石の溶融還元により溶銑を製造する
場合以外に、溶融還元炉内において、鉄系スクラップの
溶解も複合して行う場合に適用することもできる。
さらには、上述した製造装置としては溶融還元用スラグ
俗吏に限らず、溶融還元用鉄浴炉や転炉などを使用して
も、本発明の鉄系合金溶湯の製造法を実現することがで
きる。
次に、実施態様として、予備還元工程をもたない炉内容
積200ホの溶融還元用の泡立ち上底吹き複合転炉の場
合を述べる。ケース■〔第1表参照〕は、本発明を適用
しない場合で、(溶融還元による溶銑量):(スクラッ
プ溶解による溶銑量)が50 : 50の溶融還元・ス
クラップ溶解複合法である。
そして、送酸速度を44.500 Nrrr/hr、揮
発分を15%、灰分13.2%の石炭の投入速度を64
t/hr、脈石8.2%の鉄鉱石の投入速度を76t/
hrとしたときの二次燃焼率は48%、着熱熱効率は9
0%で、溶銑の生産量100t/hr、溶融還元炉の余
剰エネルギーは220Gcal / hr (すなわち
2.2 Gcal/ t−メタル)、この溶銑を脱炭用
転炉で精錬したときの回収排ガスのエネルギーは0.2
1Gcal/ tであったJすなわち、溶融還元転炉十
脱炭用転炉の余剰エネルギーは、2.4Gcal/l−
メタルであった。
なお、この泡立ち上底吹き複合転炉の溶融還元による溶
銑の生成過程も上述の通りである。ここで、スクラップ
溶解による溶銑の生成を、以下に述べる。
転炉が、間歇的な倒炉による出銑・出滓後に、底吹き窒
素ガスが吹き抜けない程度の50〜80トンの溶銑(種
湯)を残し、かつ、スラグを30〜50トン程度を残存
させておく。その後に、1ヒートに装入するスクラップ
の20〜100%を吹錬前に炉内に装入する。
スクラップの溶解速度は、溶銑バルクからスクラップ表
面への炭素拡散と伝熱に律速されるので、スクラップが
厚いほど溶解に時間を要する。しかし、次回の出銑まで
に溶解が完了すればよいので、厚さ、形状は特に限定し
ないが、できれば厚さ1゜O+am以下もしくは130
mm角ビレット以下が好ましい。
次いで、送酸を開始し、1分以内に所定の送酸速度まで
上げ、この間に、スラグ上に浮上していた炭材をスラグ
中に懸濁させ、スラグの過剰な泡立ちによって炉口から
溢れを防止する。このときの炭材量は、スラグ総重量の
20%以上にする。所定の送酸速度に達した後、溶銑温
度が約1400°C以上になってから、石炭、鉱石2石
灰およびスクラップの連続もしくは半連続装入を開始す
る。
石炭および鉱石の粒度は限定されないが、粉炭やシンタ
フイード、ペレットフィードなどの粉鉱石は飛散しやす
いので、窒素ガスなどのキャリアーガスに伴わせて、2
0〜Loom/secの速度で、炉肩部から、上吹き酸
素流になるべく当らない角度で、流し込み装入する。な
お、洗炭、鉄鉱石は、上方から重力装入すればよい。ス
クラップは、装入しやすいように、シュレッダ−1鬼ダ
ライあるいはダライ粉を100mm φX 100n+
n+ H程度にプレスしたものが好ましく、厚さ50m
m以上のものは避けておいた方がよい。石灰投入量は、
適度なスラグ泡立ち状態を維持するために、スラグ塩基
度(Cab/SiO□)が1.0ないし1.5好ましく
は約1.3になるようにしておき、上部から重力装入と
する。
水分は石炭中の固定炭素を燃焼させることを、そして、
熱熱効率を悪化させるよに働き、有害である。したがっ
て、装入する石炭、鉱石の付着水分は2%以下となるよ
うに乾燥しておくことが望ましい。鉱石およびスクラッ
プ(前装入、連続装入ともに)を予熱すればさらに好ま
しい。
酸素ガスの上吹きは、主孔と3〜15個の副孔を有する
いわゆる二次燃焼ランスを使用したソフトブローとする
。その際、上吹き酸素ジェットによるスラグの凹み深さ
Lよと、泡立ちスラグ層の厚さり、。との比り、/L、
。を0.7以下にしておくとよい。酸素ジェットと溶銑
が直接接触して、−酸化炭素ガスを生成し、二次燃焼率
を低下させるのを、防止できるからである。
窒素ガスの底吹きは、底吹きガス上昇流による溶銑浴の
盛上りが、上吹き酸素ジェットと衝突しないような位置
となるように、複数個の単管集合型羽口を配置して行う
。底吹きによる溶銑浴の攪拌強度は、森・佐野の式で2
〜4KW/l−メタルにすることが、二次燃焼率と着熱
効率とを、ともに高(するために望ましい。
さらに、スラグ層の中部から上部にかけて、上述した盛
上りメタルと直接に接触しない高さの側壁に、酸素・窒
素の二重管羽目を設置して、酸素のスラグ内横吹きを行
うと、二次燃焼率2着熱効率が、ともに向上する場合が
ある。この場合の横吹き酸素比率は全酸素量の10〜4
0%とする。
以上は、標準的な二次燃焼率と着熱効率の向上法である
。さらに、二次燃焼率を向上したい場合には、無煙炭や
コークスのように、固定炭素の高い炭材を使用する。逆
に、二次燃焼率を低下させたい場合には、上吹きランス
を下げて、上記したり、/Ls。を上げるか、底吹き窒
素量を増加させる。
転炉の排ガスは、密閉式OGガス回収方式によって回収
する。その際、OGダクトの中間に、排熱回収ボイラを
つけて、排ガスの顕熱を蒸気として回収し、排ガス中の
ダストはホットサイクロンで捕集する。そのダストはリ
サイクルされ、前述した粉鉱石もしくは粉炭とともに、
流しこみ装入される。すなわち、この転炉では、原則と
して鉄鉱石の予備還元を実施しない簡略型溶融還元法を
採用し、これとスクラップ溶解とを組み合わせている。
操業の制御法としては、まず、上述した松尾氏らの論文
に記載された固定炭素バランスにより、石炭の銘柄別〔
固定炭素の%別〕の二次燃焼率の到達可能上限値を求め
る。次に、生産性3着熱効率、排ガスのエネルギーの目
標値を設定し、熱バランスシュミレーションおよびコス
トシュミレーションにより、送酸速度、二次燃焼率、ス
クラップの溶解比率1石炭、鉄鉱石およびスクラップの
投入速度の目標値を算出して、そのヒートの標準作業条
件を定める。
操業中は、OG頂部からガスを連続的に採取して、質量
分析計と水分計によって、ガスの組成と二次燃焼率を連
続測定する。また、メタルおよびスラグの温度および成
分を、サブランスと分析装置によって、適当な時間間隔
で測定する。溶銑の温度あるいは排ガスの二次燃焼率が
、上述の目標値よりずれている場合には、鉱石の供給速
度、上吹きランス高さ、石炭の供給速度(すなわち装入
炭素と酸素の比)を変更することによって、目標値に復
元させる。スクラップ溶解の比率が低く、スラグのFe
O含有量が5%以上である場合には、鉄分の歩留りを向
上させるために、吹錬末期に鉄鉱石の装入を中止し、送
酸速度と石炭装入速度を低下させることによって、Fe
Oを還元すると同時にスクラップ溶解を続ける還元期を
設けるようにしてもよい。
かくして、所定量の溶銑が得られたときに酸素吹錬を中
止し、前述したように、所定量の種湯とスラグを残して
出銑・出滓する。
ケース■〔第1表参照〕は、本発明を適用した場合で、
溶融還元による溶銑量とスクラップ溶解による溶銑量の
比率、石炭および鉄鉱石の銘柄はケースIと同じとし、
送酸速度を44 、000 N nr / hr。
石炭の投入速度を61t/hr、鉄鉱石の投入速度を7
6t/hr、脱炭用転炉の回収排ガスを上吹き酸素ラン
ス下端近傍から21 Gcal /hrで吹き込んだ。
そのときの二次燃焼率は49%、着熱効率は91%で、
溶銑の生成量100t/hr、溶融還元炉の余剰エネル
ギーは230 Gcal /hrで、溶融還元転炉+脱
炭用転炉の余剰エネルギーは、2.3 Gcal/ t
−メタルとなり、ケース■に比べて0.1 Gcal/
 t−メタル減少させることができた。
第   1   表 以上の説明から分かるように、溶融還元プロセスの後工
程への余剰エネルギーが後工程のエネルギー需要を上ま
わって、溶融還元プロセスの排ガスの一部を放散燃焼せ
ざるを得ない場合に、本発明によって脱炭転炉の排ガス
を溶融還元炉の上吹酸素流中に吹き込んで二次燃焼させ
ることにより、溶融還元+脱炭転炉プロセスの余剰エネ
ルギーが約Q、I Gcal/ t−メタル減少し、こ
の余剰エネルギー減少相当分だけ石炭の消費量を減少で
きるため、コストダウンとなる。
ただし、本発明は、固定炭素バランスによって溶融還元
炉内の二次燃焼率2着熱効率が制約される場合には、適
用しない方がよい。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)は鉄系合金溶湯の製造法が適用される製造
装置の一例である溶融還元用スラグ温州の断面図、第1
図(b)は脱炭用転炉からの排ガスが上吹きランス下端
近傍に吹き出させるようにした溶融還元用スラグ温州の
断面図、第2図は第1図(a)の■−■線矢視断面図で
ある。 1−・・鉄系合金溶湯の製造装置(溶融還元炉体)、5
−一上吹き酸素用ランス(上吹きランス)、5a−・・
下端、20・−・吹込口。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)炭材を懸濁した多量泡立ちスラグを保持させるよ
    うにした溶融還元製鉄法において、 上吹き酸素ガス流中に、脱炭用転炉の排ガスを吹き込み
    、二次燃焼させるようにしたことを特徴とする鉄系合金
    溶湯の製造法。
  2. (2)上吹き酸素用ランスを備え、炭材を懸濁した多量
    泡立ちスラグを保持した溶融還元用鉄浴炉もしくはスラ
    グ浴炉において、 脱炭用転炉の排ガスの吹込口を設けたことを特徴とする
    鉄系合金溶湯の製造装置。
  3. (3)上記脱炭用転炉の排ガスの吹込口は、前記上吹き
    酸素用ランスに一体化して、設置されていることを特徴
    とする請求項2に記載された鉄系合金溶湯の製造装置。
  4. (4)上記脱炭用転炉の排ガスの吹込口は、前記上吹き
    酸素用ランスの下端近傍に臨ませて、設置されているこ
    とを特徴とする請求項2に記載された鉄系合金溶湯の製
    造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1034742C (zh) * 1991-09-20 1997-04-30 澳大利亚冶金有限公司 还原铁的方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0379709A (ja) * 1989-05-26 1991-04-04 Godo Seitetsu Kk 鉄系合金溶湯のスラグ浴式溶融還元製造装置および方法

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