JPH0310614Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は複数個のボタン形電池を平面上に並べ
た形で電気的に接続して使用する偏平形集合電池
の改良に関するものである。

ボタン形電池はアルカリ性水溶液を電解液とす
るニツケルカドミウム電池、酸化銀亜鉛電池等で
ある。近年、これらの電池はその複数個を電気的
に直列あるいは並列に接続して集合電池とし、各
種電子機器のプリント基板の回路に他の電子部品
と同様に直接ハンダ付にて装着され、ＣＭＯＳ−
ＲＡＭなどのメモリーのバツクアツプの目的で多
く使用されている。この様なボタン形電池は従来
の円筒形ニツケルカドミウム電池などに比べる
と、著しく耐漏液性のすぐれた電池に改良されて
いるが、使用条件によつてはアルカリ性の電解液
のもれが皆無とは言いきれない。例えば、高温多
湿の条件下あるいは温度変化がはげしい条件下で
は、アルカリ性水溶液の非常にクリープしやすい
という性質のために漏液をおこし、もれた電解液
がプリント基板に達し、プリントされた電子回路
を損傷することもあつた。本考案はこのような条
件下で使用され、たとえ漏液をおこしてもそれが
プリント基板に損傷を与えないようにした、すな
わち単電池が漏液をおこしてもアルカリ性の電解
液を集合電池の外には出さないように改良した集
合電池に関するもので、以下、図面によつて詳述
する。

第１図が本考案による偏平形集合電池の構造を
説明するための図である。第１図において１，
１'，１″が例えばボタン形ニツケルカドミウム電
池である。ボタン形ニツケルカドミウム電池は、
その内部には正負極板，セパレータ，苛性カリな
どのアルカリ性水溶液からなる電解液が、正極ケ
ース２と負極ケース３との端部をパツキングを介
してかしめることによつて、封入されているのが
一般的な形である。これらの電池１，１'，１″，
は平面上に並べられて接続片４，４′によつて電
気的に直列に接続される。５が負極端子、６が正
極端子である。７は吸液性を有した紙で、電池の
周囲を一定の形状に保持し、かつ、正負極端子５
および６を外部に突出させた状態でつつんでい
る。７は熱収縮性チユーブである。第２図は電池
１，１'，１″を紙でつつんだ状態を示す斜視図で
ある。電池を包む紙の材質としては、アルカリ性
の水溶液を吸収保持できるものであればよく、例
えばろ紙あるいはプレスボードなどで、厚さは第
２図の様に電池をつつむことから0.1〜1.0mm程度
がよい。また、熱収縮チユーブは電池のラベルを
かねるものでもよく、この熱収縮チユーブを配す
ることによつて、第２図の紙につつんだ電池を、
第１図の如く一定の形状に保持して完成する。

この様な構造にすれば、前述のようにアルカリ
性電解液がボタン形電池の外に漏出してもそれは
電池をつつんだ紙に吸収され、時間の経過と共に
炭酸塩に変化するため、電解液が正負極端子をつ
たわつて基板に達してプリントされた回路を損傷
する問題は除去される。

以上の様に本考案は、ＣＭＯＳ−ＲＡＭのバツク
アツプなどのために電子回路用のプリント基板に
実装され、きびしい条件下で使用されても、プリ
ント基板の電子回路を損傷させることのない偏平
形集合電池を提供するもので、その実用的価値の
極めて高いものである。

【実用新案登録請求の範囲】 複数個のボタン形電池１，１'，１″と、接続片
４，４′と、正・負極端子５，６と、吸液紙７と、
熱収縮チューブ８とを有する偏平形集合電池であ
つて、 複数個のボタン形電池１，１'，１″は平面上に
並べられて、接続片４，４′で接続され、 周囲が吸液紙７で包被されて、正・負極端子
５，６の一端が外部に突出され、かつ該吸液紙７
の外側が熱収縮チユーブ８で包被されていること
を特徴とする偏平形集合電池。

【図面の簡単な説明】

第１図は複数個のボタン形電池を電気的に直列
に接続して使用する偏平形集合電池の本考案によ
る構造を示す図、第２図は本考案の実施過程の一
状態を示す図で、複数個の電気的に接続したボタ
ン形電池を紙でつつんだ状態を示す斜視図であ
る。 １，１'，１″……ボタン形電池、５……負極端
子、６……正極端子、７……吸液紙、８……熱収
縮チユーブ。