JPH0310205Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は、マンホールやハンドボールもしく
はその他の穴の口縁に装着するシール装置に関
し、特に該穴の口縁に装着される外輪と、その外
輪の内周に嵌着させた渦巻きガスケツト（ボルテ
ツクス・ガスケツト）とから成る外輪付き渦巻き
ガスケツトに係るものである。

「従来技術」 一般にマンホールやハンドボール等の穴の口縁
に装着するシール装置は、該穴の口縁に装着され
る外輪と、この外輪の内周面に配置された環状の
ガスケツトとから構成される。ガスケツトには
種々のものがあるが、最近ではシール性にすぐれ
た渦巻きガスケツトを使用する場合が多くなつて
いる。渦巻きガスケツトは、横断面形状がほぼＶ
形もしくは波形の帯状金属板（フープ）と帯状の
石綿板などクツシヨン材（フイラー）とを交互に
積層して渦巻き状に巻き締めたガスケツトであ
り、高温及び高圧用のシール部材して広く使用さ
れている。

前記のごときシール装置において外輪にガスケ
ツトを固定するための方法には種々の方法がある
が、一般に外輪の内周面に周方向の溝を形成し、
該溝内にガスケツトの外周面を嵌入する固定方法
が採用されることが多い。従つて、このような固
定方法を採用する場合、外輪の内周面に周方向の
溝を形成しなければならない。

ところで、、マンホール等の穴は一般に円形で
ある場合が多いので、その穴に装着される外輪も
円環形となり、このような円環形の金属板の場
合、その内周面に周方向の溝を形成することや旋
盤等によつて比較的簡単に行うことができる。し
かしながら、マンホール等の穴が非円形（ダイア
モンド形、楕円形、長円形など）である場合、そ
の穴に装着するシール装置の外輪も非円形環状金
属板で構成されることになり、このような非円形
環状金属板の内周面の周方向の溝を形成すること
は旋盤等の汎用工作機械では不可能である。従つ
て従来は、非円形の穴に装着するシール装置の外
輪は一般に経済的に製作ができないという問題点
があつた。

「考案が解決しようとする問題点」 この考案の目は、従来の外輪よりもはるかに低
コスト且つ高能率で製作できる新規な構造の外輪
と、前記外輪の内周部に嵌装される渦巻きガスケ
ツトとから成る外輪付きガスケツトを提供するこ
とであり、特に非円形の穴に装着するための低コ
ストのシール装置を提供することである。すなわ
ち、この考案が解決しようとする問題点は、、特
に非円形の穴に装備する外輪付きガスケツトを従
来よりもはるかに低畜コストにするとともに、従
来品よりも短期間で製造できる外輪付きガスケツ
トを実現することである。

「問題点を解決するための手段」 この考案では、半径方向の板幅と内径寸法とが
それぞれ異なる少なくとも２枚以上の環状板をを
互いに積層接合して外輪を構成すると同時に前記
外輪の内周面に各環状板の内径寸法差による周方
向の溝を形成したことを特徴とするものである。
すなわち、この考案では従来の外輪付きガスケツ
トにおける前記問題点を解決するために、外輪を
環状板の積層体として構成するとともに、前記外
輪の製作と同時に前記外輪の内周面に周方向溝を
形成できるようにした。

「考案の作用」 本考案よる外輪付きガスケツトの外輪は少なく
とも２枚以上の環状板を互いに積層し且つスポツ
ト溶接等により接合して構成されており、前記環
状板の積層と接合の際に同時にガスケツトを嵌装
するための溝が形成されるため、該溝を削成する
ような工程が不要となる。

「考案の実施例」 第１図乃至第３図を参照して本考案の一実施例
について説明する。この実施例では第１図に示す
ように平面形状が非円形の（楕円形の）穴に装着
するための外輪付きガスケツト１が例示されてい
る。該外輪付きガスケツト１は該穴の口縁に装着
する外輪１１と、この外輪１１の内周面に装着さ
れる渦巻きガスケツト１２とから成つている。外
輪１１は金属板素材をたとえばNC（数値制御）
レーザー溶断機やNCガス溶断機もしくは倣い制
御のコンターマシン等の機械で切断し、もしくは
プレス等で打ち抜いた数枚の非円形環状板を積層
且つ接合して構成されている。この実施例に示さ
れた外輪１１は第２図に示すように、３枚の非円
形環状板１１ａ，１１ｂ，１１ｃを積層し且つ、
これらをスポツト溶接等によつて互いに接合する
ことにより構成されている。外輪１１を構成する
非円形環状板１１ａ，１１ｂ，１１ｃのうち、外
側（すなわち、外輪１１の上面と下面とを形成す
る）の非円形環状板１１ａと１１ｃは同一寸法で
あつて、、第２図に示すように同一半径方向板幅
W₁を有するとともに同一半径上の内径寸法R₁は
共に等しく成形されている。これに対し、中間に
配置された非円形環状板１１ｂは外径のみは他の
非円形環状板１１ａ及び１１ｃと等しいが、半径
方向板幅W₂と同一半径上の内径寸法R₂とは他の
非円形環状板と異なる値となるように成形されて
いる。従つて、三者を積層且つ接合して外輪１１
を構成すると、外輪１１の内周面に周方向の溝１
１ｄが形成されることになる。この溝１１ｄは渦
巻きガスケツト１２の外周面の一部を嵌入させる
ためのものであり、外輪１１と相似形に形成され
た非円形環状の渦巻きガスケツト１２を第３図に
示すように外輪１１の内周に嵌合させる。

渦巻きガスケツト１２は第３図に示すように横
断面形状がＶ形もしくは波形の帯状金属板１２ａ
に同じく帯状のクツシヨン材１２ｂを積層して渦
巻き状に巻いて環状に成形したものである。

なお、前記実施例では、外輪１１の内周面の溝
１１ｄが角形断面形状のもののみを示したが、溝
１１ｄの横断面形状は三角形でもＵ形もしくは半
円形など、どのような形状でもよく、また、外輪
１１を構成する環状板の数は２枚以上、何枚であ
つてもよく、更に、該環状板はプラスチツク板で
あつてもよい。

「考案の効果」 本考案の外輪付きガスケツトでは半径方向板幅
や内径寸法が異なる数種の環状板を積層且つ接合
して外輪が構成されているので、ガスケツトを係
止させておくための周方向の溝が外輪の形成と同
時に形成でき、従つて従来の外輪のような溝削成
作業が不要になり特に、非円形の穴に装着するた
めの外輪付きガスケツトの外輪を高コストの製作
方法によらず且つ溝削成作業を要さずに低コスト
で製作することができる。すなわち、本考案によ
る外輪付きガスケツトの外輪は、プレス打抜きや
NC切断機等によつて形成された環状板を積層し
て構成されるため、少数の非円形の穴に装着する
ための少数の外輪付きガスケツトの外輪を従来よ
りもはるかり低コスト且つ高能率で製作すること
ができ、その結果、従来品よりも極めて低コスト
の外輪付きガスケツトを従来品よりもはるかに短
期間で製造することができる。

なお、本考案の外輪付き渦巻きガスケツトに、
内輪やハンガーが付いていてもよいことは勿論で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の外輪付きガスケツ
トの平面図、第２図は第１図の外輪付きガスケツ
トの外輪部分の横断面図、第３図は第１図の−
矢視断面図である。 １……外輪付きガスケツト、１１……外輪、１
１ａ〜１１ｃ……非円形環状板、１１ｄ……溝、
１２……渦巻きガスケツト、１２ａ……帯状金属
板、１２ｂ……帯状クツシヨン材、W₁，W₂……
半径方向板幅、R₁，R₂……内径。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シールする穴の口縁に装着される外輪と、前記
   外輪の内周面に形成された周方向の溝に嵌装され
   る渦巻きガスケツトとから成り、前記外輪は、少
   なくとも２枚以上の環状板を積層して構成される
   とともに各環状板の内周面によつて形成された周
   方向の溝を有しており、前記渦巻きガスケツト
   は、横断面がＶ形もしくは波形の帯状金属板と帯
   状クツシヨン材とを交互に積層して渦巻き状に巻
   き締めることにより環状成形したものであり、前
   記渦巻きガスケツトの外周部を前記外輪の前記溝
   内に強制的に圧入嵌合して成ることを特徴とする
   外輪付き渦巻きガスケツト。