JPH029923Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ほぞ取り機のバイス自動送り装置に
関するものである。

２本の木材を接合するとき、その一方の木材端
部にほぞを作り、他方の木材端部にほぞ穴を設け
ることがおこなわれているが、ほぞ取り機の構造
は、一般に、被加工材切削用の縦のこ刃と横のこ
刃とを有し、かつベース上に立設されたコラムを
介して昇降動作する昇降部材と、被加工材をクラ
ンプした状態でスライダーが切削方向に移動する
バイスとを備えている。

以上の構成において、被加工材にほぞ取り加工
をおこなう場合は、バイスのスライダー部分（具
体的には、スライダー上に装着されている左右一
対のクランパー）で被加工材をクランプした後、
必要とするほぞ長さが得られる位置まで上記スラ
イダーを移動させるようにしているが、従来、上
記スライダーの移動操作は、手動にたよつている
のが現状である。また、平ほぞ以外のほぞ取り加
工をおこなう場合は、第２段、第３段といつた多
段加工が必要となり、その都度バイスのスライダ
ーを所定の位置に移動させる必要があるが、従
来、これらの作業をおこなうにあたつては、既に
加工されているほぞ長さを基準に、スケールを用
いて上記スライダーを移動させるようにしてお
り、スケール合せが面倒となる不便ないし欠点が
あつた。

本考案は、以上の点を考慮してなされたもので
あつて、その目的とするところは、被加工材を一
度バイスのスライダー部分にクランプさせた後
は、希望するほぞ取り加工が終了するまで上記ス
ライダーを自動的に移動させることのできる、実
用に供して好適なこの種加工機のバイス自動送り
装置を提供しようとするものである。

上記目的を達成するため、本考案は、被加工材
切削用の縦のこ刃と横のこ刃とを有し、かつベー
ス上に立設されたコラムを介して昇降動作する昇
降部材と、被加工材をクランプした状態でスライ
ダーが切削方向に移動するバイスとを備えてなる
ほぞ取り機において、上記バイスのベース部材
に、スライダー移動用の可逆電動機を据付けると
ともに、バイスのベース部材とスライダーとの双
方には、スライダーの初期セツト位置を検出する
スライダー初期セツト位置検出手段を設け、さら
に上記バイスのベース部材とスライダーとの双方
には、スライダーの移動量を検出するスライダー
移動量検出手段を設け、上記スライダーは、被加
工材切削長さ入力部から指示された寸法に応じて
移動するよう構成してなることを特徴とするもの
である。

以下、本考案を、図面の一実施例にもとづいて
説明すると、第１図は本考案に係るバイス自動送
り装置を組み込んだほぞ取り機を示し、符号１は
ベース、２，２はコラム、３はブリツジで、コラ
ム２，２は、ベース１上に立設されている。ま
た、ブリツジ３は、コラム２，２間をその上方位
置において一体的に連結している。４は昇降部
材、５，５は被加工材切削用の縦のこ刃、６，６
は横のこ刃を示し、昇降部材４は、ベース１上に
立設されたコラム２，２を介して昇降動作する。
また、縦のこ刃５，５および横のこ刃６，６は、
昇降部材４に装着されており、図示を省略したの
こ刃駆動用の電動機により回転される。７はのこ
刃間隔調整用のハンドルで、縦のこ刃５，５間お
よび横のこ刃６，６間の間隔は、ハンドル７を回
転することによつて調整される。８は昇降部材操
作アームを示し、アーム８を上下動することによ
り、昇降部材４は、コラム２，２を案内として昇
降動作する。１０は被加工材をクランプするバイ
ス９のベース部材、１１はスライダー、１２，１
２はスライダーガイドロツドであつて、第１図の
Ｂ−Ｂ部分を拡大して示す第３図のごとく、スラ
イダーガイドロツド１２，１２（第３図において
は、スライダーガイドロツド１２が１本だけ示さ
れている）は、ベース部材１０に取り付けられて
いる。第１図において、１３，１３は被加工材を
クランプする左右一対のクランパー、１４はクラ
ンパー間隔調整用のハンドルで、クランパー１
３，１３は、スライダー１１上に設けられてい
る。

第３図において、１５はスライダー移動用の可
逆電動機、１６はスライドスクリユーを示し、ス
ライドスクリユー１６は、電動機１５によつて回
転される。また、スライドスクリユー１６には、
スライダー１１の下底突出部がネジかん合してい
る。すなわち、電動機１５の駆動によつてスライ
ドスクリユー１６が回転することにより、スライ
ダー１１は、第３図の矢印Ｅ方向に直線的に往復
動する。１７はエンコーダーで、エンコーダー１
７は、第３図のＣ部を拡大して示す第４図のごと
く、スライドスクリユー１６に取り付けられてい
る。

第４図のＤ方向を矢視して示す第５図におい
て、エンコーダー１７の外周には、スライダー１
１の移動量をカウントする溝が多数設けられてい
る。

第４図および第５図において、エンコーダー１
７の溝数を検出する検出器１８および１９は、そ
のいずれか一方が90゜位相の異なつた信号（第６
図のａ信号）を出すよう構成されている。

本考案装置を組み込んだほぞ取り機の電気系統
を示す第６図において、検出器１８および１９
は、90゜位相の異なつた信号を出すことにより、
被加工材切削長さ入力部２０に組み込まれている
正逆判別回路２１を介し、スライダー１１が前進
しているか後退しているかを判別し、電動機１５
を被加工材切削長さ入力部２０の指示にしたがつ
て駆動させる。

第３図において、２２は、スライダー１１の移
動の時の基準位置となるセツト位置を一定に保つ
ためのセツト位置検出スイツチ、２３はスライダ
ー１１のセツト位置検出レバーで、セツト位置検
出スイツチ２２は、ベース部材１０に取り付けら
れている。また、セツト位置検出レバー２３は、
スライダー１１に取り付けられており、レバー２
３がスイツチ２２に当接することにより、スライ
ダー１１は、常に所定の位置から、被加工材切削
長さ入力部２０によつて指示されたほぞ長さ分だ
け移動する。第１図のＡ矢視方向を拡大して示す
第２図において、２４は被加工材切削長さ入力部
２０のキーボード、２５はLED（発光ダイオー
ド）を示し、キーボード２４とLED２５とは、
第１図に示すように、昇降部材４に配設されてい
る。被加工材に必要とするほぞ長さは、キーボー
ド２４を操作することにより、第６図のメモリー
２６に記憶されると同時に、LED２５に表示さ
れる。

第２図および第６図において、２７はスライダ
ー移動用可逆電動機１５の駆動スイツチ、２８は
メモリー２６に記憶されている数字を消去するた
めのクリアースイツチを示している。

第６図において、メモリー２６は、キーボード
２４を操作することによるデータ入力の記憶回路
であり、カウンター２９に接続されている。カウ
ンター２９は、エンコーダー１７の溝数を検出す
る検出器１８および１９からの信号をうけてスラ
イダー１１の移動量を計数し、その計数値とメモ
リー２６の設定値とを大小比較して可逆電動機正
逆制御回路３０に信号を送る演算回路で、可逆電
動機正逆制御回路３０は、カウンター２９からの
出力信号によつてスライダー移動用可逆電動機１
５の出力を制御する。

以上の構成において、被加工材切削長さ入力部
２０のキーボードを操作することにより、被加工
材に必要とするほぞ長さをメモリー２６に記憶さ
せ、スライダー移動用可逆電動機１５の駆動スイ
ツチ２７をオンすれば、スライダー１１は、初期
セツト位置の状態から移動し始める。スライダー
１１が移動を始めると、検出器１８および１９が
エンコーダー１７の溝数をカウントし、その出力
信号（ａ信号）は、正逆判別回路２１を経てカウ
ンター２９に送られ、メモリ２６の設定値と大小
を比較し、信号（Q₁，Q₂，Q₃）を可逆電動機正
逆制御回路３０に送る。可逆電動機正逆制御回路
３０に信号が送られると、その出力信号にもとづ
いてスライダー移動用の可逆電動機が駆動し、電
動機１５は、メモリ２６に入力されているポジシ
ヨン（被加工材に必要とするほぞ長さ位置）で停
止し、被加工材をクランプしているスライダー１
１を所定の位置に移動完了する。

また、平ほぞ以外のほぞ取り加工をおこなう場
合は、第２段、第３段といつた多段加工が必要と
なり、その都度スライダー１１を所定の位置に移
動させる必要があるが、斯かる場合、本考案にお
いては、クリアースイツチ２８を操作することに
より、それまでメモリー２６に記憶されていた数
字を消去した後、キーボード２４を操作して新た
な数字をメモリー２６に記憶させ、スライダー移
動用可逆電動機１５の駆動スイツチ２７をオンす
れば、先に説明したと同様の動作により、スライ
ダー１１を所定の位置にまで移動させることがで
きる。

なお、ほぞ取り加工が終了した場合は、スイツ
チ２７および２８を操作することにより、スライ
ダー移動用可逆電動機１５は、逆転を開始するも
のであつて、スライダー１１に取り付けられてい
るセツト位置検出レバー２３がベース部材１０に
取り付けられているセツト位置検出スイツチ２２
に当接すると、スライダー１１は、初期のセツト
位置に停止する。

本考案は以上のごときであり、本考案によれ
ば、被加工材を一度バイスのスライダー部分にク
ランプさせた後は、希望するほぞ取り加工が終了
するまで上記スライダーを自動的に移動させるこ
とのできる、実用に供して好適なこの種加工機の
バイス自動送り装置を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は本考
案に係るバイス自動送り装置を組み込んだほぞ取
り機の正面図、第２図は第１図のＡ矢視拡大図、
第３図は第１図のＢ−Ｂ拡大断面図、第４図は第
３図のＣ部拡大図、第５図は第４図のＤ矢視図、
第６図は本考案装置を組み込んだほぞ取り機の電
気系統を示すブロツク回路図である。 １……ベース、２……コラム、４……昇降部
材、５……縦のこ刃、６……横のこ刃、９……バ
イス、１０……ベース部材、１１……スライダ
ー、１２……スライダーガイドロツド、１３……
クランパー、１５……スライダー移動用可逆電動
機、１６……スライドスクリユー、１７……エン
コーダー、１８および１９……検出器、２０……
被加工材切削長さ入力部、２１……正逆判別回
路、２２……セツト位置検出スイツチ、２３……
セツト位置検出レバー、２４……キーボード、２
５……発光ダイオード、２６……メモリー、２７
……電動機駆動スイツチ、２８……メモリークリ
アースイツチ、２９……カウンター、３０……可
逆電動機正逆制御回路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 被加工材切削用の縦のこ刃と横のこ刃とを有
   し、かつベース上に立設されたコラムを介して昇
   降動作する昇降部材と、被加工材をクランプした
   状態でスライダーが切削方向に移動するバイスと
   を備えてなるほぞ取り機において、上記バイスの
   ベース部材に、スライダー移動用の可逆電動機を
   据付けるとともに、バイスのベース部材とスライ
   ダーとの双方には、スライダーの初期セツト位置
   を検出するスライダー初期セツト位置検出手段を
   設け、さらに上記バイスのベース部材とスライダ
   ーとの双方には、スライダーの移動量を検出する
   スライダー移動量検出手段を設け、上記スライダ
   ーは、被加工材切削長さ入力部から指示された寸
   法に応じて移動するよう構成してなることを特徴
   とするほぞ取り機のバイス自動送り装置。