JPH029812Y2

JPH029812Y2 -

Info

Publication number: JPH029812Y2
Application number: JP1984110570U
Authority: JP
Priority date: 1984-07-20
Filing date: 1984-07-20
Publication date: 1990-03-12
Also published as: JPS6126538U

Description

【考案の詳細な説明】産業上の利用分野本考案は密封型輸液バツグに関する。

従来の技術密封型輸液バツグには通常残存液量を目視で確
認するために通常目盛が付されているが、この種
輸液バツグは内容液の注出につれ扁平に変形し、
これにつれ、前後のバツグ壁が重合密着して行く
ので、液面は常に重合密着傾向にある前後のバツ
グ壁間に位置し、この重合密着部分において液状
に大きく上下することになるので、残存液量の確
認に際し、液面を正確に判別できず、目盛を正確
に判読できない欠点があつた。また一般にこの種
輸液バツグは薬液の封入工程以前の工程で蒸気滅
菌処理されるが、従来品の場合のようにバツグ本
体の内面が平滑である場合には内面が重合密着
し、次工程で薬液を注入する場合、いちいち手で
開かねばならず非常に面倒であつた。

考案が解決しようとする問題点本考案はこのような従来の問題を一掃すること
を目的としてなされたものである。

問題点を解決するための手段本考案者は上記従来の欠点を一掃すべく鋭意研
究を重ねた結果、バツグ本体の前後のバツグ壁の
少なくともいずれか一方の内壁面に、縦方向に延
びる多数の微細な凹凸条を形成するときは、重合
密着部に於ける液面の上下波打ち傾向を著るしく
軽減し得ることを見出し、茲に本考案を完成する
に従つたものである。

即ち本考案は、内容液の注出につれ扁平に変形
する密封型輸液バツグに於て、バツグ本体の表面
に残存液量表示用の目盛が付されていると共に、
バツグ本体の前後のバツグ壁の少なくともいずれ
か一方の内壁面に、縦方向に延びる凹凸条の多数
本が形成され、凹凸条は10〜70μの高さ（深さ）
と、500〜1100μのピツチ間隔を有していること
を特徴とする密封型輸液バツグに係る。

実施例以下に本考案の一実施例を添附図面にもとづき
説明すると次の通りである。

第１図に本考案による密封型輸液バツグが示さ
れ、そのバツグ本体１は、従来品と同様に内容液
の注出につれ扁平に変形するような構成になつて
いる。このようバツグ本体１としては、公知の各
種形式のものを採用できる。

第２図に示すように、バツグ本体１の前後のバ
ツグ壁１ａ，１ｂの内面の少なくともいずれか一
方に縦方向に延びる多数の微細な凹凸条２が形成
され、図にはその両面に形成した場合を示した
が、場合によつてはその一方を省略してもよい。

第３図に凹凸条２が拡大して示されている。凹
凸条２のピツチＰは広い範囲から選択できるが、
これがあまりに小さいと形成が困難となり、また
あまり大きいと平滑面に近づくことになるので、
500〜1100μの範囲から適宜選択的に決定される。
又凹凸条２の高さ（又は深さ）ｈは、これが、あ
まりに小さいと平滑面に近づき、一方あまり大き
すぎると形成が困難となるので、10〜70μ程度の
範囲からバツグ壁１ａ，１ｂの肉厚などに合せて
適宜決定される。例えばバツグ壁の厚みが200μ
の場合は25〜35μ程度が好適である。

バツグ壁の材質及び肉厚は公知のものと実質的
に異なる所がなく、材質としてはポリプロピレ
ン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルを、例示で
き、また肉厚としては、100〜1000μ、好ましく
は200〜500μ程度が好適である。

バツグ本体１の表面には、常法通り目盛３が付
されている。

本考案に於ては、第４図及び第５図に示すよう
に、バツグ壁１ａ又は１ｂに、上記目盛３と一致
させて、溝形成用部４ａ又は４a′を形成できる。
この溝形成用部４ａ又は４a′は、バツグ壁１ａ，
１ｂが重合密着した時、之等の間に、液の付着上
昇を防止し得る程度の縦溝４を形成する。溝形成
用部４ａの寸法は、バツグの大きさによつても異
なるが、通常巾：約10〜50mm深さ：約１〜10mm程
度が適当である。

第６図に本考案品に於けるバツグ壁１ａ，１ｂ
の重合密着部の液面状況が、また第７図に従来品
（微細凹凸条２のないもの）の液面状況がそれぞ
れ概略的に示されている。第７図のように従来品
に於ては、液面a₁又はa₂は、イ−イ線で示された
真の液面を挟んで波打ち状にかなり上下に変動す
るが、本考案ではバツグ壁１ａ，１ｂの内面に形
成した微細な凹凸条２が、重合密着部に於て生ず
る液の付着上昇傾向を防止するので、液面の変動
がかなり抑制され、第６図に示すように、真の液
面イ−イ線にかなり近いものとなり、液面の状況
を従来よりも遥かに改善できる。第８図は第４図
又は第５図に示された実施例に対応する液面状況
を示し、目盛３に沿つて溝形成用部４ａ又は４
a′を形成することにより、液面の状況をより一層
改善できる。

一般にこの種輸液バツグは薬液の封入工程以前
の工程で蒸気滅菌処理される。この場合従来品の
ようにバツグ本体の内面が平滑である場合には内
面が重合密着し、これでは次工程に於ける薬液注
入時に手でいちいち開くなどの不便を招くことに
なるが、本考案ではバツグ本体１の内面に凹凸条
２が形成されているので、内面の重合密着がなく
なり、次工程に於ける薬液注入を手でいちいち開
くなどの面倒な手段なしに達成できる。

効果このように本考案によれば、バツグ本体１の重
合密着に於ける液面の状況が真の液面イ−イ線に
かなり近いものとなり、この液面と一致する目盛
３を目視で確認することにより、残存液量を容易
に正確に知ることができ、また液面の波打ち傾向
がなくなるので、薬液の注出量を一定量に保持で
き、薬液投与時に於ける投与量の管理を容易に正
確になし得る利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す正面図、第２
図は第１図の横断平面図、第３図はバツグ本体の
内面に対する凹凸条の形成状況を示す拡大図、第
４図及び第５図は本考案の他の実施例を示す横断
平面図、第６図は第１図に示された本考案品の液
面状況を概略的に示す図、第７図は従来品の液面
状況を概略的に示す図、第８図は第４〜５図に示
された実施例に於ける液面の状況を概略的に示す
図である。図に於て、１はバツグ本体、１ａ，１ｂはバツ
グ壁、２は凹凸条、３は目盛である。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

内容液の注出につれ扁平に変形する密封型輸液
バツグに於て、バツグ本体の表面に残存液量表示
用の目盛が付されていると共に、バツグ本体の前
後のバツグ壁の少なくともいずれか一方の内壁面
に、縦方向に延びる凹凸条の多数本が形成され、
凹凸条は10〜70μの高さ（深さ）と、500〜1100μ
のピツチ間隔を有していることを特徴とする密封
型輸液バツグ。