JPH028826Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車用灰皿に係り、更に詳しくは自
動車のダツシユボードに組込まれた引き出し式灰
皿の灰落し部上方に煙草挾持具を備えた自動車用
灰皿に関するもので、その目的とするところは、
簡単、合理的な構成により、形成容易で而もワン
タツチで煙草をソフト且つ確実に挾持させ得る共
に、挾持中に邪魔とはならず、不使用時にはダツ
シユボード内へ灰皿と一緒に完全に収納すること
が可能な灰皿の提供をすることにある。

運転中に使用頻度の高い自動車用灰皿は、使用
する場合できるだけ運転への注意力を逸さないよ
うな配慮が必要である。そこで出願人は、運転に
集中するため、一時的に火の付いた煙草を手から
離す場合や咄嗟に消火する行動に際し、煙草を挾
持さえすればそのまま放置しておいても時間がた
てば自然に消火される挾持具を備えた自動車用灰
皿（実願昭58−176697号公報所載）を先に提案し
たが、該灰皿の煙草挾持具は、煙草を吸つている
最中に素早く該煙草を手から離して両手を開放で
き、それなりの効果があるものの、バネ力によつ
て煙草を挾持させているため、バネ力が強すぎる
と挾持させ難いと共に、無理に挾持させようとす
れば煙草が折れたり潰れたりしてしまい、逆にバ
ネ力が弱すぎると、車の振動で脱落して敷物等を
焦してしまう虞れがあつた。

そこで本考案は、煙草のスムースな挾持操作を
追及し、ソフトで而も一定の挾持力を与えること
によつて使用上における便利さを追加したもの
で、その構成は、自動車のダツシユボードに組み
込まれた引き出し式灰皿の灰落し部上方に、各挾
持板の先端側に煙草の外周形状に合致させて彎曲
形成した挾持面で煙草を両側部より挾持する挾持
具を備えた自動車用灰皿において、先端に垂直板
部を取付けた腕体の基端部を、前記先端が灰皿の
引き出し方向手前に向くよう灰落し部奥方に取付
けると共に、前記垂直板部に係合窓を穿設し、一
方前記垂直板部の側方には一対の挾持板を水平姿
勢で而も彎曲内面を互いに向い合わせて配置する
と共に、少なくともいずれか一方の挾持板の基端
側両側に係合溝を切り込み形成し、該係合溝と前
記係合窓の内側縁とを係合させて前記いずれか一
方の挾持板が係合部を支点として回動可能に枢支
されることによつて両挾持板が相対的に鋏状に開
閉運動をするよう構成し、前記回動挾持板に重力
の作用で閉脚方向の挾持力を付与したことにあ
る。

次に本考案の実施一例を図面に従つて説明する
と次の通りである。

当該実施例の灰皿は、第１図示の如く自動車の
ダツシユボード面内に引き出し可能に収納される
灰皿１の引き出し方向手前（前方）に把手２を備
え、該灰皿１の内側が灰落し部３となつていて、
該灰落し部３の上面を覆う舌状のプロテクタ４
が、灰落し部３の奥方においてその基端部をバネ
材４，４を介してビス５にて取付けられ、灰皿１
を手前に引き出した際にプロテクタ４の先端が上
方へはね上がるようになつている。そして前方プ
ロテクタ４の下面片側の奥方には、その先端が灰
皿１の引き出し方向手前に向くよう腕体６の基端
部が取付けられており、而も該先端には垂直板部
９を有するＬ状板７がビス８にて取付けられてい
る。前記腕体６はプロテクタ４の起き上がり力に
よつて先端が持ち上がつた状態に保たれ、灰皿１
を押し込むとプロテクタ４と共に灰落し部内に倒
伏するようになつているが、腕体６の基端部を直
接灰落し部３の奥方に弾性力を持たせて取付ける
ことにより同様の機能を持たせることも可能であ
るし、垂直板部９を、腕体６と一体に形成するこ
ともできる。１０，１１は、先端側に煙草Ｓの外
周形状に合致するよう彎曲形成した挾持面１０
ａ，１１ａを有する挾持板であつて、そのうちの
一方の挾持板１０は、基端部側の支点となる部分
の両側に係合溝１２，１２を切り込み形成した可
動挾持板であり、他方の挾持板１１は、基端部を
直角に折り曲げて取付け部１５を形成した固定挾
持板である。一方前記腕体６の垂直板部９には、
横幅が該切込溝１２，１２の両底辺間に相当する
スリツト状の係合窓１３と、可動挾持板１０の横
幅に相当する方形の挿通窓１４とが連設されてい
る。このように形成された取付けアーム６と両挾
持板１０，１１とを、先ず可動挾持板１０を切り
込み溝１２のところまで挿通窓１４に挿通し、次
に係合溝１２を係合窓１３の側辺に係合させるよ
う下方に移動して該係合溝１２の両底を結ぶ直線
を支点として回動可能にセツトし、更に固定挾持
板１１を、垂直板部９へ、取付部１５で挿通窓１
４が閉塞される位置に水平姿勢で固定させる。こ
のように構成することによつて、可動挾持板１０
が、該可動挾持板の係合溝１２と垂直板部９に穿
設された係合窓１３との係合部を支点として回動
し、両挾持板１０，１１は相対的に鋏状の開閉運
動をする。そして可動挾持板１０の基端部に、挾
持力を付与するための重錘１６を吊下する。

尚各挾持板１０，１１の先端には、図示の如く
両側に開いた案内舌片１７を形成しておくことが
煙草の挿入を考慮すると望ましい。

当該実施例の煙草挾持具付き灰皿は、第３図ａ
に示す如く、横方向から案内舌片間へ煙草Ｓの側
部を押し付けると、可動挾持板が下方へ開き、該
煙草を挾持面のところまで案内して該挾持面にお
いて外周をすつぽりと保持する。可動挾持板の挾
持力は重錘によつて付与されていて、一定でしか
も当りがソフトであるから、煙草を潰してしまう
虞れは全くなく、そのまま横方向へ移動させて抜
き出すことも容易に行える。前記可動挾持板は、
第３図ｂに示す如く、上方へ開くようにして、該
挾持板自体の重みにより挾持力が付与されるよう
にもできるし、第３図ｃに示す如く、垂直板部９
を腕体６の先端に下方へ突設して取り付けること
もできる。又前記煙草挾持具付き灰皿を自動車の
ダツシユボードにおける所定部位へ組み込めば、
火の付いた煙草を一時的に手から離す場合、挾持
具へ保持させておけば、灰は灰落し部へ落下する
から車内を汚す虞れはない。又喫煙を続行しない
場合は簡単に取り外せるし、そのまま放置してお
いても挾持部において自然に消火するから安全で
ある。そして灰皿を押込めば、挾持具はプロテク
タと一緒に灰落し部内へ収納され、灰皿を使用し
ない場合には該挾持具は表出せず、美感を損ねた
りスイツチ操作の邪魔となることがない。

尚本考案において、灰皿の形状、プロテクタの
有無や挾持具の材質、大きさ等は本考案の前記目
的及び効果の達成される範囲内において任意に定
めて差し支えない。

以上の如く本考案の煙草挾持具付き灰皿は、可
動挾持板の支点が係合によつて枢支させる構造で
あるから、軸の必要はなく形成が容易であるし、
ドライブ中に喫煙をする場合には、灰皿を引き出
せば煙草挾持具が手前上方の使用しやすい位置に
セツトされ、一時的に煙草を手から離したいとき
には、火が付いたままの煙草を該挾持具へワンタ
ツチで挾持させることができ、暫くしてから喫煙
を続行することもできるし、そのまま放置してお
いて自然に消火するのを待つこともできる。又灰
は灰落し部内へ確実に落下するし、灰皿を押込め
ば酸素が欠乏して消火が早められる。

従つて吸いかけ煙草の処理や後始末のため、運
転への集中力を疎かにし、事故を招きやすいとい
つた事態は大幅に減少し、その実益は多大であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の煙草挾持具付き灰皿を
示す斜視図、第２図は挾持具の分解斜視図、第３
図ａは挾持具の断面図、第３図ｂ，ｃは挾持板の
取付け変更例を示す断面図、第４図は自動車のダ
ツシユボードに組み込まれ、火の付いた煙草を挾
持した使用状態の斜視図、第５図は灰皿の収納、
引出し状態を示す断面図である。 １……灰皿、２……把手、３……灰落し部、４
……プロテクタ、４ａ……バネ部材、５……ビ
ス、６……腕体、７……Ｌ状板、８……ビス、９
……垂直板部、１０……可動挾持板、１１……固
定挾持板、１０ａ，１１ａ……挾持面、１２……
係合溝、１３……係合窓、１４……挿通窓、１５
……取付部、１６……重錘、１７……案内舌片、
Ｓ……煙草。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 自動車のダツシユボードに組み込まれた引き
   出し式灰皿の灰落し部上方に、各挾持板の先端
   側に煙草の外周形状に合致させて彎曲形成した
   挾持面で煙草を両側部より挾持する挾持具を備
   えた自動車用灰皿において、先端に垂直板部を
   取付けた腕体の基端部を、前記先端が灰皿の引
   き出し方向手前に向くよう灰落し部奥方に取付
   けると共に、前記垂直板部に係合窓を穿設し、
   一方前記垂直板部の側方には一対の挾持板を水
   平姿勢で而も彎曲内面を互いに向い合わせて配
   置すると共に、少なくともいずれか一方の挾持
   板の基端側両側に係合溝を切り込み形成し、該
   係合溝と前記係合窓の内側縁とを係合させて前
   記いずれか一方の挾持板が係合部を支点として
   回動可能に枢支されることによつて両挾持板が
   相対的に鋏状に開閉運動をするよう構成し、前
   記回動挾持板に重力の作用で閉脚方向の挾持力
   を付与したことを特徴とする煙草挾持具付き自
   動車用灰皿。 ２ 前記回動挾持板が、彎曲内面を下方に向けて
   設けられ、該挾持板自体の重量によつて挾持力
   が付与されるものであるところの実用新案登録
   請求の範囲第１項記載の煙草挾持具付き自動車
   用灰皿。 ３ 前記回動挾持板が、挾持面を上方に向けて設
   けられ、支点に対して挾持面とは反対側の基端
   部に重錘を吊下し、該重錘の重さによつて挾持
   力が付与されるものであるところの実用新案登
   録請求の範囲第１項記載の煙草挾持具付き自動
   車用灰皿。