JPH028500Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ この考案は、ケーブル収納用溝に嵌め込んであ
る蓋を容易に開閉し、かつ移動できるようにした
ケーブル収納用溝蓋の開閉装置に関するものであ
る。

＜従来の技術及びその問題点＞ 従来の道路には、交通の支障とならない程度に
電柱が立つており、この電柱には、あたかもクモ
の巣のように架空線が張りめぐらされていたが、
これは街並みの景観を損なうのみならず、火災時
における消防車の進入又はその活動を妨害する等
の点から好ましくなく、したがつてこれらを解消
するために、近時前記架空線の地中化がすすめら
れている。

電線（又は電話線）の地中化というのは、道路
に所要幅の溝を形成し、ここに電線等を収納し、
これに平時は蓋を配しているのであるが、この蓋
は通常、強度の点からコンクリートで成型されて
おり、大きいもので約700Kgもあり、とうてい人
力によつては開閉が不可能である。そこでこれの
開閉に際しては、従来は、レツカー車を用いて行
なつていたのであるが、このレツカー車は、占有
する面積が広くなるのみならず、その作業場所が
前述のように通行人の往来する道路であるため
に、はなはだしい危険を伴うという問題を有して
いた。

＜問題点を解決するための手段＞ そこでこの考案にかかるケーブル収納用溝蓋の
開閉装置は、ケーブル収納用溝蓋の上面に穿設さ
れた螺孔に合致する位置に螺杆を配設した２本以
上の横フレームの両端に、油圧又は気圧機器のシ
リンダー受けを配設し、これらのシリンダー受け
を介してステーによつて横フレームを連結して全
体として四角形状の枠組を形成し、前記シリンダ
ー受けに、油圧又は気圧機器のシリンダーのチユ
ーブを固定し、このシリンダーのピストンロツド
先端に、前記ケーブル収納用溝蓋の外側に敷設し
た走行レールに乗り得る車輪を配設して、前記走
行レール上に車輪を乗せ、開閉せんとする蓋の上
方に枠組を設置し、かつ蓋に穿設した螺孔に横フ
レームに配設した螺杆を螺合せしめ、もつてシリ
ンダーを作動させることによつてフレーム全体を
上昇させ、蓋を吊り上げ、走行レール方向に移動
できるようにしたものである。

＜実施例＞ 次にこの考案にかかるケーブル収納用溝蓋の開
閉装置の一実施例を図面にもとずいて述べると、
１は公知のケーブル収納用溝２に嵌め込んである
蓋であり、３はこの蓋１に形成した螺孔である。
本実施例においては、この螺孔３は４個形成して
あるが、４個に限定するものではない。４は２本
の横フレームであり、５はこの横フレーム４に配
設した螺杆である。この横フレーム４における螺
杆５の配設位置は、前記蓋１に形成した螺孔３と
合致する位置とする。６は横フレーム４の両端に
配設した油圧又は気圧機器のシリンダー受けであ
り、７はこれらシリンダー受け６を介して横フレ
ーム４を連結したステーである。８は前記シリン
ダー受け６に配設した油圧又は気圧機器のシリン
ダーであるが、この場合シリンダー受け６に対し
てはシリンダー８のチユーブを固定するものとす
る。９はシリンダー８のピストンロツド１０の先
端に配設した車輪であり、１１は走行レールであ
る。この走行レール１１は前記蓋１の外側に敷設
するものとし、かつ前記車輪９が乗り得る位置と
する。尚１２は前記シリンダー８に連結したホー
スであり、このホース１２は油圧（又は空気圧）
ポンプ（図示せず）に連結してある。

＜作用＞ 次に蓋１を外す場合について述べると、走行レ
ール１１を車輪９間隔に敷設する。この場合走行
レール１１の敷設位置は、除去せんとする蓋１の
外側になるようにすることは前述の通りである。
そしてこれに前記のように構成した枠組を、走行
レール１１に車輪９が乗るようにセツトし、かつ
横フレーム４の螺杆５を蓋１の螺孔３に螺着せし
める。その後、油圧ポンプを作動させてシリンダ
ー８のピストンロツド１０を伸ばす。するとシリ
ンダー８のチユーブが上昇し、すなわちこれに伴
つて横フレーム４及びこれと連結されている蓋１
が上昇することになる。このようにして蓋１の下
面が地表から完全に上昇しきつた時点で油圧ポン
プの作動を止め、上昇した状態を維持しながら、
走行レール１１によつて移動すれば、ケーブル収
納用溝２は開かれることになる。

このように除去した蓋１を元の位置に戻すため
には、前記とは逆の作用をなせばよい。すなわ
ち、走行レール１１にそつて蓋１を開かれた状態
になつているケーブル収納用溝２の上方に導き、
油圧ポンプのバルブを開放すると、蓋１の自重に
より、シリンダー８のピストンロツド１０を縮め
る。すると、シリンダー８のチユーブが下降し、
これによつて枠組及び蓋１も共に下降する。そし
て蓋１が前記ケーブル収納用溝２に完全に嵌合し
た状態で油圧ポンプのバルブを閉じ、蓋１の螺孔
３から螺杆５を外し、もつてフレームと蓋１との
連結を解けばよいのである。

＜考案の効果＞ 前記のようにこの考案にかかるケーブル収納用
溝蓋の開閉装置によれば、ケーブル収納用溝蓋の
上面に穿設された螺孔に合致する位置に螺杆を配
設した２本以上の横フレームの両端に、油圧又は
気圧機器のシリンダー受けを配設し、これらのシ
リンダー受けを介してステーによつて横フレーム
を連結して全体として四角形状の枠組を形成し、
前記シリンダー受けに、油圧又は気圧機器のシリ
ンダーのチユーブを固定し、このシリンダーのピ
ストンロツド先端に、前記ケーブル収納用溝蓋の
外側に敷設した走行レールに乗り得る車輪を配設
してあるので、装置全体の大きさを小型化するこ
とができるのみならず、蓋の約２倍強の面積があ
れば作業を行なうことができ、かつ作業現場の周
辺に危険を及ぼすおそれがなく、またこの考案に
かかる装置は現場の組立ても可能であるから、運
搬も簡易化される等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案にかかるケーブル収納用溝蓋の
開閉装置の一実施例を示すものであり、第１図は
平面図、第２図は正面図、第３図は第１図のＡ−
Ａ線断面図、第４図は蓋を上昇させた状態の正面
図である。 １……蓋、２……ケーブル収納用溝、３……螺
孔、４……横フレーム、５……螺杆、６……シリ
ンダー受け、７……ステー、８……シリンダー、
９……車輪、１０……ピストンロツド、１１……
走行レール、１２……ホース。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ケーブル収納用溝蓋の上面に穿設された螺孔に
   合致する位置に螺杆を配設した２本以上の横フレ
   ームの両端に、油圧又は気圧機器のシリンダー受
   けを配設し、これらのシリンダー受けを介してス
   テーによつて横フレームを連結して全体として四
   角形状の枠組を形成し、前記シリンダー受けに、
   油圧又は気圧機器のシリンダーのチユーブを固定
   し、このシリンダーのピストンロツド先端に、前
   記ケーブル収納用溝蓋の外側に敷設した走行レー
   ルに乗り得る車輪を配設したことを特徴とするケ
   ーブル収納用溝蓋の開閉装置。