JPH028349Y2 - - Google Patents

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JPH028349Y2
JPH028349Y2 JP6990783U JP6990783U JPH028349Y2 JP H028349 Y2 JPH028349 Y2 JP H028349Y2 JP 6990783 U JP6990783 U JP 6990783U JP 6990783 U JP6990783 U JP 6990783U JP H028349 Y2 JPH028349 Y2 JP H028349Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の属する技術分野〕 この考案はSF6ガスを消弧媒体とし主としてガ
ス絶縁開閉装置に使用されるガス断路器の電流遮
断性能の向上に関する。
〔従来技術とその問題点〕
断路器は本来無電流にて電路を開閉するもので
あるが、実際の運用面においては無負荷変圧器の
励磁電流、無負荷送電線路の充電電流、変電所母
線や送電線路切換え時のループ電流などの開閉責
務が課せられている。特にループ電流の開閉にお
いては、ループ電流遮断時の回復電圧が数百ない
し数千ボルトと低いにもかかわらず電流が数百な
いし数千アンペアと断路器の定格電流とほぼ同等
であることから、大電流遮断時と同様のアーク処
理を必要とし種種工夫がなされていた。
第1図はこのようなループ電流の開閉責務に応
えた、出願番号57−137063(実開昭59−41950号)
にて考案された消弧装置を備える断路器本体の実
施例を示すものであつて、電流遮断部には固定接
触子5と、これを包囲して該固定接触子側に固定
され、直線的に進退して該固定接触子に接離する
棒状の可動接触子6が出入する開口を備えた円筒
状のシールド7と、このシールド7の内側に配さ
れアーク電流がつくる磁界を変歪させることによ
つてアークを軸線と直角方向に駆動するグリツド
形の消弧装置4などとを備えている。この消弧装
置4は後述の〔考案の実施例〕の項において引用
される第2図の4と同一のものであつて、シール
ド7の軸線と直角にして間隔をおいて配置され
た、開離時に発生するアーク電流の流路となるV
字状の溝を有するU字状の強磁性体からなる複数
個のグリツド板11と、該グリツド板を支持する
とともに前記間隔のそれぞれに連通し前記アーク
電流の流路と平行に走るホツトガス流路Hを有す
る絶縁体10とを備えている。この消弧装置4に
よるループ電流などの大電流遮断の原理はアーク
電流がつくる磁界をグリツド板によつて変歪させ
ることにより軸線と直角方向の力をアークに作用
させグリツド板の間にアークを駆動挿入して冷却
消弧するものである。従つてかかる消弧方式にお
ける大電流遮断の能力はアークがグリツド板の間
に十分挿入されるかどうかによつてきまる。
ところで一般にアークに磁界を作用させてアー
クを駆動する場合、電流値、磁界の強さ、電極材
料の種類によつても異なるが、アークは磁界印加
と同時には動かず、一定の膠着時間が存在する。
またグリツド板の間にアークが十分挿入されるた
めにはさらに一定の時間が必要である。従つてア
ーク時間および遮断時間を短縮する目的で可動接
触子の開離速度を増すと、アークが遮断される以
前に可動接触子が消弧装置から抜け出し、自由空
間中で継続するアークによつて発生したホツトガ
スにより課電部と接地タンク1との間の絶縁耐力
が低下するおそれがある。
一方、前述のように断路器にはループ電流の開
閉のほか無負荷変圧器の励磁電流や無負荷送電線
路の充電電流などの小電流の開閉能力を合わせ有
することが要求される。このような小電流開閉に
おいては電流値はたかだか数アンペアないし数十
アンペアと小さいものの、固定、可動の両接触子
間には電力系統の運転電圧が印加されるので、運
転電圧が高いほど両接触子間の距離Lを増加させ
るとともに両接触子間の絶縁回復速度を大ならし
める必要性から必然的に開離速度も増大させねば
ならない。
以上のことからループ電流と小電流との双方の
開閉責務を課せられるこの種構造の断路器にあつ
ては、ループ電流などの大電流遮断の点からは開
離速度は一定値以下とし、また小電流遮断の点か
らは電力系統の運転電圧の増加とともに開離速度
を大きくしなければならないという二つの相反す
る特性が要求され、前記考案(出願番号:57−
137063)により大電流開閉性能は向上できたもの
の、運転電圧が高い場合の小電流開閉性能までは
同時に満足させるには到らなかつた。
〔考案の目的〕
この発明は上記のような欠点を除去し、大形化
や操作力の著しい増加を招くことなくループ電流
などの大電流から充電電流などの小電流の開閉に
いたるまでの性能を有する構造簡単にして安価な
ガス断路器を提供することを目的とする。
〔考案の要点〕
この考案は固定接触子を外周側から包囲して該
固定接触子側に固定され、直線的に進退して該固
定接触子に接離する棒状の可動接触子が出入する
開口を備えた円筒状のシールドの内側に、アーク
電流がつくる磁界を変歪してアークを軸線と直角
方向に駆動するグリツド形の消弧装置を備えたガ
ス断路器において、遮断時に前記棒状の可動接触
子が前記グリツド形消弧装置から抜け出るまでの
開離ストロークの間、開離速度を抑制する制動片
を前記棒状可動接触子の外周に押圧することによ
り、開離行程初期の速度を低速度として大電流ア
ークの消滅までに十分な時間を与え、制動片の抑
制力から解放された後の高速度の期間には両接触
子間の絶縁回復速度を高めて、ループ電流などの
大電流と充電電流などの小電流とのいずれに対し
ても開閉性能を向上させようとするものである。
〔考案の実施例〕
第2図に本考案の第1の実施例を示す。同図に
おいて第1図と同一機能の部材には同一の符号が
付されている。図において12が本考案による制
動片をその構成要素として備える制動子の実施例
であつて、制動片13、制動片13に対して押圧
力を与える弾性輪14とが軸線に直角方向に移動
するのを阻止するホールダ15とからなつてい
る。制動片13はたとえばSF6ガス中の使用に適
しかつ銀めつきされた銅材よりなる可動接触子6
と摺動する際に噛りを発生しにくく従つて常にほ
ぼ一定の摩擦力が得られる弗素樹脂を図示の断面
形状に加工した後軸方向に等分に割りを入れて製
作する。また制動片の材質として金属を使用する
場合にはたとえば陽極処理によつて表面に硬質皮
膜を形成したアルミ材を使用することにより噛り
の少ない摺動面を得ることができる。弾性輪14
は本実施例においてはSF6ガス中の使用に適した
合成ゴムたとえばクロロプレンからなり、その内
径と外径とは図示の状態より小さく成形または切
削加工され、可動接触子6が制動片13と摺動し
ながら挿入されるときに押し拡げられて図示の状
態となる。
このようにして構成された制動子12をシール
ド7の開口部と消弧装置4の絶縁体10との間に
設けることにより、可動接触子6の先端が制動子
12から抜け出るまで可動接触子の外周には制動
子の押圧力がかかり、可動接触子のP矢方向の移
動を阻止する摩擦力が作用して開離速度が抑制さ
れ、可動接触子が消弧装置から抜け出るまでの時
間が長くなつて大電流アークの消滅までに十分な
時間が与えられる。
可動接触子6は制動子12から抜け出ると同時
に可動接触子の移動を阻止する摩擦力から解放さ
れ、操作器から与えられる操作力により一挙に加
速されて開離速度が上昇する。このときの可動接
触子のストロークと時間との関係を第3図に示
す。
第3図は開離時の可動接触子6のストロークと
時間の関係を簡単に示したものであつて、16は
グリツド形消弧装置を備えるとともにループ電流
の遮断のみを考慮した場合のストローク特性、1
8は小電流遮断時の絶縁回復速度のみを大とした
場合のストローク特性である。これに対して17
は本考案によるストローク特性を示すものであつ
て、可動接触子6が制動子12から抜け出るS1
位置までは低速度で移動し、抜け出た後はストロ
ーク特性18と同様の特性を示す。制動子12に
よつて可動接触子6に対しこのような特性を付与
することにより、ループ電流などの大電流や充電
電流などの小電流のいずれに対してもその遮断責
務を果すことができる。
本実施例においては制動片13に押圧力を与え
る弾性輪として、容易に強力な締付け力が得られ
る合成ゴムを使用したが、たとえばコイル状リン
グばねや、等分に分割された制動片13のそれぞ
れにコイル圧縮ばねを配することによつて所要の
押圧力を得ることも不可能ではない。しかしこの
場合には強力な締付力を得るために大形のばねを
必要とし、制動子が大きくなるほかゴムのリング
と異なり、閉路時に可動接触子が制動子中に挿入
される際の軸方向の衝撃力を緩和する機能をもた
ないので、別途に緩衝部材を必要とする。
第4図に本考案の第2実施例を示す。本実施例
が第2図の実施例と異なる所は制動子12が可動
接触子に通電する集電子3のシールド3bの内側
に配され、ループ電流遮断後にグリツド形消弧装
置中に残留する高温ガスが軸方向に流出する際の
熱的な影響を避けていることである。この場合の
制動子の構造は第2図と全く同一でよいが、可動
接触子6の直径をD1,D2のように段付きとし、
大外径部D2の外周に押圧する必要がある。
以上述べたように、第3図に示す17のような
ストローク特性を得るには、可動接触子の外周を
押圧する制動片を固定接触子側または可動接触子
側に配するとともに、第3図の16のようなスト
ローク特性を有する断路器に対しては、可動接触
子6が制動子12から抜け出る位置S1までの時間
をt1からt2に伸ばすために一旦弱めた操作器中の
遮断ばねを元に復するのみで足りるから、このと
きの追加費用は制動子12に関する費用のみで済
む。また同図の18のようなストローク特性を有
する断路器に対しループ電流遮断性能をも付与し
ようとする際にはグリツド形消弧装置とともに本
考案による制動子12をあわせて配設することに
より操作器を大形化することなく目的を達するこ
とができる。
〔考案の効果〕
この考案によれば直線的に進退して固定接触子
に接離する棒状の可動接触子がグリツド形消弧装
置から抜け出るまでの開離ストロークの間開離速
度を抑制する制動片を前記可動接触子の外周に押
圧することにより、グリツド形消弧装置中におけ
る大電流アークの消滅までに十分な時間が与えら
れるとともに、制動片による開離速度の抑制から
開放された後は操作器から与えられる操作力によ
り一挙に加速されて開離速度が上昇し絶縁回復速
度を増すので、ループ電流などの大電流から充電
電流などの小電流の開閉にいたるまでの性能が付
与された構造簡単にして安価なガス断路器が得ら
れるという効果が得られる。また可動接触子の外
周に沿つて配列された制動片を押圧する力がゴム
のリングによつて与えられる場合には強力な締付
け力が容易に得られるので制動子を小形に形成す
ることが可能となり、また閉路時に可動接触子が
制動子中に挿入される際の軸方向の衝撃力も緩和
されるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図はアーク電流がつくる磁界を変歪してア
ークを直角方向に駆動するグリツド形の消弧装置
を備えた従来のガス断路器の縦断面図、第2図は
本考案による第1の実施例を示すグリツド形消弧
装置近傍の断面図、第3図はガス断路器のストロ
ーク・時間特性を示す図、第4図は本考案による
第2の実施例の縦断面図である。 4……グリツド形消弧装置、5……固定接触
子、6……可動接触子、7……シールド、12…
…制動子、13……制動片。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 1 固定接触子と同軸に配されて接離する可動接
    触子と、可動接触子が出入り可能な開口を有し
    前記固定接触子を包囲する円筒状のシールド
    と、この円筒のシールドの円筒内に設けられア
    ーク電流がつくる磁界を固定・可動両接触子の
    軸線に対して直角方向に駆動するグリツド形消
    弧装置とを備えたガス断路器において、前記開
    離ストロークの初期であつて少なくとも可動接
    触子が前記グリツド形消弧装置を通る間該可動
    接触子を押圧する制動片が設けられたことを特
    徴とするガス断路器。 2 実用新案登録請求の範囲第1項記載のガス断
    路器において、可動接触子を押圧する制動片が
    固定接触子側に配されたことを特徴とするガス
    断路器。 3 実用新案登録請求の範囲第1項記載のガス断
    路器において、可動接触子を押圧する制動片が
    該可動接触子側に配されるとともに、該可動接
    触子の外径が小径部と大径部とからなりかつ該
    大径部が前記制動片により押圧されることを特
    徴とするガス断路器。 4 実用新案登録請求の範囲第1項記載のガス断
    路器において、可動接触子を押圧する制動片の
    力が、可動接触子の外周に沿つて配列された複
    数個の制動片を外周側から包囲するゴムのリン
    グによつて与えられることを特徴とするガス断
    路器。
JP6990783U 1983-05-11 1983-05-11 ガス断路器 Granted JPS59175238U (ja)

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JP6990783U JPS59175238U (ja) 1983-05-11 1983-05-11 ガス断路器

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JP6990783U JPS59175238U (ja) 1983-05-11 1983-05-11 ガス断路器

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JPS59175238U JPS59175238U (ja) 1984-11-22
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