JPH028200Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、夜尿症に対する訓練用器具として
の放尿報知装置の改良に関するものである。

一般に放尿報知装置は、放尿を電極部等で感知
して、ブザー等の報知器によつて覚醒させ、終局
的には尿意と覚醒との条件付けの確立を企てよう
とするものである。そして、この放尿報知装置の
基礎理論は、条件づけ理論であつて、この条件づ
け理論によれば、訓練は漸進的に進められ、段階
をふんで次第に条件づけの確立へと向うものであ
る。ところが、従来の放尿報知装置は、ただ、放
尿があればブザーが作動するだけであり、上記の
条件づけ理論に基ずいた、特に漸進的に進められ
るべき訓練に対する配慮が欠けている。

この考案の目的は、上記のような欠点を解消す
ることにある。

即ち、この考案による放尿報知装置は、ストツ
プウオツチ兼時計を付設することにより、放尿か
ら覚醒までの要覚醒時間とその時刻とを正確に把
握できるようにして、漸進的な条件づけ訓練が行
ない得るように配慮したものである。即ち、訓練
者に対して夜間などに放尿してもできるだけ早急
に覚醒することを目標とせしめたり、更に、要覚
醒時間、放尿時刻の連続記録によつて訓練成果を
数的に把握せしめること等で、条件づけ理論にも
とずいた訓練の達成を容易ならしめるための配慮
を行なつたものである。

以下、この考案の実施例を添付図面に基づいて
説明する。この考案の放尿報知装置は、第１図に
示すように、敷布団ａ上に敷設する感知用シート
状電極部Ａと、この電極部Ａと接続する箱形報知
装置Ｂとによつて構成されている。

前記電極部Ａは、第２図に示すように、敷布団
ａ上の塩化ビニルフイルム等の防水シートｂと、
敷布Ｃとの間に敷かれる所要大の方形状のもの
で、新聞紙などの尿が浸透する吸水シート１を介
して上部陽極網２と下部陰極網３とが重ね合され
たものである。この電極部Ａは、当初乾燥状態で
絶縁性を有する吸水シート１が放尿によつて湿潤
すれば電流が導通して報知装置Ｂを作動させるよ
うになつている。

前記報知装置Ｂには、第３図に示すように、先
端に電極部Ａの両電極網と連結する対のクリツプ
４を有するコード５が備えられ、内部に、検出回
路によつて作動するアラームベル等の報知器、時
計回路及びストツプウオツチ回路によつて作動す
るストツプウオツチ兼時計６、タイマ・時計切替
えスイツチ７、パイロツトランプ８、電源スイツ
チ９、並びに電池等が装着されている。

前記報知器は、連結警報よりも刺激効果が大き
い断続警報を発生するようになつており、電極部
Ａの導通電流によつて約５秒間隔で断続作動し、
被訓練者が覚醒して電極スイツチ９をオフにする
ことによつて警報が停止する。なお、断続警報の
作動・休止時間比は、適宜変更することができ
る。

前記ストツプウオツチ兼時計６は、報知器作動
時間及び放尿感知時刻を示すもので、タイマ・時
計切替えスイツチ７を操作することによつて表示
盤にその数字が出現する。即ちこのストツプウオ
ツチ回路は、放尿を電極部Ａで感知すると、報知
器が作動すると同時にストツプウオツチ回路が作
動し、電極スイツチ９をオフにすると報知器が停
止すると同時に停止して、この間の時刻を60進リ
ングカウンタによつて分・秒単位で計測する。な
お、時計は、電子時計で電源スイツチ９に無関係
に作動している。第４図は、この考案の他の実施
例を示している。この放尿報知装置は、感知用シ
ート状電極部A′をパンツｄに設けた透水性袋ｅ
の中に装着し、クリツプ４及びコード５を経由し
て報知装置Ｂに接続して成る。この電極部A′は
吸水シート１を介して上部陽極網２と下部陰極網
３とを重ね合せたものである。

この考案に係る放尿報知装置は、以上のような
構成であり、これを使用する場合には、排尿によ
つて濡れないように敷布団ａ上に防水シートｂを
敷き、この防水シートｂと敷布Ｃとの間に電極部
Ａを敷設するか、若しくは電極部A′を装着した
パンツｄを着用する。放尿によつて報知装置Ｂの
報知器が作動し、発生する警報のための聴覚刺激
によつて被訓練者が覚醒し電源スイツチ９を切る
と警報が止る。この際、タイマ・時計切替えスイ
ツチ７を操作すると要覚醒時間（報知器作動時
間）及び放尿時刻を知ることができる。

以上述べたように、この考案に係る放尿報知装
置は、放尿から覚醒までの要覚醒時間と放尿時刻
を明確な指標（数字）で把握することができるも
のである。これによつて被訓練者は、訓練の明確
な指標を持つことができ、自己の夜尿の動態につ
いても確実な情報を得ることができる。そして、
夜尿症の条件づけ療法においては要覚醒時間の短
縮が必須であり、この指標を訓練の指針として決
定し、段階的向上を目論むことが容易になる。更
に、この指標を毎日記録することにより、訓練成
果を連続的に把握することができ報酬療法（条件
づけ療法の一法）につなげることも可能である。

これらのことにより、被訓練者は、要覚醒時間
と生理的感覚の相関が自覚でき、大悩の緊張的要
素となつて迅速で確実な訓練成果が得られるよう
になる。即ちこの考案は、終局的に尿意と覚醒と
を条件づけようとする条件づけ理論にかなつた装
置であると言うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案に係る放尿報知装置の使用
状態を示す平面図、第２図は第１図−線に沿
つた縦断面図、第３図は報知装置の斜視図、第４
図はこの考案の他の実施例の使用状態を示す平面
図である。 Ａ……電極部、Ｂ……報知装置、ａ……敷布
団、ｂ……防水シート、Ｃ……敷布、１……吸水
シート、２……陽極網、３……陰極網、４……ク
リツプ、５……コード、６……ストツプウオツチ
兼時計、７……タイマ・時計切替えスイツチ、８
……パイロツトランプ、９……電源スイツチ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 敷布団上に敷設される感知用電極部と、 前記電極部に接続される、 放尿を前記電極部で感知した時に警報音又は振
   動を発生させる報知器、 同放尿を感知した時に、同時にカウントを開始
   するストツプウオツチ、 前記報知器及びストツプウオツチの動作を停止
   させる手動スイツチ、 を少なくとも有する報知装置、 を具備する放尿報知装置。