JPH027842Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、帽子の形成に必要な形状に裁断した
３種の板紙を、組み合わせて形成する組み立て式
の紙帽子に関する。

〔従来技術及びその問題点〕

１枚の紙葉を帽子の形成に必要な形状に裁断し
ておき、使用に際し帽子の形状に形成する組み立
て式の帽子には、実開昭56−107830号公報や実開
昭58−34920号公報のように、１枚の紙葉をほぼ
帽子の平面図に裁断し、中央部に帽子のクラウン
を形成するための螺旋状の切り込み線を多数入れ
ておく方式のものと、実開昭56−170226号公報に
見られるように、帽子のクラウンに該当する部分
が、ベルト状になつており、このベルト状を連結
することにより帽子を形成する方式のものと、実
開昭58−38743号公報にみられるような折りたた
み方式のものとがある。前述の螺旋状の切り込み
線を多数入れておく方式のものは、使用に際し、
帽子のクラウンは一応形成されるが、頭部の大部
分を被覆したものにはならず、日射を防ぐ効果は
なかつた。また、帽子の平面図に裁断した材料紙
はブリムまで含んば大きなものであり、帽子を形
成するうえに、原則として折り曲げできないの
で、携帯に不便であつた。ベルト方式のものは、
帽子のクラウンのトツプがないものが多く、頭部
を日射から防ぐ効果は全くなかつた。折りたたみ
方式のものは、帽子のクラウンのサイド部が欠除
しており、頭部の被覆は完全ではなかつた。

〔問題を解決するための手段〕

本考案は、従来例に見られるような欠陥である
頭部の被覆不足や、携帯に不便であること等の問
題点を解決するために、帽子をフロント部及びサ
イド部並びにバツク部に分割し、分割した３部分
のそれぞれに、ブリムの外周はほぼ円弧状に、ク
ラウン構成片に充当する部分はトツプ側の幅が狭
くなるような形状に板紙を裁断し、クラウン構成
片に充当する部分に複数の形成用切り込み線を設
け、各切り込み線の両端で隣接する切り込み線及
び外側縁との間に、複数の山折り線及び谷折り線
を設け、該山折り線及び谷折り線は、不連続で階
段状ながら曲線を画き、かつ、各線が平行で、複
数のクラウン構成片の両端の山折り線及び谷折り
線の間隔Ｌを等しくしたので、板紙を山折り、谷
折りすることによつて平面を立体化し、前記クラ
ウンのフロント部及びサイド部並びにバツク部を
連結して、山折り線はクラウンのトツプの外周を
形成し、谷折り線はブリムの内周を形成して、紙
帽子を構成することを特徴とする。

〔実施例〕

本考案を図面について説明すると、第１図は本
考案による帽子の斜視図で、クラウンのトツプ１
の一部とフロント２とブリム５の全部とからなる
フロント部と、トツプ１と左右のサイド３と左右
のブリム５とからなるサイド部と、トツプ１の一
部とバツク４とブリム５の後部とからなるバツク
部との３部分の板紙から構成されている。第２図
はフロント部の展開図、第３図はサイド部の展開
図であつて、フロント部２は、第２図に見られる
ように外形をブリム５の外周は円弧状に、クラウ
ン構成片１２に充当する箇所はトツプ１側の幅が
狭くなるような形状にし、トツプ１とブリム５に
は連結片９を設けた形状に板紙を裁断し、クラウ
ン構成片１２に充当する箇所には、中央のクラウ
ン構成片１２は台形に形成するほかは、両側のク
ラウン構成片１２は平行四辺形になるように、か
つ、山折り線７及び谷折り線８で折り曲げたとき
に、山折り線７はトツプ１の外周の一部を、谷折
り線８はブリム５の内周の一部を形成するよう
に、すなわち、クラウン構成片１２が階段状なが
ら曲面を構成するように形成用切り込み線６を第
２図のように設けたものである。サイド部３は、
第３図に見られるように、外形は二つ折り線を中
心に、左右対称のもので、ブリム５の外周はほぼ
円弧状で、その両側が前後方向に対してほぼ45度
に裁断されていて、ブリム５とトツプ１に連結片
９の代りに連結片挿入スリツト１０を設けたほか
は、フロント部２と同じで構成である。バツク部
４（図示せず）は、形状及び構成とも、フロント
部２と同じである。。以上の３部分を山折り線７
及び谷折り線８でＺ字状に折り曲げると、形成用
切り込み線６のある部分は階段状ながら曲面を形
成し、トツプ１とブリム５は平行な平面を形成す
るので、第２図に示す連結片９を第３図に示す連
結片挿入スリツト１０に挿入して組み立てれば、
適度な通風性を持ちながら充分に日射を防ぎ得る
帽子を形成できる。なお、クラウンのサイド３は
左右別々に形成する必要はないので、第３図に示
すように、クラウンのトツプ１の中央で二つ折り
線１１によつて連結しており、使用しない場合は
分解して折り曲げて、携帯に便利性を図つてい
る。また、バツ部４の形状は第２図に示すフロン
ト部２と形状及び構成が同じであるので、その展
開図は省略しているが、バツク部４のブリム５の
幅をフロント部２のブリム５の幅より狭くして帽
子の形状に変化をつけてもよい。なお、第２図に
示す連結片９は単純な矩形で図示しているが、先
端の片の幅を広くし、これを矩形折り曲げて、連
結片挿入スリツト１０に挿入したのち、拡げて組
み立て後の掛止を確実にする方法を採つてもよ
い。

〔考案の効果〕

本考案は、一枚の板紙に形成用切り込み線６を
入れ、その両端の山折り線７と谷折り線８とによ
り、Ｚ字状に折り曲げることによつて、立体的に
帽子のクラウンとブリムの一部を構成でき、立体
化したフロント部２、サイド部３及びバツク部４
の３部分の板紙を連結することによつて帽子全体
を形成するようにしているので、従来例に見られ
るような、頭部を完全に被覆できなかつた欠陥を
解決し、また、使用していない場合は、解体して
従来例のものより小型の紙片に分割できるので、
携帯に便利であり、かつ、形態が奇抜ではないの
で使用にあたつて違和感がなく、実用的である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す傾斜図、第２図
はフロント部の板紙の展開図、第３図はサイド部
の板紙の展開図である。 １……クラウンのトツプ、２……クラウンのフ
ロント、３……クラウンのサイド、４……クラウ
ンのバツク、５……ブリム、６……形成用切り込
み線、７……山折り線、８……谷折り線、９……
連結片、１０……連結片挿入スリツト、１１……
二つ折り線、１２……クラウン構成片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 帽子を、ブリム５を含むクラウンのフロント部
   ２及びサイド部３並びにバツク部４の３部分に分
   割し、分割した３部分のそれぞれに、ブリム５に
   充当する部分の外周はほぼ円弧状に、クラウン構
   成片１２に充当する部分はトツプ１側の幅が狭く
   なるような形状に板紙を裁断し、かつ、ブリム５
   とクラウン構成片１２とトツプ１を構成させるた
   め、クラウン構成片１２に充当する部分に複数の
   形成用切り込み線６を設け、各切り込み線６の両
   端で隣接する切り込み線６及び外側縁との間に、
   複数の山折り線７及び谷折り線８を設け、該山折
   り線７及び谷折り線８で折り曲げ、連結片９を連
   結片挿入スリツト１０に挿入掛止することによつ
   て組み立ててなる紙帽子において、複数の山折り
   線７はクラウンのトツプ１の外周を形成し、複数
   の谷折り線８はブリム５の内周を形成し、かつ、
   クラウンのトツプ１の面とブリム５の面が平行で
   あることを特徴とする組み立て式の紙帽子。