JPH027413B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 フロートまたはデイスプレーサを可撓性のワイ
ヤでタンク内に吊り下げ、外周にスパイラル溝を
有するドラムの溝にワイヤを巻きとつて、ドラム
の回転角により液位を検出するいわゆるワイヤ〜
ドラム式液面計のワイヤ巻取機構には現在次の二
つの方式が用いられている。

(1) 第１図のように単純回転するドラム１にワイ
２を巻取る方式。

(2) 第２図のように固定のネジ軸３のまわりにド
ラム１を回転させ、回転とともにドラムをねじ
軸方向へ移動させながらワイヤ２を巻取る方
式。

上記の第１図の方式のものは構造が簡単である
が、ドラムの回転とともにワイヤの垂下位置が左
右方向、つまりドラムの軸線方向へ移動する。こ
のためフロートの左右方向への移動を許容できる
径のガイドパイプ５内にフロート４を収納して使
用する必要があり、ガイドパイプの設置に多大の
費用を要する。

第２図の方式では、ネジ軸３のピツチとドラム
１の外周スパイラル溝のピツチを等しくすること
によりワイヤ２の垂下位置を一定にできるので、
通常のテープ〜フロート式の液面計と同様、ガイ
ドワイヤ５ａによつてフロートをガイドすればよ
く、タンクへの取付けが簡単でコストも安くあが
るが、第１図の方式にくらべ、ドラムの駆動機構
がかなり複雑になる。

本発明の目的は上記２の方式にくらべて簡単な
メカニズムによりワイヤの垂下位置を一定とし、
ガイドワイヤによるフロートのガイドを可能にす
ることにある。

以下本発明を実施例図に基いて説明する。

第３〜５図において、符号１１で示されるドラ
ムは外周に図示を省略したスパイラル溝を有する
構造のもので、ドラム軸１２は適宜駆動源に接続
され、減速機を介して低速回転させられる。

１３ａ及び１３ｂは不動な軸受で、これらの軸
受１３ａ，１３ｂによつて送りねじ軸１４がドラ
ムの外側でドラム軸と平行に支承されている。ね
じ軸１４には摺動子たる可動ナツト１５のめねじ
孔が螺合して嵌まつており、かつ可動ナツト１５
は、両端が前記軸受１３ａ，１３ｂにて支承さえ
ているガイド軸１６に貫通孔が嵌まつている。

しかしてナツトには、ねじ軸１４と直角にして
水平をなす支軸１７ａにて支承される動プーリ１
８ａが設けられ、このプーリには、ドラムから垂
直に引き出されるワイヤ９が掛けられるようにな
つている。また、一方の軸受１３ｂには、定プー
リ１８ｂが支軸１７ｂにて取り付けられていて、
ドラムからのワイヤ１９は動プーリ１８ａにより
その移動方向へ90度向きが変更されて、定プーリ
１８ｂからフロート２０を定点に吊り下げる。し
かしてねじ軸１４は、適宜の動力伝達機構、例え
ば図示のごとき、ドラム軸１２へ固嵌したプーリ
２１とねじ軸１４へ固嵌したプーリ２２およびこ
れらへ掛けたベルト２３とよりなる伝達機構や第
１１図のごとくギア２１ａ，２１ｂの伝達機構に
よつてドラム１１と同期回転させられるようにし
てあり、この回転に伴なつて前記ナツト１５はね
じ軸１４によりドラムと平行にねじ送りされる。
この際ドラムの１回転でナツト１５はドラム外周
スパイラル溝の１ピツチ分だけ移動されるように
ねじ軸１４のリードを設定する。

なお、左右の前記軸受は、本考案の計測機構を
収納するハウジング２４に取り付けられ、またド
ラム軸も同ハウジングの軸受部にて支承されてい
る。

上述した実施例のものでは、液面変化によりフ
ロートが上昇または下降すると、これに伴なうフ
ロート吊り下げワイヤの張力を検出して、ドラム
駆動元が正転または逆転し、ワイヤが所定張力に
なるよう、すなわちフロートが液面に対して所定
吃水になるようドラムがワイヤを巻き取つたり繰
り出したりし、そのときのドラムの正逆回転角に
よつて液位を測定するが、ワイヤの張力検出機構
やこれによるモータの駆動回路など、回転角を液
面値に変換する機構は公知なる故その説明は省略
する。

しかして本発明においては、液面変動によつて
ドラムが正逆回転しても、フロートは鉛直線上で
昇降し、横にずれることはない。

なお、ドラムの回転角はプーリ１８ａ，１８ｂ
間のワイヤの長さを含んだものとなり、プーリ１
８ａ，１８ｂの間隔の変化分を補正して液位を算
出せねばならぬが、両プーリの間隔はドラムの回
転角に比例して変化するので、その補正がきわめ
て容易であり、したがつて従来の移動ドラム式の
ものよりも簡単なメカニズムのものにすることが
できる。

以上から理解できるように、本発明の主旨とす
るところは、ドラムのスパイラル溝に等しいピツ
チでドラムの回転とともに横移動する動プーリ１
８ａによつてワイヤをガイドし、ワイヤの垂下位
置を一定にすることにある。したがつて、前記実
施例のもののほかに種々の構造のものが考えられ
る。以下にそれらの例を列記する。

〔プーリ１８ａの移動メカニズム〕 前記第１実施例では、ねじ軸をベルトにより駆
動させているが、ねじ軸を逆ねじとすれば歯車に
よつて駆動することができる。（但し、ベルトで
はドラムとねじ軸は同じ向きに回転するが、歯車
では互に逆向きに回転するので、ネジの向きも逆
にする必要がある。） また第６〜８図のように、先端のセクタめねじ
２６がドラムのスパイラル溝とかみ合つて、回転
するドラムによりねじ送りされる摺動子２５によ
つてプーリ１８ａを移動させる方法も可能であ
る。

〔ドラムの駆動方法〕

通常のテープ〜フロート式液面計と同様に定ト
ルクスプリングを用いる方法、カウンター・ウエ
イトを用いる方法あるいはモーターを用いる方法
などが適用できる。

定トルクスプリング式では、一旦タンクにセツ
トされればワイヤがたるむことはほとんどない。
したがつて、第１実施例のようなねじ軸によるプ
ーリ移動機構を使用すれば、ワイヤ巻取りドラム
にスパイラル溝を設けなくても実用可能である。

〔タンクへの取付方法〕

第１実施例では、本計器をタンクトツプに取付
ける場合を例にとつているが、第９図、第１０
図、第１２図のように、ワイヤを導出してタンク
サイドに取り付けて使用することも可能である。
また第１３図のごとくにタンクトツプへ取り付け
ると、定プーリ１８ｂは必ずしも必要ではない。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来例を示す斜視図、第
３図は本発明の第１実施例を示す斜視図、第４図
は同例面図、第５図は正面図、第６図は第２実施
例のものの正面図、第７図は同側面図、第８図は
摺動子の斜視図、第９図および第１０，１２，１
３図は本液面計のタンクへの取付状態の各実施例
を示す図、第１１図は第３実施例のものを示す図
である。 図中、１１……ドラム、１２……ドラム軸、１
３ａ，１３ｂ……軸受、１４……送りねじ軸、１
５……摺動子、１６……ガイド軸、１７ａ，１７
ｂ……プーリ軸、１８ａ，１８ｂ……プーリ、１
９……ワイヤ、２０……フロート、２１，２２…
プーリ、２３……ベルト、２４……ハウジング、
２５……摺動子、２６……セクタめねじ部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 次ぎの(a)〜(e)の構成を備える索条・ドラム式
   液面計。 (a) 末端に取り付けたフロートやデイスプレーサ
   などの液面感得体を液面へ吊り下げる索条を、
   正逆回転に応じて巻き取り、もしくは繰り出す
   ドラム。 (b) このドラムの正逆回転により、ガイド軸に案
   内されてドラム軸と平行に移動する摺動子。 (c) この摺動子に設けられて、ドラムからの索条
   を摺動子の移動方向と平行に向きを変えさせる
   動プーリ。 (d) この動プーリと同一面内に設けられて、動プ
   ーリからの索条の向きを鉛直方向に変える定プ
   ーリ。 (e) この定プーリを経た索条の垂下末端に取り付
   けた液面感得体。