JPH0262636B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0262636B2
JPH0262636B2 JP60231965A JP23196585A JPH0262636B2 JP H0262636 B2 JPH0262636 B2 JP H0262636B2 JP 60231965 A JP60231965 A JP 60231965A JP 23196585 A JP23196585 A JP 23196585A JP H0262636 B2 JPH0262636 B2 JP H0262636B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bacteriophage
slime
paper
bacteria
white water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP60231965A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6290393A (ja
Inventor
Michiro Araki
Kazuo Kamimura
Masaaki Hosomi
Kozo Uehara
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Agency of Industrial Science and Technology filed Critical Agency of Industrial Science and Technology
Priority to JP60231965A priority Critical patent/JPS6290393A/ja
Publication of JPS6290393A publication Critical patent/JPS6290393A/ja
Publication of JPH0262636B2 publication Critical patent/JPH0262636B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Paper (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明はバクテリオフアージを製紙工程におい
て白水中に添加することにより微生物的成因によ
るスライム障害を防止する方法に関する。即ち本
発明は洋紙並びに和紙等を工業的に製造する工程
において、その生産性並びに品質の上で好ましく
ない影響をもたらす有害微生物の発育を抑制し、
あるいは殺菌することによりスライム障害の防止
を行わんとする場合、バクテリオフアージを単独
で、あるいは在来の有機合成殺菌剤と組合せて使
用することによつて、製紙工程におけるスライム
障害の発生を防止する方法に関する。 〔従来の技術〕 工業用水中に木材パルプを主原料として分散さ
せ、この外に製紙用添加剤としてサイズ剤、紙力
増強剤、充填料その他の薬品が添加された調合紙
料が流送される系(原質系)、およびペーパーマ
シン(ワイヤーパートおよびプレスパート)にお
いて回収される再用水(白水)が循環する系にお
いて、種々の微生物例えばアシネトバクター
(Acinetobacter)、バチルス(Bacillus)、シユー
ドモナス(Pseudomonas)等の細菌、キヤンデ
イダ(Candida)等の酵母、アスペルギルス
(Aspergillus)、セフアロスポリウム
(Cephalosporium)等の糸状菌等が発育して活発
な代謝活動を営み、この結果、変質させられたパ
ルプあるいは添加剤、微生物により産生された色
素、粘着物などの代謝産物、微生物菌体などが混
合し、塊となつていわゆるスライムが工程中に生
成され、付着する。このスライムが剥離して原料
および白水中に混入すると、製品として仕上つた
ペーパーシート中で汚点、穴あきを形成する原因
となつて紙の品質を低下させ、損紙として損害を
もたらすばかりでなく、ワイヤーパート、プレス
パート、ドライヤパート等での断紙の原因ともな
り、またワイヤーパートにおけるクーチ目詰りと
もなつて紙の生産性を著しく低下させることにな
る。また極端な場合には、本来の連続的な操業を
も不可能とさせ、抄紙を一旦中断し、工程中に付
着したスライムを物理的に除去しなければなら
ず、これに伴う紙の生産性の低下は甚大な損害を
受ける結果をもたらす。 従つて上述した如き障害を未然に防止するた
め、スライム形成に関与する微生物の発育を抑制
あるいは殺菌すべく、従来から数多くの有機合成
殺菌剤、例えば有機臭素系化合物、有機窒素硫黄
系化合物、有機硫黄系化合物、あるいは二酸化塩
素、塩素化シアヌル酸等の塩素系化合物等を用水
に添加使用することが行われている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら従来からのかかる殺菌剤を用いる
方法においては、同一薬剤を長期間連続使用した
場合、しばしばその薬剤に対し抵抗性を持つた菌
種が優先する現象が生ずること、いわゆる耐性現
象が生ずることが知られている。このため異質の
抗菌スペクトルを持つ殺菌剤を交互に、あるいは
同時に混合して使用する必要が生ずるという欠点
を有していた。 またかつてはエチルリン酸水銀、フエニル酢酸
水銀がスライム障害防止剤として使用されたが、
現在その有用性を完全に失つてしまつた最大の原
因はその使用によつて生ずる公害問題にある。 そもそも殺菌剤が細菌、糸状菌等の微生物の殺
菌に有用であるということは、それを製紙工程で
使用する場合、それ以外の水系においてもその生
態系での微生物に対しても非選択的に作用するこ
とになり、その生態系に害を及ぼすことになる。
また活性汚泥法等による製紙排水の処理システム
においても活性汚泥の不活性化をもたらす結果を
生ぜしめ、排水処理工程の効率低下を招くことに
なる。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者等は従つて化学物質に依存せず、しか
も、無公害の物質による製紙工程でのスライム障
害防止法について鋭意研究を重ねた結果、特定の
細菌のみを宿主として増殖し、他の生態系に影響
を与えないバクテリオフアージを、製紙工程から
単離し、増殖させた後、ふたたび当該製紙工程に
添加使用することによつて製紙工程における微生
物制御が可能となり、スライム障害の発生を無公
害の条件で防止し得ることを見出し、この知見に
基づいて、本発明を完成した。 従つて本発明は、製紙工程における白水中より
採取されたスライム形成菌を宿主とし、これを溶
菌させるバクテリオフアージを白水中に添加する
ことにある。 一般にウイルスはその宿主によつてインフルエ
ンザ、日本脳炎などで知られている動物ウイル
ス、タバコモザイク病、トマト萎黄病などで知ら
れている植物ウイルス、および大腸菌フアージ
T1〜T7などで知られている細菌ウイルス(以下、
バクテリオフアージと称する)に三大別されてい
るが、本発明において使用するウイルスは細菌を
宿主とするバクテリオフアージである。バクテリ
オフアージは核酸と蛋白質で構成され、自己増殖
能力はないが、特定の細菌に寄生することによつ
て増殖し、細菌を溶菌して新たに形成されたバク
テリオフアージを放出する。 本発明によれば、当該製紙工程で生ずる白水中
からスライム形成菌を単離同定し、次にこのスラ
イム形成菌を宿主とし、これを溶菌するバクテリ
オフアージを単離し、これを増殖して再び製紙工
程における白水中に添加使用することによつてそ
のスライム障害を防止するものである。 本発明において使用するバクテリオフアージを
単離増殖させる方法として通常の方法を使用でき
る。また本発明方法において使用するバクテリオ
フアージの種類およびその組合せについても特に
制限はなく、スライム形成菌を溶菌しうるもので
あればよい。従つてバクテリオフアージは当該製
紙工程から単離したものを用いるのが好ましい
が、場合によつては他の工程や手段によつて得た
ものも用いることもできる。 次に本発明で使用するバクテリオフアージの単
離増殖についての一具体例を示す。 製紙工程、特にその中の抄紙工程から生ずる白
水中から常法にしたがつてスライム形成菌を単離
し、同定した後、これらの単離菌をたとえば変性
ワツクスマン培地またはそれぞれの菌に適切な培
地を用いて増殖させた後、高濃度の培地にそれら
を接種して前培養を3〜4時間行う。その後同抄
紙工程から採取した白水を適量加えて、2日間培
養を行い、さらに1日静置培養を行う。 このようにして得られた培養液を遠心分離した
後、メンブレンフイルターで除菌する。その後そ
れぞれの菌に対するプラークの形成の有無を調べ
る。検出されたバクテリオフアージを含む培養液
からそれぞれの菌を対象としてプラークを形成さ
せてバクテリオフアージの単離を行う。次にこの
単離されたバクテリオフアージを細菌の培養液中
で増殖させる。 製紙工程でスライム障害を防止するに当つては
製紙白水中の細菌数の10分の1から10000倍量の、
好ましくは等量から1000倍量のバクテリオフアー
ジ量となるように、上述のバクテリオフアージ培
養液を白水に添加する。使用するバクテリオフア
ージは1種または2種以上を組合せて使用しても
よく、また有機合成殺菌剤と組合せて使用しても
よい。 〔作用〕 本発明によれば製紙工程中の白水にバクテリオ
フアージを添加し、その溶菌作用を利用して工程
中のスライム障害を発生させる微生物の発育を抑
制し、ひいては死にいたらしめてスライム障害を
防止する。 〔実施例〕 以下に実施例を挙げて本発明を説明する。 実施例 1 コート原紙、日産120t量の抄紙工程からスライ
ム形成菌を単離し、同定して、アシネトバクター
(Acinetobacter)sp.2種、フラボバクテリウム
(Flavobacterium)sp.2種、シユードモナス
(Pseudomonas)sp.4種、およびバチルス
(Bacillus)sp.2種の合計10種の細菌を分離し、
これらを宿主とするバクテリオフアージの単離操
作を以下の方法で行つた。 10本の試験管のそれぞれに滅菌処理を施して変
性ワツクスマン培地5mlずつを取り、それぞれの
試験管に上記10種の単離菌をそれぞれ接種後、28
℃で24時間振とう培養を行つた。 別に1個の500mlの三角フラスコに、5倍濃度
の変性ワツクスマン培地を80mlとり、これに上記
10種の試験管培養後の10菌株の培養液をそれぞれ
1mlずつ投入し、4時間前培養を行つた。 次に上記10種の菌株を宿主とするバクテリオフ
アージが存在していると考えられる白水を上記フ
ラスコに加えて、フラスコの全量を400mlになる
ように調整した。これらを28℃で2日間振とう培
養した後、更に1日静置培養を行つた。 かくして得られた各培養液を10000rpmで10分
間遠心分離して上澄み液をバクテリオフアージ混
液とした。 次に寒天を含む変性ワツクスマン培地を用い、
上記10種の菌株をそれぞれ接種した寒天二重層を
調製し、その表面に上記10種のバクテリオフアー
ジ混液をそれぞれ0.01mlずつ滴下し、28℃で一夜
培養して、プラークの形成の有無を観察した。上
記10種の菌株の中、表1に示す7種の菌株A1、
F1、B1、B2、S1、S2、S3によつて調製された
寒天二重層上にプラークの形成が認められた。こ
れらの菌株を対象とするバクテリオフアージを単
離するため、以下の操作を行つた。 バクテリオフアージ混液を10倍ずつ滅菌水を用
いて段階稀釈して、10倍から1000万倍の稀釈液を
それぞれ調製した。別に上記7種の菌株(A1〜
S3)のそれぞれを変性ワツクスマン培地に接種
して一晩培養したものそれぞれ0.5mlを、前記段
階稀釈したバクテリオフアージ混液それぞれ1ml
と混合し、寒天二重層を形成させた。これらを28
℃で一晩培養し、その後出現したプラークの中心
を火炎滅菌した白金線で貫通し、白金線上にバク
テリオフアージを単離した。 このようにして単離した7種のバクテリオフア
ージ(表1中にPA1、PF1、PB1、PB2、PS1、PS2
PS3として示す)を、予め7種の細菌(A1〜A3)
を接種後2時間振とう培養した変性ワツクスマン
培地に接種した。 一晩培養後得られた7種の溶液を0.45μmのメ
ンブレンフイルターで除菌した後、再び7菌株に
ついてプラークの有無を調べた。その結果を表1
に示す。
【表】 上記結果から製紙工程におけるスライム形成菌
を宿主とするバクテリオフアージを見出し、その
溶菌能を確認することができた。 実施例 2 25倍に稀釈した変性ワツクスマン培地10容量部
を、実施例1で使用した白水90容量部に加え、次
いで実施例1における単離菌S1を前培養したも
のを接種した。これに実施例1において単離した
バクテリオフアージpS1を添加したものおよび無
添加のものについて28℃におけ細菌の増殖挙動を
670nmにおける吸光度の測定によつて調べた。そ
の結果を表2に示す。
【表】 表2の結果から白水中においてバクテリオフア
ージがスライムを形成する細菌の増殖を抑制して
いることが判る。 実施例 3 在来の殺菌剤としてメチレンビスチオシアネー
ト(MBT)を実施例1の白水中に加え、バクテ
リオフアージPS1と併用した場合の効果を実施例
2と同様にして処理し、白水中における全菌数値
を測定した。その結果を表3に示す。
〔発明の効果〕
本発明方法は製紙工程に本来存在しているバク
テリオフアージを特定化し、活用する方法であつ
て、在来の殺菌剤使用時に避けることのできなか
つた問題点であつた安全性、公害対策上の欠点が
除かれるのみならず、本来製紙工程に存在する物
質であるバクテリオフアージを利用していること
から操業上、あるいは紙の品質管理上全く支障を
もたらすことがない。このため本発明は特に閉鎖
系が主体となる製紙工程におけるスライム障害防
止方法として好適である。また在来より使用され
ている種々の薬剤、例えばメチレンビスチオシア
ネート、2−ブロム−2−ニトロプロパン−1,
3−ジオール、4,5−ジクロロ−1,2−ジチ
オール−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4
−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−
イソチアゾリン−3−オン等の併用も可能であ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 製紙工程において生ずる白水中より採取され
    たスライム形成菌を宿主とし、これを溶菌させる
    バクテリオフアージを白水中に添加することを特
    徴とするスライム障害防止方法。
JP60231965A 1985-10-17 1985-10-17 製紙工程におけるスライム障害防止方法 Granted JPS6290393A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60231965A JPS6290393A (ja) 1985-10-17 1985-10-17 製紙工程におけるスライム障害防止方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60231965A JPS6290393A (ja) 1985-10-17 1985-10-17 製紙工程におけるスライム障害防止方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6290393A JPS6290393A (ja) 1987-04-24
JPH0262636B2 true JPH0262636B2 (ja) 1990-12-26

Family

ID=16931824

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP60231965A Granted JPS6290393A (ja) 1985-10-17 1985-10-17 製紙工程におけるスライム障害防止方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS6290393A (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB8918983D0 (en) * 1989-08-21 1989-10-04 Unilever Plc Composition for hygiene purposes
JPH06100409A (ja) * 1992-09-17 1994-04-12 Japan Tobacco Inc 冷凍空調機器用冷却水域における細菌防除法
WO2008127795A2 (en) * 2007-02-28 2008-10-23 Omnilytics, Inc. External animal layer sanitation using bacteriophage
AU2010212270B2 (en) * 2009-08-12 2015-02-19 Buddhist Tzu Chi Medical Foundation Disinfectant composition comprising phage

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6290393A (ja) 1987-04-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Tait et al. The efficacy of bacteriophage as a method of biofilm eradication
Lartey et al. Interactions of mycophagous Collembola and biological control fungi in the suppression of Rhizoctonia solani
EP3676448B1 (en) Method for controlling growth of microorganisms and/or biofilms in an industrial process
Zhang et al. Effects of culture fluids and preinduction of chitinase production on biocontrol of Bipolaris leaf spot by Stenotrophomonas maltophilia C3
FI75973C (fi) Foerfarande foer eliminering av mikrober i processvatten av pappersfabriker.
JPH0262636B2 (ja)
EP2753182A2 (en) Active agents against pseudomonas species causing rotting diseases in mushroom production, their use and compositions containing them
JP3877788B2 (ja) パルプ工場・製紙工場におけるスライム障害防止方法
US20080269337A1 (en) Method for the enhancing biocidal activity
JP4187272B2 (ja) 殺生物組成物および使用
JP2003520309A (ja) パルプ漂白方法
JP2001527560A (ja) ブロモニトロメタンの安定化した溶液およびその殺生物剤としての使用
US6261829B1 (en) Process for combating microorganisms
WO2007128765A2 (en) Compositions comprising lytic enzymes of bacteriophages for treating bacterial infections
Lucky et al. Felcy Anne Jeno: Antibacterial activity of cellulase enzyme isolated from gut microbiota of Coptotermes ceylonicus (Termite)
JP3696941B2 (ja) 工業用水系のスライム形成防止方法
EP0620707B1 (en) A method to combat microbes
Dandale et al. Chitinase Production Ability of Trichoderma viride Mutants and Their Efficacy against Sclerotium rolfsii and Rhizoctonia bataticola
BRPI0318197B1 (pt) Processo para redução de cor de efluente de papel e polpa
JP2785969B2 (ja) 工業用殺菌剤及び殺菌方法
Wagh et al. Improvement in biocontrol ability of Trichoderma viride through gamma irradiation
RU2776704C2 (ru) Способ контроля роста микроорганизмов и/или биопленок в промышленном процессе
FI94010C (fi) Mikrobintorjuntamenetelmä
RU2203870C2 (ru) Биологический деструктор пестицидов и стимулятор почвенного плодородия
Myshkevych Optimization of UV and bacteriophages as an alternative chemical-free approach for membrane cleaning