JPH0262394B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はインクジエツト装置に関し、より特別
には使用されなかつたインクを受け取つて回復す
るためのインク戻りシステムに関する。

使用されなかつたインクを受けて回復するため
のインク戻りシステムはインクジエツトプリント
装置において広汎に使用されている。そのような
システムは通常初めにインクを捕捉してそれから
該インクを再使用すべくインク供給システムの溜
めに最終的に戻すために導管内に放出する捕捉器
を有する。該導管を真空源に接続することにより
インクは捕捉器の入口通路から吸引される。導管
内に真空を形成すると、それはインクを入口通路
から引き込むばかりではなくインクを導管を通し
て戻りタンク内に引き込む。真空レベルは一般に
十分高いレベルに調整され、このため周囲領域か
ら捕捉器内に引き込まれる空気はまた一般に捕捉
器まわりに存在するインクミストをも入口通路内
へ引き込む。インクミストがプリントシステムの
隣接部品やプリント面上に蓄積するのを阻止する
ように該インクミストを捕捉器内へ引き込むこと
が望ましい。

インクジエツトプリントの或種の応用において
は、例えばアルコールやケトンのごとき溶媒ベー
スのインクを使用することが必要である。これら
のインクは空気に露出されると比較的高速で蒸発
する。これらのインクを使用している間捕捉器領
域に高レベルの空気流を維持するので、溶媒の蒸
発は急速に生ずる。溶媒の損失は結局インクを使
用不可能とし、このためインクは交換されるか再
調整されねばならない。

インク戻りシステム内の溶媒の蒸発を減少させ
るために、従来は米国特許第4023182号に開示さ
れたようなインク分離器を使用していた。通常プ
リントヘツドの一部をなす捕捉器とインク戻りタ
ンクとの間にインク／空気分離器を界在させる
と、インク成形を受入れ可能な作動制限内に維持
する時間をかなり増大する。しかしながら、該分
離器はインクが捕捉される捕捉器内の高速空気流
を減少することはない。また、分離器内に入るイ
ンク−空気混合体からインクを分離すべく重力を
利用できるように適当に向けられたインクジエツ
トプリントヘツド近くに該分離器のための取付手
段を設ける必要がある。

本発明によれば、入口通路に使用されなかつた
インク点滴を受けるための受けを有し、かつ該受
けに隣接して該受けまわりのインクミストを吸引
するための分離した空気入口とを有する捕捉器を
含むインクジエツトプリントのための装置が開示
される。

本発明の一つの目的は改良されたインクジエツ
トプリントのための装置を提供することにある。

本発明の別の目的は受けられたインクと吸引を
なす空気流とを共通の流れ内に混合することなし
に捕捉領域内のインクミストを吸引するための単
純化された装置を提供することにある。

本発明の他の目的は捕捉領域よりインクミスト
とインク溜りとを清掃するのに使用される空気流
に受けられたインクを実質的に露出することのな
いインク捕捉器を提供することにある。

本発明の他の目的は重力に依存せずかつ設置が
容易な簡単な構造をもつ、上記目的に沿つた捕捉
器アツセンブリを提供することにある。

本発明の他の目的および利点は以下の記載から
明らかとなろう。

第１図を参照すると、本発明によるインクジエ
ツトプリントシステムの線図が図示されている。
該システムはインク供給タンク１０に貯えられた
インクを使用しており、該インクは供給導管１１
によつてノズルアセンブリ１２に搬送される。イ
ンクをノズル１２からプリント面又は記録表面１
４へ向け付勢する圧力を形成すべく、ポンプ１５
と調整器１６が導管１１内に設けられている。ノ
ズルアセンブリー１２はノズル端１８にオリフイ
ス（図示せず）を有し、該オリフイスは一般には
小径であり、或例では直径0.064mm（0.0025イン
チ）サイズのオリフイスが使用される。加圧下の
インクははじめ連続的な流れとしてオリフイスか
らプリント面１４に向けて放出され、つづいてそ
れは個々の点滴１９に破砕される。均一サイズで
規則正しく間隔づけられた点滴を得るために、ノ
ズルアセンブリ１２に適当なドライバーを接続す
る当業界で周知の技術を用いてインク流の中に制
御された拡乱或は妨害を導入することができる。
そのような構造の一例はノズルアセンブリ内の圧
電素子（図示せず）に接続されたオシレータ２０
である。例示的に示すように、点滴の飛行又は軌
道は点滴が形成される際に荷電リング２１により
各点滴への電荷を制御することによつて制御され
る。点滴は荷電リングを通つてから一組の偏向板
２２，２４によりつくり出される静電領域へ入
る。該静電領域は一定のレベルに維持されて、荷
電リング２１の作用によつて特性づけられた各点
滴の荷電レベルによつて軌道を決定する偏向領域
を形成する。例示的に示すように、高い荷電レベ
ルをもつ点滴はプリント面１４にぶつかる軌道に
従い、一方低い荷電或いはゼロの荷電レベルの点
滴は捕集器又は捕捉器２５に向けられる。

本発明によれば、捕集器２５に向けられたイン
ク点滴は、一旦遮られると、インク点滴を排出す
るに必要な比較的高速で移動している空気にさら
されることなくかつ通常は捕集器の付近にみられ
る液溜りを生ずることなく引込まれる。図示した
ように、これは遮ぎられた液状インクを排出空気
の流路から分離することによつて達成される。捕
集器２５は飛行中のインク点滴と空気とが引込ま
れる共通入口又は共通の入口通路２６を有し、該
入口はインク点滴を捉えて該インク液を吸入空気
の通路から分離した通路に沿つて指向する受け又
は受け手段２８を含み、上記吸入空気は空気入口
手段又はコーリング（cowling）２９を通して流
さる。空気の流れ即ち搬送は入口２６を介して行
われ、これは真空源３０を導管又はインクミスト
搬送手段３１と真空調整器３２とを介してコーリ
ング２９に連結することにより遂行される。空気
の入口は、慣性によつて方向を維持しているプリ
ント面１４又は受け２８の入口のいずれかに向け
られたインク点滴に影響を与えることなく、しば
しば細霧の形態であるインクのミストを引込む。
受け２８の入口におけるインクの蓄積を阻止する
ために、後述するように同じ真空源３０が使用さ
れる。真空源は、第２図〜第６図にダクトとして
例示的に示すように調整器３５と、インク戻りタ
ンク３６と戻りチユーブ又はインク搬送手段３４
を通じて受け２８に連結されており、該戻りチユ
ーブを受けとはインク液のための流れ通路を形成
すべくコンベヤとして作用する。勿論、もしそれ
がより便利な構成であればチユーブ３４に連結さ
れた真空源は導管３１に連結された真空源から分
離することができる。受け２８により捉えられた
インク液はチユーブ３４を通して引込まれ、戻り
タンク３６に収容される。チユーブ３４を介して
インクを引込むのに真空源を使用する代りに、第
１図に想像線で示したポンプ３７を同目的のため
に使用することができる。また、例示的に示した
ように、液流コネクタ３３がインク戻りタンク３
６とインク供給タンク１０との間を連結してい
る。図示しないが、搬送機構として適当なポンプ
と逆止弁とを両タンク間の導管に設け、これによ
りインク戻りタンクの真空雰囲気下のインクをイ
ンク供給タンクの加圧雰囲気内に移動することが
できる。

本発明の一つの特徴は、捕捉開口２６における
空気流の速度が受け２８とインク戻りチユーブ３
４における空気流よりも比較的高速に維持される
ことにある。真空調整器３２と３５とはそれぞ
れ、真空源３０が両者に共通ではあるがチユーブ
３４に維持される空気流よりも比較的高速の空気
流が導管３１に維持されるように調整される。開
口２６において約８標準立方フイート／時間
（Standard Cubic Feetper Hour SCFHと略称）
の速度の空気流がインクミストを開口領域で排掃
すなわち吸引するのに十分であることがわかつ
た。またチユーブ３４内の空気流を約1SCFHに
維持することによつて受け２８におけるインクの
溜り（build−up）を阻止できることがわかつた。

一つの実際的な例では、コーリング２９におけ
る空気の流速に比べてインク戻り受け２８内にお
ける所望の相対的に低い空気の流速を維持するた
めに、チユーブ３４は直径1.57mm（0.062インチ）
を有し、一方導管３１のチユーブは3.17mm
（0.125インチ）の直径を有する。受け、コーリン
グおよび関連せる捕捉器のエレメント並にそのよ
うな例示的構造の連結チユーブの形態と形状の方
向とは第２図乃至第６図に示されている。調整器
３５，３２はコーリングを通る空気流を約
10SCFH、そしてインク受けを通る空気流を約
1SCFHに維持するようにセツトされた。これら
の空気流はインクミストが捕捉器入口すなわち開
口で効果的に吸引され、これによりインクミスト
が偏向板２２，２４のごとき電気的構成部品やプ
リント面１４上に蓄積しないことを保証した。同
時に、インク液は高速の空気流に最小限露出され
て受け２８により捕捉されてインク戻りタンク３
６内に引込まれた。典型的なアルコールベースの
インクを用いて、1.14リツトル（１クオート）当
り47時間の蒸発速度が得られることが解つた。こ
れは比較可能なインクを用いて1.14リツトル（１
クオート）当り37時間の蒸発速度が得られる従来
技術のシステムに対しかなりの改良を与える。

捕捉器、受けおよび空気入口手段は、プリント
のための使用されなかつたインク点滴を捕捉し、
かつ捕捉インクの高速空気流への露出を最小にし
ながら捕捉領域からインクミストを吸引するとい
う目的を達成しながら種々の形態をとり得る。例
えば、空気入口手段は液状インクの受けに隣接さ
せてもよいし該受けを含んでもよい。

捕捉器の他の変形例が第７図に示されている。
第７図には、複数のインク流から指向されたイン
ク点滴を受けかつインクミストを吸引するためそ
こを通る空気流を維持する入口通路１２６をもつ
捕捉器１２５が示されている。インク点滴は例示
的に示すように個々のチユーブ開口１２８ａ〜１
２８ｅにより受けられ、一つのチユーブ開口は各
インク流のために設けられている。受けはまた共
通の開口を通して全てのインク流を受けるために
一つの長手状樋の形態をとり得る。こゝでは長手
状にして示されたが、受けを含むべく補完形状に
されたコーリング１２９は受けのチユーブ開口１
２８ａ〜１２８ｅに近接して設けられている。第
１図乃至第６図のプリントシステムと同様に、受
けのチユーブ開口１２８ａ〜１２８ｅは一組の低
速空気流のインク戻りチユーブ１３４ａ〜１３４
ｅに個々に接続されているが、コーリング１２９
は高速の空気流導管１３１に接続されている。各
チユーブ１３４ａ〜１３４ｅと導管１３１とは前
述のプリントシステムにおけるように、真空源と
調整器とを含む真空システムに連結されいる。捕
捉器１２５は複数のインク流を生ぜしめるべく複
数のオリフイスを使用せるインクジエツトプリン
トシステムにおいて使用される。

本発明は、インク捕捉器の構造を大巾に単純化
する一方、捕捉領域からインクミストを吸引する
ために必要な高速空気流から戻りインクをほぼ完
全に分離することが達成できることが解つた。本
発明が使用されるインクジエツトプリントシステ
ムはいくつかの従来技術構造にみられた捕捉器お
よび連結導管の方向性の拘束を解放することがで
きる。これらは本発明の重力に依存しないために
よるものであり、受けの入口２８からインクを引
込むためにチユーブ３４内に真空源又はポンプを
有するシステムにより代表される。しかしなが
ら、本発明は、もしインクが適当な流れ特性を有
するならばインクを受けの入口から搬送するため
に重力を使用することができる。本発明は特別な
点滴コントロール技術をもつインクジエツトプリ
ントシステムにおいて述べられてきたが、本発明
はインクが受けに向けられかつインクからの溶剤
の損失を最小にすることが望まれる他のインクジ
エツトプリント構造にも応用可能である。また、
特別な形態のインク捕捉器が述べられたが、本発
明の範囲内で他の形態の受けおよびコーリングを
使用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を具体化せるインクジエツト装
置の線図的図、第２図は本発明によるインク捕集
器の斜視図、第３図は第２図の捕集器の側面図、
第４図は第２図の捕集器の正面図、第５図は第２
図の捕集器の平面図、第６図は第５図の線６−６
に沿つて取られた捕集器の断面図、第７図は複数
のインク流を遮えぎるのに適した本発明の変形例
の斜視図である。 １２……アツセンブリ、１４……プリント面、
１９……インク流、２５……捕捉器、２６……入
口通路、２８……受け、３０……真空源、２９…
…空気入口、３２，３５……調整器、３４……搬
送手段。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 記録表面に向け液状インク流を放射するため
   のアツセンブリに連結されたインク供給源を含
   み、該インク流の一部分が記録表面をマーク付け
   するために使用されかつ使用されなかつたインク
   がインク供給源に戻されるようになつており、該
   インクの戻りシステムが使用されなかつたインク
   流と周囲のインクミストを吸引すべく真空源によ
   り引込まれる空気とが通る共通の入口通路を有す
   る捕捉器を含み、これによつて使用されなかつた
   インクと吸引されたインクミストとが回収されて
   再使用のために循環されるようになつているイン
   クジエツトプリント装置において、前記捕捉器が
   使用されなかつたインク流を受けて液状インクを
   インク搬送手段へ移送すべく該使用されなかつた
   インク流の通路内に配置された受け手段と、イン
   ク搬送手段とは分離されたインクミスト搬送手段
   内へ前記捕捉器の入口からインクミストを吸引す
   るため前記受け手段のまわりに設けられた空気入
   口手段とを有することを特徴とするインクジエツ
   トプリント装置。 ２ 前記インク搬送手段に沿つて液状インクを吸
   引するのに十分な最少の空気流を形成し、かつ捕
   捉器の共通入口通路からインクミストを吸引する
   に十分なより高速の空気流を前記空気入口手段位
   置に形成するため、それぞれ前記受け手段と空気
   入口手段とにかけられる真空レベルを選択すべく
   調整手段が設けられている第１項の装置。 ３ 前記受け手段内の空気流は1SCFH又はそれ
   以下であり、前記空気入口手段内の空気流は
   8SCFH又はそれ以上である第２項の装置。 ４ 前記空気入口手段が前記インクの受け手段を
   含んでいる第１項の装置。 ５ 前記捕捉器に複数のインク流が向けられ、前
   記受け手段は該インク流を受けるため該複数のイ
   ンク流のパターンを横切つて伸びている第１項の
   装置。 ６ 前記受け手段は個々のチユーブの開口よりな
   り、各開口は前記複数のインク流の各一つを受け
   るように位置決めされており、前記空気入口手段
   は前記複数のチユーブ開口を取囲んでいる第５項
   の装置。