JPH0257795A - フェイルセイフシステム及び該システムに用いられるアクチュエータ,アキュムレータ及び該システムを用いた工作機械,フェイルセイフテーブル並びにフェイルセイフホルダ - Google Patents

フェイルセイフシステム及び該システムに用いられるアクチュエータ,アキュムレータ及び該システムを用いた工作機械,フェイルセイフテーブル並びにフェイルセイフホルダ

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JPH0257795A
JPH0257795A JP20605488A JP20605488A JPH0257795A JP H0257795 A JPH0257795 A JP H0257795A JP 20605488 A JP20605488 A JP 20605488A JP 20605488 A JP20605488 A JP 20605488A JP H0257795 A JPH0257795 A JP H0257795A
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Yotaro Hatamura
洋太郎 畑村
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はフェイルセイフシステム及び該システムに用い
られるアクチュエータ、アキュムレータ及び該システム
を用いた工作機械、フェイルセイフテーブル並びにフェ
イルセイフホルダにかかり、詳しくは各種の生産加ニジ
ステム(以下、生産加ニジステムとは物品の生産、加工
のみならず搬送、検査等を含めたシステムを総称してい
う)において、このシステムの構成要素である部材に何
等かの原因によって設定値以上の力が加わることにより
当該部材または他の部材の破損やシステム全体の故障を
防止するため、前記設定値以上の力が加わったことを検
出してシステム全体を安全側に作動させるためのフェイ
ルセイフシステムと、該システムに用いられるアクチュ
エータ、アキュムレータと、該システムを組み込んだ工
作機械、フェイルセイフテーブル及びフェイルセイフホ
ルダに関する。
(従来の技術及び発明が解決しようとする課題)現在、
、FA(ファクトリ−・オートメーション)分野におい
ては、生産加ニジステムの24時間完全無人化が最大の
課題となっている。これに対し、形の上では24時間運
転または無人化運転可能を標傍する工作機械や加ニジス
テムは多いが、実際には完全無人で24時間運転し得る
システムは今のところ実現されていない。すなわちNC
(数値制御)によりツールの動きやワークの動きを予め
プログラムしたように動かすことはできるが、実際の加
工においては、プログラムのミスがあったり、予期せぬ
ツールの損傷が起ったり、あるいは、周辺の予期せぬ環
境変化が影響して予め想定した条件とは違うことが起る
場合がままある。
これに対処するため、例えばマシニングセンタ等の工作
機械の場合、何等かの原因によりツールやワークに過大
な力(過大荷重)が加わったり、これに起因してツール
が折損した際に、これらの異常発生を自動的に検出して
最終的に工作機械の運転を停止させることが安全対策上
、必要となる。
また、この安全対策は、工作機械に限らず作業用ロボッ
トや搬送装置等、生産加ニジステムを構成する全ての機
械的構成要素が具備すべきものとされている。
上記要請に応えるものとして、例えばマシニングセンタ
においては、前記過大荷重の発生を各種のセンサにより
電流値や電圧値の変化として電気的に検出し、あるいは
負荷トルクが一定値を越えた場合にツールがスリップす
ると共に電気信号を工作機械側に送ってその運転を停止
させる手段が提案されている。また、他の手段として、
ツールやワーク、テーブル等に加わる力に比例した力が
機械的強度の低い部分(メカニカルヒユーズ)に加わる
ようにしておき、過大荷重がツール等に加わった際にこ
のメカニカルヒユーズを折損させることによってシステ
ムの構成要素の損傷を未然に防止するものも提案されて
いる。
しかるに、前者のように電気的な検出手段を用いるもの
においては、例えば過大荷重により小径のツールが折損
しても、検出信号のレベルが不十分でマシニングセンタ
のコントローラ側では異常の発生を検知することができ
ず、そのままの状態で加工を続行してしまう場合があり
、特に、ドリルやエンドミルを使用している場合には折
れたツールが回転し続けることによってツール及びワー
クの温度上昇を招き、切削油の種類によってはマシニン
グセンタ全体の火災に至る危険性がある。
この種の事件は国内において年間数件ないし数十性発生
していると考えられる。
また、メカニカルヒユーズを用いる方式は、過大荷重が
システムの構成要素に伝達されるのを遮断する点におい
ては一応有効と言えるが、ヒユーズは機械的に破損して
しまうので、原状復帰のために折損したメカニカルヒユ
ーズを除去して交換しなくてはならず、特に大きな力が
通過するシステムではヒユーズの除去や交換に多大な手
間がかかるという問題がある。
発明者は、上述した現状の安全対策の不完全さに鑑み、
生産加ニジステムの構成要素に何等かの原因で過大荷重
が加わった場合にこれを確実に検出し、前記原因の如何
を問わず過大荷重からの退避動作を行なわせて最終的に
はシステムの運転が停止するところまでシステムを安全
側に作動させるようなフェイルセイフシステムを提案す
るに至った・ かかるフェイルセイフシステムとは1例えば工作機械に
これを適用した場合、具体的には異常が起った(設定値
以上の力が加わった)場合、ワークは力の加わった方向
に沿って数■または数十Iの距離だけ退避可能であり、
この退避開始と同時に、退避動作を行なったという信号
が工作機械全体のコントロールシステムの方に送られ、
工作機械が非常停止するというシステムである。勿論、
将来のFAに対して、このようなフェイルセイフシステ
ム以外にも力を監視してその力が予め設定した力の中に
納まるように全てのコントロールシステムが動くように
する“′力制御”の考えや、形状自身をモニターしなが
ら必要な形状に追いかけていくような方式、また、熱的
な異常を検知して退避行動を起したり、音を使って退避
行動させる、といった方式も十分に考えられる。しかし
これら全てのシステムの中で最も基本的なものが1本発
明にかかるフェイルセイフシステムであると言えよう。
このようなフェイルセイフシステムを実現するためには
、2つの機能が要求される。まず第1の機能としては、
システムの構成要素である作用側の部材(以下、作用子
という)から加わる力が一定値以上になったらその力を
受ける部材(以下、移動子という)が力の方向に沿って
移動するという機能であり、第2の機能としては、異常
事態の発生すなわち作用子から移動子に設定値以上の力
が加わったことを検出してシステムを安全側に作動させ
るために信号を発生する機能である。
ここで、異常が発生したという信号が出力されてから、
例えば機械の運転が停止されるまでの間に起こる信号の
発生及び伝達とそれに伴う時間の遅れについて考察する
。まず、信号の発生について考える。工作機械に適用さ
れるフェイルセイフシステムで1例えばある一定値以上
の力が加わるとほんの僅かにワークが動くように作って
おき、このワークが動いたことを検出し信号を発生する
素子を作っておけば、異常が発生したという信号を発生
させることができる。ここで発生した信号はコントロー
ラに送られる。
全ての機械は見かけ以上に幾つかの時間遅れの要因を持
っている。第一の時間遅れは設定値以上の力が加わった
ことを検出するまでの時間遅れである。この他に、セン
サの信号がコントローラに送られるまでの間で生じる増
幅器の遅れ、 A/D変換をするのであればA/D変換
の遅れ、信号をコントローラの中で認知するための時間
遅れ等があり、これらは全て情報を情報として伝達する
ところまでの遅れである。更に、そのコントローラが異
常発生の事実を知って機械を止めようとするまでの間の
信号の遅れがある。ここまでは信号の発生・伝達に起因
する遅れであるが、他にも重要な遅れがある。それは、
それから機械を止め始めてから止め終わるまでの時間遅
れである。これは機械で、その動かそうとしている稼働
部分のイナーシャ(慣性力、質量)に抗して減速動作を
行なうための時間である。
ここで言った信号伝達のための遅れと機械自体がある質
量を持っているために生じる遅れの二つは本質的なもの
であり、機械が機械として動いている限り避けることの
できないものであるといえる。
一方、異常が起ってから機械が止まるまでの間に、仮り
に何もそのずれ分を吸収する能力がなければワークが壊
れるか、ツールが壊れるか、さもなければ機械自体が壊
れるか、ということでこの矛盾を吸収する以外にない。
従って完全無人運転を実現するには、力がある一定値に
なれば確実に退避動作が行なわれてしかも機械が止まり
、その異常を解除した後には原状への復帰が可能である
という性質が必要になる。
次に、フェイルセイフシステムが要求する力の方向と正
逆の向きについて、以下に考察する。
物を加工するときにかかる力というのは一方向だけとい
うことはまれで1例えばX、Y、Zの何れの方向にも働
くシ、また一つの方向でも+側にも一側にも力がかかり
得る0例えば第33図(a)に示すように、金型330
をエンドミル331で削っていくとすれば、エンドミル
331はX方向の+側にも一側にも、またY方向の+側
にも一側にも動くし、Z方向にも動き、それに従って力
のかかる向きも変化する。また、第33図(b)に示す
ように、ワーク332にドリル333で穴をあけてタッ
プを立てるようなときは、普通は推力とトルクだけが問
題になるが、場合によってはタップを引き抜くときに異
常な力がかかることがある。このように加工力の方向は
X、Y、Z方向と三次元的であり、力の向きも+側にも
一側にも働くので、フェイルセイフシステムは、これら
の三次元の力の方向に対応することが要求され、しかも
それぞれの方向においても力の向きの+側にも一側にも
対応することが必要である。
仮りに、X方向、Y方向、Z方向のうちの何れか一つの
方向で+側または一側の一方向だけに作用するフェイル
セイフシステムであれば、簡単に実現することができる
1例えば静止系の一ケ所からばねで移動子を押すと共に
、移動子をストッパに接するようにしておけば、外部か
らの力がある一定値以上になったときに退避する機構は
簡単に実現することができる。しかし、各方向の+側に
も一側にもこのような作用を果たすような機構を考える
とすると、途端に難しくなる。例えば後述する第34図
のような機構にすると、後に詳述する力の並列”が起っ
てしまい、工作機械のように高精度の位置決めが必要と
されるような場合には要求される機能を果たせない。
そこでフェイルセイフシステムとしては本質的にどのよ
うな特性が必要になるかを示したのが第1図である。同
図において、横軸は部材に加わる力f、縦軸は部材の変
位Xであり、同図(a)。
(b)、(c)、(d)に共通するように、力fが正逆
方向にわたって−f0から+f、の領域I(以下、不感
帯という)では変位Xが生じず、力fが領域■よりも負
側または正側に大きくなって領域■。
■になると5例えば同図(a)に示すように変位Xが比
例的に変化するという特性である。この比例部分のカー
ブは必ずしも直線である必要はなく、種々の曲線であっ
てもよい。
また、同図(a)に示す比例部分が同図(b)の如く縦
軸に対して平行になる特性であってもよいが、システム
の構成のし易さの点から言って実際上は同図(a)の特
性であることが好ましい。更に、同図(a)の比例部分
について同図(C)のようにヒステリシスを持つ場合で
も1本発明にかかるフェイルセイフシステムとして十分
に使用可能である。
これら(b)、(Q)更には(d)のケースをも含めて
単純化すれば、同図(a)の特性を持つようなフェイル
セイフシステムを実現すればよいといえる。
ここで、例えば工作機械においては、高剛性を保つため
に一定の荷重までは変位を生じず、これ以上の力が加わ
って初めて退避動作を行なう必要があるため、前述した
ような領域I、II、mからなる特性を有するフェイル
セイフシステムが要求されることになる。
従来からもこのようなものは一応考えられてきた。これ
ら従来のものは、厳密な意味で第1図に示したような不
感帯を持ち、それ以外では比例部分となるような機構に
なっているだろうか1例えば従来例として第34図に示
すものがある。図において、301はハウジングであり
、このハウジング301内にばばね収容室302.30
3が設けられ、これらのばね収容室302,303内に
は、圧縮ばね304.305が設けられている。一方、
収容室302.303を貫通するように軸306が配置
され、その中央部にはフランジ307が設けられている
と共に、このフランジ307は圧縮ばね304,305
を押えるストッパー308.309により両側から抑え
付けられている。
また、ストッパー308,309はばね収容室302.
303の間の隔壁310に圧接されている。
このように構成すると、軸306に加わる力fに対する
変位Xの関係は一見すると第1図(a)の理想的な特性
となるように思われるが、厳密に考えるとこの機構は第
1図(a)のような特性は持っていない、すなわち、こ
の機構ではばね304 、305のストッパー308,
309同士を止める隔壁310の厚さTとフランジ30
7の厚さtとを絶対に同一にすることはできない、従っ
て、このTとtとの関係でTのほうが大きかったとすれ
ば実際の力と変位の特性は第35図(a)のようになり
、力に対して不感帯が生じるのではなく変位の方に対し
て不感帯ΔXが生じるため、いわゆるガタが生じること
になる。
また、Tの方がtよりも小さいときには、その特性は同
図(c)のようになり、Δfの範囲では力に対して不感
帯とはならない、Tとtの差の間だけはばね係数が普通
のものの2倍になったような形で構成されることになる
。そして、全くの空想である理想状態でT=tのときに
限り、同図(b)すなわち第1図(a)の特性を持つこ
とになる。
何故このようなことが起るのかというと、これは力が途
中から並列に流れるという現象が起るためである。試み
に軸306からその外側に流れる力の流れ方を観察して
見る。第34図の右から左に軸306を押したとすると
、この力のうちの一部は座を通り圧縮ばね304を通っ
て外部にまで伝わり、また、一部の力は軸306からス
トッパー308を通って外部に流れていく、この2つの
力をひとまとめにして力の伝わり方“A”とする。一方
、軸306からの力は圧縮ばね305.ストッパー30
9を通じても外部に伝わる。これをまとめて力の伝わり
方It B 71とする。そうすると、この構造では、
力が同じ場所に到達するのに第34図のA、Bで示す如
く2つの経路を通って流れていく、言い換えれば、ばね
とストッパーの組が一つの軸に2つ配されることになり
、2つの組全体に外部の力が加わることになる。すなわ
ち力の並列″が起ることになる。
このような力の並列が起ると、前述のようなTとtの食
違いから望ましくない特性しか得られないことになる。
後述するがこれを除くには力が全て直列に流れるように
、すなわちばねとストッパーからなる2つの組を直列に
配置しなければならないということになる。
別の例として第36図に示す工作機械の位置決めを行な
うボールスクリューを考えてみる。軸311を両側から
油圧機構やばね等313.314で拘束しておけば、や
はり一見すると第1図(a)のフェイルセイフの特性を
持つように思われる。なお、312は軸311の回転に
より移動する部材を示す。しかる°に、厳密に考えると
軸311を2カ所で位置決めしているために、部材31
2から静止系への力の流れが第34図の例と同様に並列
になる。そのため、やはり第35図(a)または(c)
の特性しか得ることができず、真の意味でのフェイルセ
イフの望ましい特性は持たない。
更に、もう一つ別の例をとり上げよう。厳密には特性が
第35図(a)または(c)であるにも拘らず。
−見して第35図(b)らしく見えれば力の不感帯の幅
が数十ミクロンであっても実用上問題はないというよう
な場合も多々ある。ここでは、力の不感帯を持つ油圧バ
ルブをとり上げる。このような場合には1例えば第37
図に示すようなばね317及びスプール316を有する
リターン機構315を構成し。
このリターン機構315を、第38図に示す如く、油圧
バルブ318に付加して常時ニュートラル位置にて位置
決めさせると共に、このバルブ318を動かすレバー3
19に働く力が一定値以上になったときに弁が働くよう
にして不感帯を作ることが行なわれている。しかるに、
厳密な位置決めを必要とする工作機械ではこのようなも
のを使うのは意味がない。
本発明は、上述した種々の従来例が有する問題点を解消
し、外部から加わる力の流れが直列になるようにして例
えば第1図(a)の如きカー変位特性をもつフェイルセ
イフシステムを実現することをその解決課題ないし目的
としている。更に、このシステムの構成要素として、外
部から加わった過大な力に応動するアクチュエータと、
上記力により移動するアクチュエータ内の移動子を液圧
回路または気圧回路によって支持する場合に、前記各回
路を介して伝達された力によるエネルギーを弾性体に蓄
積するアキュムレータとを提供し、加えて、前記フェイ
ルセイフシステムを組み込んだ工作機械、フェイルセイ
フテーブル及びフェイルセイフホルダを提供することも
その目的とする。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するため、本発明にかかるフェイルセイ
フシステムは、移動する作用子から設定値以上の力が力
qわった際に前記力の方向に沿って移動する移動子と、
この移動子の初期位置を設定するストッパーと、移動子
を支持して予め設定された一定の力を移動子に作用させ
る弾性体の如き力作用体とを備え、移動子が一定の変位
だけ移動したことを検出して作用子の移動を停止させる
ことを特徴とする。
また、このフェイルセイフシステムの構成要素のうち、
作用子からの力に応動するアクチュエータは、移動する
作用子から設定値以上の力が加わった際に前記力の方向
に沿って移動する移動子と、この移動子の初期位置を設
定するストッパーとを少なくとも備え、移動子を内部ま
たは外部に設けられた力作用体により支持して予め設定
された一定の力を移動子に作用させることを特徴とする
更に、前記フェイルセイフシステムの構成要素のうち、
移動子の移動に伴う力によるエネルギーを蓄積するアキ
ュムレータは、前記アクチュエータに連結され、移動子
に一定の力を与えている力作用体としての液圧回路また
は気圧回路を介して伝達された力によるエネルギーをば
ね等の弾性体に蓄積することを特徴とする。
加えて、本発明にかかる工作機械は、前記アクチュエー
タ及びアキュムレータからなるフェイルセイフシ・ステ
ムを備え、移動子が一定の変位だけ移動したことを検出
して自己の運転を停止することを特徴とする。更に、本
発明にかかるフェイルセイフテーブル及びフェイルセイ
フホルダは実質上、前記アクチュエータと同一の構成を
備え、移動子が一定の変位だけ移動したことを検出して
テーブルの移動やツールの回転・移動を停止させること
を特徴とする。
(作用) 本発明のフェイルセイフシステムによれば、作用子から
加わる力が設定値以下である不感帯においては、移動子
はストッパーによる初期の設定位置に留まっており、シ
ステム全体は高剛性を保つている。そして、作用子から
移動子に設定値以上の力が加わると、移動子はこの移動
子に一定の力を付与している力作用体に抗して前記力の
方向に移動を始める。つまり1作用子からの力は移動子
及び力作用体を介して静止している固定端(または支持
端)に伝達される。ここで、移動子に作用する力の方向
の正逆の両方向に応じるべく、力作用体とストッパーと
の組を直列に配し、その動作が正逆両方向に作動するよ
うにすれば、前述した第1図(a)のカー変位特性を得
ることができ、また、力の設定値を可変とすることで前
記不感帯の幅を任意に調節することができる。
このようにして移動子が移動した場合には、周知のマイ
クロスイッチ等により移動子が一定変位だけ移動したこ
とを検出して信号を生成し、この信号をもって作用子の
移動を停止させることにより、システムを安全側に退避
させることが可能となる。
また、かかるフェイルセイフシステムにおいて、アクチ
ュエータは作用子に応動する構成要素として作用すると
共に、アキュムレータは、移動子に対して一定の力を液
圧または気圧回路により付与している場合に、これらの
回路を介して移動子の移動に伴う力のエネルギーをばね
等の弾性体に蓄積するべく作用する。
更に、前記フェイルセイフシステムを組み込んだ工作機
械及びフェイルセイフテーブルは、その運転中に過大荷
重が加わったことを上記フェイルセイフシステムにより
検出し、最終的に機械の運転停止やテーブルの移動停止
を行なわせるべく作用すると共に、フェイルセイフホル
ダにおいてはツールから過大荷重が加わった場合にツー
ルの回転・移動を停止させるべく作用する。
(実施例) 以下、図に沿って本発明の詳細な説明する。
まず、第2図ないし第9図は、移動子を支持し。
かつこの移動子に一定の力を付与する力作用体が弾性体
としてのばねであるフェイルセイフシステムの実施例を
1作用子からの力に応動するアクチュエータを中心とし
て示した実施例である。
第2図及び第3図は第1実施例を示しており。
この実施例では弾性体に圧縮ばねを用いている。
第2図において1はシリンダ、2はその中間の隔壁、・
3.4は端壁、5,6は移動子としてのピストン、7,
8はそのフランジ、9.10は圧縮ばねであり、圧縮ば
ね9の一端部は隔壁2に圧接され、他端部はフランジ7
を圧接している。また、圧縮ばねlOはその両端部がフ
ランジ8及び端壁4を圧接している。ここにおいて、シ
リンダ1及び圧縮ばね9,10はピストン5,6の初期
位置を設定する力の設定要素としても作用している。な
お、図において47はアクチュエータを示している。
この動作を第3図を参照しつつ説明する。まず。
第3図上段において2図示されていない作用子の移動に
よりピストン5の端部にある設定値+fa以上の力fが
図の右方向に加わると、それまで高剛性を保っていた圧
縮ばね9が圧縮され、第3図中段の如きピストン5の変
位Xにより、ピストン5.6の両端部間の距離はXだけ
縮む。また、第3図上段の状態から、ピストン5の端部
に対し、ある設定値−f、よりも負側に大きいカfが左
方向に加わると、第3図下段のように圧縮ばね9はその
ままの状態で圧縮ば1110が圧縮される。この結果、
ピストン5,6の両端部間の距離はXだけ伸びることに
なる。
この場合、外部の作用子から移動子としてのピストン5
に加わる力は圧縮ばね9と端壁3.フランジ7間のスト
ッパーとの組合せ(Aとする)及び圧縮ばね10と隔壁
2.フランジ8間のストッパーとの組合せ(Bとする)
に直列に作用する。それゆえ1両ピストン5,6の間に
一定値以上の大きさの力が作用したとき、AまたはBの
うち一方のみが動くので、第1図(a)に示したように
正逆両方向の力に対してこの力が設定値以上になった場
合に変位を生じる(退避動作を行なう)アクチュエータ
47を実現することができる。
また、ピストン5,6の両端部間の距離が変化したこと
、換言すれば移動子が一定の変位だけ移動したことは周
知のマイクロスイッチや近接スイッチ等により検出可能
であるから、これらの出力信号を利用して外部の作用子
の移動を停止させることができる。更に、第2図におけ
る端壁3及び端壁4の位置をシリンダ1の軸方向に沿っ
て変えることにより、圧縮ばね9,10にもともと与え
られている力を変えられるため、退避動作を開始する設
定値±f0を自由に選ぶことができる。その際、正側及
び負側の設定値の大きさを異ならせることも可能であり
、換言すれば正側及び負側の不感帯の幅を異ならせるこ
とが可能である。
次に、第4図は第2実施例を示している。この実施例で
は、弾性体として引張ばね11,12を用いており、一
方の引張ばね11の両端部が隔壁2及びピストン5のフ
ランジ7にそれぞれ固定され、フランジ7は端壁3に圧
接されている。また、他方の引張ばね12の両端部は他
方のピストン6のフランジ8及び端壁4に固定され、フ
ランジ8は隔壁2′に係止されている。
この実施例にお−11ても、例えばピストン5の端部を
左方向に引っ張るような設定値−foよりも負側に大き
い力fが外部の作用子から加わると。
引張ばね12の位置は変わらず引張ばね11が引き伸ば
されてピストン5,6の両端部間の距離が伸びる。また
、これと逆方向の力fが加わると、引張ばね11及びピ
ストン5の位置は変わらす引張ばね12が引っ張られる
ため、ピストン6がシリンダ1内に引き込まれることに
なり、ピストン5,6の両端部間の距離が短縮される。
この場合にも作用子からの力は引張ばね11と端壁3.
フランジ7の間のストッパーとの組み合わせ(A)及び
引張ばね12と隔壁2′、フランジ8間のストッパーと
の組合せ(B)を通して直列に作用しており、第1図(
a)の特性が得られると共に、設定値±f0の変更は端
壁3または端壁4の位置をシリンダ1の軸方向に沿って
変えることで調節可能である。
次いで、第5図及び第6図は第3実施例である。
この実施例は1弾性体として圧縮ばねと引張ばねとを組
合せたものであり、第5図において13.14は移動子
としてのシリンダ、 15.16.17.18はこれら
の端壁、19は引張ばね、20は圧縮ばね、21はピス
トン、22.23はフランジを示している。なお、ピス
トン21、そのフランジ22.23及び各ばね19゜2
0は力の設定要素としても作用している。
この実施例では、第6図上段に示す如く、平常時はフラ
ンジz2が端壁16に、またフランジ23が端壁17に
それぞれ圧接されており、この状態で設定値+f0より
も正側に大きい力fが第6図中段のようにシリンダ13
に対して右方向に加わると、圧縮ばね20が縮んでシリ
ンダ13.14の両端部間の距離は変位Xだけ縮む。ま
た、第6°図下段のように設定値−foよりも負側に大
きい力fがシリンダ13に対して左方向に加わった場合
には、引張ばね19が伸びてシリンダ13.14の両端
部間の距離は変位Xだけ伸びる。よって、第1図(a)
に示した特性を得ることができる。
この場合の設定値±f0の変更は、端壁15.18の位
置をシリンダ13.14の軸方向に沿って変えてやれば
よい。
更に、第7図及び第8図はそれぞれ第4及び第5実施例
であり、これらの実施例は、第2図及び第4図の実施例
におけるシリンダとピストンの関係を逆転させたもので
ある。
まず、第7図及び第8図において、24.25はシリン
ダ、 26.27.28.29はこれらの端壁、30.
31は圧縮ばね、32はピストン、33.34はフラン
ジ、35、36は引張ばねを示している。これらの実施
例では、何れもフランジ33.34が平常時に端壁26
゜28に圧接されている。その動作は、第7図の実施例
において1例えば図の左方向から移動子としてのシリン
ダ24を押す向きに設定値+fo以上の力fが加わると
、圧縮ばね31が縮んでシリンダ24゜25の両端部間
の距離が縮む。また、第8図の実施例において、例えば
図の左方向から移動子としてのピストン32を引っ張る
向きに設定値−foよりも負側に大きい力fが加わると
、引張ばね36が引っ張られてフランジ34とシリンダ
25の端壁28との間の距離が伸びる。
このため、再実施例があいまって第1図(a)に示すよ
うな特性の実現が可能になる。また、設定値±fI、の
変更は端壁27.29の位置を変えればよい。
次に、第9図は第6実施例を示している。この実施例は
圧縮ばねを同心状に配置したもので1図中、 37.4
0はシリンダ、 38.39.41.42は端壁。
43、44は圧縮ばね、45は移動子としてのピストン
、46はフランジであり、端壁41及びフランジ46は
それぞれ端壁39.42に圧接されている。この動作は
、図示するように、ピストン45の端部に左方向に向か
う設定値−foよりも負側に大きい力fが加わると圧縮
ばね44が縮むため、ピストン45の端部と端壁38と
の間の距離は伸びる。また、ピストン45の端部に設定
値+10以上の反対方向の力fが加わると、他方の圧縮
ばね43がフランジを兼用する端壁41により押されて
縮むため、ピストン45の端部と端壁38との間の距離
が縮む。
よってこの実施0例でも、第1図(a)に示すような特
性を実現可能である。また、設定値±foの変更は端壁
42.39の位置を変えればよい。
なお1以上の第2ないし第6実施例も第1実施例と同様
に何れもアクチュエータ47の構成のみを示したもので
あり1本発明にかかるフェイルセイフシステムとしては
、これらのアクチュエータ47の他に、移動子が一定の
変位だけ移動したことを検出して信号を発生するスイッ
チ等の手段と、この検出信号によって作用子の移動を停
止させるための手段とを備えているのは言うまでもない
次に、移動子に対して予め一定の力を作用させている力
作用体としてアクチュエータ47内の油とアキュムレー
タとを用いた、油圧回路による第7実施例を第10図な
いし第13図に示す。第1O図はその原理図であり、4
8はアクチュエータ47とあいまってフェイルセイフシ
ステムの構成要素となっているアキュムレータである。
アクチュエータ47において、49はシリンダ、50は
隔壁、51.52は移動子としてのピストン、53.5
4はそのフランジを示す。また、55は配管である。更
に、アキュムレータ48は油圧源ともなっており、56
はシリンダ、57はピストン、58.59はフランジ、
60は圧縮ばね、61は固定壁である。そして、シリン
ダ49.56内及び配管55内には油62が充填されて
いると共に、圧縮ばね60の両端部はフランジ59及び
固定壁61に固定されている。
この実施例では、前記第1ないし第6実施例におけるば
ねの位置に油を配し、アキュムレータ48の圧縮ばね6
0の弾性により油を介してピストン51゜52に対して
常時一定の力を付与していると共に。
外部からピストン51.52に作用する力によるエネル
ギーを弾性体としての圧縮ばね60に最終的に蓄積する
ように構成されている。また、ピストン51゜52は、
アキュムレータ48及び油6゛2、シリンダ49等によ
る力の設定要素によって初期位置が設定されている。な
お、圧縮ばね60に代えて第11図に示す如く気体63
によるアキュムレータを構成することもできる。また、
図示されていないが、シリンダ49、56及び配管55
内に空気を充填して空圧によるフェイルセイフシステム
を構成することも可能である。
次に、第10図の実施例の動作を第12図を参照しつつ
説明する。なお、第12図では便宜上アクチュエータ4
7のみを示し、アキュムレータ48の図示を省略しであ
る。
まず、第12図上段の状態では、アキュムレータ48か
らの油圧によりフランジ53.54はシリンダ49aの
左側の端壁及び隔壁50に圧接されている。このときに
、第12図中段に示す如く、作用子の移動によりピスト
ン51の端部から設定値+fl1以上の力fが加わると
、この力が油圧回路を介して作用することにより、アキ
ュムレータ48の圧縮ばね6゜が縮んでシリンダ49内
の油圧が減少し、ピストン51は変位Xだけ右方向に移
動する。従って、ピストン51.52の両端部間の距離
が変位Xだけ縮むことになる。
また、第12図下段に示すように反対方向の力fが加わ
ると、設定値−f、よりも負側に大きくなった時点でや
はりシリンダ49b内の油圧が増大するので圧縮ばね6
0が縮み、他方のピストン52が相対的に右方向に変位
Xだけ移動する。よって、ピストン51.52の両端部
間の距離は変位Xだけ伸びることになる。
従って、この実施例でも第1図(a)に示す特性を実現
することができ、ピストン51.52が一定の変位だけ
移動したことを適宜なスイッチにより検出して作用子の
移動を停止させることができる。
また、このよう番ご構成された油圧または空圧のフェイ
ルセイフシステムでは、作用子からの力に応動するアク
チュエータ47と、力によるエネルギーを蓄えるアキュ
ムレータ48とを分離することができるため、外部から
油圧または空圧値を任意に設定することができ、設定値
±f、の調節が非常に容易となる6すなわち、第1O図
の例では、固定壁61の位置をシリンダ56の軸方向に
沿って変化させれば設定値±f0を変更することができ
る。
なお、油圧を用いるシステムでは、第1θ図のようにピ
ストン51.52に対する油圧源として同一のものを用
いるとピストン径が同一の場合には設定値f、の正側及
び負側の大きさが等しくなり、いわゆる不感帯の幅が力
fの正負側で同一となるが、油圧源を別個に設けたりピ
ストン51.52のフランジ53.54の直径を異なっ
たものとすることにより、設定値+f、、−f。の値を
異ならせることができる。これは、空圧の場合も同様で
ある。
次に、第13図は油圧によるアクチュエータ47の具体
的構造を示している。なお1図において64は配管55
に連通する油圧口である。このように油圧や空圧で実際
にアクチュエータ47を形成すると。
ピストン51.52とシリンダ49との間のシール部分
の摩擦が問題になる場合があるが、これを解消するため
には、シールの代わりに第14図に示すようなベローズ
65を用いればよい。
次いで、第15図は第8実施例を示している。この実施
例は、油圧によるフェイルセイフシステムにリリーフバ
ルブを組み合わせたものである。同図において、47は
前述した油圧によるアクチュエータ、48はアキュムレ
ータであり、アキュムレータ48では位置センサ66、
フェイルセイフコントローラ67、油圧モータ68.ボ
ールスクリュー69等により圧縮ばね60の端部位置を
可変としている。すなわち、これによって圧縮ばね60
にもともと蓄えられている力を可変とし、もってピスト
ン51.52が動作する際の力の設定値±f、の調節が
可能である。なお、後述する可変リリーフバルブ76と
組み合わせる場合には、圧縮ばね60の端部は固定され
ていてもよい。また、アキュムレータ48としては第1
1図に示したような気体63を用いたものであってもよ
い。
一方、配管55の途中にはチエツクバルブ70aが設け
られており、その先にはアキュムレータ48を構成する
シリンダ56に対して並列的に可変リリーフバルブ76
及びタンク77が設けられ、このリリーフバルブ76は
前記フェイルセイフコントローラ67により制御される
。また、この主回路から分岐してストップバルブ71.
ポンプ73.タンク74及びストップバルブ72.タン
ク75が設けられている。
ここで、チエツクバルブ70aは、フェイルセイフ作動
の際には油が主回路をアキュムレータ48または可変リ
リーフバルブ76に直接流れるようにするためのもので
あり、可変絞り70bはフェイルセイフ作動後にシリン
ダ49内の油圧を徐々に回復させることにより、ピスト
ン51または52を元の位置に緩慢に復帰させるための
ものである。また、ポンプ73は油の補充用、ストップ
バルブ72は油を抜くためのものである。
そして、リリーフバルブ76は周知のように油圧を一定
値に保つためのもので、アキュムレータ48と組み合わ
せることにより、フェイルセイフ作動後に作用子から加
わる力fの増加を阻、止し、力fと変位Xとの関係を第
1図(a)、(b)を組み合わせた第16図のようにす
るためのものである。これにより設定値±f□以上の力
が加わることがないため、ツールやワークその他の部材
の保護性能を高めることができる。
なお、アキュムレータ48を用いることなくリリーフバ
ルブ76のみを使用する回路構成は1回路に発生する油
圧の加圧源がないので、アクチュエータ47から加わる
力を配管系のばねのみによって支持することになり、ま
た、油洩れ等によってアクチュエータ47の変位Xに遊
びを生じることとなるため、好ましくない。
次に、第17図は第9実施例であり、この実施例は、図
示するようにアクチュエータ47を油圧による同心状の
配置としたものである。なお1図において、78.79
は同心状に配置されたシリンダ、80はピストンであり
、その他の構成要素は既述のものと同一の番号が付され
ている。この実施例は、前述の第9図の実施例を油圧に
よって実現したものであり、詳述しないが、上記各実施
例と同様に第1図(a)の特性を得ることができる6ま
た、このアクチュエータ47を用いて第15図のように
リリーフバルブ76と組み合わせたシステムを構成する
ことも可能である。
なお、上述したフェイルセイフシステムないしアクチュ
エータ47において、移動子を支持してこの移動子に対
し予め設定された一定の力を作用させるための力作用体
の構成要素として、電磁石や永久磁石による磁力を利用
することも可能である。
この場合、特に電磁石においては外部の制御回路による
印加電圧、電流の制御によって磁力の調節が容易である
から、フェイルセイフが作動する力の設定値を簡単に調
節することができる。
第18図はこの電磁石を用いたフェイルセイフシステム
のアクチュエータを示すものであり、同図(a)は力作
用体として電磁石151.152及び圧縮ばね153.
154を用いたもの、同図(b)は同じく電磁石151
.152及び油圧回路を用いたもの、同図(Q)は同じ
く電磁石151.152のみを用いたものである。
なお、同図(b)において、シリンダ49内の油62は
第1θ図に示したような外部のアキュムレータ48につ
ながっている。また、ピストン51.52のフランジは
高透磁率の材料により作られていて電磁石151、15
2に常時吸着されている。
この動作は1例えば第18図(a)の左方向からピスト
ン51に働く力fに関し、これが設定値+f0以上にな
ると圧縮ばね153の剛性及び電磁石151による吸引
力に抗してピストン51が図の右方向に移動するため、
ピストン51.52の両端部間に変位を生じる。ピスト
ン51に逆方向の力fが加わった場合も第3図に示した
如く変位を生じるゆそしてこの場合、電磁石の吸引力は
距離の二乗に反比例するから、第1図(d)に示すよう
なカー変位特性が得られることになる。
次いで、工作機械に要求されるフェイルセイフシステム
について考察する。例としてマシニングセンタを考える
マシニングセンタ用のフェイルセイフシステムを考えた
場合のハードウェアの構成を第19図に示す。ここでは
左右に動くテーブルの例で示しである。テーブル81は
モータ82とボールスクリュー83とで駆動され、これ
らの間に上述した油圧によるアクチュエータ47が取付
けられている。勿論、モータ82が取付けられたボール
スクリュー83のシャフトそのものにアクチュエータ4
7を取付けることも可能である。
この図に示すように、テーブル81は直線ガイドのよう
な別の支持機構により図の左右方向にだけ動くようにな
っている。モータ82が回転すれば、ボールスクリュー
83及びアクチュエータ47を介してテーブル81まで
力が伝えられる。ここではボールスクリュー83とテー
ブル81との間に2本のピストン51.52を有するア
クチュエータ47が取付けられ、シリンダ49内の油は
配管55により外部で一緒になってアキュムレータ48
につながっている。テーブル81に対しては、図示する
如く左右方向に力fが働くとすると、これらがある程度
の大きさになるまではピストン51.52はシリンダ4
9に対する相対位置が変わらないので、結局、ボールス
クリュー83の動きがテーブル81の動きそのものを決
めることになる。
一方、テーブル81に例えば右方向の大きな力fが加わ
ると、ピストン51が存在するシリンダ49内の油圧の
設定値以上に力が働けば、この回路は外部のアキュムレ
ータ48につながっているので、ピストン51が右の方
に押される。その結果、テーブル81はボールスクリュ
ー83に対してピストン51,52間の距離が一層短く
なるように移動する。その結果、仮りにボールスクリュ
ー83が止まっていてもこのテーブル81は右方向に動
くことができる。
従って、テーブル81に外部から設定値以上のカfが加
わったときには、このテーブル81は右側に移動可能と
なる。勿論、テーブル81が動き始めたときにピストン
51.52とシリンダ49との間の距離の変化を検知す
るセンサを設ければ、それが信号を発生してこの機械全
体を非常停止させる機能を持たせることができる。
次に、フェイルセイフシステムと自動工具交換機能との
関係について考える。マシニグセンタには必ず自動工具
交換機能が必要になる。これは、一つの機械で多種類の
加工をする場合に、加工の種類ごとに、また゛同じ加工
の種類であってもその力の定格値ごとにツールを取替え
るためのものである。そのため、ツールが変わる度にそ
こで許容される力の種類と大きさが変わってくることに
なる。そこで、マシニングセンタにおけるフェイルセイ
フシステムの力の設定値±f0と力の種類は、ツールご
とに変えられるものでなくてはならないことになる。
自動工具交換が行なわれながらフェイルセイフ機能が働
く実際のシステムは1例えば第20図のように構成され
る0通常、工作機械を動かしているのは図のNCコント
ローラ84であり、ある目標値を入れておいて所望の工
具パスを決めておけば、テープの形で全てNCコントロ
ーラ84に指令が入り、X、Y、Z方向のモータ85の
回転を制御する。
また、モータ85の動きの他にATC(自動工具交換装
置)86を動作させてツールの種類を選択することが行
なわれている。
そして、このような工作機械にフェイルセイフシステム
を組み合わせる場合には、フェイルセイフコントローラ
87を用いる。NCコントローラ84側からフェイルセ
イフの動作開始の力の設定値上f0を設定すると、フェ
イルセイフコントローラ87によりスイッチがいつ動作
するのかが決定される。これにより、異常が起こり、設
定値以上の力が働いた場合に本発明にかかるフェイルセ
イフシステムが動作し、非常停止という信号をNCコン
トローラ84に対して出力することになる。
この非常停止の信号は、NGの全てのプログラムの進行
に拘らずNCコントローラ84の最も階層性の高い所、
すなわち一番上位の所に送られて工作機械の運転が停止
することになる。勿論、停止するまでの間にも外部から
の力が加わった被剛材を載せたテーブルは引き続き移動
するが、その間は、力が加わりながら移動距離分の変位
が最終的にはアキュムレータ48内のばねの変形として
吸収され、テーブルの移動に伴う力によるエネルギーが
蓄積される。ここでは、ツールの種類と加工の種類ごと
にフェイルセイフシステムが作動する力の設定値が変わ
ってくるが、これがこのシステムの一つの特徴となって
いる。
次いで、油圧によるフェイルセイフシステムを組み込ん
だ工作機械(マシニングセンタ)の一実施例の概略を第
21図に示す。
その基本構造は縦長のコラム88があり、そこに上下に
動き得るヘッド89が取付けられている。ヘッド89に
はツール92を回転させるためのモータ90が取り付け
られ、スピンドルの先のツールホルダ91にツール92
が取付けられて回転する。ここで、ヘッド89の動きを
Z方向とする。コラム88の下の部分にベース93がつ
ながっており、ベース93の上にはサドル94があり、
このサドル94を前後に動かすためのボールスクリュー
が設けられている。サドル94の上にはテーブル81が
あり、例えばサドル94の前後の動きをY方向とすれば
、テーブル81がX方向(この図では紙面の左右方向)
に動く。そしてまた、サドル94とテーブル81との間
にもボールスクリュー83が取付けられていて、テーブ
ル81の位置決めを行なうようになっている。
いま、テーブル81の上にワーク95を取り付ける。
テーブル81の全体はサドル94と協働してXY力方向
動き、ヘッド89側のツール92が回転しながらヘッド
89が上下することでツール92が自由な位置に動いて
いくことになる。このマシニングセンタでは、3つのア
クチュエータ47がヘッド89とコラム88との間、サ
ドル94とベース93との間及びサドル94とテーブル
81との間にそれぞれ取付けられている。なお、ここで
ボールスクリュー83のナツト部96とテーブル81と
の間に挿入されているアクチュエータ47は、実際には
ここに示したものと多少異なり、油圧シリンダと原理的
には同じだが、後述するようにボールスクリューを取り
囲む形で配置された中抜き(中が空洞)の構造になって
いる。
これら3つのアクチュエータ47からの油圧は全部−つ
につながり、それが外部に置かれているアキュムレータ
48に接続されている。アキュムレータ48の構成は第
15図及び第19図に示したものと同一である。そして
、油圧モータ68の回転位置をNCのプログラムによっ
て変えることで、アクチュエータ47の動作位置すなわ
ち力の設定値をlookgf。
500kgf、 LQQOkgfに変えることができる
ようになっている。これらの動作位置は、NCのツール
毎に決められた設定値に従って選択されるようになって
いる。
本発明にかかるフェイルセイフシステムにおいて、力を
設定し変位を吸収する要素(力作用体)がばね、油圧、
空圧の何れであっても、基本的な構成は圧縮ばねで代表
できることは前にも述べたが。
ここではばねを油圧に代えて、もう−度フェイルセイフ
システムの基本的な動作を説明する。
第22図(a)の基本形では、シリンダ49が1個、ピ
ストン51.52が2個になっているが、同図(b)の
ようにピストン97が1個でシリンダ98.99が2個
のものも可能である。どちらにしても第12図に示した
動作原理と全く等価である。外部から作用する力が設定
値以上になると、第22図(a)の場合には移動子であ
る両ピストン51.52間の距離が伸び縮みするように
動作する。また、同図(b)の場合にはシリンダ98.
99に付設されている移動子としてのフランジ100,
101間の距離が伸び縮みする。
さて、ハードウェアとしてこのような伸び縮みをすると
いう機能を持っていることだけでは不十分であり、異常
を検出した信号が必ず出力され。
その後、非常停止をかける動作をさせる必要がある。こ
の信号を発生させる為の構成要素は、常にシリンダ内に
取付けられている必要はなく、他の部分に変位の発生を
検知するようなセンサを有していれば十分である。
マシニングセンタやその他の工作機械のようにボールス
クリューを使っているものでは、第21図に示したよう
にボールスクリュー83と動くテーブル81との間にア
クチュエータ47を配置することがまず、考えられる。
勿論、第22図(a)に示す構造のピストン51.52
を採用すればそれでよいと言えるが、空間的に場所を取
り過ぎるため使いにくい。
また、ピストン51.52がボールスクリュー83の軸
心から外れた場所に取付けられると偏心荷重の問題が起
る。そこで最も望ましいのは、ボールスクリュー83の
外側にそれを抱きかかえるような形で、しかも両端がフ
ランジになったアクチュエータであるといえる。この場
合、第22図(b)に示したような構造のものが原形と
なり、これを中抜きの構造として実現することが要請さ
れる。
そこで中抜きになっているアクチュエータ47の例を考
えると、第22図(c)に示すようなものが考えられ、
ピストン102は中抜きのピストンとなる。
シリンダ103とシリンダ104にそれぞれ設定値より
も大きな力が加わったときに、このシリンダ103の中
に入っている左側の油が外に出ていったり。
右側のシリンダ104内の油が出ていくことにより、両
フランジ105.106の間の距離が変化するようにな
る。この構造を具体化したのが第22図(d)である。
第22図(d)のアクチュエータ47に適用可能な、フ
ェイルセイフ動作開始の信号を得るための手段を第23
図に示す。何れの場合もセンサとしてはマイクロスイッ
チを用いている。(a)はピストン102とシリンダ1
03,104のエンドストッパとの間にマイクロスイッ
チ107を配置したもの、(b)はスナップ部材108
を利用して、両方のシリンダ103,104間の距離が
伸び縮みすると車軸109が上下してマイクロスイッチ
107がON、OFFするもの、(c)はピストン10
2にフランジ110を取り付け1両方のシリンダ103
,104とフランジ110との間にマイクロスイッチ1
07を配するものである。
信号を発生する手段は、マイクロスイッチ107以外に
近接スイッチやリードリレーであってもよい。また、二
九らによるON、OFFのディジタル的な信号ばかりで
なく、例えばホール索子を用いた位置検出スイッチのよ
うに磁界の接近にともなって変化するアナログ信号を得
、これとしきい値とを比較して動作開始信号を得るよう
な検出手段であってもよい。
次に、実際に製作したマシニングセンタで、ボールスク
リューとテーブルとの間に組み込んだ中抜きのアクチュ
エータ47の一実施例の構造を第24図に示す。ボール
スクリュー83を取り付けた右側の中抜きのシリンダ1
04があり、この中にピストン102が配置されている
。ピストン102は1個、シリンダは103,104と
2個あり、油の入る部分は図のようになっている。ここ
では機構を簡単にするためシールとしては全て0リング
を使っている。
実際にはシリンダ103,104とピストン102は常
時摺動しているのではなく、フェイルセイフが作動した
ときだけ摺動するので、0リングを使用しても特に問題
は起らない。
移動子としてのシリンダ103の左端部上方は作用子と
してのテーブル81に当接しており、テーブル81の移
動に伴ってシリンダ103に力が加わるようになってい
る。サドル94とボールスクリュー83との間は、図示
されていないベアリングで支えられており、その先にボ
ールスクリュー83を回転させるためのモータが取付け
られている。このアクチュエータ47が実際に動作した
ときの信号の発生手段としては、第23図に示した例の
うちから(c)の構成を選び、シリンダ104から出た
腕112とピストン102から出た磁性体からなる腕1
13とシリンダ103から出た腕114との位置関係を
図示のようにし、腕112,114に取付けられたコイ
ル内蔵の誘導式近接スイッチ111と、腕113との位
置関係により移動を検出するように構成されている。
次に、このシステムにおける油圧を一定値に設定するた
めのアキュムレータ48の一実施例の構造を第25図に
示す。左側と右側に全体を止める端板115.116が
あり、これらは4本のタイロッド117でつながれてい
て、タイロッド117はばね座118,119のガイド
も兼ねている。ばね座118,119間に圧縮ばね60
が1個配置され、かつばね座118と端板115との間
にストロークの小さい油圧シリンダ56が配置されてい
る。ばね座119と端板116とを結ぶ台形ねじ69が
設けられており、この台形ねじ69は外側の油圧モータ
6aにより回転するようになっている。
油圧モータ68の回転量はフェイルセイフコントローラ
により、それぞれのツールの設定力に応じて変化するも
ので、これによって圧縮ばね60の端部の位置が調節可
能となっている。
また、ばね座119の上方に近接スイッチが配置され、
アクチュエータ47に加わる力が100kgf、 50
0kgf、 100100OのときにスイッチがON、
OFFするようになっている。なお、このような近接ス
イッチでなく、磁気スケールのような変位計や他の変位
計を使ってばね座119と端板116との間の距離を測
定できるようにしておき、油圧モータ68と共にサーボ
系を組むことも可能である。
このアキュムレータ48では、油圧を発生させるために
常にモータ68が動いている必要はない。油圧回路を油
が循環しているわけではないので1台形ねじ69及びば
ね座119によりばね60の端部の位置を一度設定すれ
ば、仮りに停電するようなことがあっても、設定値その
ものは変わることなく、常に安全側に働くという特徴を
持っている。何か異常があったときに動作するために、
更に指示を与えるという系では信頼性が非常に落ちてし
まうのに対し、このように−度設定しておいて油圧の回
路内にエネルギーを蓄積しておくという考えが。
フェイルセイフシステムでは最も重要である。
第26図(a)に、実際に製作したフェイルセイフシス
テムのカー変位特性(静的特性)を示す。初めに計画し
た通り、カー変位の曲線は、例えば特性線■、■、■の
ようにそれぞれ一定の不感帯を持った後、それ以上の力
に対して比例関係で変位が生じるという、所期の目的通
りの機能を持っていることがわかる。また、各々の動作
開始の力の設定値f□y f2* f3を油圧モータ6
8の回転角でセットすることにも成功している。
動的特性としては、第26図(b)のような各項目の時
間遅れがあることが判明した。これを通常のマシニング
センタの加工の最中での動作速度と比較す九ば、トラブ
ルが起ってから5am以内の動作距離でこの系が働くよ
うになっていると言える。
なお、アクチュエータ47の実際の設計にあたっては、
±lO■ずつの余裕を取り、動作部分が±5mmで入る
ように設計しである。全体としては5 an +51.
10an+10noで30mのストローク分が取っであ
る。
ここで、システム全体の遅れの他に、動的な特性として
このフェイルセイフシステムを付加したことに伴う全体
の剛性低下が問題となる。これを調べたところ、テーブ
ルの剛性はフェイルセイフシステムのないときは1ミク
ロンメーター1500ニユートンであったものが、フェ
イルセイフシステムを取付けたものでは1ミクロンメー
ター/150ニユートンであることがねかった。これか
ら、アクチュエータと外部での接合部及びアクチュエー
タ内部の接合部での表面状態を工夫すればフェイルセイ
フシステムを採用しても殆ど剛性の低下をきたすことが
ないフェイルセイフシステムを製作可能なことが明らか
となった。これは、工作機械にとって非常に重要な事実
である。
このような特性を持ったマシニングセンタを使って実際
のワークを削った場合、横軸に時間、縦軸に力及び変位
をとると第27図のような特性が得られた。この場合は
エンドミルで横方向に削っていったものである、ある荷
重(f、+Δf)になったときに、フェイルセイフシス
テムが動作し、遅れ時間Δt工で変位が起り始めている
ことがわかる。
ここからは時間と共に変位も力も増大しているが、時刻
T2からΔt、の時間遅れののち、停止信号が発生し1
時刻Tsで機械が全面的に停止し、変位、力とも増加が
止まっている。設定力に達してフェイルセイフ機構が動
作を開始し、全面停止するまでに要する時間は、実際に
製作したマシニングセンタの例では、例えば100m5
であった。これにより、エンドミルは破損することなく
、次の動作に移ることができた。このことから、十分に
フェイルセイフシステムが機能していることが分かった
なお、上述したマシニングセンタでは設定荷重としてl
ookgf、 500kgf、 100100Oという
力を採用した。最小設定荷重を100kgfとしたのは
、シリンダとピストンとの摺動部分にOリングを用いて
いるため、その摩擦抵抗分だけの不感帯が生じるために
設定荷重をあまり小さくできないことによる。
次に、非常に小さな設定荷重が必要になる場合について
考える。慣性力、ヘッドの重さは通常非常に重いためこ
の分が大きく、そのためツールが細くて小さいものであ
る場合には充分な感度でフェイルセイフシステムを働か
せることができない。
このような場合には、次に示す如き小荷重用のフェイル
セイフシステムを用いるのが望ましい。
すなわち、第28図は、図の左右方向(X方向)及び紙
面に対する垂直方向(Y方向)に移動可能なフェイルセ
イフテーブル120と、ツール92の上下動に対してフ
ェイルセイフ機能を持つツールホルダとしてのフェイル
セイフホルダ121とを備えたマシニングセンタを示し
ている。ここで、フェイルセイフテーブル120は、テ
ーブルに外部から作用する力を支持する力作用体として
ばねを用いており、このフェイルセイフテーブル120
とフェイルセイフホルダ121とを組み合わせることに
より、例えば50kgfや20kgf、更には1 kg
fといった小荷重に対するフェイルセイフシステムの実
現が可能になると思われる。
上記フェイルセイフテーブル120の実施例を第29図
及び第30図に示す。第29図の例は、固定された設定
値以上の力に対して動作するものであり。
このフェイルセイフテーブル120は、同図(、a)〜
(d)に示す如くベース部122とサドル部123と作
用子としてのテーブル81とを備え、このテーブル81
とサドル部123間及びサドル部123とベース部12
2間には直線ガイド124.125が設けられていてテ
ーブル81はX方向及びY方向に移動可能である。
更に、第29図(C)に詳示する如く、テーブル81と
サドル部123間には1つのピストン及び2つのシリン
ダを有するアクチュエータ47がそれぞれ配置されてお
り、かかるアクチュエータ47は第7図に示したものと
基本的に同一の構造のものであってその動作原理は第2
9図(e)に示すとおりである。
また、ピストンまたはシリンダが一定変位だけ移動した
ことを検出するために、マイクロスイッチまたは近接ス
イッチ107が取り付けられている。
このアクチュエータ47はX方向またはY方向に沿って
テーブル81に加わる力を圧縮ばね30.31により支
持するものであり、これらの圧縮ばね30゜31を一旦
固定した後は力の設定値すなわち±f0を変えることが
出来ない構造となっている。すなわち、設定値を変えよ
うとしても外側に直線ガイド124.125があって内
側に圧縮ばね30.31があるので、このばね30.3
1の位置を調整するための移動機構を内部に取付けるの
が困難になっている。
この点に鑑みて、設定値を可変としたものが第30図の
例である。
この例は、テーブル81、サドル部123.ベース部1
24の間に直線ガイド124.125を内側に配置し、
外側に2シリンダ1ピストン構造のアクチュエータ47
をそれぞれ図示のように4箇所に配置して構成される。
ここでばばね30.31を、発明者が先に出願した特願
昭62−203929号にかかる多段の多層ばねにして
あり、圧縮側で使うものと引張側で使うものとを構造的
には同一であるが機能的に別になるように作られている
。このようにすると、ばね30.31のもともとの圧縮
位置を、第30図(d)に示すねじ126.127によ
って外側から変えることができるため、力の設定値を任
意に調節することが可能となる。なお、ねじ126.1
27に代えてサーボモータや油圧を用いてばね30.3
1の設定位置を変えるようにフェイルセイフコントロー
ラの中にこの機能を作り込むこともできる。
また、外部から加わる力を支持する力作用体としては、
ばねだけでなく油圧回路または空圧回路とアキュムレー
タとの組み合わせであってもよい。
第31図はこのうち油圧回路を用いた他の実施例のアク
チュエータ47を示しており、同図(a)は1ピストン
2シリンダ、同図(b)は2ピストン1シリンダを有す
る構造である。なお、動作は省略するが、これらの図に
おいて133.134.138はシリンダ、135.1
36.137はピストンをそれぞれ示している。
次いで、第32図は、第28図に示したフェイルセイフ
ホルダ121の実施例である。このフェイルセイフホル
ダ121において、上下方向に設定値以上の力が加わる
とピストン128が押され、ホルダ91に対して相対的
に中に入り込む、そうすると、これらによって構成され
るアクチュエータ47で退避動作が行なわれると同時に
、マイクロスイッチ130がON、OFFする。これに
より、ホルダ91の周囲に巻かれているコイル131の
インダクタンスが変化し、更に外側の検出コイル132
からインダクタンスの変化が検出される。この信号はフ
ェイルセイフコントローラを通じてNG工作機械に送ら
れ、運転停止等の処置が採られることになる。
なお、ピストン128の変位検出は、光電式の近接スイ
ッチやホール素子を用いた磁気スイッチであってもよい
、また、回転するホルダ91から静止系゛への信号伝送
の方式は、上述の電磁結合によるもののほか、FM送信
によるもの、光によるもの等であってもよい。
このよ・うなフェイルセイフホルダ121と前記フェイ
ルセイフテーブル120との組み合わせを前述のマシニ
ングセンタに取付ければ、大荷重から小荷重まで広範囲
の荷重全てに対応可能なフェイルセイフシステム付きの
工作機械を実現することができるものである。
なお、以上の説明では、マシニングセンタ等の工作機械
に適用することを前提として本発明にかかるフェイルセ
イフシステムやアクチュエータ及びアキュムレータ等を
説明したが、このフェイルセイフシステムはマシニング
センタに限らず各種の工作機械に適用可能である1例え
ば、旋盤の刃物台や刃物台の送り機構にこれを取付けた
り、送り機構を持っている各種の工作機械に組み込むこ
とも可能である。更に、工作機械に限らず、生産加ニジ
ステムを構成する工作機械とロボットとの間に適用する
ことができる0例えば、ロボットのハンドの部分にこの
フェイルセイフシステムを取付けたり、逆にロボットは
従前どおりとしておいてワークを固定しているテーブル
側に取付けてもよい。
(発明の効果) 以上詳述したように本発明にかかるフェイルセイフシス
テムによれば、各種の生産加ニジステムを構成する部材
に外部から設定値以上の力が加わった場合、これを検出
して所定の退避動作をとらせることによって当該部材や
他の構成部材の破損。
前記生産加ニジステム全体の故障等を確実に防止するこ
とができる。特に、このフェイルセイフシステムを工作
機械やそのテーブル、ツールホルダ等に組み込んだ場合
には、最終的に機械の運転を停止させることによって安
全性を大幅に高めることが可能である。
更に、フェイルセイフシステムを構成するアクチュエー
タやアキュムレータの構造は極めて簡単なものであるか
ら、低コストにて提供することができると共に、このフ
ェイルセイフシステムを既存の工作機械等、各種の機械
や設備に組み込むことも容易であって汎用性に優れてい
る等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明にかがるフェイルセイフシステムのカー
変位特性図、第2図はフェイルセイフシステムの第1実
施例の構成図、第3図はその動作説明図、第4図は第2
実施例の構成図、第5図は第3実施例の構成図、第6図
はその動作説明図、第7図、第8図、第9図は第4実施
例、第5実施例、第6実施例の構成図、第10図は第7
実施例の構成図、第11図は第7実施例におけるアキュ
ムレータの他の構成例を示す図、第12図は第7実施例
の動作説明図、第13図は同じくアキュムレータの構成
図、第14図はその変形例の説明図、第15図は第8実
施例の構成図、第16図はそのカー変位特性図、第17
図は第9実施例の構成図、第18図は力作用体に電磁石
を含む実施例の構成図、第19図はフェイルセイフシス
テムを工作機械のテーブルに適用した場合の構成図、第
20図はフェイルセイフシステムをNG工作機械に適用
した場合のシステム全体の構成図、第21図は本発明に
かかる工作機械(マシニングセンタ)の一実施例を示す
構成図、第22図はそのアクチュエータの構成図、第2
3図はフェイルセイフ動作開始信号を得るための構成を
示す図、第24図は油圧によるアクチュエータの一実施
例を示す構成図、第25図は同じくアキュムレータの一
実施例を示す構成図、第26図は試作したフェイルセイ
フシステムのカー変位特性及び動特性図、第27図は同
じくエンドミルにおける力及び変位の動特性図、第28
図は小荷重用フェイルセイフシステムの適用例を示す図
、第29図及び第30図はフェイルセイフテーブルの実
施例を示す構成図、第31図は同じく他の実施例を法す
構成図、第32図はフェイルセイフホルダの実施例を示
す構成図、第33図は物を加工する場合の力の方向と正
逆の向きを説明する図、第34図、第36図は従来例を
示す構成図、第35図はそのカー変位特性図、第37図
、第38図は他の従来例を示す構成図である。 1.13,14,24,25,37,40,49,56
,78,79,98,99,103゜104.133,
134,138  ・・・・・・・・・・・・・・・・
・・シリンダ5.6.21,32,51,52,57,
80,97,102,135,136,137・・・・
・・・・・・・・・・・・・・ピストン9、to、11
,12,19,20,30,31,35,36,43,
44.60・・・・・・・・・・・・・・・・・・ばね
47・・・・・・アクチュエータ 48・・・・・・アキュムレータ     62・・・
・・・油120・・・・・・フェイルセイフテーブル1
21・・・・・・フェイルセイフホルダ151.152
・・・・・・電磁石

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1)移動する作用子から設定値以上の力が加わった際
    に前記力の方向に沿って移動する移動子と、この移動子
    の初期位置を設定するストッパーと、前記移動子を支持
    して予め設定された一定の力を前記移動子に作用させる
    力作用体とを備え、前記移動子が一定の変位だけ移動し
    たことを検出して前記作用子の移動を停止させることを
    特徴とするフェイルセイフシステム。 (2)作用子から移動子に加わる力が正逆両方向である
    請求項(1)記載のフェイルセイフシステム。 (3)力作用体がばねである請求項(1)または(2)
    記載のフェイルセイフシステム。(4)力作用体が、移
    動子の移動によって発生する力を伝達する液体と、この
    液体を介して伝達された力によるエネルギーを蓄積する
    アキュムレータとからなる請求項(1)または(2)記
    載のフェイルセイフシステム。 (5)液体が油である請求項(4)記載のフェイルセイ
    フシステム。 (6)力作用体が、移動子の移動によって発生する力を
    伝達する気体と、この気体を介して伝達された力による
    エネルギーを蓄積するアキュムレータとからなる請求項
    (1)または(2)記載のフェイルセイフシステム。 (7)気体が空気である請求項(6)記載のフェイルセ
    イフシステム。 (8)力作用体が、移動子を磁気的に吸引する磁石と弾
    性体とからなる請求項(1)または(2)記載のフェイ
    ルセイフシステム。 (9)力作用体が、磁石のみからなる請求項(1)また
    は(2)記載のフェイルセイフシステム。 (10)作用子から加わる力により移動子が移動する際
    の力の設定値を可変とした請求項(1)、(2)、(3
    )、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)または(
    9)記載のフェイルセイフシステム。 (11)移動する作用子から設定値以上の力が加わった
    際に前記力の方向に沿って移動する移動子と、この移動
    子の初期位置を設定するストッパーとを少なくとも備え
    、前記移動子を力作用体により支持して予め設定された
    一定の力を前記移動子に作用させることを特徴とするア
    クチュエータ。 (12)作用子から移動子に加わる力が正逆両方向であ
    る請求項(11)記載のアクチュエータ。 (13)力作用体がばねである請求項(11)または(
    12)記載のアクチュエータ。 (14)力作用体が、移動子の移動によって発生する力
    を伝達する液体と、この液体を介して伝達された力によ
    るエネルギーを蓄積するアキュムレータとからなる請求
    項(11)または(12)記載のアクチュエータ。 (15)液体が油である請求項(14)記載のアクチュ
    エータ。 (16)力作用体が、移動子の移動によって発生する力
    を伝達する気体と、この気体を介して伝達された力によ
    るエネルギーを蓄積するアキュムレータとからなる請求
    項(11)または(12)記載のアクチュエータ。 (17)気体が空気である請求項(16)記載のアクチ
    ュエータ。 (18)作用子から加わる力により移動子が移動する際
    の力の設定値を可変とした請求項(11)、(12)、
    (13)、(14)、(15)、(16)または(17
    )記載のアクチュエータ。 (19)移動する作用子から設定値以上の力が加わった
    際に前記力の方向に沿って移動する移動子とこの移動子
    の初期位置を設定するストッパーとを少なくとも備え、
    前記移動子を力作用体としての液圧回路または気圧回路
    により支持して予め設定された一定の力を前記移動子に
    作用させてなるアクチュエータに連結され、 前記液圧回路または気圧回路を介して伝達された力によ
    るエネルギーを弾性体に蓄積することを特徴とするアキ
    ュムレータ。 (20)液圧回路が油圧回路である請求項(19)記載
    のアキュムレータ。 (21)気圧回路が空気圧回路である請求項(19)記
    載のアキュムレータ。 (22)弾性体により、液圧回路または気圧回路を介し
    て移動子に加わる力を可変とした請求項(19)、(2
    0)または(21)記載のアキュムレータ。 (23)弾性体がばねである請求項(19)、(20)
    、(21)または(22)記載のアキュムレータ。 (24)運転時に、移動する作用子から設定値以上の力
    が加わった際に前記力の方向に沿って移動する移動子と
    、この移動子の初期位置を設定するストッパーとを少な
    くとも備え、かつ前記移動子を力作用体としての液圧回
    路または気圧回路により支持して予め設定された一定の
    力を前記移動子に作用させるアクチュエータと、 前記液圧回路または気圧回路を介して伝達された力によ
    るエネルギーを弾性体に蓄積するアキュムレータとを備
    え、 前記移動子が一定の変位だけ移動したことを検出して自
    己の運転を停止することを特徴とする工作機械。 (25)作用子から加わる力により移動子が移動する際
    の力の設定値を、ツールの種類及び/または加工の種類
    に応じて可変とした請求項(24)記載の工作機械。 (26)移動するテーブルから設定値以上の力が加わっ
    た際に前記力の方向に沿って移動する移動子と、この移
    動子の初期位置を設定するストッパーとを少なくとも備
    え、前記移動子を力作用体により支持して予め設定され
    た一定の力を前記移動子に作用させると共に、前記移動
    子が一定の変位だけ移動したことを検出してテーブルの
    移動を停止させることを特徴とするフェイルセイフテー
    ブル。 (27)テーブルから移動子に加わる力が正逆両方向で
    ある請求項(26)記載のフェイルセイフテーブル。 (28)力作用体がばねである請求項(26)または(
    27)記載のフェイルセイフテーブル。 (29)力作用体が、移動子の移動によって発生する力
    を伝達する液体と、この液体を介して伝達された力によ
    るエネルギーを蓄積するアキュムレータとからなる請求
    項(26)または(27)記載のフェイルセイフテーブ
    ル。 (30)液体が油である請求項(29)記載のフェイル
    セイフテーブル。 (31)力作用体が、移動子の移動によって発生する力
    を伝達する気体と、この気体を介して伝達された力によ
    るエネルギーを蓄積するアキュムレータとからなる請求
    項(26)または(27)記載のフェイルセイフテーブ
    ル。 (32)気体が空気である請求項(31)記載のフェイ
    ルセイフテーブル。 (33)テーブルから加わる力により移動子が移動する
    際の力の設定値を可変とした請求項(26)、(27)
    、(28)、(29)、(30)、(31)または(3
    2)記載のフェイルセイフテーブル。 (34)移動するツールから設定値以上の力が加わった
    際に前記力の方向に沿って移動する、移動子と、この移
    動子の初期位置を設定するストッパーと、前記移動子を
    支持して予め設定された一定の力を前記移動子に作用さ
    せる力作用体とを備え、前記移動子が一定の変位だけ移
    動したことを検出して前記ツールの移動を停止させるこ
    とを特徴とするフェイルセイフホルダ。
JP20605488A 1988-08-19 1988-08-19 フェイルセイフシステム及び該システムに用いられるアクチュエータ,アキュムレータ及び該システムを用いた工作機械,フェイルセイフテーブル並びにフェイルセイフホルダ Pending JPH0257795A (ja)

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