JPH0257769B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、α−シアノアクリレートを主成分と
する接着剤等を小量だけ密封することのできる容
器の製造方法に関する。

発明の背景 従来、瞬間接着剤と通称されているα−シアノ
アクリレートを主成分とする接着剤は、揮発性を
有するとともに空気中の水分で変質することを考
慮して堅牢な樹脂性容器に収容されており、容器
自体２ｇ〜10ｇ入りのものが通常用いられてい
る。

しかしながら、この種の接着剤は１回の使用量
が0.1〜0.2ｇ程度であることが多く、２，３回使
用すれば容器のノズル部分で硬化したり、揮発あ
るいは変質してしまい、以後使用不能となる欠点
を有している。即ち、従来の容器に収容された接
着剤では無駄が多く不経済であるし、一度ノズル
を開けた容器では再使用不能のおそれが大きいた
め、緊急用に絶えず新品を用意しておけねばなら
ない不具合を有している。

発明の目的 そこで、本発明の目的は、0.1〜0.3ｇ程度の１
回の使用に適した量の接着剤等を密封状態で収容
することができ、内容物を経済的に使うことがで
きて、携帯に便利な小容量密封性容器の製造方法
を提供することにある。

発明の要旨 以上の目的を達成するため、本発明に係る製造
方法は、熱可塑性樹脂の表面に気密性薄膜を設け
たフイルムを、熱可塑性樹脂が対向するように、
かつ小径棒状体を介在させて重ね合せ、上記熱可
塑性樹脂を加熱溶融・冷却したのち上記小径棒状
体を離脱させることを特徴とする。

実施例 第１図、第２図、第３図は本発明に係る製造方
法の第１実施例を説明するためのもので、フイル
ムＡとしては、ポリオレフイン１にポリエステル
２を重ね合せ、ポリエステル２上にアルミニウム
を蒸着又はラミネートして気密性薄膜３を形成し
たものが使用される。

上記フイルムＡはポリオレフイン１が対向する
ように二つ折りにし、その間に小径棒状体４を介
在させ、小径棒状体４の両側を図示しない加熱手
段にて連続的に加熱していく。このとき、ポリオ
レフイン１、ポリエステル２が溶融して上下のも
のが接着する。そして、冷却したのち上記小径棒
状体４を引き抜けば、小径棒状体４の直径に対応
した内径を有する長尺の空室５が形成される。

加熱工程は加熱手段、小径棒状体４を固定し、
フイルムＡを長手方向に移動させて行なうが、こ
れに限定するものではなく、同時に小径棒状体４
を移動させてもよい。

接着剤等の収容物は上述のように製造された容
器の筒状空室５に充填され、適宜間隔で加熱溶融
して小室に区切ることにより、0.1〜0.2ｇの小量
に区分されて収容され、表面のアルミニウム薄膜
３にて気密に封入される。このとき、小室の区切
り寸法を異ならしめれば、収容量の異なる小室が
連続して形成される。

販売の形態としては、上記小室を10個程度連な
つた形状で行なつてもよいし、小室ごとに切断し
て台紙に並設した形状で行なつてもよい。いずれ
の形状にあつても使用者はハサミ、ナイフ等で小
室を開封し、小量ごと使い切ることとなる。ま
た、区切り部分にミシン目を入れておけば、小室
を分離（特に使用後）しやすくなる。

第４図、第５図は第２の実施例を示し、上記第
１実施例と同様のフイルムＡをポリオレフインが
対向するように二つ折りにし、その間に、支軸６
に櫛歯状に取付けた小径棒状体４を介在させ、小
径棒状体４の周囲を図示しない加熱手段にて加熱
溶融する。冷却後上記小径棒状体４を引き抜け
ば、小径棒状体４に対応した内径を有する空室５
が並設される。

空室５は0.1〜0.2ｇ程度の収容量を有し、接着
剤等の収容物は各空室５に充填され、その後開口
端部を加熱溶融させて塞ぐことにより密封され
る。販売の形態、使用の方法は上記第１実施例に
よるものと同様である。なお、異なつた収容量を
持つ空室５を形成するには、開口端部を塞ぐ位置
を適宜に選択すればよい。従つて、空室５が連つ
た一連の容器で、例えば５個の空室には0.1ｇ、
これに並ぶ５個の空室には0.2ｇ、他の空室には
0.3ｇの接着剤を密封することができる。

なお、本発明に係る製造方法は上記各実施例に
限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々
に変更することができる。例えば、フイルムＡの
材質としてはポリオレフイン１以外に適宜熱可塑
性樹脂を使用でき、ポリエステル２も表面に気密
性薄膜３を形成可能な材料であればよい。さら
に、収容物も上記瞬間接着剤に限らず、エポキシ
系、ゴム系、溶剤系等の接着剤あるいは接着剤以
外の密封を必要とする液状組成物を収容すること
ができる。

発明の効果 以上の説明で明らかなように、本発明によれ
ば、多数の小径小容量空室を簡単な工程により得
ることができ、これに接着剤等を収容すれば、携
帯に便利であるし、内容物を小量ずつ経済的に使
用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本発明に係る製造方法の
第１実施例を説明するためのもので、第１図は中
間工程の斜視図、第２図はフイルムの断面図、第
３図は容器の断面図である。第４図、第５図は第
２実施例を示し、第４図は中間工程の斜視図、第
５図は容器の斜視図である。 Ａ……フイルム、１……ポリオレフイン、２…
…ポリエステル、３……気密性薄膜（アルミニウ
ム蒸着膜）、４……小径棒状体、５……空室。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 熱可塑性樹脂の表面に気密性薄膜を設けたフ
   イルムを、熱可塑性樹脂が対向するように、かつ
   小径棒状体を介在させて重ね合せ、上記熱可塑性
   樹脂を加熱溶融・冷却したのち上記小径棒状体を
   離脱させることを特徴とする小容量密封性容器の
   製造方法。 ２ 上記小径棒状体が一本の長尺材からなり、上
   記フイルムと加熱手段、小径棒状体のいずれかを
   移動させて上記熱可塑性樹脂を加熱溶融すること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項記載の製造方
   法。 ３ 上記小径棒状体が櫛歯状をなし、上記熱可塑
   性樹脂を加熱溶融・冷却したのち櫛歯状小径棒状
   体を引き抜くことを特徴とする特許請求の範囲第
   １項記載の製造方法。 ４ 上記フイルムとして、ポリオレフインにポリ
   エステルを重ね合せ、ポリエステル上にアルミニ
   ウムを蒸着又はラミネートしたものを使用するこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項、第２項又
   は第３項記載の製造方法。