JPH0256279A - 合成樹脂成形品の塗装方法 - Google Patents

合成樹脂成形品の塗装方法

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JPH0256279A
JPH0256279A JP20465088A JP20465088A JPH0256279A JP H0256279 A JPH0256279 A JP H0256279A JP 20465088 A JP20465088 A JP 20465088A JP 20465088 A JP20465088 A JP 20465088A JP H0256279 A JPH0256279 A JP H0256279A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、合成樹脂成形品、特に自動車用ポリウレタン
樹脂から成る成形品の塗装方法に関する。
(従来の技術) 近年の自動車には、軽量化、高性能化等を図る目的で合
成樹脂材料から成る部品が多用されており、第8図に示
すようなフロントバンパ1及びリャバンパ2もその−っ
て゛ある。当該バンパ1,2は、主に変性ポリプロピレ
ン(エチレンプロピレンゴムにて変性されたポリプロピ
レン。以下、変性PPという)や、ポリウレタンく以下
、PUという)から成り、更に自動車の外観性向上のた
め、外板色に塗装されることが少なくない。
このようなPUi@脂成形品の成形は、通常射出成形法
によって行なわれ、予めバンパ1,2の外形形状に対応
した内形形状を有する上型及び下をに、スプレー塗装等
により離型剤を塗布し、前記上下型を型締めした状態で
、所定の温度に溶融したPU樹脂を前記上型と下型との
間に形成されたキャビティ内に所定の圧力で射出する。
この後、一定時間射出樹脂を冷却硬化させ、両型を開い
てワークを取出すようにしている。しかし、車体の外板
などに使用されるバンパ1,2にあっては、成形時のボ
イド(void)と呼ばれる気孔が発生すると見栄えの
点で好ましくない。また、成形の生産性を向上させる上
で、離型剤の塗布工程も隘路となっている。
そこで、金型に射出される溶融樹脂内に、その主成分で
あるPU樹脂の架橋反応を適度の反応速度にて促進させ
、成形時に発生ずるボイドを抑制するための高活性架橋
剤や、溶融樹脂自体に金型との型離れを向上させる離を
剤(内部添加型離型剤、Inner Ho1d Re1
ease、以下IMR,という)を混入し、成形品質と
生産性の向上を図る技術が開発されている。
前記PU樹脂に混入して好適な高活性架橋剤としては、
ジエチルトルエンジアミン(Diethl/I T。
uene l)iamine 、以下DETDAという
)が挙げられ、このDETDAは、3.5−ジエチルl
ヘルエン2,4−ジアミンが約80%、3.5−ジエチ
ルトルエン2.6−ジアミンか約20%共存した添加剤
であって、ポリオールとの溶解性に優れているのが特徴
である。
一方、前記IMRとして使用して好適な材料は、金属石
@類、例えばステアリン酸亜鈴等である。
このIMRは、PUil脂内部にあって滑剤として作用
し、型開きの際の型離れに優れているという特徴を備え
ている。
また、このように成形し7たPU樹脂の成形品を塗装す
る場合には、従来第9図に示すような塗装工程によって
行なわれる。つまり、PU樹樹脂−形成されたボイドを
プライマ塗装前に予め除去する乾燥工程3と、ワークの
表面に析出しなIMRや、ワーク表面に付着した塵埃等
を清浄にする洗浄工程4と、後述する上塗り塗料とワー
クとの密着性や、上塗り塗料の通電性を確保するなめに
塗布されるプライマ塗装工程5と、当該プライマ塗料の
乾燥工程6と、所定の色彩に調合さhf、2上塗り塗料
をワーク表面に塗布する上塗り塗装工程7と、当該上塗
り塗料の乾燥工程8とから構成されている。前記洗浄工
程4においては、pH=2゜4、水温=60°Cの水系
溶液を用いて吐出圧か3kg/co?、吐出量が4〜1
0g/分・ノズルの条件でワークの洗浄が行なわれる。
また、前記プライマ塗料としては、ポリエステルメラミ
ン樹脂を基材とした塗料が使用され、その後の乾燥工程
6にて80℃×20分保持の条件で加熱されることによ
り、熱硬化して下塗り塗膜を形成する。このプライマ塗
料中には、樹脂の体積固有抵抗値を低−ドさせるための
導電性炭素等が混入される場合もあり、これによって前
記上塗り塗装工程7において静電塗装が可能となる。尚
、前記上塗り塗料の乾燥工程8の乾燥条件は120°C
×30分保持である。
(発明が解決しようとする課題) 前述したプライマ塗料は、ポリエステルメラミン樹脂を
基材としており、その硬化反応の主反応であるエーテル
化反応は、酸性雰囲気下では進行するが、アルカリ性雰
囲気下では抑制されるという性質を備えている。
ところが、このような従来の塗装方法にあっては、高活
性架橋剤をPU樹樹脂−混入した場合、及び離型剤をP
U樹樹脂−混入した場合の何れの場合にあってもプライ
マ塗膜不良が生じるという問題点がある。
すなわち、前者の場合には、この芳香族アミンであるD
ETDAが、未反応の状態で当該PU樹脂中に残留する
と、プライマ乾燥工程において当該pu樹脂表面がアル
カリ性雰囲気となり、前記プライマ塗料の硬化反応の進
行を妨げ、結果的にプライマ塗膜の硬化不良を引き起す
ことになる。
これによって、ワーク表面とプライマ塗膜との密着性が
低下し、塗膜側がれが生じるというプライマ塗膜の不良
が生じる。
一方、後者の場合には、ワーク表面に離型剤が析出した
状態でプライマ塗料を塗布すると、プライマの濡れ不良
か発生するというプライマ塗膜の不良である。そして、
この析出しな離型剤を完全に除去するという処理には、
前述したように3kg/d程度の高いシャワー圧が必要
となり、洗浄工程の設備が大型化し、スペース的にも、
またコスト的にも不利となる。
本発明は、上述した従来技術に内在するプライマ塗膜不
良という問題点に鑑みてなされたもので、PU樹樹脂−
高活性架橋剤を混入した成形品の塗装において、プライ
マ塗膜不良が生じない塗装方法を得ることを第1の目的
とする。また、本発明は、PU樹脂中に離型剤を混入し
た成形品の塗装において、プライマ塗膜不良が生じない
塗装方法を得ることを第2の目的とする。
(課題を解決するためのf段) 上記第1の目的を達成するための本発明は、高活性架橋
剤を混入したポリウレタン樹脂を成形加工した成形品を
、加熱後洗浄し、ポリウレタンを含有するラッカー塗料
を塗布し、次いで上塗り塗料を塗布した後乾燥させて成
る合成樹脂成形品の塗装方法である。
また、上記第2の目的を達成するための本発明は、離型
剤を混入したポリウレタン樹脂を成形加工した成形品を
加熱後、塩素系溶剤にて洗浄した後乾燥し、この後プラ
イマ塗料を塗布して乾燥し、次いで上塗り塗料を塗布し
た後乾燥させて成る合成樹脂成形品の塗装方法である。
(作用) このように構成した第1の発明にあっては、高活性架橋
剤を混入した合成樹脂を成形加工し、成形後乾燥工程に
おいて加熱すると、樹脂中に残存したボイドが除去され
ることになる。そして、この上からポリウレタンを含有
するラッカー塗料をド塗り塗料として塗布すると、当該
塗料は、ワークである合成樹脂内に混入し未反応の状態
で残存した高活性架橋剤とは何等反応することなく、好
適に硬化することになり、プライマ塗膜不良が生じない
好適な塗装を行なうことができる。
また、第2の発明にあっては、離型剤を混入した合成樹
脂を成形加工し、成形後乾燥工程において加熱すると、
樹脂中に残存したボイドが除去されると共に、前記樹脂
内に残留した未反応の離型剤がワーク表面に析出するこ
とになる。この析出しな離型剤を塩素系溶剤を使用した
洗浄工程において除去し、所定の温度にて乾燥した後に
、この上からプライマ塗料を塗布し、更に上塗り塗料を
塗布し乾燥することにより、プライマ塗膜不良が生じな
い好適な塗装を行なうことができる。
(実施例) 以下、第1の発明に係る塗装方法及び第2の発明に係る
塗装方法の一実施例を、図面を参照して説明する。
第1図は、本発明の一実施例に係る合成樹脂成形品の塗
装方法を示す工程図である。
また、第2図は、第1図に示す成形後乾燥工程の乾燥条
件の適否を裏付ける実験データであり、PU樹脂成形後
のボイドの発生状況を観察した実験結果を示す評価表で
ある。本実験は、DETDAを架橋剤として使用したP
UWI脂と、従来のようにエチレングリコール(EG)
を架橋剤として使用したPU樹脂とを同条件で実験及び
評価し比較したものであり、成形直後の成形品を各条件
で処理した後、約80℃に加熱したグリセリン中に前記
各サンプルを5分間浸漬し、これを取出してその表面状
態を目視にて観察したものである。また、評価結果は、
○が表面状態良好、×が表面状態不良にて示している。
第3〜6図は、第2の発明の実施例に係る塗装方法にお
いて設定した洗浄乾燥工程の乾燥条件を裏付ける実験デ
ータであり、第3図は、本実施例のPU樹脂をトリクロ
ロエタンにて洗浄した場合に樹脂表面に含浸するトリク
ロロエタンの含浸量が、その後の乾燥工程の乾燥時間に
よって変化する様子を測定した実験結果を示すグラフで
あり、乾燥温度を室温(約20℃)放置にした場合と8
0℃の場合とを測定したものであり、更に従来のEGを
架橋剤として使用したPU樹脂の場合を比較例として示
している。
また、第4図は、本実施例のPU樹脂をトリクロロエタ
ンによって洗浄した後に120°Cで加熱して乾燥させ
た場合に樹脂表面に再析出する内部添加型離型剤の量と
加熱時間との関係を測定した実験結果を示すグラフであ
る。
更に、第5図は、本実施例のPU樹脂を成形後120℃
×60分の条件で乾燥し、その後トリクロロエタンにて
2分間蒸気洗浄を行なった後の乾燥工程における乾燥温
度(乾燥時間は15分〉と樹脂表面の表面張力との関係
を測定した実験結果を示すグラフである。
更にまた、第6図は、プライマ乾燥装置及び上塗り乾燥
装置が、いわゆる直接炉タイプである場合における洗浄
工程後の乾燥条件を測定した実験結果を示すグラフであ
り、乾燥温度と乾燥時間との関係によって当該乾燥条件
の成立範囲を図示している。
第7図は、第1の発明の実施例に係る塗装方法において
、第1図に示すプライマ塗装工程にて使用するプライマ
塗料の塗料組成を示す組成表である。
本実施例の塗装工程は、第1図に示すように、成形後乾
燥工程11、洗浄工程12、洗浄乾燥工程13、プライ
マ塗装工程14、プライマ乾燥工程15、上塗り塗装工
程16、上塗り乾燥工程17から構成されており、当該
塗装工程前の樹脂成形工程10と共に、以下各工程を説
明する。
樹脂成形工程10 まず、樹脂成形工程10において、高活性架橋剤である
DETDAと、内部添加型離型剤であるステアリン酸亜
鉛等のIMRとを含有したPU樹脂を、射出成形によっ
て所定の形状に成形加工する。前記DETDAによって
PU樹脂の反応は適度に促進され、ボイドの発生が極端
に減少することになる。また、前記ステアリン酸亜鉛は
、PU樹脂内にあって当該樹脂自体の滑剤として作用す
るため、射出成形後のワーク取出しの際に、当該ワーク
の型に対する型離れが向上し、型締め前の離型剤の塗布
作業を省略することが可能となる利点がある。
腹腔後堅燥工韮土よ このように成形しなPU樹脂成形品を、所定の温度を保
持しつつ所定の時間加熱する(成形後乾燥工程11)。
この処理11は、ワーク内に残存した気泡を除去するた
めに行なわれ、その成形後乾燥工程11の条件としては
、第2図に示す実験結果より、約20°Cの状態で約2
時間放置成るいは、約20°Cの状態で約2時間放置し
たあと約120℃の状態で約15分以上乾燥するのが好
ましい。ここで、本発明における当該乾燥条件は、特に
前記値に限定されるものではなく、PU樹脂内の気泡が
好適に除去し得れば良い。
このように、DETDAを架橋剤として使用した場合は
、当該第2図に示す実験結果からも明らかなように、従
来架橋剤として使用していたエチレングリコール(以下
、EGという)の場合と比較して高い乾燥処理が必要で
あるということがわかる。
透止工丘ユノ 次に、前記成形後乾燥工程11を施した成形品の表面に
は、成形時の塵埃や、前記成形後乾燥工程11の処理に
よって析出したステアリン酸亜鉛等が付着しており、こ
れらを清浄に除去するためにトリクロロエタン等の塩素
系溶剤によって洗浄が行なわれる(洗浄工程12)。こ
れにより、従来高圧シャワーを必要とした離型剤の除去
も、このトリクロロエタンが容易にステアリン酸亜鉛を
溶解するため、設備を大型化することなく、しかも適確
に離型剤の除去を行なうことができる。
このトリクロロエタンによる洗浄は、当該溶剤を蒸気状
態にして洗浄する蒸気洗浄成るいは、液体の状態でのシ
ャワー洗浄又は、この両方法を併合した工程の何れでも
良い。しかし、前記蒸気洗浄による洗浄処理時間は自動
車用バンパーの場合、約1〜2分間で良く、生産性を大
幅に向上させることができるという利点かある。但し、
この洗浄工程において注意を要することは、前記トリク
ロロエタンによる処理時間か長時間過ぎても好ましくな
いということである。これは、後工程であるプライマ乾
燥工程15及び上塗り乾燥工程17の乾燥装置の種類に
よって、[ガスチェツキングJと呼ばれる塗装不具合か
発生するという理由からであるが、これについては後述
する。
汲潅迄旅工丘↓ユ 前記洗浄工程12を終了した成形品は、表面に付着成る
いは表面に含浸したトリクロロエタンを除去するために
洗浄乾燥工程13に送られる。これは、第3図に示す測
定結果からも明らかなように、DETDA及びIMRを
混入したpu樹脂成形品にあっては、従来使用していた
EGを混入したPU樹脂に比較してトリクロロエタンの
含浸景が多くなっているからであり、例えば、従来のE
G系PU樹脂を室温(約20℃)で15分放置したもの
は、本実施例にて使用しなりETE)A系PU4M脂を
室温で48時間成るいは80℃の状態で1−5分加熱し
たものとトリクロロエタンの含浸量が同等となっている
(第3図の状態E参照)。そして、このトリクロロエタ
ンは、後工程のプライマ塗装工程14や上塗り塗装工程
16においてガスチェツキングという塗装不具合の原因
となるため、当該洗浄乾燥工程13においてほぼ完全に
除去しなければならないのである。
この乾燥条件は、約80℃の状態で約1−5分の加熱が
好ましい力秋室温(約20℃)で約48時間以上放置し
て乾燥させることも可能である。また、当該乾燥工程1
3を省略することもできるが、この場合Gこけ、後述す
るプライマ乾燥装置(プライマ乾燥工程15)及び上塗
り乾燥装置(上塗り乾燥工程17)が、いわゆる間接炉
(熱源であるバーナーからの炎が、炉内に露呈せず、遮
蔽板等を介して輻射熱によってワークを加熱する方式の
乾燥装置)である必要がある。というのも、当該洗浄乾
燥工程13の目的は、ガスチェツキングという塗装不具
合を防止するためのものであり、このガスチェツキング
という塗装不具合は、前記洗浄12によってワーク表面
に含浸したトリクロロエタンが、プライマ乾燥装置酸る
いは上塗り乾燥装置内で高温で加熱されると、熱分解を
引き起し、塩酸ガスを発生し、そしてこの塩酸ガスが、
上塗り塗料の硬化反応であるメラミン反応に寄与して上
塗り塗膜表面に付着することにより生しるのである。従
って、プライマ乾燥装置及び上塗り乾燥装置の何れか一
方が直接炉である場合には、塗装品質の面から当該洗浄
乾燥工程13を省略することは好ましくない。
尚、本実施例においては、プライマ乾燥装置及び上塗り
乾燥装置を、直接炉により構成することとし、以下この
洗浄乾燥工程の乾燥条件を第4〜6図を参照しつつ説明
する。
まず、第6図に示す範囲Aは、ワークであるPU樹脂の
耐熱性が劣る温度範囲であり、この130℃以上にワー
クを加熱すると変形等の不具合を生じることになり、乾
燥条件としては不適当な範囲である。
また、同図の範囲Bは、高温加熱によってワーク表面の
表面張力が低下し、プライマ塗料の濡れ不良が発生する
範囲であって、この範囲も当該洗浄乾燥工程13の乾燥
条件として不適当である。
更に詳細に説明すれば、この離型剤であるステアリン酸
亜鉛の当該洗浄乾燥工程13における析出量は、第4図
の実験結果に示すように、当該乾燥工程13における乾
燥処理温度及び時間と相関があり、更に第5図に示す実
験結果によれば、−変成形後乾燥工程11にて120℃
×60分間加熱したPU樹脂を、その表面に析出したス
テアリン酸亜鉛を除去した後、再び高温で加熱すると再
度ステアリン酸亜鉛がPU樹脂表面に析出し表面張力を
低下させることになる。そして、後工程にて塗布するプ
ライマ塗料に対して影響を及ぼさない表面張力の値は、
25dyn/−以上であり、これ以下の値になった場合
には、プライマ塗料の濡れ不良(いわゆるハジキ等)の
原因となる。従って、当該洗浄乾燥工程13の乾燥条件
は、第5図に示す実験結果からも明らかなように、80
°Cの状態で15分間加熱するのが表面張力の低下防止
に対しては効果的であり、また、洗浄液による洗浄後の
乾燥は、生産性を考慮すれば洗浄乾燥工程13を設けた
方が有利であり、この洗浄乾燥工程13の条件としては
、前記80°Cの状態で15分の加熱が最も好ましい。
更に、第6図に示す範囲C及びDは、前記成形後乾燥工
程11の条件がそれぞれ120°C×30分保持、12
0℃×15分保持の場合に当該洗浄後にもボイド不良が
発生する領域であり、当該洗浄乾燥工程13の乾燥条件
には不適当な範囲を示している。
従って、これらの塗装に対する不良範囲A、 BC,D
を除いた部分、つまり範囲Fが当該洗浄乾燥工程13の
乾燥条件として好適な部分であると言える。
プライマ塗装工程14 前述したような各種処理を施したワーク表面全面にプラ
イマ塗料を塗布する(プライマ塗装工程14)。この塗
装方法としては、エアースプレー塗装や静電塗装等の方
法が好ましく、また産業用ロボット等により無人化を図
ることも充分可能である。ワークの搬送装置としては、
チェーンコンベアに固定されたハンガに当該ワークを固
定搭載して各工程を搬送すれば良く、前述の成形後乾燥
工程11から後述する上塗り乾燥工程17まで1つのコ
ンベアによって搬送することも可能である。
また、塗装ブースは、ワークの生産量に応じた所定の長
さ及び大きさに形成され、吹付は塗料の飛散防止及び環
境維持のなめに上部から下部に向がって一定の風速を供
給するように給排気装置を設けることが好ましい。
本実施例にて使用するプライマ塗料は、第7図に示すよ
うな組成にて配合された塗料であり、常温硬化型の塗料
である。第7図に示すように、樹脂ベースはポリウレタ
ン樹脂であり、その他グレー色を呈する顔料、及びこれ
らの樹脂や顔料を溶解する溶剤として炭化水素及びケト
ン、更に貯蔵安定性等を確保するための添加剤から構成
されている。尚、塗料の比重は1.04、固形分は25
゜51%である。
本実施例においては、上述したような組成をもってプラ
イマ塗料を構成したが、本発明はこれに限定されること
なく、PtJ樹脂樹脂温入した前記DETDAと反応せ
ず好適に塗膜性能を発揮し得るプライマ塗料であれば良
い。
プライマ乾燥工程15 このようなプライマ塗料をワーク表面に塗布した後に、
当該ワークを乾燥装置を有するプライマ乾燥工程】−5
に搬送する。ここで、前述したように、本実施例のプラ
イマ塗料は常温乾燥型であるため、例えば室温放置によ
り乾燥させてもその塗膜性能は充分得られるが、乾燥時
間、つまり生産性を考慮すれば乾燥装置を有するプライ
マ乾燥工程を設けた方が有利である。この乾燥装置は、
ブタンガス等の燃料をバーナ一部で燃焼させ、この熱を
ブロアによって炉内に送風するものであり、前述したよ
うに、バーナ一部が炉内に露呈した直接炉と、バーナ部
が遮蔽板等に、よって遮断させ炉内に露呈せずその輻射
熱によってワークを加熱する間接炉とがあり、エネルギ
ー効率の点から言えば直接炉が有利ではあるが、塗装面
に及ぼす影響の点から言えば間接炉の方が優れている。
只、本実施例にあっては、この乾燥装置が間接炉でない
場合にも、前記洗浄乾燥工程13を前述したように所定
の条件にて行なえば実施可能である。
当J亥プライマ乾燥工程15においては、Pu1l脂内
に架橋剤である前記DETDAが残留している場合にあ
っても、前記プライマ塗料との反応はなく、またプライ
マ塗料の硬化不良も生じない。
従って、このプライマ塗料は、好適に硬化しF塗り塗膜
を形成することになる。
上汰沃塗笠工程上互 前記プライマ塗料により下塗り塗膜が形成されたワーク
は、上塗り塗装工程16に搬送され、このワークに所定
の色彩に調合された上塗り塗料を塗布する。塗装設備、
例えば搬送装置、塗装ブース、塗装ガン等は、前記プラ
イマ塗装工程14と同様の装置を使用すれば良く、プラ
イマ塗装ブースとの共用化も可能である。また、産業用
ロボットや、自動塗装ガン等の自動化を図る場合には、
当該自動装置に、上塗り塗料をワーク毎に変更する色替
え装置を設げれば良い。この色替え装置は、各塗料タン
クから塗料ホースを介して送られる各塗料をエアー信号
等(電気信号の場合には防爆装置を設ける)により作動
するバルブを有する装置であり、当該バルブにより7M
択された所定の塗料が前記塗装ガンに圧送されるように
なっている。
この上塗り塗料には、1コート1ベーク型のものと、2
コート】、ベーク型のものがあり、後者の2コート1ベ
ーク型の塗料を塗布する場合には、ブースの入口側にて
ペース塗料を塗布し、短時間自然乾燥させた後にブース
の出口付近にてクリヤ塗料を塗布する。本実施例は、上
塗り塗料の種類及び材買等に拘らず実施することができ
る。
上広ユ灸煤工程上ユ 上塗り塗料が塗布されたワークは、70〜150℃×3
0〜60分保持の条件で乾燥され、硬化する。
次に、本実施例の作用を説明する。
まず、高活性架橋剤であるDETDA及び離型剤である
IMRを混入したPU樹脂樹脂を射出成形加工(樹脂成
形工程10)し、成形後乾燥工程11において加熱する
と、樹脂中に残存したボイドが除去されることになる。
そして、この成形後工程11を通過したワークの表面に
は、前記樹脂内に残留した未反応のTMRが析出するこ
とになるが、この析出したIMRは、洗浄工程12にお
いてトリクロロエタンによって容易に除去され、またこ
の洗浄後に所定の温度にて乾燥(洗浄乾燥工程13)す
ることにより、樹脂表面に含浸した前記トリクロロエタ
ンによる塗装不具合、及び前記IMRの再析出による塗
装不具合を防止することができる。更に、この上からポ
リウレタンを含有するラッカー塗料を下塗り塗料として
塗布すると、当該塗料は、ワークであるPU樹脂内に混
入し未反応の状態で残存した前記DETDAとけ何等反
応することなく、好適に硬化することになり、グライマ
塗膜不良が生じない好適な塗装を行なうことができる。
以上説明したように、本実施例にあっては、PU樹脂内
に高活性架橋剤としてDETDAと、成形型との離型剤
としてのIMRとを混入して射出成形を行なうため、ボ
イドの発生が極端に減少し成形及び塗装品質が向上する
と共に、離型剤の塗イb作業を省略することができ、よ
って成形工程における生産性が向上する。更に、このよ
うなりETDA及びIMRを混入したPU樹脂を塗装す
る場合には、従来塗装不具合となっていたボイドの再発
生や、IMRの析出による塗料の濡れ不良、成るいはD
ETDAの影響によるプライマ塗料の硬化不良を防止す
ることができ、塗装品質を向上させることができる。
(発明の効果〉 以上述べたように、第1及び第2の発明によれは、高活
性架橋剤及び離型剤を混入したポリウレタン樹脂を成形
加工した成形品である場合においても、下塗り塗膜を形
成するプライマ塗料の塗膜不良が発生せず、塗装品質及
び生産性に優れた塗装方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第11図は、本発明の一実施例に係る合成樹脂成形品の
塗装方法を示す工程図、 第2図は、同実施例のPut7M脂成形後のボイドの発
生状況を観察した実験結果を示す評価表、第3図は、同
実施例のPU樹脂をトリクロロエタンにて洗浄した場合
に樹脂表面に含浸するトリクロロエタンの含浸量が、そ
の後の洗浄乾燥工程の乾燥時間によって変化する様子を
測定した実験結果を示すグラフ、 第4図は、同実施例のPU樹脂をトリクロロエタンによ
って洗浄した後に120℃で加熱して乾燥させた(洗浄
乾燥工程)場合に樹脂表面に再析出する内部添加型離型
剤の量と加熱時間との関係を測定した実験結果を示すグ
ラフ、 第5図は、同実施例のPU樹脂を成形後120°C×6
0分の条件で乾燥しく成形後乾燥工程)、その後トリク
ロロエタンにて2分間蒸気洗浄を行なった(洗浄工程)
後の洗浄乾燥工程における乾燥温度(乾燥時間は15分
)と樹脂表面の表面張力との関係を測定した実験結果を
示すグラフ、第6図は、グラ、イマ乾燥装置及び上塗り
乾燥装置が、いわゆる直接炉タイプである場合における
洗浄工程後の乾燥条件を、乾燥温度と乾燥時間との関係
で測定した実験結果を示すグラフ、第7図は、第1図の
プライマ塗装工程にて使用するプライマ塗料の組成を示
す組成表、 第8図は自動車の外観を示す斜視図、 第9図は従来のPU樹脂の塗装方法を示す工程図である
。 10・・・樹脂成形工程、11・・・成形後乾燥工程、
12・・・洗浄工程、13・・・洗浄乾燥工程、14・
・・プライマ塗装工程、15・・・プライマ乾燥工程、
16・・・上塗り塗装工程、17・・・上塗り乾燥工程
。 憬欝隼 7O−f50’cX30〜6Of− 9m#イ千70〜150’cX30−60づδゝ〈−ツ
)7つl、(γA罎〉 カフ1熟石仕乃q 沈浸後めt遺題 第7図 第8図 1ニア0ンレ\ンノマ 第9図

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)高活性架橋剤を混入したポリウレタン樹脂を成形
    加工した成形品を、加熱後洗浄し、ポリウレタンを含有
    するラッカー塗料を塗布し、次いで上塗り塗料を塗布し
    た後乾燥させて成る合成樹脂成形品の塗装方法。
  2. (2)離型剤を混入したポリウレタン樹脂を成形加工し
    た成形品を加熱後、塩素系溶剤にて洗浄した後乾燥し、
    この後プライマ塗料を塗布して乾燥し、次いで上塗り塗
    料を塗布した後乾燥させて成る合成樹脂成形品の塗装方
    法。
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