JPH0255054B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 発明の分野 本発明は、一般的には生体組織の電気刺激用の
体内植込みリード線の分野に関するもので、更に
具体的には、体組織と接触するためのバーレル型
のリング電極を有するリード線に関するもので、
それは、同時に、リード線の種々の部分を一緒に
機械的に接着させ（Weld）、且つ簡単に製造する
ことを可能にするリング電極を具えた生物医学的
リード線及びその製造法に関する。

先行技術の説明 体の電気刺激は、益々重要の医学的方法となつ
てきている。例えば、心臓の電気刺激は、心臓の
機能不全は勿論のこと心臓ブロツクの治療のため
に好ましい医学的方法であり、脊髄の電気刺激は
慢性的痛みを軽減するのに効果的であることがわ
かつた。一般的に、かような生物医学的刺激に関
連して使用されるリード線は、体組識と電気接触
をする露出電極とリード線本体とを具え、リード
線本体は、電極に電気的に接続された導体とリー
ド線本体の外部部分を構成する絶縁ケースとを具
える。一般的に、ケースは、ポリウレタン、シリ
コーンゴム又は類似物の如く、体液に不活性な柔
軟な材料でつくられる。

多くのかようなリード線応用の電極は、リード
線本体を取囲む導電性帯（band）を具え、通常
リング電極と呼ばれる。一般に、かような電極
は、白金又は、高導電性で体液に抵抗性ある任意
の同種の材料でつくられた真円形の形状である。
かようなリング電極の例は、エドワード・Ｇ・オ
ネエイルにより発明された“ペーシングリード線
用リング電極及びその製法”と題する米国特許
4280511号、ケイス・Ａ・アフオード、エドワー
ド・Ｇ・オネエイルにより発明された“ペーシン
クリード線用リング電極及びその製法”と題する
米国特許第4328812号明細書に開示されている。
米国特許第4328812号明細書はリング電極を開示
し、リング円の直径は、リード線ケースの直径
よりも大きい（ただしリング電極と同一の直径を
有する電極に隣接したケースの小部分を除外す
る。）これは、一般的にケースが組織と電気接触
を改善するよりも、体組織と密接な関係にあるリ
ング表面上に置く。然し、体液がリング電極とリ
ード線本体との接合点を浸透しないことを保証す
るために、かつ、電極と導体との間の良好の電気
接続を保証するために、電気接続の構造は、全く
複雑である。米国特許第4280511号明細書は、簡
単化したリング構造及びリング電極を有するリー
ド線の簡単化した製造法を示す。この後者の開示
におけるリング電極の直径は、リード線本体の直
径と同一である。

発明の要約 本発明の目的は、リング電極と絶縁リード線ケ
ースとの間の接合が平滑で体組織を損傷する可能
性ある突出部のない体内植込み可能なリング電極
を具えた生物医学的リード線を提供することであ
る。

更に、本発明の目的は、リング電極と絶縁ケー
スとの間の接合が体液の浸透に対して良好に封止
されているリング電極を具えた生物医学的リード
線を提供することである。

更に、本発明の目的は、リング電極がその最大
直径において電極の近傍のリード線ケースの全部
分よりも大きい直径を有し、それによつて電極と
体組織との間の電気接触を改善した体内植込み可
能なリング電極を具えた生物医学的リード線を提
供することである。

更に、本発明の目的は、導体と電気接触するの
に改良された手段を具えたリング電極を具えた生
物医学的リード線を提供することである。

本発明の更に他の目的は、リング電極が、また
リード線本体のケースの近端及び遠端を一緒に保
持させる手段、ケースの両部分の導体として作用
する体内植込み可能なリング電極を具えた生物医
学的リード線を提供することである。

本発明の更に他の目的は、リング電極と共に体
内植込み可能なリング電極を具えた生物医学的リ
ード線を提供することであり、リング電極は、リ
ード線固着手段をリード線本体の他の部分に機械
的に溶着するように機能する。

最後に、本発明の目的は、簡略化した効率の良
い価格の効果的な方法にて１つ又はそれ以上の前
述の特性を具えたリング電極を具えた生物医学的
リード線の製造法を提供することである。

本発明による製造法は、露出したリング電極を
有する種類の体内植込み可能なリード線を提供す
るものであり、リード線本体は、電極に電気的に
接続された導体、導体を封入し、リード線本体の
外部部分を形成する絶縁ケースを、具え、絶縁ケ
ースは体液に一般的に不活性である柔軟な材料で
あり、絶縁ケースと導体をリング電極にすべにこ
ませる段階、リングの端部が絶縁ケースに埋め込
まれるまでリングの端部を内方に押しつける段階
を具える。押しつける段階は、リング電極をバー
レル型にプレスすることから成り、本発明に関連
する“バーレル”はふくらみ（bulge）即ち、バ
ーレル端部間の位置において最大直径を生ずるバ
ーレルを意味する。

好ましいリング電極は、リングの軸穴に突出す
る円状リブの形式が望ましい内部フランジを具
え、好ましい製造法において、押しつける段階
は、フランジが導体と接触するまで少なくともフ
ランジの一部分を内方に圧縮する段階を具える。

本発明の数々の他の特徴、目的及び利点は、添
付図面と関連して読む場合、次の詳細な説明から
明らかになるであろう。

好ましい実施例の説明 本発明によるリード線は、第１図に示されてい
る。リード線は、リード線本体の近端部分１０、
遠端部分１１、露出リング電極１２、リード線本
体の遠端部分１１により一体的に形成されるリー
ド線固着手段１５を具える。リード線に関連し
て、リード線の近端部分は、パルス発生器に最も
近い部分であり、遠端部分は、パルス発生器から
最も遠い部分である。リード線本体の近端部分１
０の主要部は、図面の左方ある距離だけ延ばさ
れ、最後は電気パルス源に接続される。この部分
は、通常の技術であるから図示されない。リング
電極１２は、リード線が植込まれ、本発明の主要
な特徴である体組織に電気パルスを送りこむ。

電極を形づくり、リード線をつくるのに使用す
るプレスは、第２図に示される。１対のコレツト
２１，２２は、フレーム２５上に対向しておかれ
る。少なくとも一方のコレツト２１は、レバー２
７により他のコレツト２２の方向に移動可能であ
る。コレツト２１の軸穴２８（第４図に最もよく
見える）は、ノブ２９により調節可能である。図
示のプレスは、米国カリフオルニア州90230、カ
ルバーシテイ、ヘイデンアベニユー3573番のルイ
ス・レビンアンドサン・インクによりつくられた
通常の宝石用の旋盤である。

組立てる前の本発明によるリード線の好ましい
実施例は第３図に示される。リング電極１２は、
リード線本体の近端部分１０と遠端部分１１との
間の中央に示される。リード線本体の近端部分１
０は、絶縁ケース１３と導体１４とを具える。リ
ード線本体の遠端部分１１は、固着手段１５によ
り一体的に形成されるケース１６を具える。図示
されるリード線固着手段１５は、１７に示される
如き分枝を具え、リード線固着手段の特定の型は
本発明の特徴的事項ではないのでここでは此れ以
上説明しない。リング電極１２の好ましい実施例
は、内部フランジ１９を有するシリンダ１８を具
える。フランジ１９は、電極１２のシリンダ１８
の穴４１に突出している円上リブ１９を具え
る。

本発明によるリード線は、ケース１３，１６及
び導体１４をリング１２に先づ滑りこませること
によりつくられる。ケース１３，１６及び導体１
４は、フランジ１９の第１側面４４に隣接するケ
ースの近端部分１３の端部４３と、第１側面４４
と反対側のフランジ１９の側面４６に隣接するケ
ース遠端部分１６の端部４５とを電極１２に滑入
させる。導体１４は、電極１２の長さ全体を貫通
して滑入され、その一部は、ケースの遠端１６に
延長する。かくして組立てられたリード線は、第
４図に図示のプレスのコレツト２１，２２に置か
れる。その場合、リード線本体の近端部分１０が
コレツト２１の軸穴２８内にあり、遠端部分１６
がコレツト２２の軸穴３１内にあり、電極１２が
コレツト間にあるようにリード線が配置される。
コレツト２１は、第４図において部分的に切断さ
れているので、コレツトの作業面３３の好ましい
橢円形状が理解できるようになつている。プレス
のレバーアーム２７（第２図参照）は、コレツト
２１をコレツト２２に向つて押しつけるように前
方に移動され、２８にて示す作業面間のリング電
極１２を圧縮し、作業面２８は、ケースの近端部
分１３と遠端部分１６の材料を夫々、端部４７，
４８が埋込まれるまで、リング１２のシリンダ
（円部分）１８の端部４７，４８を押しつける。
コレツト２１，２２間のリング１２の圧縮は、リ
ング１２をバーレル形に形づくり、導体１４と電
気的に、機械的に接触するようにフランジ１９を
下方に押しつける。プレスの力は、端部４７，４
８と、ケース１３，１６との間に夫々確実な機械
的溶接を形成し、同時にフランジ１９と導体１４
との間にも同様の溶接を形成する。

本発明により製造され、本発明によるリード線
の好ましい実施例は、第５図に示され、一部切断
図にて示される。円（シリンダ）１８は、バー
レル形になり、シリンダ１８の端部４７は、ケー
スの近端部分１３の材料内に埋込まれる。同様
に、円１８の端部４８は、ケースの遠端部分１
６の材料に埋込まれる。フランジ１９は、導体１
４中に確実に圧縮される。

本発明の材料は、通常のものであり、電極は、
体液に抵抗性のある白金又は他の良好な導体でつ
くられ、ケースは、体液に一般に不活性であるポ
リエチレン、シリコーンゴム、又は他の柔軟性の
ある材料でつくられる。導体１４は、白金又は他
の適当な材料でつくられた通常のコイル導体であ
る。コレツト２１，２２は、商標“Stentor”の
もとで市販される焼入れ工具鋼でつくられる。

本発明の好ましい実施例において、シリンダ
（円部）１８は、外径0.046インチ（0.115cm）、
内径0.03インチ（0.075cm）であり、フランジ１
９の内径は0.0225インチ（0.05625cm）である。
導体１４は、外径が0.022インチ（0.055cm）であ
る。管を形成するケース１３，１６は、内径が
0.02インチ〜0.025インチ（0.05cm〜0.0625cm）で
あり、外径が0.035インチ（0.0875cm）である。
圧縮後、リング電極１２の端部４７，４８は、約
0.03インチ（0.075cm）の直径に減少されるので、
それは、ケース１３，１６の表面の下方に約
0.005インチ（0.0125cm）だけ延びる。実際上、
ケース１３，１６の如き材料は、特定の大きさか
つ、硬膜外隙（epidural space）に使用される程
小さなリード線であり、かような小さな公差
（tolerance）は、売主により必ずしも達成されな
いから僅かに大きな大きさを受け入れるであろ
う。この場合、１３，１６の如きケースは、それ
らがリング電極１２に滑入される前に、適当な大
きさに型付け（swage）されよう。

本発明の特徴は、１６のケースとリング電極１
２との間に接合５１が平滑になると云うことであ
る。リード線は、５１の如き接合が可能な損傷を
捕足したり発生することなく体組織を通して平滑
に通過できる。

本発明の他の特徴は、その全露出面を通じて電
極１２は、電極１２のすぐ近傍のケース１３，１
６のいかなる部分よりも直径が大きいことであ
る。かくして、電極１２は、体組織、近傍のケー
ス１３，１６とすぐれた接触をつくり、ケース１
３，１６のまわりの物体により形成される繊維
は、電気的接触を行なうのに最小の妨害ですむ。

更に、本発明の特徴は、電極１２が近端１３と
遠端１６を互いにしつかりと接続し、また、導体
１４をケースの両部分１３，１６にしつかりと接
続することである。この接続は、いかなる複雑さ
もなく、また先行技術に使用されている如き封止
材料の必要性もなく簡単に行なわれる。

本発明の他の特徴は、電極１２とケース１６と
の間の封止（seal）は、先行技術に使用される医
療のエポキシ及び他の封止剤を使用することなく
体液により浸透されるのに極めて抵抗性がある。

前述の特徴のすべてが、通常の簡単な電極構成
および製造方法により得られることは、本発明の
重要な特徴である。

新規な体内植込み可能なリード線およびリード
線の製造法を説明したが、極めて高品質の比較的
廉価なリード線を提供する。本発明は、特定の実
施例について説明したが、当業技術者は、図示の
実施例から数々の他の実施例及び変更が本発明の
概念から逸脱することなくつくり得ることを理解
するであろう。例えば、楕円形ではない“バーレ
ル”形状が使用できる。フランジ１９は、図示の
単一円リブでない形をとり得る。リング電極１
２の如き素子に対して広範な種類の寸法が当業技
術者により選択され、説明した如き所望の特性に
到達できる。更に、他の特徴がリード線に付け加
えられるか又は、リード線は特別に説明した場所
以外の体の領域に使用され、一方まだ本発明素子
を使用する。従つて、添付特許請求の範囲内で、
本発明は、特別に説明された以外に実施できるこ
とは理解されよう。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明による例示的な体内植込み可
能なリード線の斜視図である。第２図は、電極が
型付けされ、リード線本体及び導体に取付けられ
るプレスの斜視図である。第３図は、電極がリー
ド線本体及び導体を通じて滑入されるに先だつ
て、第１図のリード線を分解した形式にて一部切
断した側面図を示す。第４図は、製造方法中に第
２図のプレス内の位置に配置したリード線本体及
び電極を示す。第５図は、第１図及び第３図に図
示のリード線を組立てた一部切断した側面図を示
す。 １０……リード線本体の近端部分、１１……リ
ード線本体の遠端部分、１２……露出リング電
極、１３……ケース、１４……導体、１５……リ
ード線固着手段、１６……ケース、１７……リー
ド線固着手段の分技、１８……シリンダ、１９…
…内部フランジ、２１……一対のコレツト、２２
……一対のコレツト、２５……フレーム、２７…
…レバー、２８……軸穴、２９……ノブ、４１…
…穴、４３……端部、４４……第１側面、４５…
…端部、４６……側面、４７……端部、４８……
端部、５１……接合。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ リード線本体は、露出したリング電極に電気
   的に接続された導体と、前記導体を封入し、前記
   リード線本体の外部部分を形成し、体液に対して
   一般的に不活性である柔軟性ある材料からつくら
   れる絶縁ケースとを具え、 前記ケースと前記導体とを前記リング電極に滑
   入させ、前記導体が前記リング電極に対して電気
   的に接続される工程と、 それらが前記ケースに埋込まれるまで前記リン
   グの端部を内方に押しつける工程とを具備するこ
   とを特徴とする露出したリング電極を有する種類
   の体内埋込み可能なリング電極を具えた生物医学
   的リード線の製造法。 ２ 前記押しつける工程は、前記リングをバーレ
   ル型に圧縮する工程をさらに具えることを特徴と
   する前記特許請求の範囲第１項記載のリング電極
   を具えた生物医学的リード線の製造法。 ３ 前記リング電極は内部フランジを含み、前記
   押しつける工程は、さらに前記フランジの一部が
   前記導体と接触するまで前記フランジの少なくと
   も一部を内方に圧縮する工程をさらに含むことを
   特徴とする前記特許請求の範囲第１項記載のリン
   グ電極を具えた生物医学的リード線の製造法。 ４ 前記フランジは、前記リングの軸孔に突出し
   ている円リブを具え、前記絶縁ケースは、近端
   部分及び遠端部分を具え、前記滑入工程は、更
   に、 前記ケースの前記近端部分を前記リブの第１側
   面に対して接触させる工程と、 前記遠端部分を前記第１側面の反対側の前記リ
   ブの側面に対して接触させる工程とを具えること
   を特徴とする前記特許請求の範囲第３項記載のリ
   ング電極を具えた生物医学的リード線の製造法。 ５ 前記押しつける工程は、 楕円形状の作業面を有する１対のコレツトと軸
   穴を有するプレス内に前記リード線を配置し、軸
   穴内の前記リード線本体と前記リングを係合する
   前記コレツトの作業面を有する前記コレツト間の
   前記リングと共に配置する工程と、 前記コレツトを一緒に押し付けて前記リングを
   成形し、リング端部をケース中に強制的に押しつ
   ける工程とを具えることを特徴とする前記特許請
   求の範囲第１項記載のリング電極を具えた生物医
   学的リード線の製造法。 ６ 露出したリング電極を有する種類の体内植込
   み可能なリード線にして、前記電極へ電気的に接
   続させる導体と、前記導体を封入し、前記リード
   線本体の外部部分を形成し、体液に一般的に不活
   性の柔軟性ある材料でつくられるケースとを具備
   し、前記電極は、導電性バールル型であり、その
   バーレル型は、そのバーレルの端部間でケースの
   直径より大きい最大直径を有し、前記導電性バー
   レルの植込まれた端部は、前記ケースの直径より
   も小さい直径を有し、前記端部は前記ケースの材
   料中に埋込まれ、導電性シリンダを形成すること
   を特徴とするリング電極を具えた生物医学的リー
   ド線。 ７ 前記リング電極は、更に、前記シリンダの軸
   穴に突出し、前記導体に接触する円フランジを
   具えることを特徴とする前記特許請求の範囲第６
   項記載のリング電極を具えた生物医学的リード
   線。 ８ 前記ケースは、近端部分と遠端部分とを具
   え、前記近端部分は、前記フランジの第１側面に
   対して接続し、前記遠端部分は、前記フランジの
   前記第１側面と反対側の側面に対して接続するこ
   とを特徴とする前記特許請求の範囲第７項記載の
   リング電極を具えた生物医学的リード線。