JPH0249083B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は室内壁面に垂設する壁面家具装置に関
するものであり、従来のように壁パネルを左右に
並べていくものではなく、壁パネルを上下に並べ
て構成される横張り内装壁面に各種家具の機能を
直接付与させる新規な壁面家具装置を提供するも
のである。本発明の主要な効果は壁面を傷つける
ことなく任意の位置に任意の機能を着脱自在に付
与させることができることであり、第１図は後示
するように本発明による壁面家具装置の実施例の
斜視図を示すものである。

〔従来の技術〕

壁面家具装置に関する従来技術としては、例え
ば実公昭54−44654号公報の考案がある。この出
願においては、まず第２図及び第３図の斜視図に
示すように横幅方向中央に上下間隔をへだてて複
数個の係合孔イを設けたジヨイナーフランジ板ロ
の左右に目地空間ハを形成しながら左右の壁パネ
ルニを接続して内装壁面を構成する。ついで第４
図の斜視図に示すようなフツク部ホを有する固定
片ヘを例えば戸棚ト、付長押しチ等の被取付物の
裏面側端部に予め螺着しておき、この被取付物の
固定片ヘを隣合う壁パネル間の目地空間ハに挿入
しそのフツク部ホをジヨイナーフランジ板ロの係
合孔イに係止させることにより各種の家具機能を
内装壁面に付与させるものであつた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上記従来技術による壁面家具装置においては、
壁面に傷をつけることなく戸棚、付長押し等の被
取着物を着脱自在に取付けることができるという
利点はあるものの以下に記載する欠点を有するも
のであつた。すなわち例示した従来技術において
はジヨイナーフランジ板ロと壁パネルニとを左右
に交互に接続して壁面を構成するものであるた
め、目地空間ハは壁パネルニの幅寸法で縦方向に
形成される。そして被取着物はこの目地空間ハの
奥のジヨイナーフランジ板ロに設けられた係合孔
イにフツク部ホを係止させる方法であるため被取
着物の幅寸法は壁パネルニの幅寸法と略同一寸法
であることが条件となる。そのため壁面に取付け
た家具の外観が単調になる他取付壁面に対する被
取着物の取付位置は上下方向には任意性が高いも
のの左右方向については壁パネルニの幅寸法毎に
しか移動させることができず実際の使用に際して
は不都合なものであつた。

本発明は上記従来の欠点を解決させるものであ
り、要約すれば開口スリツトを室内側に設け、か
つ断面形状略Ｃ字型のガイドレールと、表面化粧
が施され前記ガイドレールの略Ｃ字型部の凸部分
または凹部分の形状に相応する嵌合溝または突出
部を有する壁パネルとが交互に嵌合されて横張り
されてなる横張り内装壁において、この内装壁の
前面に複数枚のパネルが対向して前記ガイドレー
ルから着脱自在に垂設され、この側パネルに適宜
間隔をもつて上下方向に点設した複数の列孔のい
ずれかを利用して前記側パネル間に棚板、戸棚、
引出し部材ユニツト等の家具ユニツトが着脱自在
に取付けられてなる壁面家具装置を提供するもの
である。

〔問題点を解決するための手段およびその作用と実施例〕

以下本発明の実施例を図面に基づいて具体的に
説明する。まず第１図は本発明による壁面家具装
置の実施例を示す斜視図であり、第５図は第１図
のＡ−A′方向の部分拡大縦断面図を示すもので
あり、第６図は本発明の壁面家具装置の構成部材
を示す部分拡大斜視図である。これらの図におけ
る壁面家具装置はまず開口スリツト１を室内側に
設け、かつ断面形状略Ｃ字型のガイドレール２
と、表面化粧が施され前記ガイドレール２の凸部
分３の形状に相応する嵌合溝４を有する壁パネル
５とが交互に嵌合されて取付桟６に横張りされて
なる横張り内装壁において、このガイドレール２
の開口スリツト１内に例えばネジ穴７を設けたフ
ライダー８を挿入し家具ユニツトを取付ける所定
の位置までスライドさせて取付けピン９を前記ネ
ジ穴７にネジ込み、フライダー８をガイドレール
２に固定する。ついでこの内装壁の前面に複数枚
の側パネル１０，１１を前記ガイドレール２から
立設された取付けピン９を使つて公知の締付円板
金具１２により着脱自在に垂設する。次にこの側
パネルには例えば３cm間隔で上下方向に２列の列
孔１３が点設されているのひ、この穴に棚ダボ１
４等を挿入して棚板１５、戸棚１６等の家具ユニ
ツトを任意の位置に着脱自在に架設するものであ
る。なお本発明による側パネルの長さは、ほぼ床
面から天井面までの長さの側パネル１０に限定さ
れるものでなく、隣り合う２本のガイドレールの
間隔よりも長い側パネル１１であればよい。次に
第７図は本発明による他の実施例を示す壁面家具
装置の斜視図である。この壁面家具装置において
はガイドレール２と壁面パネル１５及び取付ピン
を立設したフライダー８とから構成される横張り
内装壁面に側パネル１０，１７を垂設しこの側パ
ネル間に棚板１５、戸棚１８を接続し、次いでこ
の側パネル１０，１７の前面に扉１９を設けてな
るものであり、この箱体の内部に例えば棚板を配
置すればロツカーとして使用できるし、また実施
例に示すようにハンガーパイプ２０を固定すれば
洋服ダンスとして使用できる。また第７図に示す
他の実施例は幅の広い戸棚２１、幅が狭く縦に長
い飾り棚２２等の家具ユニツトを壁面を構成する
ガイドレール２に取付ピンを介して着脱自在に装
設してなる壁面家具装置である。

〔発明の効果〕

以上示したように本発明の壁面家具装置はまず
開口スリツト１を設けた断面形状略Ｃ字型のガイ
ドレール２と表面化粧を施した壁パネル５とを交
互に嵌合して横張りして内装壁面を形成するもの
であるため壁面がきわめて容易にしかも美麗に仕
上がるという利点がある。またこのガイドレール
のスリツト内を側パネル１０，１１，１７および
または戸棚２１、飾り棚２２等の家具ユニツトを
固定するに際し使用するフライダー８が自在に移
動できる構造であるためこれらの被取付物は内装
壁面の左右方向の任意の位置に取付けることがで
きるという利点がある。更に本発明においては側
パネルに例えば実施例で示したように３cmの間隔
をもつて上下方向に点設した２列の列孔１３を利
用して例えば棚ダボ１４により棚板１５および戸
棚１６，１８等の家具ユニツトを架設することを
特徴としているのでこれらの家具ユニツトを内装
壁面の上下方向についても３cm毎の任意の位置に
取付けることができるという利点がある。しかも
本発明の壁面家具装置は一旦取付けた後、位置を
取替えたりまた取りはずしたり、あるいはまた新
しく側パネルや家具ユニツトを追加することも容
易であり、しかも壁面に傷を付けることがないと
いう利点がある。更に本発明の壁面家具装置は床
面に載置するものではなく、壁面に直接取付ける
ものであるため、きわめてすぐれた耐震性を有す
るという利点がある。また本発明の壁面家具装置
によれば、家具ユニツト等の被取付物は事実上寸
法的な制約がないので、外観上バラエテイーに富
み多様なニーズに対応できるという利点がある。

なお、本発明にいうガイドレールの形状は第５
図、および第６図の実施例に示すように前面に開
口スリツトを設け、かつ略Ｃ字型の断面形状のも
のであれば何でもよく、例えば第８図ａからｃに
示すものが含まれ、要するに開口スリツト１の幅
の方がガイドレールの内部空間２３の幅よりも小
さいものであればよい。そしてこのガイドレール
の材質はアルミニウム、鉄等の金属製のものの
他、塩化ビニル、ABS等の合成樹脂製のものが
最適である。次に本発明にいう壁パネルは塗装あ
るいは化粧シート貼り等の表面化粧が施され例え
ば第６図に示すようにガイドレール２の凸部分３
の形状に相応する嵌合溝４を有するものである他
例えば第９図に示すようにガイドレール２４の凹
部分２５の形状に相応する壁パネルの突出部２６
を有するものであつてもよい。次に本発明に使用
する側パネルには適宜間隔をもつて複数列の、上
下方向に点設した列孔が必要であるが、この列孔
１３は第１図に示すように側パネル１０の両側に
点設されているものの他、第７図に示すように側
パネル１７の片側に点設されているものであつて
もよい。またこの列孔は２列に限定されるもので
はなく例えば第１０図に示す側パネル２７のよう
に３列の列孔１３を設けることもある。またこの
側パネルの長さは特に限定するものではないが実
用上は本発明による横張り内装壁を構成する配設
された隣り合うガイドレールの間隔よりも長いも
のであることが必要である。次に本発明にいう家
具ユニツトとは第１図および第７図に示す棚板１
５、戸棚１６，１８，２１あるいは飾り棚２２等
の他、第１１図に示すように引出し部材ユニツト
２８、引出しユニツト２９やドロツプドアユニツ
ト３０、洗面台ユニツト３１等の各種家具ユニツ
トがある。次に横張り内装壁面に垂設する側パネ
ルおよび家具ユニツトの接続方法は第５図および
第６図に示すようにガイドレール２の内部を移動
するフライダー８およびこれに螺着する取付けピ
ン９と公知の締付円板金具１２により着脱自在に
垂設する方法のみならず例えば第１２図に示すよ
うに取付けた突出部３２を有するフライダー３３
を木ネジ３４により直接パネル３５に固定する方
法でもよく、何ら限定するものではない。また側
パネル間に各種家具ユニツトを接続する手段につ
いても特に限定するものではなく第５図に示すよ
うに棚ダボ１４を使用してもよいし、第１３図の
裏面側斜視図に示すように側パネル３５の列孔に
取付けピン３６を螺着の後、所定の取付穴３７の
加工を施した棚板３８を組付けて公知の締付円板
金具３９を挿入し回転させることによつて締付固
定する方法であつてもよい。

以上説明したように、本発明の壁面家具装置に
よれば、例えば書棚、飾り棚、洋服ダンス、整理
タンス等の収納機能や、机、カウンター、洗面
台、流し台等の機能を含む各種家具機能を、内装
壁面の任意の位置に脱着自在に取付けることがで
きるという利点を有するものであり、しかも横張
り内装壁を構成するガイドレールから取付けるも
のであるため、側パネルや家具ユニツトの脱着を
繰返しても壁面を傷つけることがないという利点
を有する。さらに横張り内装壁面を構成しておけ
ば、何時でも必要に応じて任意寸法の家具ユニツ
トを追加していくことが可能であり多様なユーザ
ーニーズに対応できる家具装置であるうえ、壁面
から取付けられているためきわめて耐震性に優れ
たものである等、実用上有用な発明である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による壁面家具装置の実施例の
斜視図を示すものであり、第５図は第１図のＡ−
A′方向の部分拡大縦断面図を示すものであり、
第６図は本発明の壁面家具装置の構成部材を示す
部分拡大斜視図である。 これらの図において、１……開口スリツト、２
……ガイドレール、３……ガイドレールの凸部
分、４……嵌合溝、５……壁パネル、６……取付
桟、７……ネジ穴、８……フライダー、９……取
付けピン、１０，１１……側パネル、１２……締
付円板金具、１３……列孔、１４……棚ダボ、１
５……棚板、１６……戸棚である。 次に第２図は従来技術による壁面家具装置の斜
視図を示すものであり、第３図はその構成部材を
示す部分拡大斜視図であり、第４図は固定片の斜
視図を示すものである。 これらの図において、イ……係合孔、ロ……ジ
ヨイナーフランジ板、ハ……目地空間、ニ……壁
パネル、ホ……フツク部、ヘ……固定片、ト……
戸棚、チ……付長押しである。 次に第７図は本発明の他の実施例による壁面家
具装置の斜視図を示すものであり、第８図は本発
明に使用するガイドレールの他の実施態様を示す
断面図である。また第９図は本発明によるガイド
レールと壁パネルの他の実施態様を示す部分拡大
斜視図であり、第１０図は本発明に使用する側パ
ネルの実施態様を示す斜視図である。 これらの図において、１から１６は第１図、第
５図および第６図で説明した通りである。更に、
１７……側パネル、１８……戸棚、１９……扉、
２０……ハンガーパイプ、２１……戸棚、２２…
…飾り棚、２３……ガイドレールの内部空間、２
４……ガイドレール、２５……ガイドレールの凹
部分、２６……壁パネルの突出部、２７……側パ
ネルである。 次に第１１図は本発明に使用する家具ユニツト
の実施態様を示す斜視図であり、第１２図は側パ
ネルを垂設するスライダーの他の実施態様を示す
斜視図である。また第１３図は側パネルと家具ユ
ニツトとの接続方法を示す他の実施態様の裏面側
斜視図を示すものである。 これらの図において、２８……引出し部材ユニ
ツト、２９……引出しユニツト、３０……ドロツ
プドアユニツト、３１……洗面台ユニツト、３２
……取付け突出部、３３……スライダー、３４…
…木ネジ、３５……側パネル、３６……取付けピ
ン、３７……取付穴、３８……棚板、３９……締
付円板金具である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 開口スリツトを室内側に設け、かつ断面形状
   略Ｃ字型のガイドレールと、表面化粧が施され前
   記ガイドレールの略Ｃ字型部の凸部分または凹部
   分の形状に相応する嵌合溝または突出部を有する
   壁パネルとが交互に嵌合されて横張りされてなる
   横張り内装壁において、この内装壁の前面に複数
   枚の側パネルが対向して前記ガイドレールから着
   脱自在に垂設され、この側パネルに適宜間隔をも
   つて上下方向に点設した複数の列孔のいずれかを
   利用して前記側パネル間に棚板、戸棚、引出し部
   材ユニツト等の家具ユニツトが着脱自在に取付け
   られてなる壁面家具装置。 ２ 前記側パネルの長さが、前記横張り内装壁を
   構成する配設された隣り合うガイドレールの間隔
   よりも長いものであることを特徴とする特許請求
   の範囲第１項記載の壁面家具装置。 ３ 垂設された側パネルの前面に扉が取付けられ
   ていることを特徴とする特許請求の範囲第１項及
   び第２項記載の壁面家具装置。 ４ 戸棚、引出しユニツト等の家具ユニツトを前
   記横張り内装壁を構成するガイドレールに着脱自
   在に装設することを特徴とする特許請求の範囲第
   １項から第３項記載の壁面家具装置。