JPH024896A - 耐荷重性潤滑油 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は自動車用ハイポイドギヤ−油、工業用ギヤー油
、ウオームギヤー油、モーター油、各種タービン油、作
動油などの荷重の大きな条件下で使用される耐荷重性潤
滑油に関する。

〔従来の技術〕

この種の工業用潤滑油として鉱物油が主に用いられてい
るが、鉱物油単独では高荷重下での潤滑性を満足させる
ことができず、これの改善のため一般に鉱物油に対し摩
擦や摩耗をより減少させるための添加剤を配合している
。

このような添加剤としては、脂肪酸やエステルなどが知
られており、その代表的なものとしてオレイン酸などの
高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、硫化油脂、塩素化油
脂などが用いられている。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかるに、高級脂肪酸や高級脂肪酸エステルでは、炭素
鎖長が長くなるほど潤滑性が良くなるものの、融点が高
くなり好ましくない。このため、脂肪酸ではオレイン酸
のような不飽和結合を有する高級脂肪酸が用いられてい
るが、このような不飽和結合を有するものは本質的に酸
化を受けやすいという欠点がある。

また、硫化油脂や塩素化油脂は、潤滑性にはすぐれてい
るが、イオンや塩素などの元素を含むため、金属に対す
る反応性が大きく、腐食や化学摩耗の原因となる場合が
あり好ましくない。しかも、これらの添加剤は著しい臭
気を有していたり、使用後の廃棄に際し環境保護の立場
から多大の処理費を必要とする場合があり、経済的にも
好ましくない。

本発明は、上記従来の潤滑油添加剤の問題点に鑑み、良
好な潤滑性、特に耐荷重性を付与できるとともに、液体
であるにもかかわらず良好な酸化安定性を有し、かつ腐
食や化学摩耗の原因となるイオウ、塩素、リンなどの元
素を含まない潤滑油添加剤を用いた耐荷重性潤滑油を提
供することを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討し
た結果、特定のヒドロキシアリール脂肪酸が液体である
にもかかわらず良好な酸化安定性を存し、かつ腐食や化
学摩耗の原因となるイオウ、塩素、リンなどの元素を含
まないという潤滑油添加剤として好都合な性状を有して
いる点に着目し、これを潤滑油基油に対し特定量配合す
ることにより、高荷重下においても良好な潤滑性を備え
た、つまり耐荷重性にすぐれた高性能の潤滑油が得られ
るものであることを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。

すなわち、本発明は、潤滑油基油とともに、つぎの一般
弐； Ｒ，Ｒ。

（式中、Ｒ，は炭素数１〜１９の直鎖アルキル基、Ｒ２
は炭素数１〜１９の直鎖アルキレン基で、Ｒ，とＲ２の
炭素数の和は１０〜２０であり、Ｒ１およびＲ４は水素
原子、ヒドロキシル基、炭素数１〜９のアルキル基また
はアルコキシ基のいずれかである） で示されるヒドロキシアリール脂肪酸を０．０５〜２５
重量％含有することを特徴とする耐荷重性潤滑油に係る
ものである。

ところで、上記のヒドロキシアリール脂肪酸が常温で液
体であってかつ酸化安定性にすぐれており、この性質と
さらにその防錆作用や腐食防止作用を利用することを主
眼とした技術については、米国特許第３，５７３．３３
３号明細書や特開昭６１１７１７９９号公報などにその
開示がみられ、また上記のヒドロキシアリール脂肪酸を
エステルに誘導して潤滑油として用い、併せて防錆効果
を得ようとする技術も、特開昭６１−１８１８９５号公
報や特開昭６２−１９９６９３号公報などに提案されて
いる。

しかるに、上記の本発明のように、ヒドロキシアリール
脂肪酸そのものを潤滑油基油に対する添加剤として応用
し、これにより既述の如き高度の耐荷重性が達成される
ことについては全く知られておらず、本発明者らの努力
によってはじめて見い出されたことであり、この点に本
発明の大きな特徴が存するものである。

〔発明の構成・作用〕

本発明に用いられるヒドロキシアリール脂肪酸は、前記
の一般式にて示されるとおりの分子内にフェノール性の
ヒドロキシル基を有する了り−ル脂肪酸であって、たと
えば特開昭６２−１００４０号公報に開示されている方
法、つまり不飽和脂肪酸とヒドロキシアリール化合物と
を触媒として活性白土とリンの酸素酸とを用いて付加反
応させる方法などにより、合成できるものである。

このようなヒドロキシアリール脂肪酸の具体的な例とし
ては、ヒドロキシフェニルミリスチン酸、ヒドロキシフ
ェニルパルミチン酸、ヒドロキシフェニルステアリン酸
、ヒドロキシフェニルベヘニン酸、ビス−ヒドロキシフ
ェニルステアリン酸、ジヒドロキシフェニルミリスチン
酸、ジヒドロキシフェニルパルミチン酸、ジヒドロキシ
フェニルステアリン酸、トリヒドロキシフェニルステア
リン酸、ヒドロキシメチルフェニルパルミチン酸、ヒド
ロキシメチルフェニルステアリン酸、ヒドロキシノニル
フェニルパルミチン酸、ヒドロキシノニルフェニルベヘ
ニン酸、ヒドロキシメトキシフェニルステアリン酸、ヒ
ドロキシメトキシフェニルベヘニン酸などがあげられる
。

本発明に用いられる潤滑油基油としては、−ａに用いら
れている鉱物油系炭化水素のほか、アルキルベンゼンや
ポリアルファオレフィンなどの合成炭化水素、ポリエー
テルやエステル油などの合成潤滑油ならびに天然動植物
油脂などがある。

本発明においては、これら潤滑油基油に前記のヒドロキ
シアリール脂肪酸を配合させるが、この脂肪酸の潤滑油
全体中の含有量は０．０５〜２５重量％の範囲とすべき
であり、好ましくは０．１〜５重量％である。含有量が
０．０５重量％未満の場合には目的とする良好な耐荷重
性が得られず、また２５重量％を超えてもより大きな耐
荷重性を期待できず、経済的に不利である。

なお、本発明のヒドロキシアリール脂肪酸を含有する耐
荷重性潤滑油には、必要に応じて一般に用いられている
酸化防止剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、さび止め
剤およびあわ消し剤などのヒドロキシアリール脂肪酸以
外の各種の添加剤を含ませることができる。

〔発明の効果〕

以上のように、本発明においては、潤滑油基油に対し特
定のヒドロキシアリール脂肪酸を配合したことにより、
耐荷重性にすぐれた高性能の潤滑油を得ることができ、
この潤滑油は自動車用ハイポイドギヤ−油、工業用ギヤ
ー油、ウオームギヤ油、モーター油、各種タービン油、
作動油などの荷重の大きな条件下で使用される潤滑油と
して幅広く利用することが可能である。

〔実施例〕

以下に、本発明を実施例により具体的に説明する。なお
、実施例で使用した記号イ〜ホのヒドロキシアリール脂
肪酸の名称、原料および分析値をつぎの第１表に示す。

これらヒドロキシアリール脂肪酸は特開昭６２−１００
４０号公報に記載の方法に準じて合成したものである。

第１表において、原料脂肪酸はいずれも日本油脂■製の
もので、このうち市販オレイン酸の組成はＣ１４モノエ
ン不飽和脂肪酸４重量％、ＣＩ６モノエン不飽和脂肪酸
６重量％、ＣＩ８モノエン不飽和脂肪酸６７重量％、Ｃ
Ｉ８ジエン不飽和脂肪酸８重量％であり、また市販高純
度オレイン酸の組成はＣ４モノエン不飽和脂肪酸２重量
％、ＣＩ８モノエン不飽和脂肪酸９２重量％であり、さ
らに市販エルカ酸の組成はＣ２□モノ工ン不飽和脂肪酸
８８重量％である。

実施例 つぎの第２表に示すように、各種の潤滑油基油と記号イ
〜ホのヒドロキシアリール脂肪酸からなる添加剤とを組
み合わせ、かつ添加剤の含有量が同表記載の割合となる
ようにして、試料１’ｈｌ〜１７の耐荷重性潤滑油を調
製した。

比較例 つぎの第３表に示すように、潤滑油基油単独からなるか
、潤滑油基油に対しヒドロキシアリール脂肪酸以外の添
加剤をその含有量が同表記載の割合となるように添加す
るか、あるいは潤滑油基油に対し記号イ〜ホのヒドロキ
シアリール脂肪酸をその含有量が同表記載の０．０５重
量％未満となる割合で添加してなる試料＆１８〜３３の
潤滑油を調製した。

なお、第２，３表中、市販鉱物油はコスモ■製の１５０
ニユートラル、市販ポリアルファオレフィンはライオン
■製の４０℃の粘度が２７センチストークスのもの、市
販アルキルベンゼンは松材石油■製の４０℃の粘度が１
０センチストークスのもの、市販ポリエーテルは日本油
脂■製の４０℃の粘度が２４０センチストークスのもの
、市販ＤＯＡは新日本理化■製の４０℃の粘度が８セン
チストークスのジオクチルアジペートである。

以上の実施例および比較例の試料ｍ１〜３３の各潤滑油
に関し、下記の方法で潤滑油テストを行い、その潤滑性
能を評価した。結果は、第２，３表に併記されるとおり
であった。

〈潤滑性テスト〉 シェル式高速四球試験機を用いて、１分間融着荷重、す
なわち１分間以内で融着を起こす最低荷重を、立軸回転
速度１．５０Ｏｒｐｍの条件にて測定した。

上記の第２．３表の結果から明らかなように、本発明の
ヒドロキシアリール脂肪酸を用いた試料磁１〜１７の潤
滑油は、現在一般に潤滑性の改善のために広く用いられ
ているオレイン酸を添加剤とした試料部１９および２０
の潤滑油に比較してはるかに良好な耐荷重性を示すもの
であることが判る。

また、本発明においては、基油として鉱物油系炭化水素
だけでなく、合成炭化水素、ポリエーテル、エステル油
などを用いたときでも、ヒドロキシアリール脂肪酸を添
加することにより、いずれも良好な耐荷重性潤滑油が得
られるものであることも判る。

特許出願人　　日本油脂株式会社

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）潤滑油基油とともに、つぎの一般式；▲数式、化
   学式、表等があります▼ （式中、Ｒ＿１は炭素数１〜１９の直鎖アルキル基、Ｒ
   ＿２は炭素数１〜１９の直鎖アルキレン基で、Ｒ＿１と
   Ｒ＿２の炭素数の和は１０〜２０であり、Ｒ＿３および
   Ｒ＿４は水素原子、ヒドロキシル基、炭素数１〜９のア
   ルキル基またはアルコキシ基のいずれかである） で示されるヒドロキシアリール脂肪酸を０．０５〜２５
   重量％含有することを特徴とする耐荷重性潤滑油。