JPH0246910Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、低周波電気治療装置における関節用
治療導子ユニツトに関するものである。

従来、低周波電気治療装置は、治療導子として
出力端子に接続した対極導子と治極導子とを湿布
体を介して人体の治療個所に圧着して、同対極・
治極導子間に通電回路を形成して、皮膚を通じて
の低周波電気エネルギーを人体に送り、電気刺激
によつて生体細胞の新陳代謝へ影響を与え、更に
ヒーターを用いる等して体記湿布体を加温せし
め、この湿布効果との併用により治療を行うもの
であるが、治療導子たる対極導子と治極導子とは
それぞれ別個に独立したものであると共にヒータ
ーも両導子とは別個独立している為、治療の際は
両導子を身体の治療個所に定着せしめる為のベル
ト等を必要とすると共に、ヒーターを定着せしめ
る為にも別個ベルト等を必要とし、身体への装着
の操作が煩雑であつた。

特に治療部が、肩・膝・肘等関節部分である場
合には、装着が困難であると共に、治療中に対極
導子、治療導子、ヒーター、湿布帯等が別途位置
ずれし、治療が充分に行い難いという欠点があつ
た。

本考案では、人体の関節に沿うべく弯曲状に保
形した基布内部にヒーター線を収納すると共に同
基布の内側面に複数の治療導子を配設し、同治療
導子の表面に、同治療導子と関節との間に介在し
せめるべき湿布帯８を配設することにより、治療
部が、肩・膝・肘等関節部分である場合にも装着
が容易であり、治療中に対極導子、治療導子、湿
布帯等が別途位置ずれせず、治療が充分に行いう
る低周波電気治療装置における関節用治療等ユニ
ツトを提供せんとするものである。

本考案の実施例を図面にもとづき詳説すれば、
Ａは低周波電気治療装置を示しており、同治療装
置Ａは、治療器１にケーブル２を介して治療導子
ユニツト３を連設しており、かかる治療導子ユニ
ツト３は、基布４内側面に治療導子たる治極導子
５，６、対極導子５′，６′を配設せしめると共
に、基布４内側面側に湿布帯８を着脱自在に装着
し、かつ基布４の外側面側をカバー９で被覆して
おり、人体の関節に沿うべく弯曲状に保形し全体
として縦断面くの字状、横断面コの字状に形成さ
れている。

また、カバー９には装着用ベルト１０を連設し
ており、治療者の肩・膝・肘等身体の患部関節に
治療導子ユニツト３を被覆状態で装着し、装着用
ベルト１０で固定し、治療器１から治療導子に通
電して、患部関節を低周波通電で刺激して治療を
行うものである。

基布４は、治療導子を取付支持するための取付
基布１１の内にヒーター線１２を収納した電熱布
１３を重層状態に連設しており、このうち取付基
布１１は略矩形状に形成した下側部１４の上部中
央部から上方に漸次幅員を広げた上側部１５を一
体形成し相対する下側部１４の上側縁１４′と、
上側部１５の傾斜した下側縁１５′とを縫着せし
めて、縦断面くの字状、横断面コの字状に保持
し、内側方に凹部を形成しうるよう構成してい
る。

また、取付基布１１には、内部中央部に縦方向
に並設した袋状空間１６内に、アルミ素材の金属
板１７を収納すると共に、下側部１４の左右位置
に上下に並設した袋状空間１６内にアルミ素材の
金属板１７をそれぞれ収納している。

また、電熱布１３は取付基布１１のものと同一
形状の上側部１８及び、下側部１９を有し、取付
基布１１と同一形状に保形せしめている。

また治療導子は、電熱布１３内側面において、
上側部１８の中央部に治極導子５を、下側部１９
の中央部に対極導子５′を、下側部１９の上部左
右位置に他の治極導子６、対極導子６′をそれぞ
れ配し、各治療導子を対応する位置の金属煩１７
に連結支持せしめている。

従つて、治療導子ユニツト３を患部関節に装着
した際かかる治療導子の配設により、治極導子
５、対極導子５′は患部関節の上下に、また他の
治極導子６、対極導子６′は患部関節の左右に位
置すべく構成している。

また、治療導子の金属板１７の取付けは、治療
導子の両側に突設したフランジ２０がボルトを位
置して金属板１７に着脱自在に支持せしめること
により行つており、同治療導子への配線は取付基
布１１裏面に配設した４本のコード２１を各々金
属板１７の中央部のコード挿通孔２２に挿通し、
同コード２１先端を治療導子の裏面に接続すると
共に同コード２１基端を前記ヒーター線１２基端
と共に基布４縁部に配設したコネクタ２３内に集
約化せしめている。

かかるコネクタ２３は、基端を治療器１に接続
したケーブル２の先端に接続自在としており、治
療器１の操作により、ヒーター線１２及び治療導
子に通電を行いうるよう構成されており、患部関
節に治療導子ユニツト３を装着した際、ヒーター
線１２により湿布帯８で温湿布作用を奏しつつ、
治極導子５と対極導子５′との間で患部関節を介
して縦方向の通電が行われると共に、他の治極導
子６と対極導子６′との間で患部関節を介して横
方向の通電が行われるべく構成している。

また治療器１には所定の操作部を設け、同操作
部の操作により前記縦横の通電状態を交互に行わ
せたり、それぞれの通電状態を連続的に或は断続
的に行わせたり、それぞれの通電状態を異なる周
波数で行わせたりできるように構成している。

また、湿布帯８は基布４と同一形状に保形し、
表側２４をネル地とし、裏側２５をタオル地と
し、表側２４と裏側２５との間にネル地とタオル
地を交互に多数重層せしめ、含水し易いよう構成
され、かつ前記基布４と略同一面状に形成せしめ
られており、同湿布帯８の裏側２５四隅に配設し
たマジツクテープ２６を基布４内側四隅位置に配
設した係合テープ２７に係合せしめることによ
り、同湿布帯８を基布４の内側面に着脱自在に装
着しうるよう構成しており、前記治療導子の通電
はそれぞれ含水した湿布帯８を介して患部関節に
通電しうるよう構成している。

また、かかる湿布帯８は下部に圧縮形成した薄
肉の電流緩衝部２８をコの字状に形成することに
より、同湿布８を基布４に装着せしめた際に、治
極導子５と対極導子５′との間及び他の治極導子
６と対極導子６′との間に電流緩衝部２８が位置
されるべく構成しており、湿布帯を介する患部関
節への通電が治療有効性を保持しながら、低刺激
でソフトな感覚のもとに行いうるように構成して
いる。

なお、本考案は上記実施例に限定されるもので
はなく、例えば電熱布１３として一般にラバーヒ
ーターと呼ばれる屈曲自在の薄手面状に形成した
ものであつてもよく、かかるラバーヒーター使用
の際には電熱布１３が薄く形成でき、全体をコン
パクト化しうるものである。

本考案によれば、人体の関節に沿うべく弯曲状
に保形した基布４内部にヒーター線１２を収納す
ると共に、同基布４の内側面に複数の治療導子を
配設し、同治療導子の表面に、同治療導子と関節
との間に介在せしめるべき湿布帯８を着脱自在に
配設し、かつ、基布４の外側面を装着用ベルト１
０を有するカバー９にて被覆したので、治療部が
肩・膝・肘等の関節部分である場合にも装着が容
易であり、治療中に、治療導子、湿布帯、ヒータ
ー等が位置ずれせず、治療を充分に行いうるもの
である。

また、治療部に装着する場合は、装着用ベルト
により治療導子ユニツト全体を人体側に確実に装
着することができ、装着が容易でありながら、患
部に対して最適状態に装着できるものである。

さらに、湿布帯を治療導子の表面に着脱自在に
装着するものであるから、同湿布帯の交換が容易
であつて、全体として構造が簡単でありながら、
治療導子、湿布帯等が有機的に作用して患部の治
療を支障なく行うことができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の一部切欠斜視図、第２
図は第１図−断面図、第３図は第１図−
断面図、第４図は同例の電熱布の一部切欠展開
図、第５図は同例の取付基布の展開図、第６図は
同例の湿布帯の展開図、第７図は使用状態説明図
である。 Ａ：低周波電気治療装置、３：治療導子ユニツ
ト、４：基布、５：治極導子、５′：対極導子、
６：治極導子、６′：対極導子、８：湿布帯。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 人体の関節に沿うべく弯曲状に保形した基布４
   内部にヒーター線１２を収納すると共に、同基布
   ４の内側面に複数の治療導子を配設し、同治療導
   子の表面に、同治療導子と関節との間に介在せし
   めるべき湿布帯８を着脱自在に配設し、かつ、基
   布４の外側面を、装着用ベルト１０を有するカバ
   ー９にて被覆してなる低周波電気治療装置におけ
   る関節用治療導子ユニツト。