JPH0246480Y2 - - Google Patents

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JPH0246480Y2
JPH0246480Y2 JP10969885U JP10969885U JPH0246480Y2 JP H0246480 Y2 JPH0246480 Y2 JP H0246480Y2 JP 10969885 U JP10969885 U JP 10969885U JP 10969885 U JP10969885 U JP 10969885U JP H0246480 Y2 JPH0246480 Y2 JP H0246480Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この考案は水面に流出した油類を回収する船
舶、すなわち油回収船に関する。
[従来の技術] 近年の石油消費量の増大は、石油の陸上または
海上における輸送量の増大と、貯油施設や石油精
製施設の巨大化をまねき、油の流出事故の危険性
が高まつている。とくに、河川、港湾あるいは海
洋における油の流出事故は海洋を汚染し、環境を
破壊する重大な公害の源となつている。
したがつて、従来から、水面に流出した油を回
収するための手段が、いろいろと提案されてお
り、流回収船もまたその一つとして開発されてい
る。
昭和52年実用新案出願公告第18549号公報(昭
和52年4月26日公告)は、船尾両舷を後方に突出
させてV型双胴船尾とし、その中央部に船尾の高
い位置から船首に向けて下方に傾斜し、船体に設
けた油溜め部に終る船底傾斜面を有する油回収船
が開示してある。この公報に記載の油回収船は、
油の流出水域にまで航行した後、現場の油流出水
域において回収船を後進させて船尾の船底傾斜面
に沿つて油で汚染した水を油溜め部に導入するも
のである。
また、実開昭50−115390号公報(昭和50年9月
19日公開)は前掲公告公報に記載のものとは反対
に、船首側に船尾に向けて下方に傾斜して油出油
を油溜め部に導く船底傾斜面を有する油回収船が
開示してある。
ところで、前記第一の実用新案公告公報に記載
の油回収船においては、油による汚染水域に達し
たときに、船尾を汚染水域に対して先頭にし、即
ち、回収船を後進させて航行する必要がある。し
たがつて、V型双胴船尾のそれぞれに設けてある
推進器の回転が、掃海しようとする汚染水域を撹
乱する。そのために回収すべき流出油に海水を多
量に混入させるばかりか、汚染水域を拡張させ
る。それ故に、そうした不都合を極力避けるため
に、回収船の後進速度を極端に遅くする必要を生
じ、回収能力に支障をまねく。
次に、前記第二の実用新案公開公報に記載の油
回収船においては、船首側が船尾側に対して広幅
に構成された双胴の形となり、その中央に船底傾
斜面を有するものであるから、通常の航行時の推
進抵抗が過大であつて、汚染水域まで、あるいは
一般の航行における船速が極度に劣る。
また、船首側に船底傾斜面があるために、航行
時に荒天で海が荒れている場合には、船首船底が
波浪に強打される、いわゆるスラミング現象を受
け、船底を破壊するおそれがある。したがつて、
このような場合には、油回収船の速度をおとすと
か、荒天における航行を中止するとかしなければ
ならなくなり、油回収船に要求される本来の迅速
性や機動性に支障をきたすことになる。
[考案の目的] 以上に述べた従来の、この種の油回収船の諸問
題を考慮して、この考案は船尾を双胴とし、その
双胴間に船底傾斜面を有する油回収船において、
流出油の回収時に、推進器による流出油の撹拌を
できるだけ回避するようにした油回収船を提供す
ることにある。
この考案の目的は、さらに、構造が簡単で油回
収能力のすぐれた油回収船を提供することにあ
る。
さらにまた、この考案の目的は通常の航行を高
速度でおこなうことのできる油回収船を提供する
ことにある。
[考案の構成] この考案の油回収船の実施態様を、以下、添付
図面について詳細に述べる。
第1図と第2図に示すように、この考案の油回
収船10は船首側は通常の単一の船体であつて、
船尾側が1対の胴体12,14、すなわち双胴形
にしてある。それぞれの胴体12と14の船底部
には、推進器16と18とが配設してある。船尾
の胴体12と14との間は船尾端側から船首側に
向けて下方に傾斜する船底傾斜板20で接続して
あつて、船底傾斜板20の船首側の端部は単一の
船体に設けた油溜め室22の船尾側の端壁に終つ
ている。
油溜め室22には、後述するように船を後進さ
せることによつて前記船尾胴体12,14と船底
傾斜板20とで仕切られた部分より傾斜板20に
沿つて油溜め室22に誘導されて集められた流出
油を汲み上げるためのポンプ装置24を具備する
吸入管26が配置されている。吸入管26を介し
て汲み上げられた流出油は船体に設けた油槽2
8、あるいは他の適当な回収油槽に送りこまれ
る。この油溜め室22より油槽28に至る諸装置
は既に一般に公知のもので、この考案の要旨では
ないので、以上の説明をもつてその詳細は解説を
省略する。
この考案の油回収船10においては、1対の船
尾胴体12,14の内側の舷側30,32に沿つ
て上下に昇降させることができる案内板34,3
6が設けてある。これら両案内板34,36は普
通の航行時には、それぞれの舷側30,32に沿
つて胴体12,14の側面に持ち上げておき、掃
海時、すなわち回収船10を汚染水域の流出油回
収のために、船尾を先にして後進開始時に、胴体
12,14の側面より降下して、胴体12と14
との中央部の船底傾斜板20に沿つて案内される
流出油の流れを推進器16,18の回転による撹
乱から保護させる。
この考案による案内板34,36の昇降のため
の実施態様を第3図以下について説明する。な
お、1対の案内板34,36の昇降手段は同一で
あるから、一方の案内板34について説明する。
第3図は案内板34の昇降装置の第一の実施態
様を示すもので、案内板34の上部側縁を船尾胴
体12の内側の舷側30の底部側縁に、蝶番装置
38で回動できるように取付けてある。案内板3
4の外面には適当な部位に1個ないし複数個の部
位にロープ取付け部42が設けてある。これら取
付け部42にロープ44の一端が接続してあつ
て、船尾胴体12に取付けた滑車装置46を経て
適当な巻上げ機48にロープ44の他端が連結し
てある。
以上の構成から理解できるように、通常は巻上
げ機48を作動して案内板34を船尾胴体の内側
の舷側30に上げておき、必要に応じてこれを推
進器16の側面に降下する。
第4図は案内板34の昇降装置の第二の実施態
様を示すもので、第3図と同様に蝶番装置38を
用いて案内板34が取付けてあるが、蝶番装置3
8に動力式回転装置40を付随させ、これを作動
することによつて、直接、案内板を回動させる。
第5図は案内板34の昇降装置の第三の実施態
様を示す。この実施態様においては、案内板34
を回動させることなく、船尾胴体の内側の舷側3
0に沿つて上下に滑動することができるようにし
てある。そのために、案内板34の長手方向の両
端部が滑動することのできるガイド部材50が舷
側30に設けてある。案内板34には適当な部位
にロープ取付け部52が設けてあり、ロープ54
の一端が接続してある。ロープ54の他端は滑車
装置56を介して巻上げ機58に連結してある。
第6図は案内板34の昇降装置の第四の実施態
様を説明するもので、船尾胴体12の内側の最後
部に軸受装置60が取付けてあり案内板34の船
尾側の該当部分に軸62が設けてある。この軸6
2は軸受装置60に回動できるように装架してあ
る。案内板34の船首側の下端に近接する部位に
ロープ取付け部64が設けてあつて、ロープ66
の一端がこれに接続してある。ロープ66は滑車
装置68を介して、その他端が巻上げ機70に連
結してある。
この案内板34の昇降装置においては、巻上げ
機70の駆動に応じて、案内板34を軸62を中
心として回動して昇降させ、掃海作業時に推進器
16の側方に降下することができる。
[考案の効果] この考案の油回収船10は以上に詳述した通り
の構成によるもので、通常の航行時には案内板3
4,36をそれぞれの船尾胴体の内側の舷側3
0,32に沿つて推進器16,18の側方より上
方に引き上げておく。掃海作業を行う海域に近接
したときに、油回収船10の船尾を汚染領域に向
けて航行させ、巻上げ機48,58あるいは70
を駆動して案内板34,36を推進器16,18
の側方の海中に降下する。それによつて案内板3
4,36は船尾胴体12,14の中央の船底傾斜
板20に従つて油溜め室22の方向に送りこまれ
る汚染海水を推進器16,18によつて撹乱する
ことがなく、高速度に能率よく掃海作業を遂行す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案の油回収船を説明するために
一部を断面として示す略側面図、第2図は油回収
船の船尾の部分を示す略平面図、第3図はこの考
案の油回収船の案内板の昇降装置の第一の実施態
様を説明する略図、第4図は案内板の昇降装置の
第二の実施態様を説明する略図、第5図は案内板
の昇降装置の第三の実施態様を説明する略図、第
6図は案内板の昇降装置の第四の実施態様を説明
する略図である。 図面における主な参照数字は次の通りである。
10……油回収船、12,14……船尾胴体、1
6,18……推進器、20……船底傾斜板、22
……油溜め室、30,32……船尾胴体内側の舷
側、34,36……案内板、38……支持部材、
40……動力式回転装置、44,54,66……
ロープ、48,58,70……巻上げ機。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 1 双胴の船尾と、前記双胴の船尾の各々の船底
    に設けた推進器と、前記双胴の船尾間の空所に
    船尾の後端より船首側に向けて下方に傾斜し船
    体に設けた油溜め室の側壁に終る船底案内板と
    を具備し、掃海水域において後進して水上に流
    出した油を前記双胴間の前記船底案内板に沿つ
    て前記油溜め室に導くようにした油回収船にお
    いて、 前記双胴の船尾胴体の各々の内側の舷側に案
    内板を設けたことと、 前記案内板を前記舷側に沿つて前記船底の推
    進器の側方へ降下させる昇降装置を設けたこと
    とから成る油回収船。 2 前記案内板を前記船尾胴体に回動可能に支持
    し、前記昇降装置を前記案内板に取付けたロー
    プと、前記船体に設けた巻上げ機とから成るも
    のとした実用新案登録請求の範囲第1項に記載
    の油回収船。 3 前記案内板を前記船尾胴体に蝶番装置で回動
    可能に支持し、前記昇降装置を前記蝶番装置に
    直結した動力式回転装置とした実用新案登録請
    求の範囲第1項に記載の油回収船。 4 前記船尾胴体の各々の内側の舷側に前記案内
    板の長手方向の両端部が滑動することができる
    ガイド部材を設け、前記昇降装置を前記案内板
    に取付けたロープと、前記船体に設けた巻上げ
    機とから成るものとした実用新案登録請求の範
    囲第1項に記載の油回収船。
JP10969885U 1985-07-19 1985-07-19 Expired JPH0246480Y2 (ja)

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