JPH0246226Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、とくに電動工具等の回転用駆動部と
して用いられる回転子の改良に関する。

従来のこの種の回転子は、通常該回転子を構成
するコアーのスロツト底部に絶縁用のスロツトラ
イナを介在して巻回する構造であるが、この巻線
作業時にスロツトライナがマグネツトワイヤーの
巻回ともなつて該スロツト底部の軸方向に「ず
れ」て巻線される場合が多々あり、この状態で組
付けられると、コアーの端面からスロツトライナ
の端面までの絶縁距離が設定に対して不足し、絶
縁効果に悪影響を及ぼす結果となつていた。

本考案は、上記した従来の欠点に鑑み、回転子
におけるコアーの両端面に当接する押え用部材を
軸部に嵌合し、この押え用部材によりスロツトラ
イナを挟持し、該押え用部材とともに巻線（マグ
ネツトワイヤーを巻回）した構造にしたことによ
り、スロツトライナをコアーの両端面から「ずら
す」ことなく巻線できる回転子を提供し、もつて
絶縁効果に対する悪影響を未然に防止することを
目的とするものである。

以下、本考案を具体化した図示の実施例につい
て詳述すると、図において、１は回転子の全体を
示し、該回転子１は軸方向に所定の間隔でスロツ
ト２〜２が凹設されたコアー３と、該コアー３の
両端に延出された軸部４，４とから構成され、前
記コアー３におけるスロツト２〜２にはそのスロ
ツト底部２ａ〜２ａに絶縁用のスロツトライナ５
〜５を介在してマグネツトワイヤー６が巻線機
（図示しない）によつて周知の状態で巻回（巻線）
されている。

そして、上記構成の回転子におけるマグネツト
ワイヤー６の巻回作業にあつて、本実施例にあつ
ては、第４図に示す絶縁用の押え用部材７により
各スロツトライナ５を挟持しながらなされるもの
で、この押え用部材７は回転子１の軸部４に嵌合
する絶縁用のチユーブ７ａと、該チユーブ７ａの
一端に一体状に設けた絶縁用のフランジ７ｂとか
らなり、マグネツトワイヤー６の巻回時このフラ
ンジ７ｂを回転子１のコアー３の端面に当接させ
るべく、両軸部４，４にそれぞれ押え用部材７，
７のチユーブ７ａ，７ａを嵌合し、そして、この
両フランジ７ｂによりスロツトライナ５を両側か
ら挟持しながら回転子１と一体としてマグネツト
ワイヤー６が巻回されるものである。なお、押え
用部材７のフランジ７ｂの径はコアー３における
スロツトライナ５〜５を若干覆蓋する径とするこ
とが望しい。

また図中、８，８は図示しない巻線機のチヤツ
ク装置におけるガイドプレートであつて、巻線時
にマグネツトワイヤー６がスロツト２に円滑に入
り込むように該マグネツトワイヤー６を案内する
ものである。

なお、押え用部材７をチユーブ７ａとフランジ
７ｂとで一体に形成したが、これを別体に形成し
てそれぞれ回転子１に組付けてもよい。

以上のように、本考案はスロツトを形成したコ
アーと、該コアーの両端から延出した軸部と、こ
のコアーのスロツト内に絶縁用のスロツトライナ
を介在してマグネツトワイヤーを巻回してなる回
転子であつて、前記軸部に嵌合した押え用部材に
て前記スロツトライナを挟持するとともに、該押
え用部材とともに前記マグネツトワイヤーを巻回
したものであるから、そのマグネツトワイヤーの
巻回時に押え用部材によつてコアーのスロツトに
対するスロツトライナの位置を確実に保持してマ
グネツトワイヤーが巻回されるため、該スロツト
ライナの「ずれ」を未然に防止して絶縁効果に対
する悪影響を皆無とすることができる利点を有す
る。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示し、第１図は回転子
の全体（ただし、巻線前の状態）を示す斜視図、
第２図は同じく正面図、第３図は同じく側面図
（ただし、巻線状態の一部を示す）、第４図は押え
部材を示す斜視図である。 １……回転子、２……スロツト、３……コア
ー、５……スロツトライナ、６……マグネツトワ
イヤー、７……押え用部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スロツトを形成したコアーと、該コアーの両端
   から延出した軸部と、このコアーのスロツト内に
   絶縁用のスロツトライナを介在してマグネツトワ
   イヤーを巻回してなる回転子であつて、前記軸部
   に嵌合した押え用部材にて前記スロツトライナを
   両端部から挟持するとともに、該押え用部材とと
   もに前記マグネツトワイヤーを巻回したことを特
   徴とする回転子。