JPH0244740B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、マイクロフイルムリーダー等におけ
るロールフイルムキヤリアに関するものである。

（従来の技術） 一般に、ロールフイルムをカートリツジ内に収
納し、このカートリツジをロールフイルムキヤリ
アに装着して使用するに際し、カートリツジから
フイルムを引き出し、巻き取り用のリールにその
先端を導くため、特にこの動作を自動的に行うた
めに多くの機構が提案あるいは提供されている。
この種の機構のうち現在最も広く用いられている
ものとして、第４図に示すように、フイルム先端
部に、フイルム本体１０より腰の強い部材で形成
され、かつフイルム本体より幅の広いリーダーテ
ープ２０を設け、第５図に示すように、カートリ
ツジ３０内においてこのリーダーテープ２０を、
フイルム１０が巻かれているリール３１のフラン
ジ３２の外周上に巻きつけておき、切り欠き部３
６からローラ３３をこのフランジ３２に対して押
しつけ、ローラ３３の矢印方向の回転によつてリ
ーダーテープ２０の先端を開口部３４に導き、リ
ーダーテープ２０の腰の強さを利用して、ガイド
３５等を介してフイルム１０を巻き取り側へ導く
ようにしたものがある。このシステムは、米国の
3M（Minnesota Mining＆Manufacturing）社に
よつて開発されたもので、現在カートリツジタイ
プのロールフイルムキヤリアのシステムとしては
最も一般的なものである。このシステムに用いら
れるカートリツジ３０の構成を第６図に示す。第
６図において、３６はカートリツジ３０に設けら
れた切り欠き部であつて、この部分において、リ
ーダーテープ２０が露出しており、このリーダー
テープ２０に対して上述したローラ３３を当接さ
せてリーダーテープ２０を摩擦駆動し、送り出し
用の開口部３４からその先端を導きだすものであ
る。なお３７はマイクロリーダーあるいはフイル
ムキヤリアの駆動軸から回転力を伝達されるコネ
クタである。

このようなカートリツジ３０を用いたシステム
に対し、近年第７図に示す如きカートリツジ４０
を用いたシステムが提供された。即ち、上述の如
き幅広のリーダーテープ２０を用いず、カートリ
ツジ４０の底部に設けた送り出し駆動用の窓４１
から、図示しないローラやベルト等の摩擦駆動手
段によつてフイルム１０を送り出し方向に駆動
し、フイルム先端が送り出し用の開口３４にくる
と、フイルム表面に当接して回転する分離用のロ
ーラ（図示せず。）でその先端部をロール部分か
ら分離して送り出すように構成される。この場
合、フイルム１０はリーダーテープのように腰が
強くないため、先端はロール部に巻きついてお
り、これを引き離すためには分離手段を必要とす
るが、フイルムそのものにリーダーテープを設け
なくとも良いという利点を有し、システムとして
は第６図のものとの比較において一長一短があ
る。このタイプのカートリツジを用いるシステム
としては、上記3M社のイージーロードシステム
及び米国のイーストマンコダツク社のエクタメイ
トシステムがある。なお、第７図に示すものは、
切り欠き部３６を具備して、リーダーテープ２０
を備えたものにも適用できるようになつている。
又第７図において３７はコネクタである。

そして前記エクタメイトシステムに用いられる
カートリツジ１４０は第８図に示すように、底部
に駆動用の窓４１を備えるものの、第７図に示す
切り欠き部３６を全く具備していない。

（発明が解決しようとする課題） このように各種カートリツジが用いられ、今後
も新しいタイプのカートリツジが用いられる可能
性がある。ところで第５図に示すフイルム先端送
り出し機構を備えたロールフイルムキヤリアで
は、そのすべてのカートリツジに適用することが
できず、例えば第８図に示すカートリツジ１４０
のフイルム先端送り出しを行うことができない。

本発明は上記に鑑み、すべての種類のカートリ
ツジを用いることができるロールフイルムキヤリ
アを提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） 本発明はすべての種類のカートリツジが送り出
し用の開口を備えていることに着目してなされた
ものであつて、内部に巻回収納されたロールフイ
ルムを有し、かつロールフイルムの先端を通過さ
せることによりロールフイルムを外部に送り出す
ための送り出し用開口をほぼ同一の位置に有した
複数種のカートリツジを装填することが可能なロ
ールフイルムキヤリアにおいて、前記送り出し用
開口に侵入し、ロールフイルム表面に当接した状
態でロールフイルムをその先端を分離する方向に
回転駆動する送り出しローラと、送り出しローラ
に対しロールフイルムと反対側の位置に隣接して
設けられ、送り出しローラが回転した状態におい
てこれと反対方向に回転してロールフイルムの先
端を外部に導くガイドローラと、送り出しローラ
とガイドローラとを一体的に支持すると共に、送
り出しローラをロールフイルムに当接させる作動
位置と、退避させる非作動位置との間で移動可能
に構成されたローラ支持手段と、前記送り出し用
開口を通過して送り出されたロールフイルムの先
端を巻き取るための巻取り手段とを備えたことを
特徴とする。

（作用） 本発明によれば、送り出しローラによつてロー
ルフイルムをその先端を分離する方向に回転駆動
し、第９図に示すようにロールフイルムの先端を
フイルム巻回部から分離してこれをガイドローラ
に導き、ガイドローラの回転によつて前記先端を
送り出し用開口を通じて外部に送り出すことがで
きる。前記送り出し用開口は、ロールフイルムの
先端を外部におくりだすための開口であるので、
どのようなタイプのカートリツジであつても備え
ているものであり、その開口位置も略同一であ
る。

前記送り出しローラはローラ支持手段に支持さ
れ、このローラ支持手段の移動に伴つて、前記送
り出し用開口より侵入し、上記のようにロールフ
イルムの先端をロールフイルムの巻回部から分離
し、これを送り出す作業を行う。又送り出しロー
ラは非使用時に、ローラ支持手段の移動に伴つ
て、前記送り出し用開口を通じて外部にでる。こ
のように送り出しローラはすべてのタイプのカー
トリツジが略同一位置に備える送り出し用開口を
利用して出退動するように構成されている結果、
本発明のロールフイルムキヤリアはすべてのタイ
プのカートリツジに使用することができる。

又本発明は前記送り出しローラに対しロールフ
イルムと反対側の位置に隣接して設けられたガイ
ドローラを備え、これが送り出しローラと共に一
体的に前記ローラ支持手段に支持されている。こ
のガイドローラは送り出しローラと反対方向に回
転する。従つてロールフイルムの先端を送り出す
作業時に、送り出しローラの回転駆動によつてロ
ールフイルムは送り出しローラに対し反対方向に
回転しつつその先端が送り出しローラの上方位置
でフイルム巻回部から分離し、前記送り出し用開
口に向け送り出されるが、ロールフイルムの先端
が到達する箇所に、送り出しローラと反対方向に
回転し、換言すればロールフイルムと同一方向に
回転するガイドローラが位置することになる。そ
してこのガイドローラはロールフイルムの先端の
進行方向とも一致する方向に回転していることに
なるので、そのガイド作用によつてロールフイル
ムの先端をスムースにカートリツジ外部に導くこ
とができる。

（実施例） 以下、本発明の実施例を図面に従つて説明す
る。

第３図に、マイクロリーダー５０にロールフイ
ルムキヤリア６０を装着した基本的構造を示して
いる。このロールフイルムキヤリア６０はすべて
の種類のカートリツジに適用可能であるが、図に
は第７図に示すタイプのカートリツジ４０が装着
されている状態が示されている。

ロールフイルムキヤリア６０のカートリツジ装
着部６１にある駆動軸６２はベルト等を介してモ
ータ（図示省略）により駆動されるもので、この
駆動軸６２に上述したカートリツジ４０のコネク
タ３７が係合するように、カートリツジ４０を装
着する。この装着には軸係合、磁石等が利用さ
れ、駆動力がカートリツジ４０のリール３１に確
実に伝達される。

第１図及び第２図はフイルム先端送り出し機構
を示している。この機構は、送り出しローラ１１
０を備えかつ駆動軸１０４に揺動可能な支持部材
１１１を装着し、操作レバー１０２の押し下げ動
作によりフイルム１０の先端送り出し達成するよ
うにした。即ち、操作レバー１０２が押し下げら
れると、その回動他端部に固設されたピン１１２
によつて支持部材１１１が持上げられ、支持部材
１１１は軸１０４を中心に反時計回動し、送り出
しローラ１１０がカートリツジ４０の送り出し開
口３４に向かつて進み、この開口３４に露出して
いるフイルム１０に圧接される。このとき駆動が
ONし、駆動軸１０４が回転駆動されることによ
り、ベルト１１３を介してガイドローラ１１４が
時計方向、送り出しローラ１１０が反時計方向に
それぞれ回転する。

送り出しローラ１１０がリール３１に巻回され
たロールフイルム１０に圧接された状態で回転す
ると、第９図に示すようにロールフイルム１０が
送り出し方向に回転し、その先端が送り出し用の
開口３４に達し、ガイドローラ１１４に接触す
る。なお、ロールフイルム１０の先端にロールフ
イルム１０と略同幅のリーダーテープを接着等に
より接続し、リーダーテープの腰の強さを利用し
てより一層確実にフイルム１０を送り出せるよう
に構成してもよい。前記ガイドローラ１１４は、
送り出しローラ１１０に対しロールフイルム１０
と反対側の位置に隣接して設けられ、前述のよう
に、送り出しローラ１１０とは逆方向に回転して
いる。従つてこのガイドローラ１１４はロールフ
イルム１０の回転方向と同一方向であり、換言す
れば、ロールフイルム１０の先端あるいはリーダ
ーテープの進行方向と同じ回転方向であり、また
これに近接してガイド１１５がガイドローラ１１
４と一体的に移動するように設けられているた
め、ロールフイルム１０やリーダーテープの先端
が確実にガイド板１１６とローラ６７の間に導か
れる。なお前記ガイド１１５は本発明必須のもの
ではない。

送り出しローラ１１０の圧接を続けると、ロー
ルフイルム１０の先端は照明部６８のガラス板６
９，７０の間を進み、ガイドローラ７３を介して
巻き取りリール（巻き取り手段）７１に送り込ま
れる。巻き取りリール７１はモータ（図示省略）
によつて伝達機構（図示省略）を介して駆動され
ており、そのフランジ内面のテーパ面にロールフ
イルム１０の先端が巻き込まれる形となり、ロー
ルフイルム１０の送り出しの初期動作が完了す
る。

第８図に示すカートリツジ１４０に対して上記
送り出し機構がそのまま利用できることは云うま
でもない。また第６図に示すカートリツジ３０は
その専用機において、フイルム送り出しの機構は
異なつているが、そのフイルム送り出し用の開口
３４はほぼ同じ位置にあり、従つて、第６図に示
すタイプのカートリツジ３０に対しても、リーダ
ーテープ２０の駆動に第１図、第２図に示す機構
により、送り出し用のローラ１１０を用いること
ができる。この場合、ローラ１１０をこのまま圧
接させても送り出しは可能であるが、リーダーテ
ープ２０がリール３１のフランジ３２の周囲に巻
かれている関係上、ローラ１１０の圧接力が強す
ぎるとリーダーテープ２０が撓み、摩擦駆動力が
確実に伝達されないおそれがあるので、ローラ１
１０，１１４を軸方向に若干移動可能な構成ある
いは交換可能な構成としておき、リール３１のフ
ランジ３２部にローラ１１０が当接するように構
成しても良い。

なお、上記実施例においては操作レバー１０２
は手動にて押下げる構成を示したが、これはソレ
ノイド等を利用して電気的に操作しても良い。又
上記実施例では、支持部材１１１と操作レバー１
０２によつて、送り出しローラ１１０とガイドロ
ーラ１１４とを一体的に支持すると共に、送り出
しローラ１１０をロールフイルム１１０に当接さ
せる作動位置と、退避させる非作動位置との間で
移動可能なローラ支持手段を構成しているが、こ
れに限定されない。

さらに本発明のロールフイルムキヤリアにおい
ては、第８図に示すイーストマンコダツク社のエ
クタメイトシステムのカートリツジ１４０を使用
可能とするために、カートリツジ装着部６１に以
下の如き構成を有する。即ち、エクタメイトシス
テムのカートリツジ１４０は、第８図にその概略
を示す通りものであるが、これは、専用機におい
ては機械内部に装着して使用されるように設計さ
れたものであるため、例えば第３図に示すような
装着部６１にそのままはめ込んだだけでは、フイ
ルム１０の駆動中にカートリツジ１４０自体が装
着部６１から落ちてしまうという問題があつた。
このため第８図に示すように蓋３００をキヤリア
本体に対して着脱自在に設け、この蓋３００によ
つてカートリツジ１４０の前面をカバーしてカー
トリツジ１４０が落ちるのを防止すると共に、蓋
３００のカートリツジ１４０と対向する面に位置
決め用の突起３０１，３０２を設け、カートリツ
ジ１４０の位置ずれ及び撓み等を防止した。

蓋３００は、キヤリア本体に着脱可能な軸３０
３に回動自在に保持され、スプリング３０４でカ
ートリツジ１４０方向に回動付勢されており、こ
のタイプのカートリツジ１４０を使用するときの
み本体に装着される。突起３０１，３０２はエク
タメイトシステムのカートリツジ１４０の側面の
凸凹構造を利用し、凸部３０５，３０６に係合す
るような位置関係に設けられ、上述した如く、カ
ートリツジ１４０の位置決めと、その構造上の欠
点であるところの撓みを防止するように設定され
ている。

従つて本発明のロールフイルムキヤリアにおい
ては、使用するカートリツジの種類、即ち上述し
た3M社の幅広のリーダーテープ２０を用いるシ
ステム、同じく3M社のイージーロードシステム
及びイーストマンコダツク社のエクタメイトシス
テムのいずれのシステムに用いられるカートリツ
ジ、更には規格化されていないカートリツジに対
しても、フイルム先端の送り出しに関しては共通
の機構を利用して行うことができる。

（発明の効果） 本発明によれば、現在規格化されているすべて
の種類のカートリツジに対しては勿論、規格化さ
れていないカートリツジに対しても、そのロール
フイルム先端の送り出しを適正に行うことができ
る汎用性のあるロールフイルムキヤリアを提供す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例の要部の正面図、第２
図はその斜視図、第３図は全体を示す斜視図、第
４図はリーダーテープの平面図、第５図は従来の
フイルム先端送り出し機構の断面図、第６図、第
７図及び第８図は各種タイプのカートリツジを示
す斜視図、第９図は本発明の作用を説明する要部
の正面図である。 １０……ロールフイルム、３０，４０，１４０
……カートリツジ、３１……リール、３４……送
り出し用開口、６１……装着部、７１……巻き取
り手段、１１０……送り出しローラ、１１１……
ガイド支持部材、１１４……ローラ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 内部に巻回収納されたロールフイルムを有
   し、かつロールフイルムの先端を通過させること
   によりロールフイルムを外部に送り出すための送
   り出し用開口をほぼ同一の位置に有した複数種の
   カートリツジを装填することが可能なロールフイ
   ルムキヤリアにおいて、 前記送り出し用開口に侵入し、ロールフイルム
   表面に当接した状態でロールフイルムをその先端
   を分離する方向に回転駆動する送り出しローラ
   と、 送り出しローラに対しロールフイルムと反対側
   の位置に隣接して設けられ、送り出しローラが回
   転した状態においてこれと反対方向に回転してロ
   ールフイルムの先端を外部に導くガイドローラ
   と、 送り出しローラとガイドローラとを一体的に支
   持すると共に、送り出しローラをロールフイルム
   に当接させる作動位置と、退避させる非作動位置
   との間で移動可能に構成されたローラ支持手段
   と、 前記送り出し用開口を通過して送り出されたロ
   ールフイルムの先端を巻き取るための巻取り手段
   とを、 備えたことを特徴とするロールフイルムキヤリ
   ア。