JPH0243528B2 - - Google Patents

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JPH0243528B2
JPH0243528B2 JP58171996A JP17199683A JPH0243528B2 JP H0243528 B2 JPH0243528 B2 JP H0243528B2 JP 58171996 A JP58171996 A JP 58171996A JP 17199683 A JP17199683 A JP 17199683A JP H0243528 B2 JPH0243528 B2 JP H0243528B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜を
透析室枠を介して交互に多数配列し、該膜群及び
透析室枠群の両端に1対の電極室及び電極を配し
て膜間に脱塩室と濃縮室を交互に形成、電解質の
希釈と濃縮を行なう電気透析槽における透析室枠
に関する。
〔発明の背景〕
電気透析法はイオン交換膜の選択透過能を利用
した膜分離技術であり、その選択分離能、省エネ
ルギー性故に、海水の濃縮による製塩、海水脱塩
による淡水製造、有機物と無機塩の分離等、多方
面に活用されている。
従来、電気透析槽は陽イオン交換膜と陰イオン
交換膜を、ゴム、プラスチツク等のシートの中央
部を切欠いて作つた室枠を介して交互に多数積層
し、かつ該室枠切欠部内には膜間隔を保持し合わ
せて液流を撹拌、均一化するため通常プラスチツ
ク等よりなる網状スペーサーを挿入し、該膜群、
室枠群及びスペーサー群の両端に一対の電極室及
び電極を設け、全体を積層方向に締付けて構成さ
れる。
以上の一般的な電気透析槽の透析室部分の展開
図を第1図に示した。第1図において、交互に配
置された陽イオン交換膜1と陰イオン交換膜2の
間に透析室枠3が配置され、透析室枠3の中央切
欠部4が透析室(脱塩室もしくは濃縮室)とな
り、透析室内には前述のスペーサー8が設けられ
る。透析室枠3の周辺部には連通孔5A,5B,
6A,6Bが設けられた潮道7A,7Bを介して
透析室4と連らなる。潮道内には液流路を確保す
るためデイストリビユータと称する構造物が一般
に挿入される。被処理水は第1図中に矢印で示す
如く連通孔6A、潮道7A、透析室4、潮道7
B、連通孔6Bの順で電気透析槽内を流通し、脱
塩あるいは塩類の濃縮が行なわれる。
このような電気透析槽に用いられる一般的な透
析室枠を第2図Aに示す。第2図Aにおいて室枠
3は透析室となるべき中央切欠部4、給液連通孔
となるべき切欠部6A,6B及び5A,5Bを有
し、また連通孔6A,6Bと中央切欠部4の間の
室枠部も切欠かれ、この部分は潮道7A,7Bと
なる。中央切欠部4内には網状スペーサー8が設
けられ、潮道7A,7Bにも同様の構造物が挿入
される。被処理水は連通孔6Aから潮道7Aを経
て透析室4に入り、ここで脱塩あるいは濃縮され
た後、潮道7B、連通孔6Bを経て透析槽外へ出
る。
このような電気透析時、室枠及びスペーサーの
加工上の寸法精度、材料自体の寸法安定性、締付
による室枠の変形の問題とともにスペーサーは単
に切欠部に挿入されているのみであるため、室枠
とスペーサーとの間に間隙が生じ、またこの間隙
は液流の圧力によりスペーサーが移動するため局
部的に集中する傾向がある。
室枠とスペーサー間に間隙が生じると第2図B
に示す如く透析室内の液流速は不均一となり間隙
部で流速は極端に大きくスペーサー部で小さくな
る。液流速の不均一が生じると高流速で透析室を
通過した液が十分脱塩(あるいは濃縮)されず、
逆に低流速で通過した液が過剰に脱塩(あるいは
濃縮)されるという支障が生じ、さらに重大なこ
とには、低液流速では限界電流密度が低いにもか
かわらず滞留時間が長く過剰に脱塩(あるいは濃
縮)される結果、水分解、スケール析出の電気透
析槽の運転に際して最も忌むべき現象が発生し、
膜の劣化及び破損のため、ついには運転不能の事
態に至る。
以上の問題を防止するため、従来よりスペーサ
ーの外周辺と室枠の内周辺を部分的に接着するこ
とも提案されているが、接着個所以外の部分でス
ペーサーがたるみ易く、また接着部がはがれるこ
とも往々にしてあり、根本的な解決策になつてい
ない。また第2図の方式では、電気透析槽の組立
に際し、イオン交換膜1,2、室枠3、スペーサ
ー8を順に積層する必要があり作業が非常に繁雑
となり、しかも、スペーサー8は室枠3の切欠部
4内に偏りなく正確に挿入する必要があり、作業
には時間と熟練を要する。
このような問題点を解消するために、スペーサ
ーと室枠とを加熱一体化(融着)する方法が提案
されている(実公昭54−16914号公報)。この加熱
一体化の方法においては、合成樹脂からなる二枚
の室枠部材と同じく合成樹脂からなるスペーサー
を加熱加圧して融着するものである。
ところで電気透析槽に通して組立てた場合各透
析室間のシールは完全なものとする必要がある。
このため上記した従来の加熱一体化法において
はシール性を図るために二枚の室枠部材の各対向
面に突起部や凹状線条を設け、この突起部や凹状
線条周縁部の溶融によつて網状のスペーサーを室
枠に埋設するような方法も採られている。したが
つてこの方法では室枠を加工する手間が多く煩雑
であり、また網状のスペーサーを室枠に完全に埋
設させるためには材料の選定の制約を受けやす
い。
また潮道7A,7Bは透析室4へ被処理水を分
配供給あるいは分別収集する重要な役割を有する
が、その構造上液漏れの非常に生じ易い部分でも
ある。電気透析法では、1枚の膜を介して隔てら
れる脱塩水と濃縮水の濃度差が大きい場合が多
く、例えば海水の淡水化では塩濃度500ppmの淡
水とその120倍の濃度に相当する塩濃度約6%の
濃縮水が槽内を流通しており濃縮水の淡水側への
わずかな漏れが淡水の水質を大きく左右し、長時
間の通電を行つても500ppm以下の淡水が遂に得
られない場合が往々にしてある。この潮道部にお
ける液漏れ防止は電気透析槽の使命を左右する重
要な課題である。
このような潮道部の液漏れを防止するために種
種の方法が提案されている。これらの方法とし
て、例えば潮道を狭く長くする方法(J.R.
Willson:Demineralization by
Electrodialysis、Butterworths Scientific
Publications、1960)潮道を屈折させる方法(特
公昭38−4337)、網等を膜サポート材として挿入
する方法等であるが、最も多用されているのが網
状構造物(ここではデイストリビユータと称す
る)を挿入する方法である。
第3図はこの方法及び問題点を示したものであ
る。第3図Aは代表的なデイストリビユーターの
構造を示す平面図で、透析室枠3の潮道部7には
スペーサー8と類似した構造を有する網状構造物
(デイストリビユータ)9が挿入される。第3図
Bは、その変形例を示す平面図でスペーサー8と
膜サポート材としての網状構造物9が一体化して
いるところにAとの相異点がある。
以上の構造の潮道部では膜を介して多数積層し
た場合第3図Cに示した如くの問題が生じる。す
なわち、イオン交換膜は網の素線により狭い幅の
線状に支えられるのみであり、また膜は通常0.1
〜0.2mmの薄いシート状であまり大きな強度を有
しないため、潮道部7内に落ち込み、透析室枠3
との間に間隙を生じて、この間隙を通じて液漏れ
が生じる。すなわち脱塩水と濃縮水の混合が発生
する。
この現象は室枠群の過剰な締付、長時間の運
転、高温における運転により主として生じる。特
に支持材にポリ塩化ビニルを用いた膜(電気透析
用イオン交換膜の支持材は、イオン交換樹脂との
親和性の良いポリ塩化ビニルが多用される)を使
用した電気透析槽で透析温度が上昇するとこの問
題が生じ易く、この種の膜では40℃以上での運転
はかなり困難である。
〔発明の目的〕
本発明の第1の目的は、寸法精度及び加工性が
良好な室枠部材−スペーサー一体化室枠であつて
電気透析槽として組立てた場合シール性が良好な
電気透析槽用透析室枠を提供することにある。
本発明の第2の目的は、更にイオン交換膜の膜
変形及びその変形により生じる液漏れ防止に良好
な性能を示す潮道部分を有する電気透析槽用透析
室枠を提供することにある。
〔発明の概要〕 本発明の第1は、透析室枠部材にスペーサーよ
りも加熱変形温度の低い発泡体を用い、スペーサ
ーの外周寸法を透析室枠部材の外周寸法と略同一
に形成し、この発泡体からなる一枚の透析室枠部
材と一枚のスペーサーとを加熱一体化した電気透
析槽用透析室枠である。
本発明の第2は、透析室枠部材としてスペーサ
ーよりも加熱変形温度の低い発泡体を用い、この
発泡体とスペーサーとを加熱一体化するとともに
イオン交換膜よりも剛性及び耐熱性に優れた2枚
のフイルム状構造物と室枠切欠部で潮道を構成し
た電気透析槽用透析室枠である。
〔発明の実施例〕
第4図は本発明の透析室枠を製造する方法を示
し、図中Aは室枠部材、Bはスペーサー部材であ
る。発泡ポリエチレンシートを裁断して作成した
室枠部材Aをポリプロピレン押出し成形品である
網をBの如く裁断して作成したスペーサー部材B
と重ね加熱圧着して部材Cを得る。この場合圧着
温度は発泡ポリエチレンの加熱変形温度の40〜80
℃以上、ポリプロピレンの加熱変形温度100〜120
℃以下が良好であつて、この温度条件下では発泡
ポリエチレンシートは軟化し変形するが、ポリプ
ロピレン性スペーサーは原形を止め枠体のみがス
ペーサー網目間に流入して一体化する。
またスペーサーの形状変化がないため部材A,
Bの縦方向及び横方向の形状変化が少なく、また
その寸法も大きく損なうことなく部材Cを得るこ
とができる。次に部材Cについて連通孔5A,5
B,6A,6Bを設けることによつてスペーサー
と一体化した室枠Dを得ることができる。なお連
通孔5A,5B,6A,6Bは予め部材A,Bに
穿けておくことも有効であるが、プレス時の連通
孔位置合せの問題、連通孔位置精度の問題を考慮
すると加熱一体化後に連通孔5A,5B,6A,
6Bを設けることが有利である。また加熱一体化
温度についてはスペーサーと室枠との両材料の軟
化温度(加熱変形温度)の間の温度が有効である
が、加熱速度、即ちプレス面から部材Aを経て部
材Bに熱が伝達する速度を考慮すると、部材Bの
軟化温度よりも高い温度の適用も可能である。即
ち室枠部材Aとプレス部材面との接触面温度をス
ペーサー部材Bの軟化温度よりも高い温度とし、
スペーサー部材がプレス表面温度に対するまでに
圧着を完了すればスペーサー部材Bの変形を生じ
ることなく部材Cを得ることができる。このよう
な温度条件を採用することはプレス時間を短縮
し、量産化効果を上げるうえで有効である。
したがつて室枠とスペーサーとを加熱一体化す
る場合、加熱温度は室枠及びスペーサーのそれぞ
れの変形温度の中間温度かもしくは両者の変形以
上の温度とすることが望ましい。
第5図は室枠体に発泡ポリエチレンを用いるス
ペーサーにポリプロピレン網を使用して加熱プレ
スで圧着した場合の一体化の様子を模式的に示し
たもので、Aは加熱前、Bは一体化の中間段階、
Cは完全に一体化した状態を示す。このような室
枠とスペーサーとの加熱一体化において室枠部材
(発泡ポリエチレン)3の変形温度がスペーサー
(ポリプロピレン)8の変形温度よりも低いため
スペーサーの変形をきたすことなく室枠部材3と
スペーサー8との一体化が可能である。また室枠
部材3が発泡体であるため発泡体へのスペーサー
の埋没が極めて容易となる。即ち室枠部材3のス
ペーサー埋没部分の気泡が破泡し、極めてスムー
ズにかつ短時間に低い圧力で加圧一体化できる。
またスペーサーの埋没容積は気泡の破泡により確
保されるため室枠部材寸法の変化も程んど生じな
い。第5図cに示した如く、室枠部材3とスペー
サ8との厚さを略同一に形成することによつて、
加熱プレスによる両者の一体化作業を全面にわた
つて一様な厚さのものとで行なえるため、該作業
及びそのための装置を簡単化できる。
本発明において、透析室枠に用いられる発泡体
には特に材質上の制限はないが、発泡ポリエチレ
ン、発泡ポリプロピレン、発泡ポリスチレン、発
泡ポリエステルなどが適用でき、特に前三者が熱
変形温度が低く、入手も容易であり、本発明に良
好に適用できる。また本発明において、スペーサ
ーに用いられる材料は、室枠に用いられる材料よ
りも変形温度が高いものであればよい。このよう
なスペーサーの材料としてはポリプロピレン、ポ
リスチレン、フエノール系樹脂、ポリカーボネイ
ト、ポリアミド樹脂、ポリエチレン、などがあげ
られる。これらのスペーサーと室枠との組合せは
両者それぞれの変形温度によつて適宜組合せるこ
とができる。
即ち発泡体からなる室枠の変形温度はスペーサ
ーよりも低いことが必要である。両部材の軟化温
度が同一もしくは発泡体からなる室枠の変形温度
が高い場合、例えば軟化温度の高い室枠の軟化温
度以上でプレスした場合、室枠と重なる部分のス
ペーサーは大きく変形して原寸法よりも拡大し、
同時に枠体中央切欠部においてスペーサーが部分
的に融解して枠体と網は一体化せず、しかもスペ
ーサーは大きく撓んで平面を保つことができな
い。また本発明において、室枠は発泡体からなる
ことが条件である。例えば室枠に従来より用いら
れている天然ゴム、ネオプレン、フロロプレンな
どの合成ゴムを使用して加熱によりスペーサーと
室枠とを一体化する場合、ゴム材料は不適切であ
る。これはシート状に成形されたゴムを加熱する
とゴムは初期弾性などの優れた物性を保持しなく
なるためである。仮にスペーサー周辺の枠体とな
る部分で生ゴムを加硫して固化させたとしても加
硫温度が高く程んどのスペーサーは流解して原形
を止めなくなる。因に現在多用されているスペー
サー材料はポリ塩化ビニール、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリアミドなどでこれらは加工成形が容易で
あり、安価であるなどの理由によつて使用されて
いる。しかしこれらのスペーサー材料はゴムの加
硫温度に耐えるのには十分でない。したがつてテ
フロン、ガラス繊維などの高価なあるいは加工性
に劣る材料の使用が必要となる。本発明において
は室枠に発泡体を用いることによつて従来より用
いられているスペーサー材料をそのまま用いるこ
とができシール性能に優れたスペーサー一体化室
枠を提供できる。
なお発泡体の気泡には連泡性の気泡と独立気泡
が存在するが、連泡性の気泡の場合気泡の空隙を
通じて液漏れが発生するため独立気泡を主として
含む発泡体が有効である。さらに独立気泡を主と
して含む発泡体を室枠として用いると、この室枠
を用いて電気透析槽として締め上げた場合、発泡
体の弾力性が高くその弾性は長時間持続するため
シール性能の面で特に有効である。また発泡体を
用いる本発明では、加熱圧着温度及び加熱時間を
調整することによつて室枠体中の気泡の量(破壊
される量)を調整し、室枠体の弾性を加減するこ
とができる。
ここで幅200mm長さ2000mm厚さ0.8mmの室枠も用
い通常の電気透析槽構成方法によりイオン交換膜
を介して脱塩室200室濃縮室200室の電気透析槽を
組み立て、透析室内に液を流通して槽外部への液
リークの有無を調べたところ、発泡ポリエチレン
面の面圧10Kg/cm2で締付けた場合電気透析槽内の
圧が3Kg/cm2まで上昇しても外部への液漏れは無
く、面圧30Kg/cm2で締付けた場合は10Kg/cm2の内
圧でも液漏れは無視し得る程度であつた。
因みにゴム製室枠の場合液漏れが生じても面圧
約5Kg/cm2以上に高めればゴムが変形し液漏れを
減少させることができず、しかもゴムが永久変形
して室枠寿命を縮め、さらにはゴムが横(締付け
方向に対して)方向に伸びて、これに追従できな
い膜が破れるという問題がある。
第6図から第8図は本発明の他の実施例を示す
ものであつて、第6図においては2枚のフイルム
状構造物10と室枠周辺の切欠部において潮道部
が形成されている。このフイルム状構造物10は
イオン交換膜よりも剛性及び耐熱性が大きい材質
のものが用いられる。フイルム状構造物10は第
6図Bに示すように室枠3の部分に段差3Aが設
けられこの段差部分に埋込まれるようにして設け
られておりこれによつて室枠3とフイルム状構造
物は同一平面に位置するようになつている。本実
施例において室枠3は発泡体からなりスペーサー
と加熱一体化されている点は上記実施例と同じで
ある。
このような構造を有する透析室枠では電気透析
槽としてイオン交換膜を介し締め付け、長時間の
運転及び高温での運転実施してもイオン交換膜の
潮道内部への落込みがなくしたがつて液漏れは生
じない。
ここでフイルム状構造物材料としては、イオン
交換膜よりも剛性及び耐熱性が大であることが条
件であるが、塩類水溶液中でかつ通電下で安定で
あつて、しかも加工、入手が容易である点から特
にポリカーボネイト、ポリエステル、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリアミド、塩化ビニリデ
ンなどのフイルムが有効である。
またフイルム構造物10は、電気透析槽の組立
時あるいは運転時においてその位置がずれるなど
の問題が生じなければ性能上支障がないので、潮
道部分の切欠部に単に挿入してもよい。またフイ
ルム状構造物10を潮道部分に接着剤などで貼り
付けてもよい。さらに室枠材質3がフイルム状構
造物10よりも変形温度が低い場合、例えばフイ
ルム10がポリエステルであつて室枠がポリエチ
レンの場合適当な温度で加熱下にプレスなどで押
し付け融着してフイルム10と室枠を一体化する
こともできる。
第7図において第6図に示す実施例と異なる点
は、フイルム状構造物が潮道部とその付近のみに
設けられているのみでなく潮道部を完全に覆いつ
つ、かつ室枠の外の部分(連通孔部6、通電部で
ある透析室枠4を除く)にまで及んでいることで
ある。本実施例においてはフイルム状構造物の寸
法が大きいためこのフイルム部材の潮道部への接
着、密着、融着一体化の作業が容易で、かつ位置
精度も向上するという効果がある。したがつて本
実施例においてはフイルム状構造物は少なくとも
潮道部を確保する大きさ以上であればよい。また
第7図においては、潮道部7にフイルム支持材1
1が挿入されている。本実施例においてはフイル
ム状構造物をさらにサポートすることによつてフ
イルム状構造物の落込み防止効果をさらに確実に
することができる。実施例において、フイルム支
持材11はフイルム状構造物10を支持し、かつ
液流路を確保するものであれば特に制限はない
が、第3図に示した網状構造物が良好に適用でき
る。
なお第6図及び第7図において、フイルム状構
造物10として透明なフイルムを用いる場合、透
析槽解体洗浄時にこの透明なフイルムを介して潮
道部分内の固形物による閉塞状況を確実に把握す
ることができる。
第8図はフイルム状構造物10を完全に潮道部
分に固着することなく部分的に固着し、透析槽解
体洗浄時においては潮道部分よりフイルム状構造
物10を持ち上げ潮道内部の洗浄を容易に行なう
ようにしたものである。本実施例においてもフイ
ルム状構造物10として透明フイルムを用いるこ
とによつて潮道部分の閉塞状況を正確に把握し、
かつフイルムを持ち上げることによつて潮道部内
部の洗浄を行なうことができる。
〔発明の効果〕
以上のように第1の発明によれば、透析室枠部
材としてスペーサーよりも加熱変形温度が低い素
材であつて、しかも発泡体からなる部材を用いて
いるため、スペーサーと透析室枠部材との加熱一
体化は、加熱によつて透析室枠部材の方が軟化
し、そこに未だ軟化していないスペーサーが押し
込まれて埋没されるのであるが、その際、該室枠
部材が発泡体であるため、当該室枠部材のスペー
サー埋没部分の気泡が破泡し、極めてスムーズに
且つ短時間に低い圧力で加熱一体化することがで
きる。また、スペーサーの埋没容積は気泡の破泡
により確保されるため、室枠部材寸法の変化もほ
とんどない。しかも、一枚の透析室枠部材と一枚
のスペーサーとを加熱一体化したものであるた
め、製造が容易で寸法精度を高くしやすい。従つ
て、室枠部材に特別の加工を要することなく、容
易に且つ寸法精度の優れたスペーサーと室枠の一
体化部材を得ることができる。更に、スペーサの
外周寸法を透析室枠部材の外周寸法と略同一に形
成したので、前記加熱一体化した状態で、透析室
枠部材の芯部分全体にわたつてスペーサが存在す
ることになる。従つて、加熱一体化されている透
析室枠の板厚は、幅方向全体にわたつて一様とな
る。一方、スペーサが透析室枠部材の外周寸法よ
り小さいと、加熱一体化された状態で、該透析室
枠部材の芯部分全体にわたつてスペーサは存在せ
ず、該室枠部材でその芯部分にスペーサが存在す
る部分と、存在しない部分とができる。このよう
な構造は透析室枠の板厚が、幅方向全体にわたつ
て一様になりにくい。どうしてもスペーサが芯部
材として存在している部分の室枠の板厚が他所よ
り厚くなりやすい。この傾向は発泡体を材料とし
て加熱一体化する場合に特に生じやすい。このよ
うな板厚が一様でない透析室枠を積層した場合、
シール性の点で問題がある。本発明によれば、前
記した如く、透析室枠の板厚は、幅方向全体にわ
たつて一様であるため、シール性を高く維持する
ことができる。
また、一枚の室枠部材内に一枚のスペーサーが
埋没された構造であると共に、該室枠部材が発泡
体であることに基づく弾力性を有する構造である
ことによつて、この室枠を用いて電気透析槽とし
て締め上げた場合、該発泡体の弾力性によつて透
枠室枠のシール性能が極めて高いと共に、長期間
にわたつて該シール性能を維持することができ
る。
第2の発明によれば、上記した第1の発明によ
る効果とともに潮道部における液漏れを防止し信
頼性の高い電気透析槽用透析室枠を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は電気透析槽の透析構成を示す展開斜視
図、第2図Aは従来の電気透析室枠の構成を示す
図、第2図Bは第2図Aに示す透析室枠の電気透
析操作時における状態の一例を示す説明図、第3
図A,Bは従来の透析室枠の潮道構造を示す平面
図、第3図Cは第3図AにおけるA−A線に沿う
断面図、第4図A,B,C,Dは本発明の透析室
枠の構造例を順次示す説明図、第5図A,B,C
は発泡体からなる透析室枠とスペーサーとの一体
化の様子を順次示す模式図、第6図Aは本発明の
他の例を示す部分斜視図、第6図Bは第6図Aに
おけるB−B線に沿う断面図、第7図Aは本発明
の他の例を示す部分的斜視図、第7図Bは第6図
AのC−C線に沿う断面図、第8図は本発明のさ
らに他の例を示す部分斜視図である。 1……陽イオン交換膜、2……陰イオン交換
膜、3……透析室枠、4……透析室枠中央切欠部
(透析室)、5A,5B……連通孔、6A,6B…
…連通孔、7A,7B……潮道、8……スペーサ
ー、9……デイストリビユータ、10……フイル
ム構造材、11……フイルム支持材。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 透析室を形成する中央切欠部を有する透析室
    枠部材と、前記中央切欠部よりも大きいスペーサ
    を固着してなる電気透析槽用透析室枠において、
    前記スペーサの外周寸法を前記透析室枠部材の外
    周寸法と略同一に形成し、該透析室枠部材は前記
    スペーサよりも加熱変形温度が低い発泡体にて形
    成し、一枚の透析室枠部材に一枚のスペーサが加
    熱一体化されていることを特徴とする電気透析槽
    用透析室枠。 2 特許請求の範囲第1項において、透析室枠部
    材とスペーサの厚さは略同一に形成されている電
    気透析槽用透析室枠。 3 特許請求の範囲第1項において、前記発泡体
    が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレ
    ン、ポリエステルのいずれか1種以上であること
    を特徴とする電気透析槽用透析室枠。 4 特許請求の範囲第1項において、前記スペー
    サが、ポリプロピレン、ポリスチレン、フエノー
    ル樹脂、ポリカーボネイト、ポリアミド、ポリエ
    チレンのいずれか1種以上で作製された網状物で
    あることを特徴とする電気透析槽用透析室枠。 5 透析室を形成する中央切欠部を該中央切欠部
    に連通するとともに潮道部を形成する端部切欠部
    とを有する透析室枠部材と、前記中央切欠部より
    も大きいスペーサを固着してなる電気透析槽用透
    析室枠において、前記スペーサよりも加熱変形温
    度が低い発泡体からなる一枚の透析室枠部材に一
    枚の前記スペーサを加熱一体化し、前記端部切欠
    部とその電気透析槽に用いられるイオン交換膜よ
    りも剛性及び耐熱性に優れた2枚のフイルム状構
    造物とによつて潮道部を構成したことを特徴とす
    る電気透析槽用透析室枠。 6 特許請求の範囲第4項において、前記発泡体
    が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレ
    ン、ポリエステルのいずれか1種以上であること
    を特徴とする電気透析槽用透析室枠。 7 特許請求の範囲第4項において、前記スペー
    サが、ポリプロピレン、ポリスチレン、フエノー
    ル樹脂、ポリカーボネイト、ポリアミド、ポリエ
    チレンのいずれか1種以上で作製された網状物で
    あることを特徴とする電気透析槽用透析室枠。 8 特許請求の範囲第4項において、前記フイル
    ム状構造物が、前記端部切欠部周縁の透析室枠部
    材面に固着されていることを特徴とする電気透析
    槽用透析室枠。 9 特許請求の範囲第4項において、前記フイル
    ム状構造物が、前記端部切欠部周縁の一部に相当
    する透析室枠部材面に固着されていることを特徴
    とする電気透析槽用透析室枠。 10 特許請求の範囲第4項において、前記フイ
    ルム状構造物が、透明材料で、作製されているこ
    とを特徴とする電気透析槽用透析室枠。 11 特許請求の範囲第4項において、前記フイ
    ルム状構造物が、ポリエステル、ポリカーボネイ
    ト、ポリプロピレンのいずれか1種以上であるこ
    とを特徴とする電気透析槽用透析室枠。 12 特許請求の範囲第4項において、前記潮道
    部内に液流通部を有し、前記フイルム状構造物を
    支持する支持部材を設けたことを特徴とする電気
    透析槽用透析室枠。
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