JPH0241812Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、高圧カツトアウトヒユーズにおい
て特にヒユーズ動作後のリード線の垂れさがりに
よつて生起する感電の危険性を防止するためのス
トツパーの改良に関し、さらにはこのストツパー
の改良を遮断性能の改良に結びつけようとするも
のである。

高圧カツトアウトスイツチは周知の通り、両端
部に抵抗線を接続した可溶体を頭部端子と下部リ
ード線間に張設し、全体を消弧チユーブで被覆し
てヒユーズ筒に取り付けてなるものであるが、ヒ
ユーズ動作時、リード線が外部に垂れさがつて感
電の危険性がある点に鑑み、ヒユーズ筒の開口端
近傍に位置して、真鍮製ないしニツケルめつきを
施した銅製のパイプ材からなるストツパーをリー
ド線に圧縮止めしたり、あるいはパイプ状ストツ
パーの内方端を抵抗線とリード線の接続部におい
て圧縮止めし、ヒユーズ動作時に、このストツパ
ーをヒユーズ筒の開口端とヒユーズ筒端部に嵌合
した表示筒との間においてつつばり状態で係止さ
れるようになし、よつてリード線の垂れさがりを
防止する工夫がなされているのが通常である。

添付図面において第１図ないし第３図は、この
ような工夫がなされた従来の高圧カツトアウトヒ
ユーズとその動作状態を示している。

図において１は両端部に抵抗線２ａ，２ｂを接
続した可溶体であり、抵抗線２ａは頭部端子３に
接続され、抵抗線２ｂは下部リード線４に接続さ
れている。５は消弧チユーブ、６はヒユーズ筒、
７はヒユーズ筒の開口端に嵌合した表示筒であ
り、スプリング８によつて突出方向の弾発力が付
与されている。下部リード線４はヒユーズ筒の開
口端で折り返されリード線締結端子９に接続され
ている。１０は前記ストツパーを示しており、真
鍮製のパイプ状をなし、リード線に圧縮止めされ
ている。

第２図は400A以下程度の低電流における動作
状態を示しており、この程度の事故電流において
は、図示の通りストツパー１０がヒユーズ筒６の
開口端と表示筒７の間においてつつぱり状態で係
止され、リード線の垂れさがりを防止する所望の
効果が達成されるのであるが、400A以上の事故
大電流においては、第３図に示すごとくリード線
ごと引きちぎられ、そのままの状態で、あるいは
金属塊となつて外部にかなりのスピードで勢いよ
く放出され、人体を傷付けるおそれが大であり、
きわめて危険なものであつた。

そこでこの考案の目的とするところは、このよ
うな危険性のないストツパーを有する高圧カツト
アウトヒユーズを提供するところにあり、さらに
はこのストツパーの改良が単に上記危険性の解消
にととまらず、ヒユーズ自体の性能も向上させ得
るような改良構造を提供するところにある。

この考案においては上記目的の下に研究した結
果、ストツパーに真鍮等の金属材料を使用しなく
ともクラフト紙やプレスボードあるいはプラスチ
ツク材料の如く比較的軽量で非金属製の絶縁筒を
用いても、400A以下程度の低電流による動作時
のつつぱり効果は十分発揮させ得ることをつきと
めたのである。そこでこの考案においては、比較
的軽量で非金属製からなり、ヒユーズの小電流動
作時、突出した表示筒とヒユーズ筒の開口端との
間において突つ張り状態で係止される長さを有す
る絶縁筒をストツパーとして用い、これによつ
て、リード線の垂れ下がりを防止するとともに、
このように比較的軽量でしかも金属パイプに比し
機械的強度の弱い絶縁筒をストツパーとして用い
た場合、400A以上の事故大電流による絶縁筒の
外部放出時には、その軽量さの故に放出スピード
も遅く、また比較的機械的強度が弱いためヒユー
ズ動作時に発生する内部圧力によつて粉々に分散
破壊されるので人体に対し何等の危険性もないス
トツパーとしている。さらにまたこの考案におい
ては、このような材質の絶縁筒を単にストツパー
として採用しただけではなく、ヒユーズエレメン
トに対する取付状態ないしヒユーズエレメントと
の関連性を考慮し、頭部端子をヒユーズ筒の開口
端方向に延長するとともに、この頭部端子に接続
した抵抗線よりもリード線側の抵抗線を長寸とな
しこの長寸抵抗線とリード線の接続部近傍におい
て上記絶縁筒の一端部を固定し、長寸抵抗線の略
中央部を越える部分までを被覆する構成となし、
よつて低電流によるヒユーズ動作時には長寸抵抗
線の略中央部において発弧ガス化させるとともに
この際の内部ガス圧を高めて遮断性能の向上をも
企図したものである。

第４図は、このような高圧カツトアウトヒユー
ズの一実施例を示している。

図において従来例と同等部分は同一符号で示し
ている。可溶体１は、その両端部に抵抗線２ｃ，
２ｄが接続され、図示の通りヒユーズ筒６の開口
端方向に延長された頭部端子３に抵抗線２ｃが接
続されている。抵抗線２ｄは図示の如く長寸とな
し、下部リード線４に接続されている。１１は従
来の真鍮製ストツパーに代わるこの考案の絶縁筒
で、クラフト紙、プレスボードあるいはプラスチ
ツク等の比較的軽量の非金属材で形成されてお
り、一端部を長寸抵抗線２ｄと下部リード線４と
の接続部近傍において固定し、長寸抵抗線２ｄの
略中央部を越える辺りまで被覆している。絶縁筒
１１の固定はリード線に圧入した上で撥水性の封
止剤等を用いてシールする構成などが採用でき
る。

第５図は400A程度の低電流による動作状態を
示しており、絶縁筒１１はヒユーズ筒６の開口端
と表示筒７との間においてつつぱり状態となり、
下部リード線４の垂れさがりを防止している。な
おこの場合、長寸抵抗線２ｄの発弧ガス化による
絶縁筒内部圧力の上昇が惹起され、これによつて
確実な遮断作用が保証されている。

また第６図は400A以上の事故大電流による動
作状態を示しており、絶縁筒１１はヒユーズエレ
メント共々外部に吹き飛ばされている。しかるに
従来の金属製ストツパーと異り、比較的軽量であ
るため放出スピードもあがらず、また機械的強度
が比較的弱いため、粉々の状態になつて放出され
るので人体に対し全く危険性のない動作状態が得
られるものである。

以上実施例に即した説明からも明らかな通り、
この考案に係る高圧カツトアウトヒユーズは、比
較的軽量で非金属製の絶縁筒を用いることによ
り、低電流遮断時における下部リード線の垂れさ
がり防止機能を十分具備させるとともに、内部発
生圧力を保持して遮断の確実性をも高め、さらに
事故大電流遮断時にはこのストツパー機能を有す
る絶縁筒は粉々になつて放出されるため、従来の
金属製ストツパーのごとく人体に対して危険を及
ぼす恐れもなく、安全で遮断性能も良好な高圧カ
ツトアウトヒユーズを提供し得たのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の高圧カツトアウトヒユーズの一
例を示す縦断面図、第２図は低電流動作時の作動
状態を示す縦断面図、第３図は事故大電流による
動作時の作動状態を示す縦断面図、第４図は、こ
の考案に係る高圧カツトアウトヒユーズの一例を
示す縦断面図、第５図は低電流動作時の作動状態
を示す縦断面図、第６図は事故大電流による動作
時の作動状態を示す縦断面図である。 １……可溶体、２ｃ……抵抗線、２ｄ……長寸
抵抗線、３……頭部端子、４……下部リード線、
５……消弧チユーブ、６……ヒユーズ筒、１１…
…絶縁筒。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両端部に抵抗線を接続した可溶体を頭部端子と
   下部リード線間に張設し、全体を消弧チユーブで
   被覆して、開口端外周に表示筒を有するヒユーズ
   筒に装着してなる高圧カツトアウトヒユーズにお
   いて、頭部端子をヒユーズ筒の開口端方向に延長
   するとともに、この頭部端子に接続した抵抗線よ
   りもリード線側の抵抗線を長寸となし、この長寸
   抵抗線と下部リード線との接続部近傍において一
   端部を固定したクラフト紙等の比較的軽量で非金
   属製の絶縁筒により少なくとも長寸抵抗線の略中
   央部を越える部分までを被覆してなり、かつ、こ
   の絶縁筒が、ヒユーズの小電流動作時、突出した
   表示筒とヒユーズ筒の開口端との間において突つ
   張り状態で係止される長さを有することを特徴と
   する高圧カツトアウトヒユーズ。