JPH0241131B2 - Ofkeeburu - Google Patents
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- JPH0241131B2 JPH0241131B2 JP16708183A JP16708183A JPH0241131B2 JP H0241131 B2 JPH0241131 B2 JP H0241131B2 JP 16708183 A JP16708183 A JP 16708183A JP 16708183 A JP16708183 A JP 16708183A JP H0241131 B2 JPH0241131 B2 JP H0241131B2
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Description
技術分野
本発明は導体上にプラスチツクフイルムとクラ
フト紙を積層して一体化した絶縁テープを巻回し
絶縁油を含浸した電力ケーブルの改善に係わる。 〔背景技術〕 近年電源立地難から生ずる長距離大電力送
電、送電線建設用地難から生ずる1ルート当り
の送電容量の増大、交流系統の短絡電流抑制等
の理由により、UHV地下ケーブルの必要性が多
方面で検討されてきている。これらUHVケーブ
ルでも、既に多数の実績をEHV級で持つOFケー
ブルが、その高い信頼性より第一の候補となる。
本発明者等は、EHV級OFケーブル研究開発の実
績をもとに、鋭意UHV級OFケーブルの研究開発
を進めて来た結果、以下に詳述する様な極めて優
れたUHV級OFケーブルを発明するに致つた。
UHV級OFケーブルを検討する場合には以下の諸
点に留意する必要がある。 (1) 電気破壊強度については、EHV級と同様の
安全係数を保持する十分に信頼性の高いケーブ
ルであること。 (2) 誘電体(絶縁体と同義)損失については、誘
電体の誘電率(ε)と誘電正接(tanδ)の積、
すなわちε×tanδが、EHV級に比して十分に
低いこと。 (3) ケーブル外径上は、製造上及び布設等の取扱
い上十分にコンパクトであること。特に、現有
製造設備に大巾な改造を施すことなく、UHV
級ケーブルの製造が可能であることが好まし
い。 以上の諸点を基本に、特に強制冷却を必要とし
ない、すなわち自然冷却でも使用できるOFケー
ブルを開発するには、絶縁層としてε×tanδが十
分低く、又電気破壊強度が十分に高い絶縁テープ
を使用する必要があり、この点からEHV級以下
で主流を占めてきたクラフト絶縁紙の使用は望め
ない。クラフト紙にかわるものとして、クラフト
紙より高い絶縁耐力及び低いε×tanδのプラスチ
ツクフイルムとクラフト紙を積層して一体化した
複合絶縁材料(以下、例として1つの材料をとり
あげる場合は、プラスチツクとしてポリプロピレ
ンを使用した複合絶縁材料をPPLPと略称して説
明に用いることにする。)が開発され、EHV級
OFケーブルで使用される様になつてきているが、
EHV級では通常全絶縁層ともに同一ε、同一
tanδの複合絶縁紙(PPLP等)が使われている。
しかしUHVケーブルでは、これら複合絶縁材料
をもつてしてもEHVと同様の考え方では、十分
の信頼性を有し、取扱い上必要な程度にコンパク
トなOFケーブルを得ることはむずかしい。 〔発明の開示〕 そこで本発明者らは、検討を重ねた結果、複合
絶縁材料のプラスチツクフイルムの比率を増加さ
せてεを小さくした同じ構造の複合絶縁材料を開
発し、これらεの異なる材料を、εの大きい側を
導体直上部分に、以下導体から遠ざかるにつれて
εの小さい複合絶縁材料を積層させるε−グレー
デイングを採用して、導体直上の最大電位傾度
(電気ストレス)を低下させ、又使用絶縁油の油
圧を0〜2Kg/cm2Gから10Kg/cm2Gに上げてAC
絶縁耐力を高めることにより、UHV級でもEHV
級と同程度の信頼性を有するOFケーブルを実現
させることを見い出した。以下PPLPを例にと
り、1000KV級OFケーブルをとりあげて本発明
を詳述する。PPLPのεは、2枚のクラフト紙に
はさまれるポリプロピレン(PPと略称する)の
全体に占める比率によつて変わる。一般にクラフ
ト紙のεが3〜4、PPのεが2.2ゆえPPの比率が
ふえる程εは下る。この関係は我々の研究成果に
よれば、PP比率(kとする)を k=PPフイルム厚さ(重量換算)/PPLPの全体厚
さ ……(1)式 で表わす時、 εT≒εc/1+(εc/εp−1)k ……(2)式 で表わされる。ここに添字は、T:PPLP全体、
C:セルロースすなわちクラフト紙、P:PPを
表わす。(2)式によつてPPLPのεであるεTはkを
変化させれば、理論上いくらでも変えられるが、
組合せるクラフト紙で商業的に入手可能なものは
限定されるので、εTも限定される。 一般にOFケーブル絶縁用テープとしては100μ
mから250μmまでの厚さのテープが数種類選ば
れて、導体直上から外側へ向けて薄紙から厚紙へ
変えながら用いられる。ε、tanδを従来のクラフ
ト紙より十分小さくし、又電気破壊強度もクラフ
ト紙より十分大きくし、又PPLPとしての伸び引
張強度等の機械力にもすぐれ、又EHVで実績の
ある絶縁油(DDB)中でのPPLPのPPフイルム
の膨潤量を十分吸収するだけのクツシヨン効果を
持たせ、かつ商業的に入手容易なクラフト紙の種
類を用いたPPLPとしては、PP比率kが、略40
%のPPLP(これをA群とする)及び略60%の
PPLP(これをB群とする)が実用化されてEHV
ケーブルで使用されている。これらのε、tanδは
A群ε=2.75〜2.8、tanδ=0.08〜0.1%、B群ε
=2.6〜2.7、tanδ=0.05〜0.07%である。EHV級
では必要絶縁厚も例えば、275KV級OFでは、
16.5mm、500KV級OFでは25mmと、そんなに厚く
なく、又要求電気性能上にも絶縁油圧0〜2Kg/
cm2Gで、同一のε、すなわちA群のみ又はB群の
みのPPLPを使用しても十分であり、従つて同一
ケーブルには、同一εのPPLPのみが用いられて
きた。 これは、PPLP等ポリオレフイン等プラスチツ
クを用いた複合絶縁材料をDDB絶縁油中で用い
た場合に必然的に生じるポリオレフイン系プラス
チツクフイルムの膨潤による厚さ増大分を吸収し
て、機械特性を損なわず、従つて電気特性も損な
わないケーブルを作るためにも同一プラスチツク
比率kであることが好ましかつたことにもよる。 更に詳述すると、一般に、ポリオレフイン系プ
ラスチツクフイルムを用いた複合絶縁材料より成
るDDB絶縁油を用いたOFケーブルでは、この絶
縁油中でのプラスチツクフイルムの膨潤による厚
さ増大現象をいかに克服するかが、最大の技術上
の問題になつていた。現在までに開発され、かつ
実用化されてきた膨潤対策としては、本発明者等
の考案した「調湿法」のみであつた。(詳細は特
許第907653号、特願昭56−125300号参照)しか
し、この方法は本質的にクラフト紙の水分吸収に
よる厚さ増加と、乾燥工程中の脱水による厚さ減
少の厚さの差分でプラスチツクフイルムの膨潤に
よる厚さ増加分を補償する方法であるからプラス
チツク比率kを、例えばk=70%程度(これをC
群とする。)まで増加させて相対的にクラフト紙
の厚さを減じ、もつて更に低ε、低tanδの複合絶
縁材料の実現を図り、これらA〜Cを組合せてε
−グレーデイングを施そうとしても、相対的に少
ないクラフト紙の調湿、脱水による厚さ変化分が
相対的に多いプラスチツクフイルムの膨潤による
厚さ増加分を補償しきれなくなつてしまい、これ
らC群の絶縁材料が入手できたとしてもケーブル
に仕上げることができなかつたために、C群に相
当する材料そのものの開発もなされなかつた。又
実用化されているA群とB群の2種類を混用して
ε−グレーデイングするにも、A群に必要な調湿
量(クラフト紙中の水分の重量%)とB群に必要
な調湿量が異なるために、材料の保管、加工、テ
ープ巻き時のクラフト紙中の水分を保持するため
の環境条件が異なつてしまい、実用化が著しく困
難なために、実現されなかつた。 本発明者等は、その後、ポリオレフイン系プラ
スチツクフイルムを用いた複合絶縁材料をOFケ
ーブルに適用する場合の最大の技術上の問題点で
あるプラスチツクフイルムのDDB絶縁油中での
膨潤対策について鋭意研究を進めた結果、「調湿
法」とは全く異なる原理、すなわち「前加工エン
ボス法」開発した。(詳細は特願昭57−134723号)
これによつて初めてプラスチツク比率k=70〜75
%のC群の複合絶縁材料の開発及びケーブルへの
適用が可能となり、A、B群の開発実用化の技術
実績を発展させてC群の材料の開発に成功した。
C群PPLPの実測ε.tanδは、(2)式の理論値にほぼ
合致した値で、ε=2.4〜2.45、tanδ=0.027〜
0.45%を得た。又前加工エンボス法によれば、周
囲条件(雰囲気空気の相対湿度)によらないから
A〜C群をこの順序に導体直上から外へ向けて巻
回して絶縁層となすε−グレーデイングはEHV
級OFケーブルにも適用できることになつたが、
以下効果がより明白になるUHV級(1100KV)
の場合を例にとつて効果を説明する。1100KV級
OFケーブル線路に要求される絶縁性能は、AC長
時間耐圧試験電圧で(1100/√3)×1.38×1.5=
880(KV)、Imp.耐圧試験電圧で、2400×1.2=
2880(KV)(但しBIL=2400KVとした)と推定
される。これに使われるA〜C群のPPLPの設計
上の性能を実試験データーより下表の通りとす
る。
フト紙を積層して一体化した絶縁テープを巻回し
絶縁油を含浸した電力ケーブルの改善に係わる。 〔背景技術〕 近年電源立地難から生ずる長距離大電力送
電、送電線建設用地難から生ずる1ルート当り
の送電容量の増大、交流系統の短絡電流抑制等
の理由により、UHV地下ケーブルの必要性が多
方面で検討されてきている。これらUHVケーブ
ルでも、既に多数の実績をEHV級で持つOFケー
ブルが、その高い信頼性より第一の候補となる。
本発明者等は、EHV級OFケーブル研究開発の実
績をもとに、鋭意UHV級OFケーブルの研究開発
を進めて来た結果、以下に詳述する様な極めて優
れたUHV級OFケーブルを発明するに致つた。
UHV級OFケーブルを検討する場合には以下の諸
点に留意する必要がある。 (1) 電気破壊強度については、EHV級と同様の
安全係数を保持する十分に信頼性の高いケーブ
ルであること。 (2) 誘電体(絶縁体と同義)損失については、誘
電体の誘電率(ε)と誘電正接(tanδ)の積、
すなわちε×tanδが、EHV級に比して十分に
低いこと。 (3) ケーブル外径上は、製造上及び布設等の取扱
い上十分にコンパクトであること。特に、現有
製造設備に大巾な改造を施すことなく、UHV
級ケーブルの製造が可能であることが好まし
い。 以上の諸点を基本に、特に強制冷却を必要とし
ない、すなわち自然冷却でも使用できるOFケー
ブルを開発するには、絶縁層としてε×tanδが十
分低く、又電気破壊強度が十分に高い絶縁テープ
を使用する必要があり、この点からEHV級以下
で主流を占めてきたクラフト絶縁紙の使用は望め
ない。クラフト紙にかわるものとして、クラフト
紙より高い絶縁耐力及び低いε×tanδのプラスチ
ツクフイルムとクラフト紙を積層して一体化した
複合絶縁材料(以下、例として1つの材料をとり
あげる場合は、プラスチツクとしてポリプロピレ
ンを使用した複合絶縁材料をPPLPと略称して説
明に用いることにする。)が開発され、EHV級
OFケーブルで使用される様になつてきているが、
EHV級では通常全絶縁層ともに同一ε、同一
tanδの複合絶縁紙(PPLP等)が使われている。
しかしUHVケーブルでは、これら複合絶縁材料
をもつてしてもEHVと同様の考え方では、十分
の信頼性を有し、取扱い上必要な程度にコンパク
トなOFケーブルを得ることはむずかしい。 〔発明の開示〕 そこで本発明者らは、検討を重ねた結果、複合
絶縁材料のプラスチツクフイルムの比率を増加さ
せてεを小さくした同じ構造の複合絶縁材料を開
発し、これらεの異なる材料を、εの大きい側を
導体直上部分に、以下導体から遠ざかるにつれて
εの小さい複合絶縁材料を積層させるε−グレー
デイングを採用して、導体直上の最大電位傾度
(電気ストレス)を低下させ、又使用絶縁油の油
圧を0〜2Kg/cm2Gから10Kg/cm2Gに上げてAC
絶縁耐力を高めることにより、UHV級でもEHV
級と同程度の信頼性を有するOFケーブルを実現
させることを見い出した。以下PPLPを例にと
り、1000KV級OFケーブルをとりあげて本発明
を詳述する。PPLPのεは、2枚のクラフト紙に
はさまれるポリプロピレン(PPと略称する)の
全体に占める比率によつて変わる。一般にクラフ
ト紙のεが3〜4、PPのεが2.2ゆえPPの比率が
ふえる程εは下る。この関係は我々の研究成果に
よれば、PP比率(kとする)を k=PPフイルム厚さ(重量換算)/PPLPの全体厚
さ ……(1)式 で表わす時、 εT≒εc/1+(εc/εp−1)k ……(2)式 で表わされる。ここに添字は、T:PPLP全体、
C:セルロースすなわちクラフト紙、P:PPを
表わす。(2)式によつてPPLPのεであるεTはkを
変化させれば、理論上いくらでも変えられるが、
組合せるクラフト紙で商業的に入手可能なものは
限定されるので、εTも限定される。 一般にOFケーブル絶縁用テープとしては100μ
mから250μmまでの厚さのテープが数種類選ば
れて、導体直上から外側へ向けて薄紙から厚紙へ
変えながら用いられる。ε、tanδを従来のクラフ
ト紙より十分小さくし、又電気破壊強度もクラフ
ト紙より十分大きくし、又PPLPとしての伸び引
張強度等の機械力にもすぐれ、又EHVで実績の
ある絶縁油(DDB)中でのPPLPのPPフイルム
の膨潤量を十分吸収するだけのクツシヨン効果を
持たせ、かつ商業的に入手容易なクラフト紙の種
類を用いたPPLPとしては、PP比率kが、略40
%のPPLP(これをA群とする)及び略60%の
PPLP(これをB群とする)が実用化されてEHV
ケーブルで使用されている。これらのε、tanδは
A群ε=2.75〜2.8、tanδ=0.08〜0.1%、B群ε
=2.6〜2.7、tanδ=0.05〜0.07%である。EHV級
では必要絶縁厚も例えば、275KV級OFでは、
16.5mm、500KV級OFでは25mmと、そんなに厚く
なく、又要求電気性能上にも絶縁油圧0〜2Kg/
cm2Gで、同一のε、すなわちA群のみ又はB群の
みのPPLPを使用しても十分であり、従つて同一
ケーブルには、同一εのPPLPのみが用いられて
きた。 これは、PPLP等ポリオレフイン等プラスチツ
クを用いた複合絶縁材料をDDB絶縁油中で用い
た場合に必然的に生じるポリオレフイン系プラス
チツクフイルムの膨潤による厚さ増大分を吸収し
て、機械特性を損なわず、従つて電気特性も損な
わないケーブルを作るためにも同一プラスチツク
比率kであることが好ましかつたことにもよる。 更に詳述すると、一般に、ポリオレフイン系プ
ラスチツクフイルムを用いた複合絶縁材料より成
るDDB絶縁油を用いたOFケーブルでは、この絶
縁油中でのプラスチツクフイルムの膨潤による厚
さ増大現象をいかに克服するかが、最大の技術上
の問題になつていた。現在までに開発され、かつ
実用化されてきた膨潤対策としては、本発明者等
の考案した「調湿法」のみであつた。(詳細は特
許第907653号、特願昭56−125300号参照)しか
し、この方法は本質的にクラフト紙の水分吸収に
よる厚さ増加と、乾燥工程中の脱水による厚さ減
少の厚さの差分でプラスチツクフイルムの膨潤に
よる厚さ増加分を補償する方法であるからプラス
チツク比率kを、例えばk=70%程度(これをC
群とする。)まで増加させて相対的にクラフト紙
の厚さを減じ、もつて更に低ε、低tanδの複合絶
縁材料の実現を図り、これらA〜Cを組合せてε
−グレーデイングを施そうとしても、相対的に少
ないクラフト紙の調湿、脱水による厚さ変化分が
相対的に多いプラスチツクフイルムの膨潤による
厚さ増加分を補償しきれなくなつてしまい、これ
らC群の絶縁材料が入手できたとしてもケーブル
に仕上げることができなかつたために、C群に相
当する材料そのものの開発もなされなかつた。又
実用化されているA群とB群の2種類を混用して
ε−グレーデイングするにも、A群に必要な調湿
量(クラフト紙中の水分の重量%)とB群に必要
な調湿量が異なるために、材料の保管、加工、テ
ープ巻き時のクラフト紙中の水分を保持するため
の環境条件が異なつてしまい、実用化が著しく困
難なために、実現されなかつた。 本発明者等は、その後、ポリオレフイン系プラ
スチツクフイルムを用いた複合絶縁材料をOFケ
ーブルに適用する場合の最大の技術上の問題点で
あるプラスチツクフイルムのDDB絶縁油中での
膨潤対策について鋭意研究を進めた結果、「調湿
法」とは全く異なる原理、すなわち「前加工エン
ボス法」開発した。(詳細は特願昭57−134723号)
これによつて初めてプラスチツク比率k=70〜75
%のC群の複合絶縁材料の開発及びケーブルへの
適用が可能となり、A、B群の開発実用化の技術
実績を発展させてC群の材料の開発に成功した。
C群PPLPの実測ε.tanδは、(2)式の理論値にほぼ
合致した値で、ε=2.4〜2.45、tanδ=0.027〜
0.45%を得た。又前加工エンボス法によれば、周
囲条件(雰囲気空気の相対湿度)によらないから
A〜C群をこの順序に導体直上から外へ向けて巻
回して絶縁層となすε−グレーデイングはEHV
級OFケーブルにも適用できることになつたが、
以下効果がより明白になるUHV級(1100KV)
の場合を例にとつて効果を説明する。1100KV級
OFケーブル線路に要求される絶縁性能は、AC長
時間耐圧試験電圧で(1100/√3)×1.38×1.5=
880(KV)、Imp.耐圧試験電圧で、2400×1.2=
2880(KV)(但しBIL=2400KVとした)と推定
される。これに使われるA〜C群のPPLPの設計
上の性能を実試験データーより下表の通りとす
る。
【表】
上記の値を使用し、ケーブル製造上の裕度も考
慮して、設計上の最大インパルス強度を
110KV/mm、最大AC強度を40KV/mmとし、導
体サイズを断面積2.500mm2(導体外径64.5mm)と
して絶縁設計する。ε−グレーデイング時のケー
ブルの等価誘電率()、等価誘電正接()、
電界強度(ストレス:E(r))及び最大電界強度
を与える等価絶縁厚teは以下の諸式で求められ
る。 (但しγkrγk+1の場合) E(r)=Vo/r・εk・A te=r1・ε1・A ここに、γi:(i=1〜n)、第i層の内半径、
2γi+1:(i=1〜n)、第i層の外半径、
tanδi:γirVi+1の層内の絶縁体のtanδ、
εk:(k=1〜n)、第k層内の絶縁体のε、
Vo:対地課電電圧、A=o 〓i=1 1/εiInγi+1/γi上記各 式でεiをすべて等しくした場合が、ε−グレーデ
イングなし、すなわちA〜C群の一つの群の複合
絶縁材料のみを使用した場合を表わす。以上より
設計すると、油圧0〜2Kg/cm2・Gでは、AC設
計上絶縁厚が略50mmとなり、絶縁外径で160mm、
ケーブルの仕上り外径で、/95mmとなり、ε−グ
レーデイングを施しても製造上及び、取板上非常
に困難な値となる。そこで絶縁油圧を大きくして
AC絶縁性能を向上させることを考え、開発した
A〜C群のPPLPを用いてAC破壊ストレスと絶
縁油圧特性を求めた所、絶縁油圧を0〜2Kg/
cm2・Gから10Kg/cm2・Gに高めればAC破壊スト
レスは略30%改善されることが確認され、AC性
能が厳しくて絶縁性能を決めてしまう状態は解消
された。次にインパルス設計上の絶縁厚を求める
と、ε−グレーデイングを施した場合、絶縁厚は
略37mm、従つて絶縁外径は、139mm、ケーブル仕
上り外径は170mmで十分製造、取扱容易なケーブ
ルとなつた。一方ε−グレーデイングを用いない
と絶縁厚は略41mm絶縁外径は147mm、ケーブル仕
上り外径は181mmとかなり大きくなり、製造上及
び取扱上かなり厳しい値となるために、ε−グレ
ーデイングの効果は極めて大きいことが分る。以
上で設計したε−グレーデイング有りのOFケー
ブルの油圧10Kg/cm2・Gでの電気性能はインパル
スで破壊性能が3250〜3520KVとなつて、インパ
ルス耐圧試験電圧2880KVを十分満足し、ACで
破壊性能が1490〜1760KVとなつてAC長時間耐
圧試験電圧1320KVを十分満足することが判明し
た。尚、実運用時の安全率をEHVの550KV級ケ
ーブルと対比すると下表の通りとなり、ε−グレ
ーデイングを施し、かつ絶縁油圧を高めた複合絶
縁材料よりなる1100KV級OFケーブルは、550級
OFケーブルと同等の裕度をもつた、きわめて信
頼性の高いOFケーブルであることが分る。
慮して、設計上の最大インパルス強度を
110KV/mm、最大AC強度を40KV/mmとし、導
体サイズを断面積2.500mm2(導体外径64.5mm)と
して絶縁設計する。ε−グレーデイング時のケー
ブルの等価誘電率()、等価誘電正接()、
電界強度(ストレス:E(r))及び最大電界強度
を与える等価絶縁厚teは以下の諸式で求められ
る。 (但しγkrγk+1の場合) E(r)=Vo/r・εk・A te=r1・ε1・A ここに、γi:(i=1〜n)、第i層の内半径、
2γi+1:(i=1〜n)、第i層の外半径、
tanδi:γirVi+1の層内の絶縁体のtanδ、
εk:(k=1〜n)、第k層内の絶縁体のε、
Vo:対地課電電圧、A=o 〓i=1 1/εiInγi+1/γi上記各 式でεiをすべて等しくした場合が、ε−グレーデ
イングなし、すなわちA〜C群の一つの群の複合
絶縁材料のみを使用した場合を表わす。以上より
設計すると、油圧0〜2Kg/cm2・Gでは、AC設
計上絶縁厚が略50mmとなり、絶縁外径で160mm、
ケーブルの仕上り外径で、/95mmとなり、ε−グ
レーデイングを施しても製造上及び、取板上非常
に困難な値となる。そこで絶縁油圧を大きくして
AC絶縁性能を向上させることを考え、開発した
A〜C群のPPLPを用いてAC破壊ストレスと絶
縁油圧特性を求めた所、絶縁油圧を0〜2Kg/
cm2・Gから10Kg/cm2・Gに高めればAC破壊スト
レスは略30%改善されることが確認され、AC性
能が厳しくて絶縁性能を決めてしまう状態は解消
された。次にインパルス設計上の絶縁厚を求める
と、ε−グレーデイングを施した場合、絶縁厚は
略37mm、従つて絶縁外径は、139mm、ケーブル仕
上り外径は170mmで十分製造、取扱容易なケーブ
ルとなつた。一方ε−グレーデイングを用いない
と絶縁厚は略41mm絶縁外径は147mm、ケーブル仕
上り外径は181mmとかなり大きくなり、製造上及
び取扱上かなり厳しい値となるために、ε−グレ
ーデイングの効果は極めて大きいことが分る。以
上で設計したε−グレーデイング有りのOFケー
ブルの油圧10Kg/cm2・Gでの電気性能はインパル
スで破壊性能が3250〜3520KVとなつて、インパ
ルス耐圧試験電圧2880KVを十分満足し、ACで
破壊性能が1490〜1760KVとなつてAC長時間耐
圧試験電圧1320KVを十分満足することが判明し
た。尚、実運用時の安全率をEHVの550KV級ケ
ーブルと対比すると下表の通りとなり、ε−グレ
ーデイングを施し、かつ絶縁油圧を高めた複合絶
縁材料よりなる1100KV級OFケーブルは、550級
OFケーブルと同等の裕度をもつた、きわめて信
頼性の高いOFケーブルであることが分る。
以上説明した様に、本発明によれば、「前加工
エンボス法」を採用することにより、更に一段低
ε、低tanδ化した複合絶縁材料の開発と実使用が
可能となり、又プラスチツクフイルム比率kの異
なる複合絶縁材料の混用が可能となるからε−グ
レーデイングが可能となつて、よりコンパクトで
かつより低ε、低tanδの、すなわち、きわめて低
損失、高絶縁耐力の優れたOFケーブルを実現す
ることができる。又特にUHV級では、これらε
−グレーデイングされた複合絶縁材料よりなる絶
縁層に高い絶縁油圧を適用することにより、AC
的にもインパルス的にもEHVと同程度の信頼性
(裕度)をもつた、OFケーブルが可能となる。し
かもケーブル製造上も、布設等の取扱い上も現在
実績のあるEHV級の設備を殆んど変更すること
なく使用できるなど、本発明の効果には極めて大
きいものがある。
エンボス法」を採用することにより、更に一段低
ε、低tanδ化した複合絶縁材料の開発と実使用が
可能となり、又プラスチツクフイルム比率kの異
なる複合絶縁材料の混用が可能となるからε−グ
レーデイングが可能となつて、よりコンパクトで
かつより低ε、低tanδの、すなわち、きわめて低
損失、高絶縁耐力の優れたOFケーブルを実現す
ることができる。又特にUHV級では、これらε
−グレーデイングされた複合絶縁材料よりなる絶
縁層に高い絶縁油圧を適用することにより、AC
的にもインパルス的にもEHVと同程度の信頼性
(裕度)をもつた、OFケーブルが可能となる。し
かもケーブル製造上も、布設等の取扱い上も現在
実績のあるEHV級の設備を殆んど変更すること
なく使用できるなど、本発明の効果には極めて大
きいものがある。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 プラスチツクフイルムの両表面にクラフト紙
を積層一体化させて成る複合絶縁テープを積層絶
縁材料とし、これのプラスチツクフイルム含有率
を変化させて複合絶縁テープの誘電率を変化さ
せ、複数ブロツクに分割した積層絶縁層の、各ブ
ロツク内の複合絶縁テープの誘電率を一定に保ち
ながらブロツクが異なる毎に、導体直上から外側
に向けて高誘電率から低誘電率の複合絶縁テープ
を使用してゆき、絶縁油を含浸して成るOFケー
ブル。 2 プラスチツクフイルムとしてポリプロピレン
を使用し押出溶融法によつてクラフト紙とポリプ
ロピレンフイルム層を積層一体化した複合絶縁テ
ープを用い、かつ絶縁油としてDDB(Dodecyl
benzen)主体の油を含浸したことを特徴とする
特許請求の範囲第1項記載のOFケーブル。 3 少なくとも、プラスチツクフイルムの厚さ比
率60%以上の複合絶縁テープにエンボス処理を施
したことを特徴とする特許請求の範囲第1項又は
第2項記載のOFケーブル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16708183A JPH0241131B2 (ja) | 1983-09-09 | 1983-09-09 | Ofkeeburu |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16708183A JPH0241131B2 (ja) | 1983-09-09 | 1983-09-09 | Ofkeeburu |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6059610A JPS6059610A (ja) | 1985-04-06 |
JPH0241131B2 true JPH0241131B2 (ja) | 1990-09-14 |
Family
ID=15843046
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16708183A Expired - Lifetime JPH0241131B2 (ja) | 1983-09-09 | 1983-09-09 | Ofkeeburu |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0241131B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3024627B2 (ja) | 1998-02-03 | 2000-03-21 | 住友電気工業株式会社 | 海底ソリッドケーブル |
-
1983
- 1983-09-09 JP JP16708183A patent/JPH0241131B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6059610A (ja) | 1985-04-06 |
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