JPH0240831Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、椅子の床面への固定装置の改良に関
し、さらに詳しくは位置固定及び取外しをワンタ
ツチで着脱自在となすことができ且つその位置固
定を確実なものとなしうる椅子脚の床面への固定
装置の提供に係るものである。

従来、椅子の床面への固定装置としては、一般
に椅子にもうけた適当な取付部を床面へ埋設した
アンカー等に螺着手段等を用いて一体固定してい
た為に、その取外しが困難なものであつたり、又
取外しができる構成のものでも位置固定の確実さ
に欠けるものであつた。

本考案は上述の状況に鑑み、考案されたもの
で、その要旨とするところは、椅子脚下端部にも
うけた保持部材によつて、回転具挿入用の長孔を
前面に露出した状態で回動可能に保持された締付
用回動体であつて、内部空間に始端から終端に向
つて漸次内芯に近づけて係止縁をもうけた緊結具
内部に、床面に着脱自在となして立起固定した連
結杆の先端膨大部を挿入し且つ前記係止縁に該膨
大部内側縁を係止させて、緊結具を回動して連結
杆を締付・解放させてなる点にある。

以下、本考案の詳細を添附図面に示す実施例に
より説明する。図面において、１は連結杆、２は
緊結部材、３は保持部材をそれぞれ示す。連結杆
１は、先端を残して下部を狭窄首部４となして先
端膨大部５を形成したもので、椅子を固定する位
置に、例えばあらかじめ床面に埋設したナツトア
ンカー６等と螺合させることにより着脱自在式に
立起固定するものである。次に、緊結部材２は、
内部を空洞となした外観偏平円柱状の別部品であ
つて、外周面に前記連結杆１の先端膨大部５を挿
入しうる切欠部７をもうけ、該切欠部７の一端を
始端として該先端膨大部５の内側縁８、即ち首部
上側外縁と当接して終端へ向けて漸次内芯に近づ
けて内周に係止縁９を形成するとともに該先端膨
大部５を係止縁９に沿わせて緊結部材を回動させ
るのにともない連結杆１を挿入した状態で周方向
に回動可能な巾のスリツト１０を外周に形成して
いる。又、該緊結部材２の前面中央部にはドライ
バーもしくは硬貨等で代用される回転具の挿入用
の長孔１１が穿孔されている。上述の緊結部材２
を内装して保持する保持部材３は、椅子脚下端部
に、例えば溶着固定されたり、もしくは図例の如
く椅子脚下端に装着される端面キヤツプ１２と一
体形成されたりするもので、その構造は、有底で
上面を該緊結部材２の出し入れ用の開口となし該
緊結部材２が内部で回動可能な大きさの前面視Ｕ
字形の溝部状もしくは図示しない略筒状で、前面
には該緊結部材前面の長孔を露出させるための開
口１３が上面から連続してもうけられている。そ
して、下面には下方床面に臨ませて前記連結杆１
の先端膨大部５が貫通しうる孔１４が穿孔されて
おり、その大きさは該先端膨大部５を易に貫通で
き且つ緊結固定した際にズレを誘発しない程度の
開口設定が望ましい。

しかして、本考案に係る固定装置を用いて、椅
子脚を床面１５に固定するには、第２図、第３図
に示す如く、床面１５に立起固定させた連結杆１
の先端膨大部５を保持部材３の下面の孔１４を介
して内部上方に突出させて椅子脚１６を床面１５
に設定し、次いで緊結部材２を保持部材３の底ま
で装入してその切欠部７内に該先端膨大部５を位
置させ、第３図の矢印方向に前面の長孔１１を利
用して例えば硬貨等を挿入して緊結部材２を回動
させれば第４図の如く先端膨大部内側縁８と係止
縁９とが相互に引きつけ合つて、保持部材３を介
して椅子脚１６と床面１５とを締付固定できるの
である。ここで、緊結部材２の回動係止の強弱調
節により上述引きつけ力、即ち締付固定状態の強
弱を容易に変化設定でき、且つ解放も逆方向回動
によりワンタツチでなしうるものである。

なお、本実施例においては、保持部材として、
上面開口させて緊結部材２を出し入れ自在となし
たものを示したが、あらかじめ内部に遊動状態で
封入して保持してもよく、さらに緊結部材自身を
椅子脚下端部に枢着して保持部材を省略すること
も考慮される。又、第１図においては、前後脚共
に本固定装置をもうけた例を示すが、この装着個
所及び数は適宜選択されるものである。

以上にしてなる本考案の椅子脚の床面への固定
装置は、床面に立起固定した連結杆の先端膨大部
を緊結部材の内部に位置させて始端から終端に向
けて漸次内芯に近づけて形成した係止縁により係
止させたので、該緊結部材を回動締付すれば、該
緊結部材を内装した保持部材を介して椅子脚が床
面に対して確実に位置固定できるとともに緊結部
材前面に回転具挿入用の長孔をもうけて保持部材
前面より露出させたので前述回動締付が強固に行
なえ且つ解放操作も容易に行なえる。又、連結杆
を床面に対して着脱自在となしたので椅子を配置
設定しない場合には床面に突起物もなく床面使用
における安全上、実用上好ましいものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用して固定した椅子例を示
す斜視図、第２図は椅子脚下端部を下方から見上
げた説明用斜視図、第３図、第４図は椅子脚の固
定方法を示す説明図である。 １……連結杆、２……緊結部材、３……保持部
材、４……狭窄首部、５……先端膨大部、６……
ナツトアンカー、７……切欠部、８……内側縁、
９……係止縁、１０……スリツト、１１……長
孔、１２……端面キヤツプ、１３……開口、１４
……孔、１５……床面、１６……椅子脚。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 床面に着脱自在となして立起固定した、先端
   膨大部を有する連結杆と、 前面中央部に回転具挿入用の長孔を有する内
   部を空間とした締付用部材であつて、外周面に
   前記膨大部を挿入しうる切欠部及び該切欠部に
   連続して前記連結杆を挿入した状態で回動しう
   る巾のスリツトをもうけるとともに内周面に該
   膨大部の内側縁と当接しうる係止縁を始端から
   終端へ向けて漸次内芯に近づけて形成した緊結
   部材と、 椅子脚下端部にもうけるものであつて、下面
   に前記膨大部が貫通しうる孔をもうけ、前面に
   前記緊結部材の長孔部分を露出する開口を設け
   るとともに該緊結部材を回動可能に保持した保
   持部材と、 よりなる椅子脚の床面への固定装置。 ２ 前記連結杆を螺着手段により床面に立起固定
   してなる実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   椅子脚の床面への固定装置。