JPH0239352Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、例えば電線と接続スリーブとを圧
縮接続する際等に用いられる油圧圧縮器用のダイ
スの改良に関するものである。

（従来の技術） 従来、電線を接続するための接続スリーブは、
油圧圧縮器により圧縮しているが、接続スリーブ
を用いて接続すべき電線は、大小各種線径のもの
があるので、これらに適用する圧縮ダイスも同様
に、各種サイズのものが必要であつた。

接続スリーブの圧縮に当つては、圧縮機の反り
を防止するために、圧縮動作を一度で行うことが
望ましい。ところが、そのようにすると、一回の
圧縮面積が広いため、大きな圧縮力が必要である
から、比較的大型高出力の圧縮器を用意し、かつ
大型のダイスを用いなければならなかつた。

（考案が解決しようとする問題点） 従来は、上記のように、各種線径の異なつた電
線の圧縮作業に適用するために、多種の比較的大
型の圧縮ダイスを用意しなければならないので、
高価となり、また、使用により圧縮部が摩耗、損
傷した場合には、高価な大型のダイスをそつくり
交換しなければならない無駄が生じるという問題
点がある。そのうえ、多種の大型ダイスを工事現
場まで持参しなければならないという問題点もあ
つた。

本考案は、上記従来の問題点を解決し、線径の
異なる多種の電線に適用するために大型の圧縮ダ
イスを多数用意することなく、また、使用により
圧縮部が摩耗、損傷した場合にも、比較的高価な
大型のダイスをそつくり交換しなければならない
無駄をなくした電線圧着用のダイスを提供しよう
とするものである。

（問題点を解決するための手段） この考案においては、上記従来の問題点を解決
するため、油圧圧縮器ＰのヘツドＨに直接取付け
られる主ダイス１，２と、この主ダイス１，２の
取付け部に嵌合離脱可能なコアダイス３，３と、
このコアダイス３，３を前記主ダイス１，２へ固
定するための固定金具４，４とを具備させて電線
圧着用のダイスを構成した。

（作用） コアダイス３は、主ダイス１，２の受け部に嵌
合させ、取付け金具４により主ダイス１，２に固
定する。コアダイス３を取付けた一対の主ダイス
１，２を油圧圧縮器Ｐに相対向装着して使用す
る。コアダイス３は、主ダイス１，２に対して着
脱自在であるから、使用により摩耗、破損した場
合には、交換が可能である。主ダイス１，２は、
接続スリーブ等の被圧縮物に直接圧接されないか
ら、破損が少なく、長期の使用によく耐える。圧
縮部のサイズが異なるコアダイス３を各種用意
し、同一の主ダイス１，２に交換して装着し得る
ようにすれば、小さなコアダイスを大型の圧縮器
に装着して使用し得るし、圧縮部サイズの異なる
高圧用の大型のダイスを多数用意する必要がな
い。

（実施例） 上部主ダイス１は、両側部に取つ手１ａ，１ａ
を有すると共に、下部中央には、コアダイス３を
嵌合させるための取付け凹所１ｂを有し、油圧圧
縮器ＰのヘツドＨの上部へ固定可能である。ま
た、凹所１ｂの両側部下面には、固定金具４を受
ける段部１ｄ，１ｄと、これをボルト止めするた
めの垂直方向のねじ穴１ｃを有する。

下部主ダイス２も同じく両側部に取つ手２ａ，
２ａを有し、上部中央には、コアダイス３を嵌合
させるための取付け凹所２ｂを有する。下部主ダ
イス２の下部には、油圧圧縮器ＰのラムＲが嵌ま
る凹所２ｃを有し、油圧圧縮器ＰのヘツドＨの下
部へ固定可能である。この凹所２ｃの両側には、
ボルト貫通孔２ｄが水平に貫通している。下部主
ダイス２の取付け凹所２ｂの両側部上面には、固
定金具４を受ける段部２ｅ，２ｅと、これをボル
ト止めするための垂直方向のねじ穴２ｆを有す
る。

上下の主ダイス１，２に取付けられるコアダイ
ス３，３は、同一のもので、夫々主ダイス１，２
の取付け凹所１ｂ，２ｂに嵌合、離脱可能な形状
を成している。コアダイス３は、対向面側の中央
に圧縮部３ａを有する。

コアダイス３，３を夫々主ダイス１，２へ固定
するための取付け金具４，４も互いに同一のもの
である。取付け金具４は、板状で、両側に一対の
ねじ孔４ａ，４ａを有し、また、長手方向両端の
偶にはコアダイス３の両側面を押えることができ
るように突出した押え突起４ｂ，４ｂが形成され
ている。

しかして、コアダイス３は、夫々主ダイス１，
２の取付け凹所１ｂ，２ｂに嵌合され、取付け金
具４にて固定される。取付け金具４は、突起４
ｂ，４ｂでコアダイス３の両側を押えるようにし
て、主ダイス１，２の段部１ｄ，２ｅ上に嵌め込
まれ、ねじ５にて固定される。

コアダイス３を取付けた主ダイス１，２は、油
圧圧縮器ＰのヘツドＨに相対向して装着される。
下部主ダイス２は、ボルト貫通孔２ｄに、ラムＲ
を貫通するようにボルト６を挿入して固定する。

上下のコアダイス３，３間に被圧縮物を挿入
し、油圧圧縮器に圧縮動作をさせて圧縮作業を行
う。

コアダイス３は、圧縮部３ａの形状、あるいは
寸法の異なるものを数種用意し、被圧縮物の形状
に応じて適宜交換して使用する。交換は、取付け
金具４の着脱により、容易に行うことができる。
コアダイス３が、摩耗、破損した場合にも、主ダ
イス１，２を取替えることなく、コアダイス３の
みを交換すれば良い。

（考案の効果） 以上説明してきたように、この考案において
は、油圧圧縮器ＰのヘツドＨに直接取付けられる
主ダイス１，２と、この主ダイス１，２の取付け
部に嵌合離脱可能なコアダイス３，３と、このコ
アダイス３，３を前記主ダイス１，２へ固定する
ための固定金具４，４とを具備させて電線圧着用
のダイスを構成したため、比較的小型のコアダイ
ス３を大型の圧縮器に使用することができ、これ
により、被圧縮物の比較的広い範囲を一度で圧縮
することが可能である。従つて圧縮部を数回に分
けて圧縮することによる被圧縮物の反りの発生を
防止することができる。また、コアダイス３が、
使用により摩耗、破損した場合には、これだけを
容易に交換し、大型ダイスをそつくり交換するよ
うな無駄をなくすことができる。主ダイス１，２
は、接続スリーブ等の被圧縮物に直接圧接されな
いから、破損が少なく、長期の使用に耐えること
ができる。圧縮部のサイズが異なるコアダイス３
を各種用意し、同一の主ダイス１，２に交換して
装着し得るから、圧縮部のサイズの異なる高価な
大型ダイスを多種用意する必要がない等の効果を
有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は一部を切り欠いた正面図、第２図、第
３図はダイスの斜視図である。 １，２……主ダイス、３……コアダイス、４…
…取付け金具、Ｐ……油圧圧縮器、Ｈ……ヘツ
ド。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 据置型の大型の油圧圧縮器の油圧シリンダから
   二又に分かれて上方へ延出したヘツドの上下に相
   対向して互いに接近、離反可能に取付けられる一
   対のダイスであつて、 二又に分かれたヘツドに掛け渡すようにして直
   接取付けられる大型大重量の主ダイスと、 この主ダイスの取付け部に嵌合離脱可能で、電
   線を圧縮する圧縮部を備えた小型軽量のコアダイ
   スと、 このコアダイスを前記主ダイスへ固定するため
   の固定金具とを具備したことを特徴とする電線圧
   着用ダイス。