JPH023902Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は筆記具のレフイール用尾栓に関するも
のである。

水性インキを使用するボールペンのレフイール
は、その内部に水性インキを吸蔵した中綿を収容
しており、筆記に際してはこのインキがペン体に
伝達されて消費されるが、このインキに消費量に
見合つた空気がレフイール内に入つてインキと置
換される。このため、レフイールには通気孔が設
けられるが、通常はこの通気孔はレフイールの先
端近傍に設けられる。これは、キヤツプを被嵌し
て衣服のポケツトに装着したときに、ペン体が上
向き姿勢となるため、通気孔を中綿より上方にし
てインキが通気孔より流出しないようにするため
である。これに対して、キヤツプレスのノツク式
筆記具にレフイールを使用するときは、ポケツト
に装着したときにペン体が下向き姿勢となるため
に、通気孔を先端部に設けたのでは、これよりイ
ンキが流出してしまうので尾端部に設ける必要が
ある。そして、尾端部には中綿が収容されている
ので、先端部と異なつてレフイールの尾端部に直
接通気孔を穿孔したのではこれよりインキが簡単
に流出してしまう。また、筆記具本体の軸筒内面
とレフイール本体外面との間隙はわずかであり、
もしレフイール本体側面に通気孔を設けて、この
通気孔の出口よりインキが少しでも出るとこのイ
ンキが軸筒内面に付着してこれが筆記具本体の外
面ににじみ出てしまう問題点がある。このため、
レフイールの後端に嵌着される尾栓に通気溝を設
けることが試みられているが通気性と液密性とを
同時に完全に満すものが得られていないのが実情
である。

そこで本考案は、簡単な構造で通気性と液密性
とを同時に満足し、キヤツプレスのノツク式筆記
具に適したレフイール用尾栓を提供することを目
的とし、この目的は、空胴およびこの空胴と同心
の円環空部が形成された外型と、該空胴および円
環空部にそれぞれ密着嵌合される円柱突部および
円環突部が形成された中子からなり、円環突部と
円環空部との外周密着面から内周密着面にかけて
縦方向に往復する通気孔と、円柱突部と空胴との
密着面に縦方向の通気孔とを形成し、両通気孔を
円柱突部の基端部外周を周回した状態で連通させ
たことを特徴とする筆記具のレフイール用尾栓に
より達成される。

以下に図面に示す実施例に基いて本考案を具体
的に説明する。

第１図において、レフイール本体１１の先端が
小径となつてその開口にボールペンチツプ１２が
嵌着されている。そして、レフイール本体１１の
内部には中綿１３が収容されるが、中綿１３は詰
栓１４と尾栓１０により挾圧保持されている。こ
の中綿１３は、ポリエステルなどの極細繊維を引
き揃えて棒状に成形したものであり、インキ吸蔵
力の大きなものであるが、これに吸蔵された水性
インキが中継芯１５を通つてチツプ１２のボール
に伝達される。

ここで尾栓１０は、第２図以下に示すように、
外型１と中子２の２部品で構成されている。外型
１はレフイール本体１１の尾端開口に嵌着される
が、その中央には縦方向の円柱状空胴３が形成さ
れた筒状であり、この空胴３と同心にして円環空
部４が形成されている。一方、中子２には円柱突
部５とこれと同心の円環突部６が形成され、これ
らがそれぞれ外型１の空胴３と円環空部４に密着
して嵌合される。この嵌合された状態では円柱突
部５の基端部には周回路７が形成され、また、円
環突部６の先端面と円環空部４の底面との間にも
隙間８が形成されている。そして、円環突部６の
外面、円環空部４の内壁の外面および円柱突部５
の外面には縦方向の平面部が形成されており、従
つて、中子２が外型１に嵌合されると３本の微小
な間隙の通気孔９が構成される。このため、レフ
イール本体１１の内部は通気孔９→隙間８→通気
孔９→周回路７→通気孔９を通つて外部に連通し
ている。

しかして、筆記によつて中綿１３内のインキが
減少すると等量の空気が前記の経路を通つてレフ
イール本体１１内に入つて内部の圧力を一定に保
つ。そして、筆記具を逆向きにしたときにインキ
が尾栓１０の周囲に落ちると、前記の経路を通つ
て外部に出ようとする。しかしこの経路は３本の
縦方向の通気孔９と周回路７からなるためにその
全長が長く、このためインキは外部まで到達しな
い。そして通気孔９は半月状をしているのでここ
に入つたインキは両端部に集まつて中央部は通気
可能となり、通気性が阻害されることがない。更
には、仮にインキが前記の経路を通つて外部に出
ても、出口は尾栓１０の中央であつてレフイール
本体１１の側面ではないので軸筒には付着せず、
筆記具本体の外表面ににじみ出ることがない。

この様に本考案は、往復する２本の通気孔と他
の通気孔との間に周回路を設けたので、簡単な構
造で通気性と液密性とを同時に満足させることが
でき、キヤツプレスのノツク式筆記具に適したレ
フイール用尾栓とすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はレフイールの断面図、第２図は尾栓の
断面図、第３図と第４図はそれぞれ第２図の−
線、−線における断面図である。 １……外型、２……中子、３……空胴、４……
円環空部、５……円柱突部、６……円環突部、７
……周回路、８……隙間、９……通気孔、１０…
…尾栓、１１……レフイール本体、１２……ボー
ルペンチツプ、１３……中綿。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 空胴およびこの空胴と同心の円環空部が形成さ
   れた外型と、該空胴および円環空部にそれぞれ密
   着嵌合される円柱突部および円環突部が形成され
   た中子からなり、円環突部と円環空部との外周密
   着面から内周密着面にかけて縦方向に往復する通
   気孔と、円柱突部と空胴との密着面に縦方向の通
   気孔とを形成し、両通気孔を円柱突部の基端部外
   周を周回した状態で連通させたことを特徴とする
   筆記具のレフイール用尾栓。