JPH0238803Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車等の車輛のタイヤをホイールに
迅速容易に嵌脱するためのタイヤ交換機に関する
ものである。

従来の技術 近時、自動車等車輛に使用されるタイヤをホイ
ールに装着した車輪の多様化が著しい。即ち、タ
イヤにおいてはチユーブタイヤの他にチユーブレ
スタイヤが、ホイールにおいては鋼製ホイールの
他にアルミホイール等の使用が拡大しつつある。

第２図はタイヤ１０をホイール２０に嵌脱する
際に従来広く用いられている器具の例を示す図で
あつて、タイヤ１０をホイール２０に嵌入するに
際しては、タイヤ１０の端縁近傍部であるビード
１０１が嵌入されるホイール２０の端縁部に同図
ロに示す止め金具３０を止着した後、前記ビード
１０１部を棒状の金具であるバール（図示せず）
や同図ロに示す皿状ローラ４０で押圧しつつホイ
ール２０を回転させてタイヤ１０をホイール２０
に嵌入し、タイヤ１０をホイール２０から離脱す
るに際しては、ビード１０１部を前記バールや皿
状ローラ４０で押圧しつつホイール２０を回転さ
せてタイヤ１０をホイール２０から離脱する。

考案が解決しようとする問題点 しかし、上記従来の方法では、アルミホイール
等のように比較的軟質のホイール２０においては
前記止め金３０の止着により傷を発生し、チユー
ブレスタイヤのようにホイール２０に嵌脱するに
際して比較的大きな押圧力を要するタイヤにおい
ては前記バールや皿状ローラ４０の押圧によりビ
ード１０１部に傷を発生するという問題があつ
た。

問題点を解決するための手段 本考案は、上記問題点を解決するための手段を
提供するものであつて、下端が基台に軸支され、
鉛直面内を変位可能に設けた支持腕の上端に水平
駆動軸を設け、該水平駆動軸の前端に鉛直面内を
回動するホイール取付板を固設してなるホイール
回動部と、支持桿の一端にタイヤのビード部を押
圧するための押圧具を付設し、他端を前記水平駆
動軸の前端に着脱自在に設けてなるビードホルダ
と、下端が基台に軸支され、鉛直面内に揺動可能
に、かつ前記水平駆動軸に対して平行移動可能に
設けた支持軸の上端に裁頭円錐体を回動自在に軸
支してなるアウターローラと、前記ホイール回動
部の下方にタイヤ交換をすべき車輪を載置する置
台とを配設してなるタイヤ交換機を要旨とする。

本考案を図にもとづいて説明する。第１図は本
考案の一実施の態様を示す図であつて、同図イは
その正面図、同図ロはその平面図、同図ハはその
側面図、同図ニはホイール取付板２３の部分斜視
図、同図ホはビードホルダ３の部分斜視図であ
る。支持腕２１の下端は基台１に固設されたフラ
ンジ１１に軸支され、該支持腕２１の上端には水
平駆動軸２２が付設される。該水平駆動軸は駆動
モータ２４１によつて駆動され、前記支持腕２１
によつて水平に支持される。前記水平駆動軸２２
の前端、即ち第１図イの左端には鉛直面内を回動
するためのホイール取付板２３が固設される。該
ホイール取付板２３にはホイール２０を取着する
ための複数個のボルト孔２３１が穿設される。前
記支持腕２１の中央部付近にはフランジ２１１が
付設され、該フランジ２１１に支柱２４の上端が
螺合する。該支柱２４の下端は駆動モータ２４１
に連接され、該駆動モータ２４１はフランジ１２
を介して基台１に軸支される。上記支持腕２１、
水平駆動軸２２およびホイール取付板２３をもつ
てホイール回動部２を構成する。前記水平駆動軸
２２の前端中心部にフランジ２５，２５が付設さ
れ、該フランジ２５，２５は把手２６１付設のカ
ム板２６を軸支し、該カム板２６はビードホルダ
３の支持桿３２の下端を押圧し、もしくは該押圧
を緩和することによりビードホルダ３を着脱自在
に保持する。該ビードホルダ３は支持桿３２が該
支持桿３２の垂直面内に円盤３１を回動自在に支
持してなり、円盤３１はタイヤ１０のビード１０
１部を押圧するための押圧具であつてビード１０
１部を押圧するに際してビード１０１部を傷つけ
ない程度に十分な厚みを有するものとする。裁頭
円錐体４１を上端に軸支する支持軸４２の下端が
ナツト４４２のまわりに揺動可能に持設されアウ
ターローラ４を構成する。前記ナツト４４２は前
記水平駆動軸２２に平行に基台１内に設けられた
螺子棒４４に螺合し、該螺子棒４４は駆動モータ
４４１によつて回動される。前記支持軸４２は、
第１図ハに示すように傾斜軸とされ、把手４３が
付設される。前記ホイール回動部２の下方には置
台５が設けられる。該置台５は水平部５１と傾斜
部５２とからなり、水平部５１の端部に回動自在
に付設された車輪５３は基台１に付設されたレー
ル１３に係合し、傾斜部５２の端部付近に回動自
在に付設された車輪５４は床面上に配置される。

上記の本考案の実施の態様においては、タイヤ
１０のビード１０１部を押圧するための押圧具を
支持桿３２と直交する面内を回動する円盤とした
が、支持桿３２と斜交する面内を回動する円盤と
してもよく、第１図トに示すように支持桿３２と
斜交もしくは直交するように支持桿３２に固設さ
れた棒状体３３としてもよい。またホイール取付
板２３は第１図ヘに示すように位置決めピン２３
２を有する円盤３１としてもよい。更にアウター
ローラ４１をホイール取付板２３の前方ならびに
後方、即ち第１図ロにおけるホイール取付板２３
の下方ならびに上方に各１個、計２個設ける構成
としてもよい。

作 用 上記の本考案の一実施の態様のタイヤ交換機を
用いて自動車等の車輪の車軸から抜出した車輪の
ホイール２０からタイヤ１０を離脱するには、駆
動モータ４４１によつてアウターローラ４を前
方、即ち第１図ロの下方に、置台５をホイール取
付板２３の前下方即ち第１図ロの下方に配位せし
め、前記車輪を転動せしめて置台５の傾斜部５２
を経て水平部５１に載上した後、駆動モータ２４
１を作動させてホイール取付板２３を適宜の位置
に変位させるとともに、置台５を移動させて車輪
のホイール２０をホイール取付板２３に接近さ
せ、ホイール取付板２３のボルト孔２３１に螺挿
されるボルト（図示せず）をもつてホイール２０
をホイール取付板２３に取着し、駆動モータ２４
１をを回転させながら駆動モータ４４１を作動せ
しめてタイヤ１０を押圧し、片側のビード１０１
を外す、次いでアウターローラ４を第１図ハに鎖
線で示すように後倒させるとともに駆動モータ４
４１を作動させてアウターローラ４をホイール取
付板２３の後方へ即ち第１図ロの下方から上方へ
移動させた後、前傾させる。然る後、駆動モータ
２４１を作動させてホイール取付板２３に取着さ
れたホイール２０を回転せしめるとともに駆動モ
ータ４４１を作動させてアウターローラ４を後方
より前方へ、即ち第１図ハの上方より下方へ移動
せしめてタイヤ１０を押圧し、ホイール２０から
離脱する。ホイール２０にタイヤ１０を装着する
には駆動モータ４４１を作動させてアウターロー
ラ４をホイール取付板２３の前方、即ち第１図ロ
の下方に、置台５をホイール取付板２３の前下
方、即ち第１図ロの下方に配位せしめ、ホイール
取付板２３のボルト孔２３１に螺挿されるボルト
（図示せず）をもつてホイール２０をホイール取
付板２３に取着しホイール２０に装着すべきタイ
ヤ１０を転動せしめて置台５の傾斜部５２を経て
水平部５１に載上した後、置台５を移動させてタ
イヤ１０を前記ホイール取付板２３に取着された
ホイール２０に接させ、タイヤ１０の上部内周を
第１図イに示すようにホイール２０の上部外周に
載上した後、カム板２６をもつてビードホルダ３
を水平駆動軸２２の前端に取着し、ビードホルダ
３の円盤３１の端縁をタイヤ１０のビード１０１
部に押圧せしめる。然る後、駆動モータ２４１を
作動させてホイール取付板２３に取着されたホイ
ール１０を回動せしめるとともに、駆動モータ４
４１を作動させてアウターローラ４を前方より後
方へ、即ち第１図ハの下方より上方へ移動せしめ
てタイヤ１０を押圧し、タイヤ１０をホイール２
０に装着する。該装着を終えた後、ビードホルダ
３を水平駆動軸２２の先端から除去し、ホイール
２０をホイール取付板２３から離脱せしめた後、
置台５上を転動させ、置台５の水平部５１ならび
に傾斜部５２を経て機外へ送出する。アウターロ
ーラ４をホイール取付板２３の前方ならびに後方
に各１個、計２個設ける本考案の他の実施例の態
様においては、ホイール２０からタイヤ１０を離
脱するに際して、タイヤ１０をアウターローラ４
をもつて前方から押圧するときは、ホイール取付
板２３の前方に設けたアウターローラ４を使用
し、タイヤ１０をアウターローラ４の後方から押
圧するときはホイール取付板２３の後方に設けた
アウターローラ４を使用する。

考案の効果 本考案によるタイヤ交換機を使用すれば、従来
止め金具３０をホイール２０に止着するためにア
ルミホイール等比較的軟質のホイール２０に生じ
やすかつた傷を発生せしめることなく、またチユ
ーブレスタイヤのようにホイールに嵌脱するに際
して比較的大きな押圧力を要するタイヤ１０にお
いてもビード１０１部に傷を発生せしめることな
くタイヤ１０をホイール２０に迅速容易に嵌脱す
ることができる。また置台５を移動可能としたた
め、ホイール２０のタイヤ交換機への嵌脱が円滑
容易に行われ、更にアウターローラ４の支持軸４
２を傾斜軸としたために、タイヤ交換機の機能部
分の基部、即ち足まわりがすつきりとコンパクト
に配置され、点検整備が容易になる等の著効が得
られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施の態様を示す図であつ
て、同図イはその正面図、同図ロはその平面図、
同図ハはその側面図、同図ニはホイール取付板の
部分斜視図、同図ホはビードホルダの部分斜視
図、同図ヘはホイール取付板の他の実施の態様の
斜視図、同図トはビードホルダの他の実施の態様
の斜視図である。第２図はタイヤをホイールに嵌
脱するための従来の器具であつて、同図イは止め
金具、同図ロは皿状ローラである。 １０……タイヤ、１０１……ビード、２０……
ホイール、３０……止め金具、４０……皿状ロー
ラ、１……基台、１１……フランジ、１２……フ
ランジ、１３……レール、２…ホイール回動部、
２１……支持腕、２１１……フランジ、２２……
水平駆動軸、２３……ホイール取付板、２３１…
…ボルト孔、２３２……位置決めピン、２４……
支柱、２４１……駆動モータ、２５……フラン
ジ、２６……カム板、２６１……把手、３……ビ
ードホルダ、３１……円盤、３２……支持桿、３
３……棒状体、４……アウターローラ、４１……
裁頭円錐体、４２……支持軸、４３……把手、４
４……螺子棒、４４１……駆動モータ、４４２…
…ナツト、５……置台、５１……水平部、５２…
…傾斜部、５３……車輪、５４……車輪。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 下端が基台に軸支され、鉛直面内を変位可能
   に設けた支持腕の上端に水平駆動軸を設け、該
   水平駆動軸の前端に鉛直面内を回動するホイー
   ル取付板を固設してなるホイール回動部と、支
   持桿の一端にタイヤのビード部を押圧するため
   の押圧具を付設し、他端を前記水平駆動軸の前
   端に着脱自在に設けてなるビードホルダと、下
   端が基台に軸支され、鉛直面内に揺動可能に、
   かつ前記水平駆動軸に対して平行移動可能に設
   けた支持軸の上端に裁頭円錐体を回動自在に軸
   支してなるアウターローラと、前記ホイール回
   動部の下方にタイヤ交換をすべき車輪を載置す
   る置台とを配設してなるタイヤ交換機。 (2) 前記置台を前記水平駆動軸に直角をなす方向
   に移動可能に設けてなる実用新案登録請求の範
   囲第１項記載のタイヤ交換機。 (3) 前記押圧具が前記支持桿と直交もしくは斜交
   する面内を回動する円盤である実用新案登録請
   求の範囲第１項記載のタイヤ交換機。 (4) 前記押圧具が前記支持桿と直交もしくは斜交
   するように前記支持桿に固設された棒状体であ
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載のタイヤ
   交換機。 (5) 前記ホイール取付板が位置決めピンを付設し
   た円盤である実用新案登録請求の範囲第１項記
   載のタイヤ交換機。 (6) 前記アウターローラの支持軸が傾斜軸である
   実用新案登録請求の範囲第１項記載のタイヤ交
   換機。 (7) 前記アウターローラを２個設けてなる実用新
   案登録請求の範囲第１項記載のタイヤ交換機。