JPH0238654Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は棒状の化粧料用容器に関する。

〔従来の技術〕

従来より、棒状の化粧料容器としては種々のも
のが提案されており、例えば実開昭58−9533号公
報に記載されているものがある。

これは第５図に示すように、インナーパイプ１
０に縦溝１１を形成するとともに、その底部に滑
止め１２を形成し、このインナーパイプ１０の内
部に化粧料支持台１３が位置するようになつてい
る。

このインナーパイプ１０には螺旋溝１４を有す
るアウターパイプ１５が回動自在に嵌合されてい
る。

前記インナーパイプ１０内部には有底筒状の化
粧料支持台１６が位置しており、この化粧料支持
台１６の側面には前記縦溝１１に係合する一方の
係合凸部１７と、前記螺旋溝１４に係合する他方
の係合凸部１８とが形成されている。

以上要するに、インナーパイプ１０とアウター
パイプ１５とを相対的に回転させると螺旋溝１４
に従つて化粧料支持台１６が上下動し、化粧料支
持台１６に支持された化粧料が繰り出されるよう
に構成したものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、前記したものにおいては、構造が複雑
でありコスト高となるのは勿論、化粧料全体が露
出するものであるため、口紅のように繰り出した
化粧料をそのまま皮膚に塗布する場合に問題ない
が、化粧料を一旦化粧筆に付けてから使用するに
は安定性に乏しいという問題がある。

本考案は前記事項に鑑みてなされたもので、低
コストで製造することができるとともに、化粧料
を一旦化粧筆に付けてから使用することが容易な
棒状化粧料用容器とすることを技術的課題とす
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は前記技術的課題を解決するために、以
下のような構成とした。

即ち、筒体１をその軸線に対しθ゜傾斜した切り
口で２分して夫々一方の筒体２及び他方の筒体３
とする。

この一方の筒体２に小径の内筒４を設け、この
内筒４の側面に化粧料露出窓５を形成するととも
に、内筒内部に化粧料６を充填する。

さらに、前記他方の筒体３をこの内筒４内に遊
嵌せしめ、これら他方の筒体３と内筒４とに筒体
の直径／tanθ゜分だけ引き出した位置で抜け止め
されるよう係止部７を夫々形成して棒状化粧料用
容器とした。

〔作用〕

棒状化粧料用容器の両端を引いて半回転させる
か、或は棒状化粧料用容器の両端を持ち半回転さ
せることにより、内筒４に形成された化粧料露出
窓５が引き出しストロークの２倍の長さで大きく
露出し、化粧料６を容易に使用することができ
る。

〔実施例〕

本考案の実施例を第１図ないし第４図に基づい
て説明する。

筒体１をその軸線に対しθ゜傾斜した切り口で２
分して夫々一方の筒体２及び他方の筒体３として
あり、一方の筒体２側が短くなるよう形成されて
いる。

この一方の筒体２内には小径の内筒４が一体に
設けられている。この内筒４は前記他方の筒体３
と同じ長さに設定され、その側面に化粧料露出窓
５が形成されている。

さらにこの内筒４内部には化粧料６が充填され
ていて前記化粧料露出窓５から化粧料６が露出す
るようになつている。

この内筒４の外側には前記他方の筒体３を遊嵌
せしめられており、これら他方の筒体３と内筒４
には筒体の直径Ｄ／tanθ゜分だけ引き出したスト
ローク長Ｌで抜け止めされる係止部７，８が夫々
形成されている。

この係止部７，８は夫々段部で形成されており
内筒４を前記他方の筒体３へ遊嵌せしめる際に
は、内筒４の開口端４ｂ側に設けられたスリツト
４ｃを押し縮めながら筒体３へ押し込む。

前記他方の筒体３が内筒４の最深部、即ち、一
方の筒体２及び他方の筒体３の夫々の切り口２
ａ，３ａが密着した状態においては、第３図に示
すように内筒４の開口端４ｂは他方の筒体３の開
口端３ｂよりも僅かに奥に位置しており、この開
口端４ｂに化粧筆９が嵌合するようになつてい
る。

この化粧筆９は台部８ａと、その先端に取り付
けられた筆部８ｂとからなつており、台部８ａの
底部に形成された鍔部８ｃが筒体３の開口端３ｂ
に当接するようになつている。

使用に際しては、一方の筒体２及び他方の筒体
３の両端を引いて半回転させるか、或は一方の筒
体２及び他方の筒体３の両端を半回転させること
により化粧料６が現れる。

その際、一方の筒体２及び他方の筒体３の夫々
の切り口は前記の如く斜めになつているため、第
２図に示すように化粧料６が露呈する長さＭはス
ライド量Ｌの２倍となる。

また、この動作に連動して化粧筆９の鍔部８ｃ
が筒体３の開口端３ｂで押圧されて、棒状化粧料
用容器から自動的に離脱する。

〔考案の効果〕

本考案によれば、従来の棒状化粧料用容器のよ
うに螺旋溝を用いて化粧料の出し入れをするもの
ではないため、構造が簡単となり、低コストで製
造することができる。

また、棒状化粧料用容器の両端を引いて半回転
させるか、或は棒状化粧料用容器の両端を持ち半
回転させるだけで化粧料が現れ、しかも化粧料が
露呈する長さはスライド長の２倍となるため化粧
料が使用し易くなる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本考案の実施例を示し、
第１図は閉蓋時の斜視図、第２図は開蓋時の斜視
図、第３図は開蓋時の断面図、第４図は閉蓋時の
断面図、第５図は従来の棒状化粧料用容器を示す
分解斜視図である。 １……筒体、２……一方の筒体、３……他方の
筒体、４……内筒、５……化粧料露出窓、６……
化粧料、７……係止部、９……化粧筆。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 筒体１をその軸線に対しθ゜傾斜した切り口で２
   分して夫々一方の筒体２及び他方の筒体３とし、
   この一方の筒体２内に小径の内筒４を設け、この
   内筒４の側面に化粧料露出窓５を形成するととも
   に、内筒内部に化粧料６を充填し、さらに、前記
   他方の筒体３をこの内筒４に遊嵌せしめ、これら
   他方の筒体３と内筒４とに筒体の直径／tanθ゜分
   だけ引き出した位置で抜け止めされるよう係止部
   ７，８を夫々形成したことを特徴とする棒状化粧
   料用容器。