JPH0238072Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は水車を使用して行う間欠回転運動機
構に関する。

従来の技術 間欠回転運動機構には爪と爪車よりなる爪車装
置、歯車による間欠回転機構、ゼネバ歯車を使用
した間欠回転機構その他種々のものがあるが、い
づれも一般に主動軸の回転により従動軸が刻み送
りされるようになつており、一回に送られる量が
比較的少ない。爪の送り量を調整することができ
る爪車装置や歯数の異なる歯車と交換することに
より刻み送り量を変更できるようにしたものもあ
るが、前者のものは構造が複雑であり、また後者
の歯車を交換するものは手間がかかり面倒であ
る。しかも刻み送り量が変えられるようにしても
送り量の変えられる範囲が比較的狭く、一回転以
上の広い範囲までの調整はできず、また静止時間
を長くしたり短かくすることもできない。

考案が解決しようとする問題点 この考案は一回に送られる量を比較的多くする
ことができ、また送り量の調整範囲が一回転以下
から回転数の大きな範囲まで比較的広く、かつ静
止時間の調整も容易に行える間欠回転運動機構を
提供することを目的とする。

問題点を解決するための手段 本考案に係る間欠回転運動機構は第１図に示さ
れるように、一水平軸線を中心に回転可能に軸支
される水車１と、供給口２を備えたタンク３と、
一側をタンク３内に、他側をタンク外に設け、か
つタンク内のチユーブ端をタンク底面に、タンク
外のチユーブ端を水車周面にそれぞれ向けた略逆
Ｕ形のチユーブ４とより構成される。

タンク外のチユーブ端はタンク内のチユーブ端
の上方に位置するようにしてもよいが、タンクに
溜まる水をできるだけ多く排出して有効利用する
ため好ましくはタンク内のチユーブ端をタンク底
面に可及的に近付け、かつタンク外のチユーブ端
をタンク内のチユーブ端の下方に位置させる。

本案の間欠回転運動機構は従動軸の間欠回転が
必要な装置一般に使用することもできるが、どち
らかといえば玩具その他厳密な送り量を必要とし
ない非精密機械に使用するのに適する。

作 用 注入口２より供給された水がタンク３内に溜
り、その水面がチユーブ上端まで達すると、チユ
ーブを伝つて水が流れ始め、これよりタンク内の
水がチユーブ４を通つて排出され、水車１を回
す。水車の回転、すなわちタンク内の水の排出は
図示するように、タンク外のチユーブ端がタンク
内のチユーブ端より下方に位置するときには水面
がチユーブ端まで降下し、該チユーブ端が開放さ
れるまで行われる。

実際にはチユーブ端が開放され、水の落下が停
止しても水車は通常慣性によりなおも多少は回転
する。水の落下停止とともに水車を停止させるに
は、例えば水面のレベル計を含む制御機構と水車
のブレーキ装置とを設け、水面がチユーブ端まで
下がつたときそれをレベル計で検出してブレーキ
装置を作動させ、水車を停止させるようにすると
よい。チユーブ端が一旦開放されると、タンク内
に水が供給されつづけていてもその水面が再びチ
ユーブ上端に達するまでは水の排出が行われるこ
とはない。しかして水車は間欠回転駆動される。

水車の回転量は水が流れ始めて流れを停止する
までに排出される水の量（図の斜線部分が排出さ
れる）に左右され、排出量を変えると水車の回転
量も変わる。排出量を変えるには例えばチユーブ
をスライドさせてタンク内のチユーブ端の位置を
上下方向に変位させるとよいことはもちろんであ
るが、タンク外のチユーブ端をタンク内のチユー
ブ端上方で上下方向に変位させてもよい。第２図
の斜線部分はタンク外のチユーブ端がタンク内の
チユーブ端上方に位置するときの排出部分を示
す。

タンク内の水面がチユーブ端まで下がつたのち
再びチユーブ上端に達するまでは水の排出が停止
され、水車は停止するが、この停止時間は水の供
給量によつて左右され、供給量を増やせば短か
く、減らせば長くなる。したがつてタンクへの水
の供給経路上に第１図に示すように、流量調整用
のバルブ５を設け、これにより供給量を調整すれ
ば、水車の停止時間が変えられる。

実施例 第３図に示す実施例は第１図に示す間欠回転運
動機構をもぐら撃退器の駆動手段として利用した
例を示すもので、地面より鉛直方向に伸びる支柱
７に水車１が回転可能に軸支され、支柱上端に設
けたタンク３よりチユーブ４を通して水が水車上
に断続的に流れ落ちて水車１を間欠回転する。水
車１を回した水は受箱８に集められ、その下端よ
り排出される。支柱７にはまた水車１と反対側に
横向きにし、かつ開口部を蓋で塞いだ吊鐘状の本
体９が固着され、水車１と同軸上に設けた羽根１
０が本体９内で回転駆動されるようになつてお
り、羽根１０の回転により本体内に入れられた鋼
球１１が羽根先端で掻き上げられ、羽根が垂直方
向に回転するのに伴い落下して本体内壁に衝突す
る際金属音を発生するようになつている。以上の
ようにして水車が回転する都度金属音が断続的に
発生し、音ことに金属音を嫌う習性のあるもぐら
を支柱周辺より排除する。

考案の効果 本案の間欠回転運動機構は以上のように、従動
軸の間欠送り量を比較的多くすることができるほ
か排出される水の量を変えることによつて従来の
この種機構では不可能であつた一回転以下から回
転数の大きな範囲までの間欠送り量の調整が可能
となり、またタンクへ供給される水の量を調整す
ることによつて水面が一定レベルに達するまでの
時間が調整され、従動軸の静止時間を変えること
もできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は間欠回転運動機構の要部を示す概略
図、第２図はチユーブ端の位置を変えた例の概略
図、第３図は一実施例の正面図である。 １……水車、２……供給口、３……タンク、４
……チユーブ、５……バルブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一水平軸線を中心にして回転可能に軸支される
   水車と、供給口を備えたタンクと、一側をタンク
   内に他側をタンク外に設け、かつタンク内のチユ
   ーブ端をタンク底面に、タンク外のチユーブ端を
   水車にそれぞれ向けた略逆Ｕ形のチユーブとより
   なり、供給口よりタンク内に供給された水の水面
   レベルがチユーブ上端に達する都度チユーブより
   水が排出され、水車を回すようになつている間欠
   回転運動機構。