JPH0237711Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、顆粒状物或いは粉末状物の振出容器
用二重蓋の改良に関する。

［従来の技術及び考案が解決しようとする問題
点］ 従来より振出口を有する下蓋に、振出開口部を
有する上蓋を回動自在に結合し、上蓋を回動する
ことによつて振出口を開閉する機能を有する振出
容器用二重蓋は知られている。こうした二重蓋
は、上蓋と下蓋の間隙に内容物の顆粒或いは粉末
が溜り易く、従つて、これらを掃除する等のため
に、上蓋と下蓋とを着脱する機会が意外に多い。
その結果上記したような振出容器用二重蓋は、上
蓋と下蓋とを着脱し得る機能を有していることが
要求され、更に上蓋と下蓋の着脱を簡易に成し得
る機能が要望される。現在、上蓋と下蓋とを着脱
し得る機能を有する振出容器用二重蓋として、上
蓋の中央部に雌ネジを有する突部を垂設し、更に
下蓋の中央部に小孔を有する突出部を垂設し、該
小孔に上記突部を嵌着し、該突部の雌ネジに雄ネ
ジを螺合することにより、上蓋と下蓋を結合して
なる振出容器用二重蓋がある（実開昭58−33470
号）。しかしながら、該二重蓋は、ネジを回転さ
せて、上蓋と下蓋の着脱をせねばならず、その操
作が非常に煩雑である。更に、この振出用二重蓋
の成型に当つては、上蓋に雄ネジを螺合させるた
めの雌ネジを設けなければならず、その成型は容
易ではなかつた。

また、下蓋上面の中心に、先端に球状物を有す
る軸部を設け、一方、上蓋の下面の中心に、上記
下蓋の軸部の球状物と枢着する球状凹部及び割溝
を有する碗状弾性部を設けてなる振出容器用二重
蓋がある（実公昭54−14607号）。しかしながら、
該振出容器用二重蓋には、上蓋と下蓋との着脱が
容易である反面、上蓋だけを持つて持ち運びする
場合、上記軸部の球状部によつて該碗状弾性部が
押し拡げられ、上蓋から下蓋及び容器本体が落下
する虞があるとの問題点があつた。

また、上蓋の下面の中心に、下端が尖り該下端
から上方に向つて出張りが形成されたピンが設け
られ、一方、下蓋の下面中央部の底壁に孔を有す
るくぼみを設けてなる振出容器用二重蓋がある
（特公昭46−39431号）。しかしながら、該二重蓋
において、上蓋を下蓋から脱する場合には、該出
張りを指でつまんで孔の大きさより小さくなるま
で圧縮する必要があり、そのためには相当な力が
必要であり、容易に脱することはできないとの問
題点があつた。

更に、上蓋の下面の中心に、下方向に傾斜、外
拡する係止面を有する係止体が複数個形成され、
一方、下蓋の下面中央部に孔を設けてなる振出容
器用二重蓋がある（特公昭55−20606号）。しかし
ながら、該二重蓋において、係止面が外拡してい
るために、上蓋を下蓋に取り付ける際に係止体を
孔が通過し得るまで両側から指で挾んで曲げその
状態で下蓋の下面の孔を通過させさねばならず、
取り付けが極めて困難であつた。また、係止面が
下方向に傾斜しているために、上蓋だけを持つて
持ち運びする場合、係止体が上蓋の孔の内縁にそ
つて徐々に内側に押し曲げられ、最終的に外れ、
上蓋から下蓋及び容器本体が落下する虞があると
の問題点があつた。

本考案の目的は、上蓋と下蓋との着脱ができる
という機能を損うことなく、これらの欠点を解決
する振出容器用二重蓋を提供することにある。

［問題点を解決するための手段］ 上記目的を達成するための本考案の要旨は、振
出口を有する下蓋に、振出開口部を有する上蓋を
回動自在に結合し、上蓋を回動することによつて
振出口を開閉する機能を有する振出容器用二重蓋
において、下蓋の中央部に小孔を有する筒状の突
出部を下方向に設け、一方上蓋の下面中央部に、
先端にａ該突出部の下面に掛止し得る水平状又は
略水平状の上面及びｂ下端から上方向に外拡する
側面を有する突起が形成された結合部の複数個を
間隔を開けて設け、上記結合部の突起を、上記下
蓋の突出部の小孔中を上から下に通して上記下蓋
の突出部下面に掛止させることにより、上蓋と下
蓋とを結合させてなる振出容器用二重蓋である。

以下、本考案の実施例を図面則つて説明する。

第１図は、二重蓋のみ断面の振出容器正面図、
第２図は、上蓋の一部切欠斜視図、第３図は下蓋
の一部切欠斜視図、第４図は上蓋の結合部を下蓋
の筒状突出部の小孔に嵌着する実施図、第５図は
上蓋の結合部の拡大斜視図である。

図中１は容器本体を示し、該容器本体１の開口
部には下蓋２が螺着されている。

下蓋２の中央部には、小孔３を有する筒状の突
出部４が下方向に設けてある。一方上蓋５の下面
中央部には、先端にａ該突出部の下面４′に掛止
し得る水平状又は略水平状の上面１９及びｂ内側
下端から上方向に外拡する側面１８を有する突起
が形成された結合部の複数個が間隔を開けて設け
てある。これらが設けられることによつて、下蓋
２と上蓋５を回動自在で、且つ着脱が容易であ
り、更に上蓋のみを持つて持ち運びした場合にお
いても、下蓋及び容器本体が落下する虞がなく、
結合することができる。その作用については後述
する。

更に下蓋２は、複数個の孔からなる振出口８と
１個の孔からなる振出口８ａを有しており、また
上蓋５には、振出開口部９が１カ所に設けてあ
る。

従つて、容器本体１中から内容物を振出す場
合、上蓋５を回動させて上蓋５の振出開口部９を
下蓋２の振出口８又は８ａの位置に合せることに
よつて内容物を容易に振り出すことができる。

次に、下蓋２には凸状嵌合部１０が周設され、
一方上蓋５の内面１１には、該凸状嵌合部１０と
同心円状に凹状嵌合部１２が周設されている。そ
して、下蓋２と上蓋５とを結合させる際に、上記
下蓋２の凸状嵌合部１０と上蓋５の凹状嵌合部１
２とが嵌合されることになり、それによつて上蓋
５と下蓋２の間隙に溜つた顆粒或いは粉末が、上
蓋５と下蓋２の間隙から外へこぼれ出るのを防い
でいる。

更に、下蓋２には段部１３が設けられており、
該段部１３には、位置決め突起１４が設けられ、
該位置決め突起１４の両側には係止突起１５及び
１５ａが設けられている。一方、上蓋５の内側壁
１６には、係止突起１７が設けられている。これ
らが設けられていることによつて、上蓋５を下蓋
２に嵌着させる場合に、上蓋５を下蓋２に対して
正しく位置決めができ、また上蓋５の回動に際し
ても、上蓋５の開口部９を下蓋２の振出口８又は
８ａの位置及び下蓋２の孔のない位置に止めるこ
とができる。

以上が本考案の二重蓋の構造である。

次に、上記した構成を有する上蓋５と下蓋２と
を着脱するに当つての作用を第４図に則つて説明
する。

上蓋５の結合部７を下蓋２の小孔３に位置合わ
せすると、上蓋５の結合部７の先端に設けた突起
６の下端から上方に外拡する側面１８が小孔３の
上縁Ａに接するようになる。その後、上蓋５を上
から抑えると上記突起６の側面１８は上記小孔３
の上縁Ａをすべつていき、その結果として結合部
７は内側に曲がり、小孔３の中に上から下に通つ
ていく。結合部７の突起６の突出部先端Ｃが小孔
３の下縁Ｂよりも下方位置にくると結合部７は、
その弾性によつて元の状態に戻る。これによつて
突起６の水平状又は略水平状の上面１９は突出部
下面４′に掛止し、上蓋５と下蓋２の嵌着がなさ
れる。上面１９は水平状又は略水平状であるの
で、突出部下面４′に確実に掛止され、たとえ上
蓋のみを持つて持ち運びしたとしても、上蓋から
下蓋及び容器本体が落下する虞がない。

上記したように、上蓋５と下蓋２の嵌着は、上
蓋５の結合部７の下端Ｄを下蓋２の小孔３位置合
わせし、上蓋５を上から押えることにより容易に
なされる。

次に上蓋５を下蓋２から取りはずす場合は、上
蓋５に設けられている複数個の結合部７の突起６
の突出部先端Ｃが下蓋２の小孔３の下縁Ｂの内側
にくるまで、外側からはさみ、次に内側に曲つた
結合部７を上に押し上げ、更に上蓋５を上から引
つぱる。これによつて結合部７は小孔３の中を下
から上に通り、上蓋５は下蓋２から容易にはずれ
る。

このように上蓋５と下蓋２の着脱は極めて容易
に行うことができるが、該着脱は上蓋５の結合部
７が内側に曲がり、また元にもどるという弾性を
利用したものである。従つて、少なくとも上蓋５
の結合部７の材質はポリプロピレン・ポリエチレ
ンといつた合成樹脂のように弾性率の高いもので
あることが好ましい。また上記結合部７に限ら
ず、上蓋５・下蓋２も共に同質のものにした方が
経済的であり商品価値の点で望ましい。更に該二
重蓋の材質を弾性率の高いものにすることによ
り、その材質にアクリルのような弾性率の低いも
のを用いたときに比べ、該二重蓋の容器本体への
螺合工程における損傷が少ないといつた利点があ
る。

［考案の効果］ 以上詳述したように、本考案のに二重蓋は、上
蓋を回動することによつて振出口を開閉するとい
う機能を損うことなく、上蓋と下蓋の着脱を容易
に行うことができる。

また、たとえ上蓋のみを持つて持ち運びしたと
しても、上蓋から下蓋及び容器本体が落下する虞
がない。

更に、本考案のに二重蓋は、上蓋に雌ネジを設
ける必要がなく、従つて二重蓋の成型は容易であ
る。

尚、上蓋の振出開口部と下蓋の振出口は、１カ
所以上であれば何ケ所に設けられていても良く更
にその形状・数も実施者において適宜決定すれば
良い。

【図面の簡単な説明】

第１図は、二重蓋のみ断面の振出容器正面図、
第２図は、上蓋の一部切欠斜視図、第３図は下蓋
の一部切欠斜視図、第４図は上蓋の結合部を下蓋
の筒状突出部の小孔に嵌着する実施図、第５図は
上蓋の結合部の拡大斜視図である。 １……容器本体、２……下蓋、３……小孔、４
……突出部、５……上蓋、６……突起、７……結
合部、８……振出口、８ａ……振出口、９……振
出開口部、１０……凸状嵌合部、１１……内面、
１２……凹状嵌合部、１３……段部、１４……位
置決め突起、１５……係止突起、１６……内側
壁、１７……掛止突起、１８……側面、１９……
上面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 振出口を有する下蓋に、振出開口部を有する上
   蓋を回動自在に結合し、上蓋を回動することによ
   つて振出口を開閉する機能を有する振出容器用二
   重蓋において、下蓋の中央部に小孔を有する筒状
   の突出部を下方向に設け、一方上蓋の下面中央部
   に、先端にａ該突出部の下面に掛止し得る水平状
   又は略水平状に上面及びｂ内側下端から上方向に
   外拡する側面を有する突起が形成された結合部の
   複数個を間隔を開けて設け、上記結合部の突起
   を、上記下蓋の突出部の小孔中を上から下に通し
   て上記下蓋の突出部下面に掛止させることによ
   り、上蓋と下蓋とを結合させてなる振出容器用二
   重蓋。