JPH0236720Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 考案の目的 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は、第１ゾーンと第２ゾーンとの間を結
んで、第１ゾーンで予備截断した単位量のパンを
受入れ、これを順次、第２ゾーンに送り出すため
のスライサーのパン搬送装置におけるパン振り分
け機構に関する。

＜従来の技術＞ 一つの回転軸に、一対の片刃の円盤刃を所定間
隔を置いて対向して取付け、ブロツク状のパンを
前記刃面に対し平行移動して、これを外側から順
にスライスする工程を少なくとも一つは含む複数
の截断工程を組合わせた装置において、前記一対
の円盤刃の片刃の向きを相互に外向きに設置し、
パン截断時に対向する刃の平行面が前記刃間を通
るパンの移送方向を案内すると共に、前記パン内
部に側圧を与えないようにした円盤刃式自動スラ
イサーは、本出願前に、たとえば本出願人が出願
した特願昭60−178651号明細書および添付図面に
当業者が容易に実施できる程度に記載されてい
る。上記スライサーは、ブロツク状パンの搬送路
に沿つて、円盤刃機構を第〜段まで配置して
構成する一方、同加工段を棒パンを単位量のパン
に予備加工する第および段より成る第１ゾー
ンと、単位量パンをスライス加工する第〜段
より成る第２ゾーンとに区分し第２ゾーンを１ラ
インだけ設備するようにしているので、その間に
第１ゾーンと第２ゾーンとの間を連結して、第１
ゾーンで予備加工したパンブロツクを受入れ、こ
れを１個宛順に第２ゾーンに送り込む機構が必要
になる。

そこで本考案は、第１予備加工ゾーンと第２ス
ライス加工ゾーンとの間を連結して、ここに第１
ゾーンで単位量毎に予備分割した複数個のパンを
受入れてプールし、これを１個宛順次第２ゾーン
に送り込むようにすることにより、一度に単位量
処理できる仕様の１ラインのスライス装置に対し
てパン装入口には、たとえば３斤棒パンを装入し
てパンの自動送りを可能にする振り分け機構を装
備しなければ所望の性能を発揮することができな
い。

ところで、この種の振り分け機構は、本出願前
に、たとえば特開昭47−29565号公報記載の分割
給送機において、当業者が容易に実施できる程度
に記載されている。

＜考案が解決しようとする問題点＞ しかしながら、上述公知の給送機においては、
回転押送杆を保持する回転軸を被搬送物コンベア
の上部に軸支するのみならず、その下部には、早
戻り機構を設置して、両者の関連軸をチエーンに
より連結するなど複雑な装置を必要とし、かつ、
長いアームを有する押送杆が回動する広いスペー
スが要求されるなど、振り分け機構を設備するに
は大きな空間が必要であつて、上掲公知の送供機
を単純に前述スライス装置の工程に結合・設置す
ることができない。

そこで、本考案は、振り分け機構が単純・簡単
であつて被搬送物の分配に要する距離・スペース
が小さくて済み、スライス機構が分与できるスペ
ース内に収容することができ、かつ、スライス装
置のコンベアの中間工程にも結合可能なコンパク
トなパン振り分け機構を提供し、以て、一台のス
ライス装置に対して複数単位量パンを実質上自動
的に挿入することが可能で、作業員の監視時間
を、その分だけ短くすることができるスライス装
置におけるパン振り分け機構を提供することを目
的とする。

(ロ) 考案の構成 ＜問題点を解決するための手段＞ 本考案は、上記目的を達成するために、以下に
記載の構成要件を具備している。

(1) 並列する複数条の単位量パン搬送路のうち、
中央搬送路の両側搬送路の上面において、搬送
方向に直交したパン停止部材を配置すると共
に、前記各停止部材の前面でパン搬送方向に対
し、直交して往復動するＬ字形横送り板を設け
て、その一方の辺板をパン搬送方向上流側に向
けると共に、他方の辺板を、互いに中央搬送路
を中にして対向させ、かつ、その間隔を単位量
のパン一個の２倍長とし、各Ｌ字形横送り板が
連動してパン停止部材の全面に沿つて単位量パ
ンと同長のストロークで往復動するとき、各対
向横送り辺板の中央搬送路側移動限界位置は、
それぞれ前記搬送路の外側縁と一致するように
したことを特徴とすスライス装置におけるパン
振り分け機構。

(2) 前記横送り板のうちの対向する一対の辺板相
互の間隔を中央搬送路をクロスして単位量パン
一個の３倍長とした基準位置を占めることより
成る上記第(1)項記載のスライス装置におけるパ
ン振り分け機構。

(3) Ｌ字形横送り板の対向する辺板のうちのいず
れかの基準位置は、中央搬送路の外側縁と一致
することより成る上記第(1)項記載のスライス装
置におけるパン振り分け機構。

(4) 横送り辺板は交互に連動し、また格別に基準
位置から中央搬送路側縁までの間を往復動する
ことより成る上記第(2)項記載のスライス装置に
おけるパン振り分け機構。

＜作用＞ 横に連なつた焼成パン棒を、第１ゾーンで予備
截断し、各単位量のパンに分割したものが、その
まま横並びに振り分け機構に並列して設けられた
パン搬送路上に送り出される。そのうちの中央搬
送路だけは通路が開いていて、そこに送り出され
た第１の単位量パンは、単独で直接的に第２ゾー
ンのスライス加工側に送り込まれるが、横並びに
送り出された他の第２および第３の単位量パン
は、それぞれの搬送路に載せられ移動するうち
に、前記搬送路の上部で回路を遮ぎるように設け
られたパン停止部材、もしくは横送り辺板（プツ
シヤー）の前面に衝き当つて停止するが、その間
パンの底面と搬送路のベルトコンベアとの間では
相互にスリツプ現象が生じている。

やがて中央搬送路に載つた第１単位量パンが第
２ゾーンに送り込まれるとタイミングをとつてＬ
字形横送り板（プツシヤー）が停止部材の前面に
沿い搬送方向に対して直交して移動するが、その
際、横送り板は、まず停止部材前面にストツプし
ている第２単位量パンを央搬送路上に送り込むよ
うに作動する。かくして、中央搬送路上に載置さ
れた第２の単位量パンは同搬送路によつて第１単
位量パンに続いて同様に第２加工ゾーンに送り出
されるが、その間に前記搬送路に関し反対側にあ
る横送り板（プツシヤー）も上述移動に連動して
変位するので、その辺板が第３の単位量パンの移
動を妨げる位置から移動する。したがつて第３単
位量パンはコンベアベルトに載つて運ばれ、やが
て同コンベア搬送路の動きを遮るように設けた他
のパン停止部材前面に衝き当つて停止する。そこ
で横送り板（プツシヤー）を上述と反対方向に、
かつ同一ストローク長、移動させれば第３単位量
パンは中央搬送路上に押出されて、第２単位量パ
ンに続いて第２ゾーンに送り込まれる。そのとき
には反対側のＬ字形横送り板またはパン停止部材
の前面にはパンは残つていない。かくしてパン振
り分け機構の一サイクルは終了し、新たな予備加
工パンが第１ゾーンから同機構に送り込まれるの
を待機する状態で停止している。

上述作用のうち、Ｌ字形横送り板（プツシヤ
ー）を、対向する一対の辺板相互の距離を単位量
パンの３倍長と等しく設定しても、上記作用に近
似した単位量パンの振り分け搬送作用が得られる
ことは、詳しく説明するまでもなく当業者にとつ
ては明らかなことである。この際は横送り板（プ
ツシヤー）の搬送路上流側を向いた辺板は必ずし
も施すことを要しない。

なお、上述説明の前提条件として、少なくとも
中央搬送路の巾は単位量パンの巾と同等であり、
また、各停止部材、Ｌ字形横送り板の、単位量パ
ンが滑る隅角部は、すべて面取りをして被加工品
に傷を付けることのないよう注意も払つている。

＜実施例＞ 第１図は、本考案パン振り分け機構を施した回
転円盤式スライス装置の一実施例の側断面略図
で、その全体構造は、大別して長手方向に連続さ
れた３部門より成り、その一つは最初に横長の焼
立てパン棒を受入れる装入口１を備えた第１ゾー
ンで長手方向に延びたパン搬送路２に並行して張
架されたチエーンコンベア３に沿つて、それぞれ
回転円盤刃４を備えた第加工段および第加工
段を配置し、第加工段および第加工段には一
対の円盤刃４を設けて、３斤パン棒を予備加工し
て各１斤毎のパンブロツクに分割することも２斤
パン棒を各１斤毎のパンブロツクに分割すること
も各加工段の円盤刃位置の調節によつて可能なよ
うにしてある。コンベア３には所要ピツチでパン
ブロツク押送杆５が取付けてあり、コンベア３の
矢印方向の駆動によつてそれぞれの杆５がパンの
後側面を支えて、これを移送し、円盤刃４の間を
通すようにして上述の予備分割を行う。その次は
振り分け部で、本考案機構が設備されここで予備
分割された単位量パンをプールし、第３の第２ゾ
ーン、すなわちスライス加工装置に１個宛順次送
り込むようにしているが、その詳細構成は後述す
る。最終の第２ゾーンを構成する各加工段の基本
的構造は、第１ゾーンの円盤刃機構と同一である
が、各一対の円盤刃を備えた第，および第
加工段がパン搬送路に沿つて直列に配設され、ま
た、その上側部にこれと並行して張架されたチエ
ーンコンベアに所定ピツチ毎に取付けたフライト
６によつてパンを搬送するようにした点で第１ゾ
ーンとはその全体構成を異にする。第２ゾーンは
フライト６に載つて送り込まれた１斤のパンブロ
ツクを截断して、各種、複数枚よりなるスライス
パン、たとえば４枚切、５枚切または６枚切のス
ライスパンに加工するため、第〜加工段の円
盤刃位置をパン搬送路に対して調節できるよう装
備されている。

第２図は、上記装置中、第２の位置に配設され
たパン振り分け機構の概略拡大斜視図、第３図
イ，ロは同機構のパン搬送路の部分展開図、第４
図は、もつぱら、そのパン横送り板（プツシヤ
ー）関係機構の斜視図を示し、第２図中、右上が
パン搬送路の移送上流側で、そこに示された矢印
方向に予備分割された一斤毎のパン（ａ−２，ｂ
−２およびｃ−２）が搬送されることを表わして
いる。７は中央搬送路で、その巾は、ほぼ一斤の
パンの巾と同一であり、直接、第２ゾーンの入口
につながる。８および９は同搬送路７に並設され
たコンベアベルトから成るサイド搬送路で、中央
搬送路７に比較して中途まで、少なくともパン停
止部材１０および１１の前面より下流側の下面位
置まで延びるように設備する。

中央搬送路７のセンターには第３図イに示すチ
エーンコンベア１２が搬送路長手方向に張架さ
れ、前記チエーン１２には所要ピツチでプツシヤ
ー１３を取付け第１ゾーンで予備分割されたパン
棒の各１斤パンａ−１，ｂ−１およびｃ−１を受
入れ、そのうちのパンａ−１を中央搬送路７に載
せてプツシヤー１３により押送し、第２図で符号
ａ−１のパン位置まで移送する。その間にパンｂ
−１，ｃ−１は、１斤のパンの大きさの２倍長だ
け隔てて対向するＬ字形横送り板１４，１５に向
かいコンベアベルト８，９に載つて矢印方向に移
送され、パンｂ−１は停止部材１０の前面に、パ
ンｃ−１は同ベルト上面で、その移動方向に直交
して往復動するＬ字形横送り板（プツシヤー）１
５の搬送方向上流側に向いた辺板に当接して停止
するが、パンａ−１が第２ゾーン方向に送り出さ
れると直ちに、第４図で、スプロケツトの回転に
同期してカム１６が回転して従動ローラ１７およ
び同ローラ軸支アーム１８を揺動させ、さらにこ
れに連結するリンク１９を介してアーム２０，２
１を揺動させるようにして一対のＬ字形横送り板
（プツシヤー）１４，１５をつなぐ横送りプツシ
ヤー杆２２を１斤のパンの大きさに相当するスト
ロークで矢印方向に往復動させ、停止部材１０の
前面に止まつているパンｂ−１の側面を横送り板
（プツシヤー）１４の辺板で中央搬送路方向に押
出す。その際に横送り板（プツシヤー）１５はパ
ンｃ−１を支承する位置から退避するためパンｃ
−１は再びコンベア９によつて運ばれて停止部材
１１の前面に衝き当つて停止する。第２図示の各
部材の相互位置は、この瞬間の状態を表わしてお
り、早くも、次のサイクルのためのパンａ−２，
ｂ−２およびｃ−２が第１ゾーンから送り出さ
れ、待機しているのが右側上方にみえている。

上述、各部材の作動のタイミングは、すべて同
一の駆動源に機械的に連動しており、一度調整を
施せば狂うことはない。

本実施例機構では振り分けパンをａ−１，ｂ−
１およびｃ−１と３個の場合について説明して来
たが、この機構を変更することなく２個のパンに
対し振り分け作用を行えることは当然である。

また以上の説明から、図示してはないが、横送
り板（プツシヤー）１４および１５の相互に対向
する辺板の間を間隔を１斤のパンの３倍長に設定
し、両辺板の基準位置を中央搬送路７に対し、対
称にしておく事により、殆んど上記同様の作動で
３斤ないし２斤のパンの振り分け操作が可能なこ
とは詳しく述べるまでもなく了解できるものと信
ずる。

なお、第２図中、停止部材１０および１１の上
面に設置された光電スイツチ２３は、何らかの原
因でプツシヤー１３が一度に２個のパンを押出す
と、第２ゾーンのフライト６にパンを円滑に載せ
ることができなかつたり、フライト６で送り込ま
れたパンを潰してしまうおそれがあるため、２個
同時送りを防止するためのチエツク機構である。

２４は、事故感知スイツチで、送入されたパン
が渡し板に乗らなかつたり２個同時送りなどの原
因で、第２ゾーンのフライト６がパンを潰すよう
な事故が生じたとき、フライト６が変形・破損す
ることのないよう搬送路の変位を感知して装置を
停止させるためのリミツトスイツチを装備してい
る。

(ハ) 効案の効果 本考案によれば、予備分割した後の複数個の単
位量のパンをプールして、これをパンの流路に直
交し間欠往復動するＬ字形横送り板を利用して、
１個宛順次、次工程に送り出す振り分け機構を設
置するにあたり、狭いスペース内に振り分け機構
を設備でき、また上部に被搬送物の振り分け用ア
ームを有する押送杆の回転のためのスペースを用
意する必要がないから、当該振り分け手段がスラ
イス装置に付設された他のコンベアのパン搬送杆
と抵触するおそれがなく、作業員の安全を高める
とか、保守・管理が容易である上に、単位量のパ
ンを受入れてスライスする仕様の装置に対し、パ
ンの装入口には一度に複数単位量の連続した棒パ
ンを装入するだけで、最後工程まで自動的にパン
のスライス工程が進行するので、その分だけ作業
量の監視時間を節減して人手を減らし、また労務
条件を緩和することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案パン振り分け機構を施した回
転円盤式スライス装置の一実施例側断面略図、第
２図は、本考案機構の一実施例の概略拡大斜視
図、第３図イ，ロは同機構のパン搬送路の部分展
開図、第４図は、もつぱら、その横送り板関係駆
動機構の斜視図である。 ７……パン中央搬送路、８および９……サイド
搬送路、１０および１１……パン停止部材、１２
……チエーンコンベア、１３……プツシヤー、１
４および１５……Ｌ字形横送り板、１６……カ
ム、１８，１９，２０および２１……アームない
しリンク、２２……横送りプツシヤー杆。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 並列する複数条の単位量パン搬送路のうち、
   中央搬送路の両側搬送路の上面において、搬送
   方向に直交したパン停止部材を配置すると共
   に、前記各停止部材の前面でパン搬送方向に対
   し、直交して往複動するＬ字形横送り板を設け
   て、その一方の辺板をパン搬送方向上流側に向
   けると共に、他方の辺板を、互いに中央搬送路
   を中にして対向させ、かつ、その間隔を単位量
   のパン一個の２倍長とし、各Ｌ字形横送り板が
   連動してパン停止部材の全面に沿つて単位量パ
   ンと同長のストロークで往復動するとき、各対
   向横送り辺板の中央搬送路側移動限界位置は、
   それぞれ前記搬送路の外側縁と一致するように
   したことを特徴とすスライス装置におけるパン
   振り分け機構。 (2) 前記横送り板のうちの対向する一対の辺板相
   互の間隔を中央搬送路をクロスして単位量パン
   一個の３倍長とした基準位置を占めることより
   成る実用新案登録請求の範囲第(1)項記載のスラ
   イス装置におけるパン振り分け機構。 (3) Ｌ字形横送り板の対向する辺板のうちのいず
   れかの基準位置は、中央搬送路の外側縁と一致
   することより成る実用新案登録請求の範囲第(1)
   項記載のスライス装置におけるパン振り分け機
   構。 (4) 横送り辺板は交互に連動し、また格別に基準
   位置から中央搬送路側縁までの間を往復動する
   ことより成る実用新案登録請求の範囲第(2)項記
   載のスライス装置におけるパン振り分け機構。