JPH0234891Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） この考案は、膝に制動能力を持たせたモジユラ
ー義足に関する。

（従来技術） 本出願人は、膝の制動制止にベルトブレーキシ
ステムを取入れた義足を、先に実用新案登録を受
けている（実公昭54−25198）。

しかし、この手段においては、上下二つの木部
２１，２１が二重関節４１，４２で連結され、膝
の屈曲状態においては、体重負荷によりその第二
関節４２が下り、その結果Ｖベルト１が制止板５
によつてベルト溝２３側に押圧されて制止を図る
ものであるため、上記体重負荷の床からの応力即
ち床反力は、関節を通して二次的に伝達されるも
のであり、制動パワー及び膝屈曲角度に対する制
動範囲が充分に得られるに至つておらず、階段昇
降等になお支障を来していた。

（考案が解決しようとする課題） 本考案は、先登録技術のかかる難点に鑑みてな
されたもので、基本的にはベルトブレーキシステ
ムを制動手段としながら、床反力をストレートに
受けるピストン方式を採用して、制動パワー及び
膝屈曲角度に対する制動範囲を著しく高めたもの
である。

［考案の構成］ （実施例） 以下図面の実施例によつて説明すると、第１図
において、１が肢裏側に二条溝のベルトプーリ２
を配した上肢継ぎ支柱、４がその支柱１の肢表側
縁を載置するとともに前記ベルトプーリ２を両面
から挟むホルダーを上方へ突設した外筒であり、
前記支柱１とこの外筒４とが、前記ホルダーより
前記ベルトプーリ２中心に挿通した枢軸３を介し
て前記支柱１が肢裏側にのみ回動自在となるよう
連結されている。

そして前記ベルトプーリ２には所定長さのベル
ト２１を掛けて、そのベルト２１の肢表側に垂ら
した端部は鋲着により固定され、肢裏側は垂らし
た状態のまま置く。

また前記外筒４内には下部よりピストン筒５を
差込み、そのピストン筒５の肢裏側上部には前記
肢裏側に垂下されたベルト２１をベルトプーリ２
の溝へ押付けるための制止板５１を一体的に固着
してある。

そしてさらにピストン筒５の外側には上下位置
可調節の止めリング４３を装着して、その止めリ
ング４３と前記外筒４との段差部間にコイルバネ
４２を介着して、本考案のベルトによる膝制御式
モジユラー義足は構成される。

［考案の作用並びに効果］ 上記構造の結果として、歩行中の遊脚時には、
コイルバネ４２が外筒４を押し上げてフリー関節
回転となり、足部が着地すると同時にブレーキが
働いて、荷重度に応じて膝折れ防止の制動パワー
が増大される。この場合ベルトプーリ２は二条溝
で夫々にベルト２１が掛けられていることも制動
効果の増大につながる。またリング４３の位置調
節により適正なバネコントロールが行える。

この考案の最大の特長は、外筒４とピストン筒
５のスライドを原理としたストレート伝達方式の
ブレーキ構造にあり、コイルスプリング４２が荷
重コントロールとシヨツクアブソーバとして有効
に働くために楽な歩行と膝折れ防止の安全性に優
れ、特に体重負荷の床からの応力即ち床反力がピ
ストン運動によつてストレートに伝達されるもの
としたから、強力な制動パワーが得られ、膝屈曲
角度に対する制動範囲がより拡大される。

出願人の実験結果で、制動100％の範囲が、先
登録技術においては10゜〜40゜に対し、本考案にお
いては10゜〜50゜（10度角増大）、50゜〜60゜が制動80
％であることが確証され、階段交互昇降可能範囲
の理想値に近づけることができた。

本考案によれば、従来の義足にみられない機能
を発揮し、社会復帰と生活作業能力をさらに向上
させることができるものとしてまことに有益であ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
一部切欠斜視図である。 １……上肢継ぎ支柱、２……ベルトプーリ、２
１……ベルト、３……枢軸、４……外筒、４２…
…コイルバネ、４３……止めリング、５……ピス
トン筒、５１……制止板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 肢裏側に二条溝のベルトプーリ２を配した上肢
   継ぎ支柱１と、その支柱１の肢表側縁を載置する
   とともに前記ベルトプーリ２を両面から挟むホル
   ダーを上方へ突設した外筒４とが、前記ホルダー
   より前記ベルトプーリ２中心に挿通した枢軸３を
   介して前記支柱１が肢裏側にのみ回動自在となる
   よう連結され、前記ベルトプーリ２には所定長さ
   のベルト２１を掛けて、そのベルト２１の肢表側
   に垂らした端部は固定され、肢裏側は垂らした状
   態のまま置き、前記外筒４内には下部よりピスト
   ン筒５を差込み、そのピストン筒５の肢裏側上部
   には前記肢裏側に垂下されたベルト２１をベルト
   プーリ２の溝へ押付けるための制止板５１を一体
   的に固着し、さらにそのピストン筒５の外側には
   上下位置可調節の止めリング４３を装着してその
   止めリング４３と前記外筒４との段差部間にコイ
   ルバネ４２を介着したことを特徴とするベルトに
   よる膝制御式モジユラー義足。