JPH023342Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は人形ケースの改良に関する。

［従来の技術及びその問題点］ 従来、内裏雛や親王雛などの人形を飾るケース
は、枠組みされた枠にガラスを嵌め込んだ箱状の
ケースが使用され、このケースの底板上に、台板
に飾られた人形を収容している。あるいは人形が
載置された台板に、底板のないケースを上方から
覆うようにして嵌め込む、いわゆるかぶせ式のも
のが使用されている。ところが、ケース入り人形
を種々購入したり贈られたりしてその数が多くな
ると、いくつかを格納する必要にせまられる。し
かし上記のような箱状のケースでは、折り畳むこ
とができずかさばるため場所をとり、また子供な
どがガラスを壊すおそれもあり、その格納場所に
困る場合がある。また、飾りつけておく場合も、
子供などがはずみでガラスを壊すなどして安全上
も問題がある。他方ケースやガラスがないと埃が
つき大切な人形の顔などが汚れるとともに人形の
豪華さが半減してしまう。またかぶせ式のケース
では、地震などの振動によりケース内の人形が倒
れた場合、その都度ケースを上方へ持ち上げ、人
形を立て直してから再び慎重にかぶせるためなか
なか面倒である。

この考案は上記事情に鑑みてなされたもので、
ケースの枠のみを折りたたみ式にしてコンパクト
に格納できるようにするとともに、使用時は枠を
組みたてビニールシートなどの透明シートで被覆
できるようにしてガラス破損のおそれをなくし、
人形が振動で倒れた場合も簡単に手を入れてなお
すことができ、しかも低コストの人形ケースを提
供することを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ この考案に係る折りたたみ式人形ケースは左右
一対の側木の両端部に上木と下木とが連結されて
方形に形成された表枠と、前記一対の側木に夫々
ヒンジ結合されて平面視して表枠面から90度開閉
する一対の側壁と、前記一対の側壁の縁部に嵌合
して前記両側壁を立設状態で一定間隔に固定する
嵌合部を有する固定具とからなり、前記一対の側
木の上部には、欄間が形成されてなる構成とした
ものである。

［実施例］ この考案の実施例を図面に基づいて説明する。
第１図から第５図はこの考案の人形ケースの実施
例を示す。第１図及び第２図に示すように人形ケ
ースＡは表枠１と、一対の側壁２，２と、固定具
３とで形成されている。前記表枠１は、木質の左
右一対の側木４，４の両端部に、木質の上木５及
び下木６を夫々接着して連結されており、さらに
前記両側木４，４の垂直方向で中央部から上方よ
りに横木７が取りつけられ、かつ上記上木５とこ
の横木７との間には水平方向中央部に額束８が垂
直方向に取り付けられて欄間９が形成されてい
る。そして、前記横木７には垂幕１０が面フアス
ナー１１により係着され着脱自在に吊設されてい
る（第１図、第２図イ，ロ）。前記左右の側木４，
４には蝶番１２により木質の板材からなる方形の
側壁２，２が夫々ヒンシジ結合されている。そし
て、前記蝶番１２は第２図ロ，ニ及び第３図に示
すように、側木４の内側面４ａと側壁２の内側面
２ａに夫々取付けられかつ側木４の外側面と側壁
２の外側面とは面一になるように取りつけられて
おり側壁２，２は表枠１面から90度開閉できるよ
うに形成されている。更に第１図及び第２図ロに
示すように、表枠１の側木４，４に取り付けられ
た側壁２，２は、その上縁部２ｂ，２ｂに、側壁
２，２を表枠１面から90度開き互いに平行にして
立設された状態即ち平面視してコ字状で、木質枠
材からなる固定具３が横架されて、固定されるよ
うになつている。固定具３の両端部には、側壁
２，２が90度に開かれた状態で側壁２，２の上縁
部２ｂ，２ｂを着脱自在に嵌合するための切りこ
まれた嵌合部３ａ，３ａが形成されている（第４
図）。そして第１図に示すように、この折りたた
み式人形ケースＡを使用する場合は、人形を載置
した台板と例えば人形の背面に立設した屏風とを
ケースＡ内に配置し、このケースＡの上面及び周
面をビニールシートなどからなる透明シート１３
で被覆する（第１図）。この透明シート１３は第
５図に示すようにケースＡの上面を被覆する部分
とケースＡの４側面を被覆する４つの垂片１３
ａ・・・とが一体成形されて、展開状態で十字形
状に形成されている。そしてこの垂片１３ａの各
側縁部に、ケースＡを被覆した場合に互いに隣接
する各側縁部を係合するためのフツクボタン１３
ｂを取り付けてもよい。

上記実施例の折りたたみ式人形ケースによる
と、固定具３をはずし側壁２を簡単に折りたたむ
ことができコンパクトになるので格納するにも場
所をとらずどこにでも格納することができる。ま
た表枠１には欄間９が形成され、更に垂幕１０が
吊設されているので人形及び人形ケースの豪華さ
が表現される。また垂幕１０を適宜取り換えて雰
囲気を変えることもできる。また欄間９は人形ケ
ースＡの補強材となり、更に固定具３により側壁
２，２が一定間隔に固定されるので更に人形ケー
スＡの堅牢さが増す。また側木３の外側面と側壁
２の外側面とは面一に取りつけられているため、
すつきりとして見ばえがよい。また人形ケースＡ
にはガラスが使用されていないため子供などがガ
ラスを破損して怪我などをする心配もなく、透明
シート１３を使用しているのでケース内の人形も
ガラスを同じように見ることができ、埃もつかな
いため人形の顔などが汚れることがない。また通
常のケースに比べ材料が少なくビニールシートな
どを使用するのでコストも安くなる。

次に上記実施例の変形例について説明する。上
記実施例では側壁２に板材を使用したが、この変
形例は第６図に示すように、表枠１と同じように
左右一対の側木２１，２１の両端部に上木５１と
下木６１とが方形に連結され、かつ側木２１，２
１の上方に表枠１と同じ形状の欄間９０が形成さ
れた側壁２０，２０を表枠の側木４，４に蝶番に
よりヒンジ結合されるものである。この変形例に
おいても前記の透明シート１３を被覆する。

この変形例によると側壁２０の面からも人形が
よくみえ、しかも側壁２０にも欄間９０が設けら
れているので人形やケースに豪華さが更に増すこ
とになる。その他の効果は前記の実施例と同様で
ある。

なお上述の実施例では側木等に木質の材料を用
いたが、合成樹脂等でもよい。また側木等の連結
に接着剤による接着方法をとつたがこれに限られ
るものではない。また固定具３の固定場所も側壁
２の上縁だけでなく側壁２の側縁部に切り込みを
設けて固定具３を嵌合するようにしてもよい。ま
た欄間の形状も実施例のものに限られるものでは
なく、例えば模様を切り抜いた板材を上木５と横
木７の間に嵌合して取り付けるようにしてもよ
い。

［考案の効果］ この考案に係る折りたたみ式人形ケースは左右
一対の側木の両端部に上木と下木とが連結されて
方形に形成された表枠と、前記一対の側木に夫々
ヒンジ結合されて平面視して表枠面から90度開閉
する一対の側壁と、前記一対の側壁の縁部に嵌合
して前記両側壁を立設状態で一定間隔に固定する
嵌合部を有する固定具とからなり、前記一対の側
木の上部には、欄間が形成されてなる構成とした
ので簡単で、かつコンパクトに折りたたむことが
できるのでどこにでも格納でき、場所をとらな
い。またガラスが使用されていないので破損する
などの心配もない。またケース内に簡単に手を入
れられるので人形が倒れてもすぐに立て直すこと
ができ、いちいち、ケースを持ち上げたり、また
慎重にかぶせる手間がいらず便利である。また表
枠には欄間が設けられているので折りたたみ式に
も抱らず豪華さがあり、また構造が簡単なため材
料が少なくてすみコストダウンが図かれるなどの
効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図から第５図は、この考案の実施例を示す
図面で、第１図はこの折りたたみ式人形ケースの
使用状態を示す斜視図、第２図のイはこの人形ケ
ースの正面図、ロは平面図、ハは左側面図、ニは
背面図、第３図は蝶番取り付け部分の拡大図、第
４図は固定具３の正面図、第５図は透明シート１
３の展開図、第６図は側壁の変形例の右側面図で
ある。 Ａ……人形ケース、１……表枠、２……側壁、
３……固定具、３ａ……嵌合部、４……側木、５
……上木、６……下木、９……欄間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右一対の側木の両端部に上木と下木とが連結
   されて方形に形成された表枠と、前記一対の側木
   に夫々ヒンジ結合されて平面視して表枠面から90
   度開閉する一対の側壁と、前記一対の側壁の縁部
   に嵌合して前記両側壁を立設状態で一定間隔に固
   定する嵌合部を有する固定具とからなり、前記一
   対の側木の上部には、欄間が形成されてなる折り
   たたみ式人形ケース。