JPH023339Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案の産業上における利用分野は、寝具、
座ぶとん、ソフアー、椅子等のクツシヨン部分に
使用するクツシヨン材に関するものである。

まずこの考案が解決しようとする問題点を説明
する。

従来におけるこの種のクツシヨン材は、実公昭
55−40052に示すように、多数の小突起を形出し
たカマボコ形のブロツク凸面同士を、相互間に通
気路を介在させて、密接することなく長手方向に
並列体系のもとに配置する態様により一連のシー
ト成形体に構成されている。従つて次のような問
題があつた。

(1) 上記により各小突起の長手方向に対する高さ
が一様化されて変化の程度が少ないため、複雑
な人体曲面に有効な指圧効果を与えることが困
難であつた。

(2) また各カマボコ形のブロツク凸面を長手方向
に並列体系のもとに配置して各列間毎には長尺
な直状溝が形出されているため、通気性が良過
ぎて冬期の使用時には寒さを感じる。

(3) 上記の直状溝により長手方向に平行する側に
強靭性が得られないので、この側に強度を必要
とする寝具等には不向きであつた。

この考案は、シート成形体の表面に複数稜線の
結合による十字形ブロツク凸面とＨ字形ブロツク
凸面とを、その各外郭の密着による隣接態に配置
して双方の外郭低部により屈折した通気路を形出
し、上記両ブロツク凸面の各稜線を跨ぐ左右位置
の表面部にはその各稜線を超える高さの小突起を
隣接状に形出するとともに、各稜線上の表面部に
は上記の小突起を超える高さの小突起を間隔的に
形出する態様をもつて一体成形することにより、
上記の問題点を解決するものである。

以下、この考案の実施例を添付図面に基づいて
説明する。

第１図および第２図において、１は硬質または
半硬質の材料製によるシート成形体であり、この
材料としては可塑性発泡プラスチツク材料を用い
ることができる。例えば高密度ポリエチレンの発
泡体が好適である。上記のシート成形体１は金型
をもつて次に示す十字形ブロツク凸面２、Ｈ字形
ブロツク凸面３、小突起４、小突起５の各要部に
より一体的に成形されている。

まず上記要部の一方の主体となる十字形ブロツ
ク凸面２は、第３図および第４図に示すように、
４体のほぼカマボコ形による凸面体を、その各一
端を三角凸状にして十字形に結合した状態により
一括体に形成されている。上記ブロツク凸面２の
縦横方向の各中央帯には十字形の稜線Ａが位置す
ることなる。この十字形の中央帯と各端部の稜線
Ａを跨ぐ左右位置の表面部には上記の稜線Ａを超
える高さの小突起４がその位置毎に隣接状に形出
されている。またこの各小突起４間にあたる稜線
Ａ上の表面部には上記の小突起４を超える高さの
小突起５が間隔的に形出されている。

次に前記した要部の他方の主体となるＨ字形ブ
ロツク凸面３は、第５図から第７図までに示すよ
うに、長短３体のほぼカマボコ形による凸面体
を、平行状に配置した長尺な２体の凸面体間の中
央帯に短尺な１体の凸面体を直交状に配置してＨ
字形に結合した状態により一括体に形成されてい
る。上記ブロツク凸面３の縦横方向の各中央帯に
はＨ字形の稜線Ａが位置することになる。このＨ
字形の中間帯と各端部の稜線Ａを跨ぐ左右位置の
表面部には上記の稜線Ａを超える高さの小突起４
がその位置毎に隣接状に形出されている。またこ
の各小突起４間にあたる稜線Ａ上の表面部には上
記の小突起４を超える高さの小突起５が間隔的に
形出されている。

さらに前記した一方の十字形ブロツク凸面２と
他方のＨ字形ブロツク凸面３とを、その各外郭の
密着による隣接態に配置して、相互間には双方の
外郭低部による通気路６が屈折した連通体のもと
に形出されている。上記による十字形ブロツク凸
面２とＨ字形ブロツク凸面３とは、縦横方向への
交互配置の順列組合せをもつて凹凸による一連面
状のシート成形体１に構成されている。

上記によるシート成形体１の裏面には軟質で弾
力性のある材料をもつて成形された芯材７が、接
着等の手段により貼着されている。上記芯材７の
材料は、例えばウレタンフオーム等が用いられて
いる。この場合シート成形体１の裏面と上記芯材
７間にはクラフト紙等の補強シート（図示せず）
を介在させることもできる。

なお前記した十字形ブロツク凸面２、Ｈ字形ブ
ロツク凸面３の裏面側にはシート成形体１の全域
断面をほぼ均等の厚みにするために、シート成形
体１の底面部からその位置毎の十字形、Ｈ字形に
よる各稜線Ａに向けて深さを持つ図示しない十字
形凹部、Ｈ字形凹部等を設けることもある。

以上この考案の実施例について説明したが、こ
の考案は上記の実施例に限定されることなく、考
案の精神を逸脱しない範囲において適宜に改変す
ることができる。例えば上記した実施例における
シート成形体１中の各小突起４，５内に磁石等を
埋設することにより、寝具における健康増進の能
力がさらに倍加される等の効果を付加できるもの
である。

この考案の効果は次のとおりである。

十字形ブロツク凸面２とＨ字形ブロツク凸面
３とが縦方向および横方向に交互に連続状に配
置されて、隣接するカマボコ形の凸面体同士が
互いに直角方向に配置されているので、クツシ
ヨン材は縦横いずれの方向にも均質な強靭性を
有している。

カマボコ形の凸面体が縦横両方向に交互に連
続状に配置されていて、多数のカマボコ形の表
面により変化に富んだ曲面が規制的に現出され
ているので、複雑な曲面を有する人体の重量を
満遍なく支えることができ、使用者に底づき感
を与えるこをなく深い睡眠をもたらす。

稜線Ａをまたぐ左右位置の表面部に形成され
た小突起４，４，…の高さは稜線Ａを超え、そ
して、稜線Ａ上の表面部に形成された小突起
５，５，…の高さは小突起４，４，…の高さを
超えており、そのような小突起群がカマボコ形
の変化に富んだ曲面上に散在しているので、小
突起が複雑な人体曲面に満遍なく接して人体に
満遍なく指圧効果を与えることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案によるクツシヨン材を示す平
面図、第２図は第１図の−線における要部の
縦断面図、第３図は同要部の一方の主体となる十
字形ブロツク凸面の単体平面図、第４図は第３図
の矢視による詳細図、第５図は同要部の他方の
主体となるＨ字形ブロツク凸面の単体平面図、第
６図は第５図の矢視による詳細図、第７図は同
矢視による詳細図である。 １……シート成形体、２……十字形ブロツク凸
面、３……Ｈ字形ブロツク凸面、４，５……小突
起、６……通気路、７……芯材、Ａ……稜線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ほぼカマボコ形の４個の凸面体から成る十字形
   ブロツク凸面２と、ほぼカマボコ形の３個の凸面
   体から成るＨ字形ブロツク凸面３とを、縦方向お
   よび横方向に交互に連続状に配置してシート成形
   体１を構成し、カマボコ形の稜線Ａをまたぐ左右
   位置の表面部に稜線Ａを超える高さの小突起４，
   ４，…を形成し、稜線Ａ上の表面部に前記小突起
   ４，４，…を超える高さの小突起５，５，…を形
   成する態様をもつて硬質または半硬質の弾性素材
   により一体成形したことを特徴とするクツシヨン
   材。