JPH0233215Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は蔓を蟀谷に当てて着用する眼鏡の改良
に関する。

〔従来の技術及びその問題点〕

従来より蔓を蟀谷に当てて着用する眼鏡があ
る。この眼鏡は美容院に於て、被り型ドライヤー
を使用しているとき等、通常の耳掛け式眼鏡の着
用に支障のある場合でも、前記蟀谷係止式の眼鏡
を着用して雑誌などを見ることが出来便利であ
る。

しかし蟀谷係止式の眼鏡を美容院に具え付けて
おいても、不特定の人が使用するので、顔幅の相
違によつて着用し難いことがあり、蔓が蟀谷を強
く押すと長時間の使用に耐えることは出来ない。

耳掛け式の眼鏡に一部実施されている様にレン
ズ枠間を繁ぐブリツジを伸縮自由な構造とし、蔓
の間隔を顔幅に合わせる様にすれば前記問題は解
決されると思われる。

しかし、耳掛け式眼鏡と違つて蟀谷係止式の眼
鏡は、蟀谷で蔓を突張つて着用するため着用時の
蔓には外方向に比較的強い力が加わつており、両
方の蔓からほぼ同じ距離だけ離れたブリツジには
ブリツジを両側に引つ張る力が作用し、伸縮可能
なブリツジを採用した場合、ブリツジの長さを最
適に調節しても、着用すれば直ちにブリツジが伸
びて眼鏡がずり落る問題がある。

更にブリツジが伸縮する構造の眼鏡はブリツジ
長さの調節量に応じてレンズの中心間距離が変わ
るため、伸縮させれば眼とレンズの位置がずれて
着用し難いことがある。レンズ枠に対し蔓の取付
部が外側にスライド可能な構成を採用し、蔓の間
隔を調整した後、ビスにて固定する眼鏡も提案さ
れている（実開昭55−60113号）。

しかしこの場合、ビス孔の位置によつて蔓の間
隔は３段階に調節できるだけあつて、微妙な間隔
調整はできない。

短い蔓を蟀谷に当てて使用する眼鏡の場合、着
用者の蟀谷の間隔に合わせて蔓の間隔を微妙に調
節することが必要であり、この蔓の微妙な間隔調
整ができないときは、美容院での２〜３時間の着
用に耐えられない程に蟀谷に痛みを感じ或は直ち
にずれ落ちる等の問題が生じる。

本考案はレンズ枠間の距離を変えることなく、
蔓の間隔を無段階に調節可能とすることにより、
前記問題を一挙に解決できる眼鏡を明らかにする
ものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案の眼鏡は、蔓２，２が短く形成され蔓の
先端を蟀谷に当てて着用する眼鏡において、両レ
ンズ枠１，１の外端に中空扁平体のガイド片３，
３を突設し、金属線を略Ｕ字状に屈曲して形成し
たバネ作用を有するスライド部材４，４を屈曲部
４２を内側にして前記ガイド片３に緊密に摺動可
能に嵌め、各スライド部材４，４の外端に蔓２，
２を連繋し、ガイド片３又はスライド部材４自体
にスライド部材４の抜止めを画るストツパーを設
けている。

〔作用及び効果〕

顔幅に合う様にスライド部材４，４をスライド
させて蔓２，２の間隔を調節する。

着用中、蔓２が蟀谷に当つて蔓に外向きの力が
加わつていても、蔓の基端に連結されたスライド
部材４にはガイド片３に対してスライド方向より
も該方向とは直交する方向に大なる力が作用し、
スライド部材４がガイド片３内を摺動することは
なく、安定した状態で着用出来る。

更に、レンズ枠間の距離は変化せず、従来の様
にレンズ枠間の移動によつて眼とレンズの位置が
合わなくなる不都合は生じない。

前記の如く、短い蔓を蟀谷に当てて使用する眼
鏡の場合、着用者の蟀谷の間隔に合わせて蔓の間
隔を微妙に調節することが必要である。この蔓の
微妙な間隔調整ができないと、着用に耐えられな
い程に蟀谷に痛みを感じ或はすぐにずれ落ちる等
の問題が生じるが、本願は蔓の間隔を無段階に調
節できるから、着用者が変る都度着用の蟀谷の間
隔に合わせて蔓の間隔を最適に調節して快適に使
用できる。

更に、スライド部材４は金属線を略Ｕ字状に屈
曲して形成されバネ作用を有しており、扁平筒状
ガイド片３に緊密に摺動可能に嵌まつているた
め、スイド部材４とガイド片３との間にガタつき
はなく、蔓の微妙な間隔調整が自在に利き、又、
不用意に蔓の間隔が開くことを防止できる。

〔実施例〕

第１図、第２図の如く、両レンズ枠１，１の外
端上部寄りに横長さ約９mm、高さ約４mmのガイド
片３，３を外向きに突設する。

ガイド片３，３には横方向に扁平貫通孔３１が
開設され、該孔３１にスライド部材４が摺動可能
に嵌まる。

スライド部材４は金属線４１を略Ｕ字状に屈曲
して形成され、屈曲部４２を内側にし金属線４１
の両端をガイド片３の貫通孔３１に嵌めて外側へ
臨出させている。

金属線４１はバネ作用により常時両端が上下に
開き気味であつて孔３１の上下内面に密接してい
る。

ガイド片３の内面に孔３１に達するビスにて形
成されたストツパー５が螺合され、金属線４１の
屈曲部４２が該ビスにて形成されたストツパー５
に当つて抜止め４３となる。

上記スライド部材４の外端にヒンジ６を介して
蔓２が接続される。

蔓は全長約55mmで先端に合成樹脂製の円形当り
片２１を突設している。

尚、本考案の実施において、スライド部材４の
内側臨出端を屈曲して、スライド部材の抜止めを
画るストツパーとなすことができる。

然して、スライド部材４，４をスライドさせる
ことにより蔓２，２の間隔を自由に調節出来る。

又、着用時、蔓２が蟀谷７に当つて外側に開く
力が作用しても、蔓２の基端に連結されたスライ
ド部材４にはガイド片３に対してスライド方向よ
りも該方向と直交する方向に大なる力が作用し、
着用中スライド部材４が外側に移動することはな
く、安定した状態で着用出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は眼鏡の要部斜面図、第２図は着用状態
の斜面図、第３図は第１図−線に沿う断面図
である。 １……レンズ枠、２……蔓、３……ガイド片、
４……スライド部材、４３……抜止め。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 蔓２，２が短く形成され蔓の先端を蟀谷に当て
   て着用する眼鏡において、両レンズ枠１，１の外
   端に中空扁平体のガイド片３，３を突設し、金属
   線を略Ｕ字状に屈曲して形成したバネ作用を有す
   るスライド部材４，４を屈曲部４２を内側にして
   前記ガイド片３に緊密に摺動可能に嵌め、各スラ
   イド部材４，４の外端に蔓２，２を連繋し、ガイ
   ド片３又はスライド部材４自体にスライド部材４
   の抜止めを画るストツパーを設けた眼鏡。