JPH0232871Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はコンクリートポンプなどの往復動ポン
プに装備する油圧回路に関するものである。

〔従来の技術〕

往復動ポンプ、例えばピストン往復動ポンプは
第２図に示すように２本のコンクリートシリンダ
ａ，ｂのピストンｃ，ｄに油圧シリンダｅ，ｆの
ピストンロツドｇ，ｈを連結し、油圧シリンダ
ｅ，ｆの例えばロツド側に密封流路ｉを設け、ヘ
ツド側の油圧室を切換弁ｊを介して油圧ポンプｋ
およびタンクｌに連通し、油圧ピストンｇ，ｈが
伸長側ストロークエンドに達する度に切換弁ｊが
切換るようにし、ヘツド側に作動油を出し入れし
て油圧ピストンｇ，ｈを交互に往復動させ、コン
クリートシリンダ１，２によりコンクリートホツ
パー（図示せず）内のコンクリートを交互に吸
入、吐出する仕組みである。

現在、上記コンクリートポンプにおいては、油
圧シリンダのストロークエンドにおける油圧ピス
トン衝突による衝撃を緩和し、静かで振動の少な
いコンクリートポンプに改良すること、およびピ
ストンのストロークをロングとシヨートに使い分
けることのできるコンクリートポンプに改良する
ことが望まれている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案は上記要望に応えるべくなしたもので、
ピストンの衝突音が小さく、低振動で、しかもス
トロークを作業状況に応じロングとシヨートに使
い分けることを可能にする。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、複列に配した油圧シリンダの一方の
同側の油圧室相互間を油量調整可能な密封流路に
より連絡し他方の同側油圧室に作動油を出し入れ
して油圧ピストンを交互に往復動させる往復動ポ
ンプにおいて、油圧ピストンが伸長側ストローク
エンドに近づいたときヘツド側油圧室をロツド側
油圧室に連通する緩衝用流路を設け、該緩衝用流
路に、ストツプ弁と、ヘツド側からロツド側への
作動油の流れは許すがその反対方向の作動油の流
れは阻止するチエツク弁を設け、油圧ピストンが
短縮側ストロークエンドに近づいたときロツド側
油圧室をヘツド側油圧室に連通する流路を設け、
該流路に、ロツド側からヘツド側への作動油の流
れは許すがその反対方向の作動油の流れは阻止す
るチエツク弁を設け、更に油圧シリンダのロツド
側端部に設けた環状のピストンストツパの内周面
に微少の隙間を有して嵌合し得る突部を油圧ピス
トンに設け、伸長側ストロークエンドの油圧ピス
トンとピストンストツパとの間をロツド側油圧室
に連通するバイパス流路を設け、該バイパス流路
の途中に、ヘツド側への作動油の流れは許すがそ
の反対方向への作動油の流れは阻止するチエツク
弁を設けた構成を有する。

〔作用〕

油圧ピストンが伸長側ストロークエンドに近づ
くと、該油圧ピストンのヘツド側の油圧室とロツ
ド側の油圧室とが互に連通し油圧ピストン両面の
油圧がバランスし油圧ピストンを減速させる。シ
ヨートストローク運転を行うに際しては、密封流
路側の作動油を減少せしめると共にストツプ弁を
閉じた状態とし、伸長作動時には、ピストンスト
ツパと油圧ピストンの突部との嵌合時に於ける作
動油の抵抗により油圧ピストンを制動せしめ、短
縮作動開始時には、バイパス流路を介して伸長側
ストロークエンドの油圧ピストンとピストンスト
ツパ間に、密封流路側のロツド側油圧室から作動
油が流入し、油圧ピストンの制動が解かれる。
又、前記ストツパ弁を閉じたことにより、伸長側
ストロークエンドにおける上記緩衝用流路を介し
ての密封流路への作動油の流入あるいは密封流路
からの作動油の流出を防止し、密封流路の油量を
一定に保つ。

〔実施例〕

以下本考案の実施例を図面に基づき説明する。

第１図は本考案について示すもので、コンクリ
ートシリンダを駆動するため複列に配した油圧シ
リンダ１，２のロツド側の油圧室３，４相互間を
密封流路７により連絡し、該密封流路７および上
記油圧室３，４内に作動油を充填し、ヘツド側の
油圧室５，６と油圧ポンプ８およびタンク９との
間に設けた切換弁１０の操作によりヘツド側の油
圧室５，６に作動油を出し入れして油圧ピストン
１１，１２を交互に往復動させる構成において、
油圧ピストン１１，１２が伸長側ストロークエン
ドに近づいたときヘツド側の油圧室５，６をロツ
ド側の油圧室３，４に連通する流路１３，１４を
設け、該流路１３，１４、ストツプ弁１５，１６
と、ヘツド側からロツド側への作動油の流れは許
すがその反対方向の作動油の流れは阻止するチエ
ツク弁１７，１８を設け、また油圧ピストン１
１，１２が短縮側ストロークエンドに近づいたと
きロツド側の油圧室３，４をヘツド側の油圧室
５，６に連通する流路１９，２０を設け、該流路
１９，２０に、上記とは逆にロツド側からヘツド
側への作動油の流れは許すがその反対方向の作動
油の流れは阻止するチエツク弁２１，２２を設け
ておく。

さらに、油圧シリンダ１，２のロツド側端部に
設けた環状のピストンストツパ２３の内周面に微
少の隙間を有して嵌合し得る突部２４を油圧ピス
トン１１，１２に設けておき、油圧ピストン１
１，１２が伸長側ストロークエンドに達する直前
で油圧ピストン１１，１２とピストンストツパ２
３との間に閉じ込められた作動油が突部２４とピ
ストンストツパ２３との間から圧力により流出す
るときの抵抗を利用して油圧ピストン１１，１２
を制動するようにし、かつ短縮作動開始時にこの
油圧ピストン１１，１２に対する制動を解くため
伸長側ストロークエンドの油圧ピストン１１，１
２とピストンストツパ２３との間をロツド側の油
圧室３，４に連通するバイパス流路２５，２６を
設け、該バイパス流路２５，２６の途中に、ヘツ
ド側への作動油の流れは許すがその反対方向への
作動油の流れは阻止するチエツク弁２７，２８を
設ける。

上記構成において、ロングストロークでピスト
ンを往復動させる場合は、各ストツプ弁１５，１
６を開いておき、切換弁１０を操作し、油圧ピス
トン１１，１２を交互に往復動させる。いま、一
方の油圧ピストン１２が伸長側ストロークエンド
に近づくと、流路１４を介してヘツド側の油圧室
６がロツド側の油圧室４に連通し油圧ピストン１
２両面の圧力がバランスし油圧ピストン１２は減
速する。上記一方の油圧ピストン１２が伸長側ス
トロークエンドに達すると、他方の油圧ピストン
１１は短縮側のストロークエンドに達し、流路１
９を介してロツド側の油圧室３がヘツド側の油圧
室５に連通するので、上記一方の油圧ピストン１
２が伸長側ストロークエンドに近づいた際、流路
１４を介して密閉流路７に流入した分は、流路１
９を経てタンク側に流出し、密封流路７側の油量
は一定に保たれる。

ロングストロークからシヨートストロークに切
り換えるときは、密封流路７側の作動油を少なく
し、各ストツプ弁１５，１６を閉じる。尚、スト
ロークを変更する際は、密封流路７内の油量を調
整することで実施でき、このような方式は種々実
施されていることであるので（例えば特公昭48−
38671号公報参照）、詳細は省略する。シヨートス
トローク運転の場合は、一方の油圧ピストン１１
または１２がピストンストツパ２３に当接したと
き他方の油圧ピストン１２または１１は流路１
９，２０のロツド側開口位置２９の手前で停止
し、ここが短縮側ストロークエンドとなるから、
もしストツプ弁１５，１６を開いたままではワン
ストロークごとに密封流路７側の油量が増え、ス
トロークが変動してしまうが、ストツプ弁１５，
１６は閉じられているから伸長側ストロークエン
ドにおいて流路１３，１４から密封流路７に作動
油が流入することはなく、一定のシヨートストロ
ークで往復動する。このシヨートストローク運転
では、ピストンストツパ２３と突部２４との組合
せによる流体抵抗を利用しての制動作用のみで油
圧ピストン１１，１２を制動し、衝撃を緩和す
る。

なお本考案は上記実施例に示したもののみに限
定されるものではなく、例えばヘツド側に密封回
路を設けるようにしてもよいこと、コンクリート
ポンプ以外の全ての往復動ポンプに組込んで使用
できること、その他本考案の要旨を逸脱しない範
囲において種々の変更を加え得ること、などは勿
論である。

〔考案の効果〕

前述したように本考案によれば、ロングストロ
ーク、シヨートストロークのいずれの運転に於い
ても、所要の緩衝効果を得ることができ、低騒
音、低振動の運転が可能となるという優れた効果
を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す回路図、第２図
はコンクリートポンプの原理図である。 １，２は油圧シリンダ、３〜６は油圧室、７は
密封流路、１１，１２は油圧ピストン、１３，１
４，１９，２０は流路、１５，１６はストツプ
弁、１７，１８，２１，２２はチエツク弁を示
す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複列に配した油圧シリンダの一方の同側油圧室
   相互間を油量調整可能な密封流路により連絡し他
   方の同側油圧室に作動油を出し入れして油圧ピス
   トンを交互に往復動させる往復動ポンプにおい
   て、油圧ピストンが伸長側ストロークエンドに近
   づいたときヘツド側油圧室をロツド側油圧室に連
   通する流路を設け、該流路に、ストツプ弁と、ヘ
   ツド側からロツド側への作動油の流れは許すがそ
   の反対方向の作動油の流れは阻止するチエツク弁
   を設け、油圧ピストンが短縮側ストロークエンド
   に近づいたときロツド側油圧室をヘツド側油圧室
   に連通する流路を設け、該流路に、ロツド側から
   ヘツド側への作動油の流れは許すがその反対方向
   の作動油の流れは阻止するチエツク弁を設け、更
   に油圧シリンダのロツド側端部に設けた環状のピ
   ストンストツパの内周面に微少の隙間を有して嵌
   合し得る突部を油圧ピストンに設け、伸長側スト
   ロークエンドの油圧ピストンとピストンストツパ
   との間をロツド側油圧室に連通するバイパス流路
   を設け、該バイパス流路の途中に、ヘツド側への
   作動油の流れは許すがその反対方向への作動油の
   流れは阻止するチエツク弁を設けたことを特徴と
   する往復動ポンプの油圧回路。