JPH0232412B2 - Shunsetsusochi - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は回転カツタ型浚渫装置、特に湖・沼の
土砂の浚渫装置に関する。

〔従来技術〕

従来より、湖や沼の土砂の浚渫は例えば回転カ
ツタ型浚渫装置が使用されている。ところが、こ
の湖や沼は往々にしてアシ等の草木が繁殖してい
ることが多く、このアシは水面下から、水面上に
のび出している。通常、アシは２〜３ｍ位に達す
る。

このようなアシが繁つた湖・沼の土砂を掘削す
るとき、このアシが浚渫用回転カツタにからみつ
き、このため土砂の掘削性が低下し、これが吸引
効果の低下となり、また運よくカツタを通過して
も吸入管を経て吸入ポンプの羽根にからみ付き、
結局、浚渫作業の停止を余儀なくされることがし
ばしば生じる。

このようなアシが繁殖している湖や沼の掘削に
あたり、該アシを小片に切断する切断装置付き浚
渫装置として特公昭50−17774号公報のものが提
案されている（第６図から第８図参照）。

このものは、船体１の先方に基端を支承したラ
ダー８と該ラダーの先端に装着した土砂掘削用カ
ツタヘツド１１とこのカツタヘツド１１を駆動す
る油圧モータ２７からなる浚渫カツタ装置を設
け、該ラダー８はＡ字型枠組立体４２をケーブル
４３を介して巻上機４４により昇降させるように
なし、前記、掘削用カツタヘツド１１により掘削
された土砂を水とともに搬出する吸込管１７と浚
渫ポンプ１５からなる吸込装置を設け、前記浚渫
カツタ装置と平行して、基端を船体１に支承した
ブーム４５と、該ブームの先端に草刈用カツタヘ
ツド２９を装着した樹木等の小片切断装置を設
け、この切断装置は油圧シリンダー１３により昇
降するようになつており、前記草刈用カツタヘツ
ド２９は盾装４６に支承した水平軸４７を中心と
して、回転可能であつて、軸方向の貫通溝孔４９
を有する直立回転切断円板４８を有し、樹木等を
小片に切断破砕し、該小片を前記溝孔４８より投
下するための該溝孔４８に隣接している小片切断
ナイフ５０を有し、前記切断円板４８は油圧モー
タ５１により回転するようになつている。

また、前記浚渫用カツタ装置及び草刈用カツタ
装置は船体１とともに該船体後部のスパツド４を
支点として水平方向に移動（図示のａ方向または
ｂ方向）するようになつている。

そして、水面下の地表からの土砂を掘削用カツ
タヘツド１１によつて掘削するとともに地表に殖
生した樹木を油圧モータ５０を駆動して切断円板
４８によつて小片に切断し、切断された小片及び
前記掘削された土砂を水とともに吸込管１７を経
て浚渫ポンプ１５により吸込み搬出して前記樹木
の除去と水面下の地面を浚渫するものである。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら、前記浚渫装置は浚渫カツタ装置
と小片切断装置を各々独立して船体１に装備した
ものであり、この点においては掘削用カツタヘツ
ド１１による土砂の掘削と草刈用カツタヘツド２
９による樹木の切断が同時に行われる利点を有す
るも、特に草刈用カツタヘツド２９の切断ナイフ
５０を有する切断円板４８はブーム４５の前端に
位置し、該ブームの基端は船体１上に支承され、
かつ該ブームは油圧シリンダー１３により揺動す
るものであり、構造が複雑となる。

しかも、土砂と小片を同時に吸い込むものであ
り、かつ切削ナイフ４８は浚渫用カツタヘツド１
１の前方にあつて該カツタヘツド１１の土砂の吸
込口とが離れているため切断された小片の吸込み
が充分とはいえないという問題がある。

本発明は前記問題点を解決するためになしたも
のであり、簡単な構造により、アシを確実に小片
に切断するとともに切断小片の吸込を効果的に行
なうことができる浚渫装置を提供することを目的
とする。

〔前記問題点を解決するための手段〕

浚渫装置において、浚渫用回転型カツタヘツド
の駆動軸に、該浚渫用回転型カツタヘツドに代え
てフード内に平行して２本の回転軸を設け、該回
転軸に多数の草刈用カツタヘツドと巻き込用羽根
を設け、かつ該回転軸を内向方向に回転駆動する
草刈カツタ用油圧モータを設けてなる草刈用カツ
タヘツドを着脱自在に取付け、前記草刈用カツタ
ヘツドの先方位置に案内板を設けたものである。

〔作用〕

浚渫用回転型カツタヘツドを草刈用として使用
する場合、浚渫用回転型カツタヘツドの駆動軸に
草刈用カツタヘツドをそのフード内に設けた２本
の回転軸が上下方向に向くよう固定する。

次いで、草刈カツタ用油圧モータを駆動して回
転軸を回転させるとともに、スパツドを支点とし
て船体、ラダー及び草刈用カツタヘツドをスイン
グさせると池等に殖生するアシは草刈用カツタヘ
ツドの進行方向の案内板により集束され、かつ内
向きに回転する多数の巻き込み用羽根により草刈
用カツタ間に巻き込まれ、該草刈用カツタより同
時に定寸法切断される。

切断された小片は吸込管の端部開口より水とと
もに吸い込まれる。

〔実施例〕

以下本発明の実施例を図面に基づいて具体的に
説明する。

第１図ないし第５図において１はポンプ式浚渫
船の船体、２は運転操作室、３は船体１の機関
室、４，４は船体１後部の支承台５，５に昇降自
在に支承したスパツドで、このスパツドは船体１
上のスパツドウインチ６，６（一方側は図示省
略）によりワイヤロープ７，７（一方側は図示省
略）を介して水底に打ち込んで船体１を定位置に
停止させるものである。８は船体１前部の凹部９
に配置したラダーで、このラダーの基端部を船体
１に支承ピン（図示省略）を介して回動自在に取
付けたものである。１１は、ラダー８の先端部に
取付けたサクシヨンヘツド１２に回転自在に取付
けた浚渫用回転カツタヘツド、１３は基部を船体
１に取付けた油圧シリンダーで、このシリンダー
のロツド１４をラダー８の適所に取付け、このシ
リンダーにより浚渫用回転カツタヘツド１１を上
下に昇降させるものである。

該ラダー８の昇降は油圧シリンダー１３に代え
て、巻上げウインチにより行うこともできる。１
５は機関室３に設けた原動機１６により駆動され
る浚渫用ポンプ、１７は浚渫用ポンプ１５の吸込
側に接続した吸込管で、この吸込管の先端部はサ
クシヨンヘツド１２に接続される。１８は浚渫用
ポンプ１５の吐出側に接続された排出管、１９，
１９は船体１上に設けたスイング用ウインチで、
このウインチのワイヤロープ２０，２０をラダー
８の側部を沿わせ、該ラダーの先端部に設けた滑
車２１，２１を介して左右方向に延出せしめ、そ
の先端にアンカー２２，２２を設けたものであ
る。

前記ラダー８の先端に設けたサクシヨンヘツド
１２は第３図に示す如くボス２３と円形端板２４
と該ボスの下部に設けた吸込口２５からなる。２
６は前記ボス２３にて回転自在に支承された駆動
軸で、該軸の一端をラダー８に設置した油圧モー
タ２７に接続する。

図示省略したが、前記軸２６の他端に浚渫用回
転型カツタヘツド１１を固定する。このカツタヘ
ツド１１の固定は例えば駆動軸２６のおねじ２８
にカツタヘツド１１のナツトをねじ込むことによ
つて行われる。

以上の構成は従来の浚渫装置の一例である。

次に、本発明の特徴的部分である草刈用カツタ
ヘツド２９の詳細を説明する。

３０は箱状のフードで、後端開口３１を円形と
なし、前記開口３２を矩形となしたものである。
３３は前記フード３０の中央にブラケツト３４を
介して設けたナツト、３５，３５は前記フード３
０内の矩形開口３２の近傍に平行にして設けた２
本の回転軸で、この回転軸にフード３０内の外側
に設けた草刈カツタ用油圧モータ３６，３６によ
りそれぞれ独立して回転させるようになつてい
る。この２本の回転軸３５，３５は互に内向きに
回転させるとともに、両軸の回転数は同一でもよ
いが好ましくは回転数を変える。例えば一方軸を
100rpmとすれば他方軸を2000rpmに設定する。
３７，３７は前記各回転軸３５，３５に適宜の間
隔で固定したのこ歯状の円板カツタで、該円板カ
ツタはほぼ対向して配設され、その外径は両軸間
距離よりわずかに小さいものである。３８，３８
は前記各回転軸３５，３５上に前記カツタ３７，
３７と近接して設けた巻き込み用円板羽根で、両
軸上の対向する円板羽根は重なり合うよう両軸間
距離より大きい直径を有し、外周に間隔の広い爪
３８′，３８′を有している。３９はフード３０の
矩形開口３２の中央部前方にあつて、かつ前記軸
と平行に設けたガイド棒、４０は前記ガイド棒の
上下方向適所に設けた案内板で、該案内板はその
基部から前方に向い左右弯曲したものである。４
１は偏向板である。

次に、この実施例の作用を述べる。

上記のように構成された浚渫装置により草刈す
る場合、浚渫用回転型カツタヘツド１１をサクシ
ヨンヘツド１２より取り外し、草刈用カツタヘツ
ド２９のナツト３３を駆動軸２６のおねじ２８に
螺合して固定するものである。

このとき、草刈用カツタヘツド２９はその回転
軸３５，３５がほぼ直立して殖生しているアシと
平行となるよう上下方向に向くよう駆動軸２６に
固定される。このセツテイングの際、該草刈用ヘ
ツド２９が上下方向に向いていないときは、油圧
モータ２７を駆動して駆動軸２６を回動し、上下
方向となるよう向き替えを行なう。

上記の状態にしたのち、油圧シリンダー１３に
よりラダー８を上下せしめて草刈用カツタヘツド
２９をアシの上下の所定位置に調節する。

次いで、草刈カツタ用油圧モータ３６を駆動し
て回転軸３５，３５を回転させるとともに原動機
１６を始動して浚渫用ポンプ１５を回転させる。

次いで、いずれか一方側の例えば、スパツド４
を打ち込んだ状態で、スイング用ウインチ１９を
駆動するとワイヤーロープ２０が巻き付けられ、
船体１とともにラダー８及び草刈用カツタヘツド
２９が該スパツド４を支点としてスイング（図示
のａ方向）し始ると、池等に殖生するアシは、草
刈用カツタヘツド２９の進行方向側の案内板４０
により集束され、かつ巻き込み用円板羽根３８に
より円板カツタ３７，３７間に巻き込み、該円板
カツタ３７，３７により同時に定寸に細かく切断
される。

切断された細片は水とともにフード３０を経て
吸引され、吸込口２５から吸込管１７に入り浚渫
用ポンプ１５を経て、排出管１８を通り排出され
る。

上記によつて所定のスイングをしたならば前記
スパツド４をスパツドウインチ６により上昇せし
め、今度は他方のスパツド４を他方のスパツドウ
インチ６を介して緩めて土中に打ち込み、他方の
スイング用ウインチ１９を駆動して逆方向（図示
のｂ方向）にスイングさせ、前記と同様の要領で
アシを切断するのである。

このとき、前記草刈用カツタヘツド２９は上下
方向位置をそのままにするかあるいは、所定量下
降させるものである。

以上の操作を繰り返し前方にあるアシを切断除
去するものである。

前記のようにアシの草刈が終了したならば前記
草刈用カツタヘツド２９を浚渫用回転型カツタヘ
ツド１１に取り替えて通常の浚渫を行なうのであ
るが、このとき、アシは除去されているから、浚
渫作業はアシがからみついたりする等の恐れがな
く円滑に行なうことができる。

〔発明の効果〕

本発明は以上のように浚渫用回転型カツタヘツ
ドに代えて草刈用カツタヘツドを駆動軸に装着す
るものであるから、草刈用カツタヘツドのみを製
作するだけで従来の如きブームや該ブーム作動用
シリンダーが不要となり、構造が著るしく簡略化
される。しかも、該草刈用カツタヘツドは吸込管
の開口（サクシヨンヘツドの吸引口）に極めて近
接しており、このことにより、切断されたアシの
小片はすばやくかつ確実に水とともに吸込まれ、
該切断小片の集収効率が極めて著大である。

さらに、両回転軸を内向き方向に回転するとと
もに巻き込み用羽根を設けたから、アシの草刈用
カツタへの巻き込みが確実に行われ、該カツタに
よる切断が効果的に行われるとともに、切断され
た小片はフードを経て直ちに吸入管に吸引され一
層吸込量が増す。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示す斜視図、第２図
は本発明の実施例における草刈用カツタヘツドの
斜視図、第３図は第２図の縦断面図、第４図は第
３図Ａ―Ａ線矢視図、第５図は第２図の横断面図
及び第６図〜第８図は従来例図である。 １……船体、４，４……スパツド、８……ラダ
ー、１１……浚渫用回転型カツタヘツド、１７…
…吸込管、２６……駆動軸、２７……油圧モー
タ、２９……草刈用カツタヘツド、３０……フー
ド、３５，３５……回転軸、３６，３６……草刈
カツタ用油圧モータ、３７，３７……草刈用カツ
タ、３８，３８……巻き込み用円板羽根、４０…
…案内板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 船体の一端にラダーを備え、他端にスパツド
   を有し、前記ラダーの先端部に、該ラダーに載置
   した油圧モータの駆動軸に浚渫用回転型カツタヘ
   ツドを着脱自在に取付け、かつ吸入管の端部を開
   口した浚渫装置において、前記駆動軸に前記浚渫
   用回転型カツタヘツドに代えて、フード内に平行
   して２本の回転軸を設け、該回転軸に多数の草刈
   用カツタと巻込用羽根を交互に設け、かつ該回転
   軸を内向き方向に回転する草刈用油圧モータを設
   けてなる草刈用カツタヘツドを着脱自在に取付
   け、前記草刈用カツタヘツドの先方位置に案内板
   を設けたことを特徴とする浚渫装置。